会計ニュース2020年01月31日 リースの費用配分、単一モデルを提案(2020年2月3日号・№821) ASBJ、新基準ではなく現行のリース会計基準を改正
企業会計基準委員会では、すべてのリースについて資産及び負債を認識するリース会計基準の開発を行っているが、費用配分の方法に関しては、IFRS第16号「リース」と米国会計基準(Topic842)とではその取扱いが異なっている。
IFRS第16号では、借手のリースについて、リースがファイナンス・リースであるかオペレーティング・リースであるかにかかわらず、すべてのリースを金融の提供として捉えて(使用権の取得の対価を賦払いすると捉えて)、使用権資産に係る減価償却資産及びリース負債に係る金利費用をそれぞれ認識する単一の会計処理モデルが採用されている。一方、米国会計基準(Topic842)では、従来と同じくファイナンス・リースとオペレーティング・リースに分類し、ファイナンス・リースについては減価償却費及び金利費用を別個に認識し、オペレーティング・リースについては通常均等な単一のリース費用を認識する会計処理モデル(2区分モデル)が採用されている。
企業会計基準委員会は、オペレーティング・リースの経済的な実態との整合性や適用上のコストの観点からは両者のいずれが適しているかについての優劣はつけられないとしたが、単一モデルの方が財務諸表利用者や財務諸表作成者(特にIFRS任意適用企業)からのニーズがあるとした。ただし、1月27日に開催されたリース会計専門委員会では、単一モデルを採用することに反対する意見や、現時点で決めることは時期尚早とする意見もあり、最終的なコンセンサスは得られていない。
また、IFRS第16号との整合性を図ることについては、同会計基準のすべての規定を採り入れるのではなく、主要な定めのみを採り入れる方向。その上で、比較可能性を大きく損なわせない範囲で代替的な取扱いや、経過的な措置を定めるなど、実務に配慮した方策を検討すべきとしている。
なお、リース会計基準の開発に関しては、借手と貸手で齟齬が生じないよう、借手のための新しい基準を開発するのではなく、現行のリース会計基準を改正することが適当とした。現行のリース会計基準及び適用指針は、借手・貸手の会計処理を定めているが、貸手の会計処理はIFRS及び米国会計基準でも抜本的な改正は行われていないため、基本的には現行のリース会計基準等の定めを維持することとしている。
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