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税務ニュース2024年02月23日 相続人なき土地共有者没時の申告期限は(2024年2月26日号・№1016) 共有者の死亡及び相続財産としての残存を知った日の翌日から10月以内

  • 相続人がいない土地の共有者の一人が死亡した場合の他の共有者の相続税の申告期限は、他の共有者が「共有者の一人が亡くなったこと及び当該共有者の特別縁故者に本件共有持分が分与されず相続財産として残存していることを知った日」の翌日から10か月以内。

 相続人がいない土地の共有者の一人(X)が死亡した場合には、民法255条《持分の放棄又は共有者の死亡》の規定により、他の共有者(Y)が、Xの共有持分(本件共有持分)を取得することになる。この場合、Yは、相続税法基本通達9−12《共有持分の放棄》に基づき、本件共有持分を遺贈により取得したものとみなされるが、ここで問題となるのが、Yの相続税の申告期限だ。具体的には、Yの相続税の法定申告期限は、Yが「Xが死亡したこと及びXには相続人がいないことを知った日」の翌日から10か月以内でよいのか、ということである。
 民法上、相続人のいない者が死亡した場合の相続財産の行方に関する規定として、255条のほか958条の2《特別縁故者に対する相続財産の分与》がある。このうちどちらの規定が優先して適用されるのかが、相続税の法定申告期限を判断する上でのポイントになる。
 この問題について、最高裁は「共有者の1人が死亡し、相続人の不存在が確定し、相続債権者や受遺者に対する清算手続が終了したときは、その共有持分は、他の相続財産とともに、法958条の3(編注:現行の民法958条の2)の規定に基づく特別縁故者に対する財産分与の対象となり、右財産分与がされず、当該共有持分が承継すべき者のないまま相続財産として残存することが確定したときにはじめて、法255条により他の共有者に帰属することになると解すべき」と判示している(最高裁平成元年11月24日判決)。
 つまり、Xが死亡した場合には民法958条の2が優先適用されることから、本件共有持分はXの死亡により直ちに民法255条の規定に基づきYに帰属するのではなく、民法958条の2の規定に基づきXの特別縁故者への財産分与の対象となる。そして、当該財産分与がされず、当該共有持分が承継すべき者がいないまま相続財産として残存することが確定したときに初めて、民法255条の規定によりYに帰属することになる。
 この最高裁判例を踏まえると、Yの相続税の申告期限は、Yが「Xが亡くなったこと及びXの特別縁故者に本件共有持分が分与されず相続財産として残存していることを知った日」の翌日から10か月以内となる。

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