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税務ニュース2024年11月29日 社会保険料削減スキームを封じ込めも(2024年12月2日号・№1053) 厚生労働省社会保障審議会で標準賞与額上限引上げが議題に

  • 社会保険料について、標準賞与額の上限を利用し、月収を著しく低額にする一方で高額な賞与を支給することで負担総額を減少させる“社会保険料削減スキーム”を念頭に、厚生労働省社会保障審議会は標準賞与額の上限引上げを議題に挙げ、同スキームの封じ込めを検討。

 厚生労働省の社会保障審議会においては現在、社会保険料削減スキームの存在を念頭に置いた標準賞与額の上限引上げが議論されている。社会保険料削減スキームとは、健康保険・厚生年金保険料の計算上、月収については「標準報酬月額」、賞与については「標準賞与額」という、保険料の計算対象となる報酬金額の上限がそれぞれ設けられていることを利用し、年収の大半を賞与として支給することで社会保険料の年間負担総額を減らす仕組みのこと。例えば、年収1,000万円超の給与所得者の毎月の給与を標準報酬月額の最低等級に該当する著しく低い額に設定する一方で、年収残額をすべて一時の賞与とするケースも見られる。この場合、賞与のうち標準賞与額の上限(健康保険573万円、年金150万円)を超える部分については社会保険料計算の対象外となる。また、社会保険料負担は労使折半が原則であることから、法人側の負担も減少することになる。仮に対象者が役員であっても、賞与を事前確定届出給与の対象とすることで、一般的には税務上も損金算入が可能となる。このスキームについては、令和6年9月30日に開催された第183回社会保障審議会(医療保険部会)で、「最低賃金の状況も踏まえれば、標準報酬月額5.8万円等にはどういった方が該当しているのか」との疑問に対するヒアリング結果として、代表者や役員が「報酬を極端に低く設定し、高額な賞与を支給しているケースも存在する」との報告とともに、「標準賞与額の上限についてどう考えるか」という問題提起がされていた。さらに、令和6年11月21日に開催された第186回同部会では、「標準賞与額の上限に該当する者のうち標準報酬月額が30万円以下の者の人数は令和2年から令和5年の間で約1.6倍に増加」しているというデータとともに、現在も同スキームの導入企業が増加傾向にあることが示されたうえで、改めて標準賞与額の上限引上げが議題とされた。
 社会保険料削減スキームについては、役員退職給与の計算上の最終報酬月額を減少させるという問題もあり、税理士等の間では賛否が分かれている。同スキームを導入済、又は導入を検討している法人は、今後の議論の行方を注視する必要がある。

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