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資料2024年05月06日 重要資料 消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(抄)(2)(2024年5月6日号・№1026)

(編注:国税庁が令和6年4月8日に更新したQ&Aのうち、追加したQ&Aを掲載)

重要資料
消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A(抄)(2)



(複数の契約に係る適格請求書の交付の可否)

問66 当社は、複数の事業所がある顧客との間では、その事業所ごとに契約を締結し、その代金を毎月まとめて顧客に請求しています。この代金請求に関しては、従来、毎月の請求額と消費税相当額の合計を記載した請求書に、その内訳として契約ごとの本体価格と消費税相当額(端数処理済)を記載したものを送付する方法で行ってきました。
   適格請求書等保存方式の開始により、消費税の端数処理については「一の適格請求書につき、税率ごとに1回」とされたことを踏まえ、1か月分をまとめて請求するのではなく、個々の契約ごとに適格請求書を作成・交付する方法に変更しましたが、交付した適格請求書の写しとして保存すべき量が多量となることや顧客の利便性も勘案し、複数の契約に係る料金を1か月分まとめて一の適格請求書で請求する方法に改めることを検討していますが、問題ないでしょうか。また、その際に気を付けるべき点としてはどういったことがあるでしょうか。【令和6年4月追加】

【答】
 適格請求書に記載する消費税額等は、適格請求書に記載した税率ごとに合計した課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額に、一定の割合(税抜価額の場合100分の10(又は100分の8)、税込価額の場合110分の10(又は108分の8))を乗じて算出し、その算出した消費税額等に1円未満の端数が生じた場合にその端数を処理するため、適格請求書に記載する消費税額等の端数処理は一の適格請求書につき、税率ごとに1回行うこととなります(消令70の10、基通1−8−15)。
 ご質問のように、事業所ごとに締結した契約に基づき課税資産の譲渡等を行っているとしても、その課税資産の譲渡等に係る対価の額を請求書内で合計し、適格請求書の記載事項(課税資産の譲渡等に係る税抜価額又は税込価額)とすることは何ら問題ありません。
 また、ご質問の場合の適格請求書の記載例としては、例えば、以下のように課税資産の譲渡等の税込価額を合計し、その合計金額から算出した消費税額等を記載することにより、適格請求書の記載事項である消費税額等とすることができます。
 なお、契約ごとに算出した消費税額等を参考として記載することは問題ありませんが、法令で求められる適格請求書の記載事項としての消費税額等にはなりませんのでご留意ください。

(月の中途で適格請求書発行事業者となった場合の適格請求書等の交付方法)

問77−2 当社は、機械装置の貸付けを行っている免税事業者です。契約上、毎月末に使用料を受領し、領収書を発行しているところ、この度、月の中途に適格請求書発行事業者の登録を受けたのですが、どのように領収書(適格請求書)を交付すべきでしょうか。
   また、棚卸資産としての機械装置の販売やその保守点検といった役務提供も行っていますが、この場合の適格請求書の交付はどうなりますか。【令和6年4月追加】

【答】
1 資産の貸付けに係る適格請求書
 適格請求書発行事業者は、登録日以後の取引について、相手方(課税事業者に限ります。)の求めに応じて、適格請求書を交付する義務が生じます(免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間において登録を受ける場合、登録日から適格請求書発行事業者となる経過措置が設けられています(28年改正法附則44④、52、53))。詳細については、問7《免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合》をご参照ください。
 資産の賃貸借契約に基づいて支払を受ける使用料等の額(前受けに係る額を除きます。)を対価とする資産の譲渡等の時期は、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日とすることとされています。そのため、ある月の中途に適格請求書発行事業者の登録を受けた場合においても、月末にその月分の支払を受けることとしているなど、使用料等の支払を受けるべき日が登録日以後となるのであれば、その月分の使用料等の全額につき適格請求書を交付することとなります(基通9−1−20)。
(注)この場合、課税資産の譲渡等がその支払を受けるべき日に行われたこととなるため、その登録を受けた月分の使用料等については、適格請求書発行事業者の登録前の期間に係るものについて日割計算などは行わず、全額を課税売上げとして消費税の申告を行うこととなります。
 他方、前受けに係るもの(翌月分を前払で受けるようなもの)である場合には、その資産の譲渡等の時期は、原則として現実に資産の譲渡等を行った時となるため、登録日前の取引と登録日以後の取引に区分するなどの対応が必要となります(基通9−1−27)。この場合、適格請求書ではない領収書を交付し、登録通知を受け登録日が判明した後に、適格請求書となる部分を区分して交付するなどの方法によることとして差し支えありません。

※ 買手においては、領収金額の総額から適格請求書として交付を受けた金額(3月15日から31日までの分)を差し引いた金額を、3月1日から14日までの分の課税資産の譲渡等に係る対価の額として追記することにより、当該金額につき区分記載請求書等と同様の記載事項が記載された請求書等の保存があるものとして、仕入税額の一定割合(80%、50%)を仕入税額とみなして控除できる経過措置の適用を受けることができます。
2 棚卸資産の譲渡に係る適格請求書
 棚卸資産の譲渡を行った日は、その引渡しのあった日とされており、引渡しの日がいつであるかについては、例えば、出荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日、検針等により販売数量を確認した日等、当該棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じてその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち、事業者が継続して棚卸資産の譲渡等を行ったこととしている日によるものとされています(基通9−1−1、9−1−2)。
 したがって、貴社が継続して棚卸資産の譲渡等を行ったこととしている日が、登録日以後となる取引について、適格請求書を交付することとなります。

3 役務の提供に係る適格請求書
 役務の提供を行った日は、原則として、その約した役務の全部の提供を完了した日になります(基通9−1−5)。したがって、貴社の行う保守点検が完了した日が適格請求書発行事業者の登録を受けた日以後であるならば、その保守点検料等の全額につき適格請求書を交付することとなります。
(注)保守点検が完了した日が適格請求書発行事業者の登録を受けた日以後である場合、その保守点検料については、適格請求書発行事業者の登録前の期間に係るものについて日割計算などは行わず、全額を課税売上げとして消費税の申告を行うこととなります。

(従業員が立替払をした際に受領した適格簡易請求書での仕入税額控除)

問94−2 当社は、事業に必要な消耗品等を従業員が自ら購入し、その際受領した適格簡易請求書と引き換えに、当該消耗品費を支払っています。この場合、当該適格簡易請求書の宛名には「従業員名」が記載されているのですが、これをそのまま保存することで、当社は仕入税額控除を行ってもよいでしょうか。【令和6年4月追加】

【答】
 従業員が事業に必要なものとして購入した消耗品等の代金を貴社が負担する場合には、それは貴社が負担すべき費用を従業員から立替払を受けたことになります。
 原則として、本来宛名の記載を求められない適格簡易請求書であったとしても、書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称として仕入税額控除を行う事業者以外の者の氏名又は名称が記載されている場合には、当該適格簡易請求書をそのまま受領し保存したとしても、これをもって、仕入税額控除を行うことはできません。
 しかしながら、当該従業員が貴社に所属していることが明らかとなる名簿や当該名簿の記載事項に係る電磁的記録(以下「従業員名簿等」といいます。)の保存が併せて行われているのであれば、宛名に従業員名が記載された適格簡易請求書と、当該従業員名簿等の保存をもって、貴社は当該消耗品費に係る請求書等の保存要件を満たすこととして、仕入税額控除を行うこととして差し支えありません。
 なお、従業員名簿等がなく、立替払を行う者である従業員を特定できない場合には、宛名に従業員名が記載された適格簡易請求書と、従業員が作成した立替金精算書の交付を受け、その保存が必要となります。

(セミナー参加費に係る適格請求書の交付方法)

問94−3 当協会は、協会に所属する会員向けに講師を招いてセミナーを開催しています。その際の講演料はまとめて当協会が支払いますが、一定割合を協会で負担することとした上で、残りをセミナーの参加予定者数であん分して参加費として受領しています(1,000円未満の端数は切上げ)。この場合、参加者に対してどのように適格請求書を交付すればよいでしょうか。【令和6年4月追加】

【答】
1 セミナーの参加費が貴協会の課税売上げとなる場合
 原則として、貴協会が会員(参加者)に対しセミナーという役務の提供を行ったものと解されることから、貴協会においては、当該セミナーの参加者から受領した金額が課税売上げ、講演料として支払った金額が課税仕入れとなり、参加者にとっては、セミナー参加に当たって負担した金額がセミナーという役務提供の対価として課税仕入れとなるものと考えられます。
 そのため、参加者から代金を受領する際には、適格簡易請求書の記載事項を満たした領収書等の交付を行うことが考えられます(セミナー参加費について適格簡易請求書の対象となる点は、問24−2《適格簡易請求書を交付することができる事業の具体例》をご参照ください。)。
 なお、具体的な記載事項は、次のとおりです(消法57の4②)。
 ① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
 ② 課税資産の譲渡等を行った年月日
 ③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
 ④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額
 ⑤ 税率ごとに区分した消費税額等又は適用税率※
  ※「税率ごとに区分した消費税額等」と「適用税率」を両方記載することも可能です。
2 セミナーの参加費が預り金として処理される場合
 他方、貴協会と会員(参加者)との間での契約などにより、セミナー参加に当たって負担する金額が、講演料の一部負担金(立替払)であることが明らかであり、かつ、講演料の総額を超える対価を受領することがないなどの場合には、貴協会において預り金として処理することも認められるものと考えられます。
 また、その場合、参加者が負担した金額は、講演を受けるという役務提供の対価として課税仕入れに該当し、貴協会から交付を受けた講演料に係る適格請求書のコピーと立替金精算書の保存により仕入税額控除の適用を受けることが可能です。
 さらに、適格請求書のコピーが大量となるなどの事情により、コピーを交付することが困難なときは、貴協会が適格請求書を保存しておくことで、参加者は貴協会から交付を受けた立替金精算書のみの保存をもって、仕入税額控除の適用を受けることが可能です(基通11−6−2)。この場合、当該立替金精算書には、以下のイメージのとおり、課税仕入れを行う参加者が仕入税額控除の適用を受けるに当たっての必要な事項が記載されている必要があります。

【立替金精算書の記載イメージ】

 本件における立替金精算書は、適格請求書の交付対象(講演料)に係るものであるため、本来は宛名(セミナー参加者の氏名又は名称)や消費税額等及び適用税率の記載が必要となりますが、適格簡易請求書の交付が可能な事業における立替金精算書については、適格請求書が立替者(協会)において保存されることをもって、適格簡易請求書と同様、記載事項を省略する(宛名不要、消費税額等又は適用税率のいずれかで良い)こととして差し支えありません。

 なお、上記立替金精算書による対応は貴協会が適格請求書発行事業者であるかどうかは問いませんが、貴協会と講師の双方が適格請求書発行事業者である場合においては、媒介者交付特例を適用し、貴協会の名称及び登録番号を記載して、適格簡易請求書を交付することも可能です(その場合の記載事項は上記1の適格簡易請求書と同じです。また、媒介者交付特例の詳細については、問48《媒介者交付特例》をご参照ください。)。

(社員食堂での会社負担分に係る仕入税額控除)

問94−4 当社は、他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させています。例えば、従業員が1,000円分の喫食を行った場合、当社はその7割(700円)を従業員から徴収し、差額300円を負担する形で食堂を経営する当該他の事業者に対して支払を行っています。適格請求書には、課税資産の譲渡等に係る税込価額として支払を行った全額が記載されているのですが、当社はどのように仕入税額控除を行うことになるのでしょうか。なお、従業員から徴収した代金は預り金として処理しています。【令和6年4月追加】

【答】
 事業者が他の事業者が経営する食堂を社員食堂として従業員に利用させるという契約を当該他の事業者と締結し、その従業員の食事代の全部又は一部を支払っているときは、給与として課税されるかどうかにかかわらず、その金額は課税仕入れに該当し、当該他の事業者から受領した適格請求書及び一定の記載をした帳簿の保存により仕入税額控除を行うことが可能です。
 ただし、従業員から一部の代金を徴収し、預り金として処理している場合には、事業者が実際に負担した部分の金額のみが課税仕入れの対象となることから、ご質問の例であれば、喫食に係る代金の全額が記載されている適格請求書を保存していたとしても、貴社は300円を基礎として、仕入税額控除の適用を受けることとなります。
 なお、仕入控除税額の計算に当たって、積上げ計算を行う場合、受領した一の適格請求書に記載された課税資産の譲渡等に係る消費税額等のうち、課税仕入れに係る部分の金額として算出した金額に1円未満の端数が生じる場合は、受領した一の適格請求書につき、税率ごとに1回の端数処理を行う必要がありますが、その方法については切上げ、切捨て、四捨五入など、任意の方法とすることができます。

(適格請求書の記載事項に係る電磁的記録の保存方法)

問102−2 継続的な役務提供に係る課税仕入れについて、仕入先からは書面での適格請求書は交付されず、取引先が指定したホームページ上の「マイページ」等にログインし、契約ごとに電磁的記録をダウンロードすることとなっています。当社が仕入税額控除を行うには、これらの電磁的記録を毎月ダウンロードして保存する必要があるのでしょうか。なお、この電磁的記録は、7年間いつでもダウンロードして確認することが可能な状態になっています。【令和6年4月追加】

【答】
 売手である適格請求書発行事業者から適格請求書に代えて、適格請求書に係る電磁的記録による提供を受けた場合、仕入税額控除の適用を受けるためには、その電磁的記録を保存する必要があります。その際、提供を受けた電磁的記録をそのまま保存しようとするときには、電帳法に準じた方法により保存することとされています(消令50①、消規15の5)。
 この点、電帳法においては、ECサイト(インターネット上に開設された商品などを販売するウェブサイトをいいます。)で物品を購入したとき、ECサイト上の購入者の購入情報を管理するページ内において、領収書等データをダウンロードすることができる場合に、当該ECサイト上でその領収書等データの確認が随時可能な状態である場合には、必ずしもその領収書等データをダウンロードして保存していなくても差し支えないこととされています。
 こうした取扱いは、当該ECサイト提供事業者が、物品の購入者において満たすべき真実性の確保及び検索機能の確保の要件を満たしている場合に認められるものであり、また、当該領収書等データは各税法に定められた保存期間が満了するまで確認が随時可能である必要があります(その他、本取扱いに関する詳細については、国税庁ホームページに掲載されている「電子帳簿保存法一問一答」の「お問い合わせの多いご質問 電取追2」を参考としてください。)。
 これは、適格請求書に係る電磁的記録の保存においても同様であり、ご質問のように取引先が指定したホームページ上の「マイページ」等にログインすることで、上記要件を満たした形で適格請求書に係る電磁的記録の確認が随時可能な状態である場合には、必ずしも当該電磁的記録をダウンロードせずとも、その保存があるものとして、仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません。
(参考)電帳法において、例えば次のような事業者については、検索機能の確保の要件が不要とされています。
(1)税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録の提示等の求めに応じることができるようにしている場合における
 ① 判定期間に係る基準期間における売上高が5,000万円以下の事業者
 ② 電磁的記録を出力した書面を取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものを提示・提出できるようにしている事業者
(2)税務署長が相当の理由があると認め、かつ、保存義務者が税務調査等の際に、税務職員からの求めに応じ、その電磁的記録及び出力書面の提示等をすることができる場合には、その保存時に満たすべき要件にかかわらず電磁的記録の保存が可能となる措置(猶予措置)の対象となる事業者
 (注)令和5年12月31日までにやり取りした電磁的記録の場合は、基準期間の売上高が1,000万円以下であり、税務職員による質問検査権に基づく電磁的記録の提示等の求めに応じることができるようにしている場合に限り、検索要件の確保が不要となります。
  そのため、こうした事業者にあっては、取引先のホームページにおいて、検索機能の確保がなされていなかったとしても、適格請求書に係る電磁的記録の確認が随時可能な状態であれば、仕入税額控除の適用を受けることとして差し支えありません。
  なお、上記(1)②、(2)における電磁的記録を出力した書面としては、必ずしも適格請求書そのものに係る電磁的記録でなくてもよく、当該取引に係る金額や取引年月日等の情報が判別できる資料でも差し支えありません。

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