税務ニュース2024年09月27日 代表者住所非表示措置、税務への影響は(2024年9月30日号・№1045) 税務は登記制度変更の影響受けず、税務書類への住所記入は従来通り
本誌1024号「会社代表者の住所、申出あれば非表示可」でもお伝えした通り、令和6年10月1日から、登記申請と同時に申出を行うことで株式会社の代表取締役等の住所の一部を非表示とすることを可能とする「代表取締役等住所非表示措置」が施行される。同措置の適用を受ければ、登記事項証明書等における代表取締役等の住所は、最小行政区画(例:東京都〇〇区等)までしか記載されない。
税務申告書や届出書等には代表者の住所記入を要請するものが多いが、上記措置に基づく登記が行われたことにより、従来のように登記事項証明書等から代表者の正確な住所が全く確認できないケースが生じれば実務にも混乱が生じる可能性がある。そこで、住所非表示措置の税務への影響について本誌が課税当局に取材したところ、「法人登記の制度変更があったとしても、税法が改正されない限り、税務上の取扱いが影響を受けることはない」とのことだ。申告書等に記載すべき事項として代表者住所が求められているのであれば、これまでと同様、記載が必要になる。仮に住所非表示措置が講じられたとしても、現状では過去の情報等から比較的容易に住所を記載することが可能な場合が多いだろう。しかし、法人に関する税務書類作成においては、代表者住所の記載を重要性の低い項目と考える税理士等は少なくない。そのため、住所非表示措置が一般的となり、代表者の正確な住所を顧問先に確認することに労力を要するような場合、住所を記載しなくてもよいのではないかという判断をする税理士等が出てくることもあり得る。また、国税庁ウェブサイトにも掲載されている異動届の記載要領では「代表者の変更」が届出事項とされている。代表者の“住所のみ”が変更された場合への言及はないが、住所変更があった場合にも登記事項証明書等を添付して異動届を提出するという実務慣行が存在する。この場合においても同様に、住所が登記事項証明書等から正確に確認できないのであれば提出を割愛しても構わないのではないのかと考える税理士等が出てくることも予想される。税理士等の間では、住所非表示措置の施行を契機に、法人に関連する税務書類への代表者住所の記載を省略できるよう変更を望む声もある。
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