会社法ニュース2025年04月25日 サステナ開示は基本2027年3月期から(2025年4月28日号・№1072) 欧州委員会のオムニバス法案提出による日本での議論への影響なし
金融審議会に設置された「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」の6回目の会合が4月21日に開催され、EUにおけるサステナビリティ開示に関する検討状況などについて検討が行われた。EUでは、2024会計年度から、従業員500人超の上場企業等である大会社に対し、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の適用が開始されているが、欧州委員会は、今年2月にオムニバス法案を公表。一定規模以上の非上場企業等及び上場中小企業等の適用時期を2年間延長することなどが提案されている。このため、オムニバス法案が日本での議論にどのような影響を及ぼすのか注目されていたが、今回の会合では、時価総額3兆円以上のプライム市場上場企業へのサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)の適用開始時期を2027年3月期とする従来の方針に異論はなく、このまま進めていくこととなった。
また、温室効果ガス(GHG)排出量の見積りに関する考え方についても整理が行われている。GHG排出量に関する見積りが、有価証券報告書の提出後に判明した実際の確定値と異なってしまった場合、訂正報告書を提出するか否かが問題となる。この点、訂正報告書を提出するかどうかは、一般的に事業年度末時点又は有価証券報告書の提出時点の状況で判断されるものであり、当該時点以降の事情の変更は訂正事由とならないと考えられることから、見積り情報については、有価証券報告書の提出後に見積り情報に係る確定値が判明したことをもって、訂正報告書の自発的提出が必要となるわけではないとしている。ただし、見積りの前提が合理的でなく、十分な情報に基づいていないなど、正確ではない見積りである場合には誤謬に該当する可能性があり、その場合には、その重要性に応じて、有価証券報告書の訂正が必要になるとしている。
そのほか、サステナビリティ開示に係るEDINETタクソノミの開発に関しては、サステナビリティ情報が国際的な比較可能性を強く求められていることや日本独自開示項目のタグ付けを可能にすること等を考慮し、ISSBタクソノミを取り込むことをベースに開発する方向で検討するとした。また、SSBJ基準は、国際的なベースラインであるISSB基準と同等であるとの判断のもと、金融商品取引法令に取り込むこととしており、この点にも異論はなかった。
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