会計ニュース2024年12月13日 後発事象の特例見直しは当面なし(2024年12月16日号・№1055) ASBJ、まずは「後発事象に関する監査上の取扱い」の会計部分を移管へ

  • ASBJ、後発事象に関する会計基準の開発を再開も、まずは、日本公認会計士協会の「後発事象に関する監査上の取扱い」の会計に関する部分のみを移管する方針。現行の実務は変更せず。
  • 後発事象の特例的な取扱いの見直しは、関係者のコンセンサスが得られてから検討。

 企業会計基準委員会(ASBJ)は、企業会計基準諮問会議(会計基準の検討テーマなどを審議する機関)の提言を踏まえ、開発を停止していた後発事象に関する会計基準の開発を再開することを決めた(本誌1040号39頁参照)。同委員会は、移管プロジェクトの一環として「継続企業及び後発事象に関する調査研究」を公表。調査研究によれば、「継続企業」及び「後発事象」について移管することが可能と結論づけており、同委員会では、まずは会計に関する指針に相当すると考えられる記載を移管することとし、後発事象であれば、「財務諸表の公表の承認日」の概念を取り入れるとともに、修正後発事象が会社法監査における監査報告書日後に発生した場合、金融商品取引法に基づいて作成される財務諸表において修正後発事象は開示後後発事象に準じて取り扱うものとしている特例的な取扱いも検討するとしていた。
 この特例的な取扱いについては、これまでの検討では特例的な取扱いを廃止して国際的な会計基準との整合性を図るべきとの意見と、会社法と金融商品取引法の開示制度が併存する日本固有の状況を踏まえ、特例的な取扱いを存続させるべきとの意見の両論が聞かれている。
 このため、企業会計基準委員会は、後発事象に関する会計基準の開発を進めるに当たっては、まずは日本公認会計士協会が公表した監査基準報告書560実務指針第1号「後発事象に関する監査上の取扱い」で定めている内容のうち、会計に関する定めの内容を基本的にはそのまま移管し、新たな会計基準を公表するとしている。また、そのまま移管する場合であっても、会計基準に含めるか、適用指針又は実務対応報告に含めるか、制度ごとの定めの取扱い及び表現等は同委員会でこれまで公表してきた会計基準等との整合性を考慮し、現行の実務を変更しない範囲で見直した上で移管するとしている。
 次の段階では、特例的な取扱いの内容を見直すかどうかが論点となる。ただし、関係者のコンセンサスが得られる状況であればとの条件が付されている。また、他に後発事象に関する実務を変更することが考えられる論点があれば、併せて検討を行う。

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