カートの中身空

税務ニュース2025年04月18日 中古建物の取扱いで異なる税制と補助金(2025年4月21日号・№1071) 中小企業経営強化税制は中古建物NG、補助金との併用の際は注意

  • 中小企業経営強化税制の「経営規模拡大設備」(B類型の拡充)の適用を考えている企業は、要件や対象設備(対象経費)の多くが重なる中小企業成長加速化補助金との併用も1つの方策。
  • ただし、中古建物については、補助金は対象も、税制は対象外。

 中小企業庁と中小企業基盤整備機構は4月11日、「100億企業成長ポータル」をホームページ上に開設した。同サイトでは、「100億宣言」を行った企業の宣言内容を紹介するほか、「中小企業成長加速化補助金」「経営者ネットワーク」など、100億企業への成長をサポートする施策情報などが発信される。「100億宣言」については、令和7年度税制改正で拡充された中小企業経営強化税制の「経営規模拡大設備」(B類型の拡充)の適用や、中小企業成長加速化補助金を受けるための要件の1つとなっているため(本誌1066号9頁参照)、これらの制度の適用を受けようと検討している企業にとっては必見のサイトとなっている。
 ところで、「100億宣言」の取得もそうだが、中小企業経営強化税制の「経営規模拡大設備」(B類型の拡充)と中小企業成長加速化補助金の要件については重なる部分が少なくない。例えば、両者ともに一定の賃上げが必須となっているほか、国内への投資であり、投資額が1億円以上とされている。また、税制の対象設備は、建物及びその附属設備、機械装置、工具、器具備品、ソフトウェアとなっているが、補助金の方の対象経費も建物費(建物附属設備を含む)に加え、機械装置費(器具備品及び工具を含む)、ソフトウェア費、外注費、専門家経費と税制の対象設備を網羅したものとなっている。このため、どちらかの制度の適用を考えている中小企業については、可能であれば両者の要件をそれぞれ満たすことにより、中小企業経営強化税制及び中小企業成長加速化補助金の併用を検討すべきであろう。
 ただし、気を付けなければならないのは、中古建物を取得する場合である。中小企業成長加速化補助金については、中古建物の取得に係る経費も対象となるが、中小企業経営強化税制の方は、中古建物は対象外となっているからだ。適用を検討する際には十分に留意しておいた方がよいだろう。
 なお、原則として、それぞれの制度の要件を満たせば、中小企業経営強化税制と中小企業成長加速化補助金の併用は可能だ(補助金交付の決定の可否は中小企業成長加速化補助金事務局が判断)。併用する場合は、補助金の補助額を差し引いた事業者の実負担分に税制が適用できることとなる。

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