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税務ニュース2025年01月31日 ピラー2のUTPRは“クロ”の可能性大(2025年2月3日号・№1061) トランプ大統領令 外国の課税措置に対する事実上の報復措置を視野に

  • トランプ大統領、米国との租税条約に違反する、あるいは域外適用的ないし米国企業がターゲットになる外国の課税措置(可能性を含む)の特定と米国がとるべき保護的措置の選択肢(事実上の報復)を60日以内に報告するよう求める。
  • 欧州のデジタルサービス税やピラー2の措置(特にUTPR)は“クロ”との判定を受ける可能性大。

 トランプ氏は復帰初日となる2025年1月20日、25本を超える大統領令に署名した。大統領令は議会によって取り消される等されない限り、法律と同等の効力を持つ。大統領令には「米国はOECDのグローバル・タックス・ディールから離脱するよう」財務長官等に指示する覚書(メモランダム)が含まれており、その内容に税務関係者から驚きの声が上がっている。
 第1項では、財務長官及びOECDの米国大使に、グローバル税制改革に関するバイデン政権時代の米国の約束は米国内で効力を持たないことをOECDに通知することを命じている。もっとも、これはある程度予測されていたことと言える。
 より深刻度が高いのが第2項だ。第2項は、財務長官に対し、アメリカ通商代表部(USTR)と協議の上、60日以内に①米国との租税条約に違反する、あるいは域外適用的ないし米国企業がターゲットになるような外国の課税措置(可能性を含む)の特定、②そのような措置に対応するために米国がとるべき保護的措置(protective measures)の選択肢についての調査結果及び提言を大統領に報告するよう求めている。第2項が深刻なのは、具体的であることに加え、米国の対応措置(事実上の報復)を視野に入れている点だ。欧州のデジタルサービス税、ピラー2の措置(特にUTPR)は“クロ”との判定を受ける可能性が高い。
 2か月後の大統領への報告が次のヤマ場となる。これまでのように、米国企業にとって差別的な課税という損得の問題にとどまらず、今回は米国の主権侵害、域外適用といった原則や法に基づく主張が前面に据えられており、日本にとっては今後厄介な問題となる可能性があろう。
 OECD/G20 BEPS包摂的枠組み共同議長は1月13日、ピラー1について進捗があるとの共同声明を出したが、米国の大統領令は、そのわずか1週間後にこれ以上の進展はないことを明確に示した格好となった。当面は、国際協調について新たな成果を求めるより、現状よりも事態を悪化させない方法を考えるべきと言えそうだ。

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