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税務ニュース2025年05月23日 明細書差替えを否定、特別控除を認めず(2025年5月26日号・№1075) 措置法等所定の明細の記載がない以上、明細書添付要件は充足せず

  • 賃上げ促進税制めぐり税務調査の際に提出された新規雇用明細書を確定申告書添付の中小企業明細書と差し替えることはできないとして特別控除の適用を否定する裁決。
  • 本件は税理士が関与。税賠リスクを避けるためにも、特別控除適用のために添付が必要な明細書等の内容確認の重要性が浮き彫りに。

 請求人は、法定期限までに申告をした法人税の確定申告書に中小企業者を対象とする賃上げ促進税制(旧措置法42条の12の5②)に係る中小企業明細書(別表六(29))を添付していた。ところが、税務調査において請求人は中小企業者に該当しないことが発覚。調査担当職員から中小企業特別控除は適用できないと指摘された。そこで請求人は、中小企業者以外も対象となる賃上げ促進税制(旧措置法42条の12の5①)に係る新規雇用明細書(別表六(28))を税務署に提出した。しかし、税務署は、明細書添付要件を充足しないことから新規雇用特別控除の適用を受けることはできないと判断した。これを不服とした請求人は、中小企業特別控除でも新規雇用特別控除でも特別控除額は同じであるなどと指摘し、実地調査において新規雇用明細書を提出したことにより中小企業明細書は新規雇用明細書に差し替えられ、確定申告書に新規雇用明細書を添付したものと認められるから、新規雇用特別控除の適用要件を充足すると主張した。だが、この主張に対し国税不服審判所は、新規雇用特別控除の適用を受けるためには明細書添付要件を充足する必要があるところ確定申告書添付の中小企業明細書には中小企業特別控除に係る記載はされているが、そこに控除対象新規雇用者給与等支給額及び控除を受ける金額の計算に関する明細は記載されておらず、措置法所定の書類とは認められないことから明細書添付要件を充足せず、新規雇用特別控除の適用を受けることはできないと判断して請求人の主張を一蹴している(名裁(法)令和6年第3号)。
 本事例には税理士が関与している。税理士損害賠償請求に発展するリスクを避けるためにも、法人が中小企業者に該当するか否かという基本的ともいえる事項の確認はもとより、賃上げ促進税制など措置法の各種特例を適用するために確定申告等において添付が求められている各種明細書等の添付内容のチェックの重要性を再確認する必要があると言えそうだ。なお、令和5年財務省令第34号による税制改正により、賃上げ促進税制に係る明細書は従前の中小企業者向けとそれ以外の2つの別表から、1つの別表に統一されている。

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