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税務ニュース2025年06月13日 同族株主明細の記載巡り税理士法人勝訴(2025年6月16日号・№1078) 作成時点で持株数が係争中、会社意向による作成に義務違反を認めず

  • 株主(原告)が同族会社等の判定に関する明細書を作成した税理士法人及びその職員(被告)を訴えていた訴訟で、株主の訴え棄却。
  • 持株数は係争中で、会社の意向により明細書(原告の持株数ゼロ)を作成し、確認しなかったとしても税理士法上の義務に違反せず(東京地裁令和7年4月18日判決)。

 同族会社等の判定に関する明細書(別表二)は、法人税法上の同族会社に該当するか否かを判定するためのものであるが、発行済株式の総数や株主ごとの保有状況などといった会社の株主構成を記載する必要があることなどから、一定の場合には同族会社等の判定に関する明細書を添付する書式で株主リストを作成することもできる。本件は、A社の同族会社等の判定に関する明細書を作成した被告税理士法人及び従業員である被告職員に対してA社の株主である原告が損害賠償を求めていたものである。
 事実関係をみると、別の税理士によって行われたA社の平成27年7月期の税務申告に含まれる同族会社等の判定に関する明細書には、原告がA社の株式620株を有することが記載されていた。A社の平成28年7月期の税務申告は、被告税理士法人によって行われた。被告職員は、A社の代表取締役(原告の父)から原告の株式数をゼロとする意向を聞いていたことなどを踏まえ、同族会社等の判定に関する明細書(以下「本件明細書」)に原告の持株数をゼロと記載して法人税の税務申告を行った。その後原告は、A社を被告として原告が620株を有する株主であることの確認を求める株主権確認請求訴訟を裁判所に対して提起したところ、この訴えを認容する旨の判決が下された(判決は確定済み)。これらを踏まえ原告は、A社の税務申告を行うにあたり原告の持株数が減少する事実関係の存否について確認をすべき注意義務があるのにこれを怠り、何ら確認しないまま原告の持株数をゼロと記載した本件明細書を作成した過失があると主張して、被告税理士法人及び被告職員に対して損害賠償を求めた。この訴えに対し裁判所は、まず原告の持株数の減少に理由があるか否かはまさに株主確認の訴えに関する訴訟における争点となっており、本件明細書の作成時点で原告の持株数をゼロとして取り扱うことが事実に反するか否かは未定であったと指摘。そのような状況のもとで被告職員が委任者たるA社の意向に基づいて本件明細書を作成し、原告に株式数の減少について確認しなかったとしても、被告らの税理士法上の義務に違反するものとはいえないと判断したうえで、原告の請求を斥ける判決を下した。

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