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税務ニュース2023年12月01日 所得税調査の追徴税額が過去最高額(2023年12月4日号・№1005) 国税庁、消費税還付申告者へ1,122件の実地調査を実施

  • 令和4事務年度の所得税の実地調査は4万6,306件実施し、追徴税額の総額は1,368億円。調査件数は新型コロナ以前より低水準も、追徴税額は過去最高。
  • 消費税還付申告者への調査状況を初めて公表。令和4事務年度は1,122件の実地調査を実施し、このうち申告漏れ等は750件。

 国税庁は11月22日、「令和4事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」を公表した。所得税の実地調査の件数は4万6,306件と前事務年度(3万1,407件)より増加した。このうち、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行う「特別・一般調査」は3万5,751件(同2万4,067件)、資料情報や申告内容の分析の結果、申告漏れ等が見込まれる個人を対象に実地に臨場して短期間で行う「着眼調査」は1万555件(同7,340件)であった。また、原則として納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正する「簡易な接触」については、59万1,517件(同56万8,340件)となっている。同庁によると、実地調査の件数は、高額・悪質と見込まれる事案を優先した結果、前年度より増加しているものの、新型コロナ前と比較すると、依然として低水準であるとしている。一方で、追徴税額の総額は1,368億円(同1,058億円)と、平成21事務年度以降で過去最高を記録しており、新型コロナ前と比較しても増加しているとした。
 譲渡所得については、1万8,572件の調査が行われ、このうち申告漏れ等があったのは1万4,351件であった。申告漏れ所得金額は1,503億円となっている。
 個人事業者に対する消費税の実地調査は2万5,513件(前事務年度1万6,908件)と前事務年度より増加したものの、新型コロナ以前と比較すると低水準であった。一方で追徴税額の総額は396億円(同312億円)で、平成21事務年度以降で過去最高となった。また、国税庁の主要な取り組みの一つである、消費税の還付申告者への調査状況も初めて公表された。令和4事務年度においては、1,122件(同620件)の実地調査を実施しており、申告漏れ等があったのは750件(同466件)であった。なお、追徴税額の総額は14億円(同15億円)に上っている。大阪局では、輸出代行業の立場を利用した男性が、輸出販売業を装うことで、架空の免税売上及び課税仕入れを計上し消費税不正還付を行った事例を把握しており、約1億1,400万円(重加算税あり)を追徴課税している。

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