解説記事2025年06月30日 税制改正解説 令和7年度における所得税関係の改正について(下)(2025年6月30日号・№1080)
税制改正解説
令和7年度における所得税関係の改正について(下)
内田夏美/宮本大二朗
租税特別措置法の改正
第一 金融・証券税制の改正
1 特定中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除等の改正(措法37の13等関係)
(1)改正の内容
① 令和8年1月1日以後に控除対象特定株式を払込みにより取得をした居住者等は、その年において生じた特定株式控除未済額がある場合には、その年分の確定申告書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に対し、その年の前年分の所得税額のうちその特定株式控除未済額に対応する部分の金額の還付を請求することができることとされた。
② 居住者等が、その居住者等がその年中に取得をしたその控除対象特定株式の取得に要した金額の合計額につき上記①の特例の適用を受け、所得税の還付を受けた場合において、その還付の請求の基礎となった特定株式控除未済額が生じた年の翌年以後の各年分における適用控除対象特定株式に係る同一銘柄株式1株当たりの取得価額の計算方法が定められた。
③ 居住者等が、その年中に取得をした特例控除対象特定株式の取得に要した金額の合計額につき、本特例の適用を受けた場合において、適用年の翌年1月1日(その者が適用年の中途において出国をした場合には、その出国の時)からその適用年の翌年12月31日までの間に、その適用年において取得をした特例適用控除対象特定株式の一定の譲渡をしたときにおけるその適用年の翌年以後の各年分におけるその特例適用控除対象特定株式に係る同一銘柄株式1株当たりの取得価額の計算方法が定められた。
④ 沖縄振興特別措置法に規定する指定会社について、沖縄振興特別措置法の規定に基づく指定期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係
① 上記(1)①及び②の改正は、令和8年1月1日以後に生じる特定株式控除未済額について適用される。
② 上記(1)③の改正は、個人が令和8年1月1日以後に払込みにより取得をする特例適用控除対象特定株式について適用される。
2 特定新規中小企業者がその設立の際に発行した株式の取得に要した金額の控除等の改正(措法37の13の2等関係)
(1)改正の内容
① 令和8年1月1日以後に控除対象設立特定株式を払込みにより取得をした居住者等は、その年において生じた設立特定株式控除未済額がある場合には、その年分の確定申告書の提出と同時に、納税地の所轄税務署長に対し、その年の前年分の所得税額のうちその設立特定株式控除未済額に対応する部分の金額の還付を請求することができることとされた。
② 居住者等が、その居住者等がその年中に取得をしたその控除対象設立特定株式の取得に要した金額の合計額につき上記①の特例の適用を受け、所得税の還付を受けた場合において、その還付の請求の基礎となった設立特定株式控除未済額が生じた年の翌年以後の各年分における適用控除対象設立特定株式に係る同一銘柄株式1株当たりの取得価額の計算方法が定められた。
③ 居住者等が、その年中に取得をした控除対象設立特定株式の取得に要した金額の合計額につき、本特例の適用を受けた場合において、適用年の翌年1月1日(その者が適用年の中途において出国をした場合には、その出国の時)からその適用年の翌年12月31日までの間に、その適用年において取得をした適用控除対象設立特定株式の一定の譲渡をしたときにおけるその適用年の翌年以後の各年分におけるその適用控除対象設立特定株式に係る同一銘柄株式1株当たりの取得価額の計算方法が定められた。
(2)適用関係
① 上記(1)①及び②の改正は、令和8年1月1日以後に生じる設立特定株式控除未済額について適用される。
② 上記(1)③の改正は、個人が令和8年1月1日以後に払込みにより取得をする適用控除対象設立特定株式について適用される。
3 金融機関等の受ける利子所得等に対する源泉徴収の不適用の改正(措令3の3関係)
(1)改正の内容
本特例の対象となる第一種金融商品取引業を行う者の範囲から、非上場有価証券特例仲介等業者が除外された。
(2)適用関係
金融商品取引業者等が金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(令和7年5月1日)以後に支払を受けるべき公社債の利子等について適用し、金融商品取引業者等が同日前に支払を受けるべき公社債の利子等については、従前どおりとされている。
4 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の改正(措法37の14等関係)
(1)改正の内容
① 非課税口座の再開設及び特定累積投資勘定等の再設定に関する手続の改正
イ 廃止通知の提出又は提供により非課税口座に設けられる特定累積投資勘定については、原則としてその廃止通知の提出又は提供があった日(改正前:所轄税務署長から非課税口座の開設又は特定累積投資勘定の設定ができる旨の提供があった日等)に設けられることとされた。
ロ 特定非課税口座開設届出書に係る提出事項につき所轄税務署長から非課税口座の再開設ができない旨の提供があった場合には、その特定非課税口座開設届出書の提出により開設された上場株式等の振替記載等に係る口座は、その口座の開設の時から非課税口座に該当しないものとして所得税に関する法令の規定を適用することとされた。
ハ 勘定廃止通知等に係る提出事項につき所轄税務署長から特定累積投資勘定の再設定ができない旨の提供があった場合には、勘定廃止通知等の提出又は提供により非課税口座に設けられた上場株式等の振替記載等に関する記録を他の取引に関する記録と区分して行うための勘定は、その勘定の設定の時から特定累積投資勘定及び特定非課税管理勘定に該当しないもの等として、所得税に関する法令の規定を適用することとされた。
② 特定累積投資勘定に受け入れることができる上場株式投資信託の受益権の範囲の拡充
イ 特定累積投資勘定に受け入れることができる上場株式投資信託の受益権について、対象となる累積投資契約により取得する上場株式投資信託の受益権の範囲に、一定額の範囲内で取得することができる最も多い口数の上場株式投資信託の受益権が追加された。
ロ 累積投資上場株式等に係る要件のうち上場株式投資信託に適用される要件について、上記イの改正により追加された上場株式投資信託の受益権は、取得対価の額に係る要件に代えて、次の要件を満たすことが必要とされた。
(イ)管理期間を通じて、上場株式投資信託の受益権の公表最終価格が3万円を超えた場合には、その超えた日から6月を経過する日までにその公表最終価格を3万円以下にするための必要な措置が講じられるものであること。
(ロ)対象商品届出書を提出する日前1月間の上場株式投資信託の受益権の公表最終価格の平均値が1万円以下であること。
(ハ)対象商品届出書を提出する日の前営業日における上場株式投資信託の受益権の公表最終価格が1万円以下であること。
ハ 累積投資上場株式等に係る要件のうち上場株式投資信託の受益権の取得対価の額に係る要件について、1口当たり1万円以下(改正前:1,000円以下)に引き上げられた。また、上記イの改正に伴い、この要件は一定額による買付けで取得する上場株式投資信託の受益権について適用するものとされた。
③ 非課税上場株式等管理契約又は特定非課税累積投資契約に基づく譲渡の範囲に、非課税口座内上場株式等である特定受益証券発行信託の受益権に係る特定受益証券発行信託の元本の払戻しによる上場株式等の譲渡でその譲渡に係る金銭の交付が非課税口座を開設する金融商品取引業者等の営業所を経由して行われるものが追加された。
(2)適用関係
① 上記(1)①イの改正は、令和7年4月1日以後に、勘定廃止通知書、非課税口座廃止通知書若しくは通知書記載事項に係る書類が提出される場合、勘定廃止通知書記載事項若しくは非課税口座廃止通知書記載事項の記載がされて非課税口座開設届出書の提出がされる場合又は電磁的方法による勘定廃止通知書記載事項若しくは非課税口座廃止通知書記載事項の提供がされる場合について適用し、同日前に、勘定廃止通知書、非課税口座廃止通知書若しくは通知書記載事項に係る書類が提出された場合、勘定廃止通知書記載事項若しくは非課税口座廃止通知書記載事項の記載がされて非課税口座開設届出書の提出がされた場合又は電磁的方法による勘定廃止通知書記載事項若しくは非課税口座廃止通知書記載事項の提供がされた場合については従前どおりとされている。
② 上記(1)①ロの改正は、令和7年4月1日以後に提出をする非課税口座開設届出書について適用し、同日前に提出をした非課税口座開設届出書については従前どおりとされている。
③ 上記(1)①ハの改正は、令和7年4月1日以後に提出又は提供をする勘定廃止通知等について適用される。
④ 上記(1)②イの改正は、令和7年4月1日以後に累積投資契約により取得する特定累積投資上場株式等について適用し、同日前に累積投資契約により取得した特定累積投資上場株式等については従前どおりとされている。
⑤ 上記(1)②ロ及びハの改正は、令和7年4月1日から適用される。
⑥ 上記(1)③の改正は、令和8年4月1日から施行される。
5 未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置の改正(措法37の14の2関係)
(1)改正の内容
居住者等が次に掲げる日のいずれか遅い日において未成年者口座を開設している場合には、同日において居住者等が、その未成年者口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に未成年者口座廃止届出書の提出をしたものとみなすこととされた。
① その未成年者口座に設けられる非課税管理勘定に係る年分のうち最も新しい年分の非課税管理勘定が設けられた日の属する年の1月1日から5年を経過する日の翌日又は対象年(その居住者等がその年1月1日において18歳である年をいう。)の1月1日のいずれか遅い日
② 令和8年1月1日
(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和8年1月1日から施行される。
6 一般株式等に係る譲渡所得等の課税の特例及び上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の改正(措法37の10等関係)
(1)改正の内容
① 特定受益証券発行信託の受益権を有する居住者等がその特定受益証券発行信託の元本の払戻しにより交付を受ける金銭の額については、一般株式等に係る譲渡所得等又は上場株式等に係る譲渡所得等に係る収入金額とみなして課税することとされた。
② 発行する社債が上場株式等となる第一種金融商品取引業を行う者の範囲から、非上場有価証券特例仲介等業者が除外された。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和8年4月1日以後に行われる特定受益証券発行信託の元本の払戻しについて適用される。
② 上記(1)②の改正は、居住者等が金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律の施行の日(令和7年5月1日)以後に行う上場株式等の譲渡による所得について適用し、居住者等が同日前に行った上場株式等の譲渡による所得については、従前どおりとされている。
7 特定口座内保管上場株式等の譲渡等に係る所得計算等の特例等の改正(措令25の10の2関係)
(1)改正の内容
① 上場株式等保管委託契約に基づき特定口座に受入れ可能な上場株式等の範囲に、次の上場株式等が追加された。
イ 居住者等が特定非課税口座開設届出書の提出をして開設された口座でその開設の時から非課税口座に該当しないものとされる口座に係る振替口座簿に振替記載等がされている上場株式等で、その口座からその口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所に開設されているその居住者等の特定口座の振替の方法によりその上場株式等の全てを受け入れるもの
ロ 居住者等が勘定廃止通知等の提出又は提供をして上場株式等の振替記載等に係る口座に設けられた特定累積投資勘定及び特定非課税管理勘定に該当しないものとされる勘定に係る上場株式等で、その口座からその口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所に開設されている居住者等の特定口座への振替の方法によりその上場株式等の全てを受け入れるもの
② 居住者等が開設する特定口座に係る特定口座内保管上場株式等である特定受益証券発行信託の受益権に係る特定受益証券発行信託の受託者は、その特定受益証券発行信託の元本の払戻しを行った場合には、その特定口座が開設されている金融商品取引業者等の営業所の長に対し、元本減少割合等を通知しなければならないこととされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、令和7年4月1日から施行されている。
② 上記(1)②の改正は、令和8年4月1日以後に行われる特定受益証券発行信託の元本の払戻しについて適用される。
8 年齢23歳未満の扶養親族を有する場合の生命保険料控除の特例の創設(措法41の15の5関係)
(1)改正の内容
新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、居住者が年齢23歳未満の扶養親族を有する場合には、令和8年中に支払った新生命保険料の金額に応じて次の表に掲げる金額を所得控除する特例が設けられた。

(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和8年分の所得税について適用される。
第二 住宅・土地税制の改正
1 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度(住宅ローン税額控除)等の改正(措法41等関係)
(1)改正の内容
① 住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度の改正
イ 特例対象個人が、認定住宅等の新築等又は買取再販認定住宅等の取得をし、かつ、その認定住宅等の新築等をした認定住宅等(認定住宅等とみなされる特例認定住宅等を含む。)又は買取再販認定住宅等の取得をした家屋を令和7年1月1日から同年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合(その認定住宅等の新築等又は買取再販認定住宅等の取得をした日から6月以内に自己の居住の用に供した場合に限る。)において、認定住宅等の住宅ローン税額控除の特例を適用するときの認定住宅等借入限度額は、次のとおり上乗せされた金額とすることができることとされた。

(注)かっこ内は令和7年に居住の用に供した場合の上乗せ前の認定住宅等借入限度額。
ロ 小規模居住用家屋である認定住宅等で令和7年12月31日以前に建築確認を受けたもの(以下「特例認定住宅等」という。)の新築又は特例認定住宅等で建築後使用されたことのないものの取得について、認定住宅等の住宅ローン税額控除の特例の適用ができることとされた。ただし、その者の控除期間のうち、その年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える年については、適用しないこととされた。
② 東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例の改正
イ 特例対象個人に該当する住宅被災者が、認定住宅等の新築等又は買取再販認定住宅等の取得をし、かつ、その認定住宅等の新築等をした認定住宅等(認定住宅等とみなされる特例認定住宅等を含む。)又は買取再販認定住宅等の取得をした家屋を令和7年1月1日から同年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合(その認定住宅等の新築等又は買取再販認定住宅等の取得をした日から6月以内に自己の居住の用に供した場合に限る。)において、東日本大震災の被災者等に係る住宅ローン税額控除の控除額に係る特例を適用するときの借入限度額は、次のとおり上乗せされた金額とすることができることとされた。

(注)かっこ内は令和7年に居住の用に供した場合の上乗せ前の借入限度額。
ロ 上記①ロと同様の措置を講ずることとされた。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、特例対象個人等が令和7年1月1日以後に認定住宅等を居住の用に供する場合について適用される。
2 既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除の改正(措法41の19の3関係)
(1)改正の内容
特例対象個人が、その所有する居住用の家屋について子育て対応改修工事等をして、その居住用の家屋を令和7年1月1日から同年12月31日までの間に自己の居住の用に供した場合には、その特例対象個人の同年分の所得税の額から、子育て対応改修工事等に係る標準的費用額(補助金等の交付を受ける場合には、補助金等の額を控除した後の金額とし、その金額が250万円を超える場合には、250万円)の10%に相当する金額を控除することができることとされた。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、改修工事をした家屋を令和7年1月1日以後に居住の用に供する場合について適用される。
3 帰還・移住等環境整備推進法人に対して土地等を譲渡した場合の譲渡所得の特別控除の特例等の廃止(旧震災税特法11の6等関係)
制度が廃止された。
第三 事業所得等に係る税制の改正
1 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除制度の改正(措令5の3関係)
(1)改正の内容
研究開発税制のうち特別試験研究費の額に係る特別税額控除制度について、特別研究機関等に国立健康危機管理研究機構が追加された。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和7年4月1日(国立健康危機管理研究機構法の施行の日)から施行されている。
2 中小事業者が機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の3関係)
適用期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
3 地域経済牽(けん)引事業の促進区域内において特定事業用機械等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の4等関係)
(1)改正の内容
次の見直しが行われた上、その適用期限が令和10年3月31日まで3年延長された。
① 機械装置及び器具備品の特別償却割合が、35%(改正前:40%)に引き下げられた。
② 特定地域経済牽引事業施設等に係る投資規模要件が1億円以上(改正前:2,000万円以上)に引き上げられた。
③ 特別償却割合又は税額控除割合の引上げに係る措置について、次の見直しが行われた。
イ 措置の対象に、次の要件の全てを満たす場合が追加された。
(イ)承認地域経済牽引事業が次のいずれかに該当すること。
ⅰ 指定業種に該当すること。
ⅱ 対象事業の特定取引先の行う対象事業者からの仕入れ又は対象事業者に対する出荷に係る事業が指定業種に該当するものであること。
(ロ)承認地域経済牽引事業が1億円以上の付加価値額を創出すると見込まれるものであること。
(ハ)減価償却資産の取得予定価額の合計額が10億円以上であること。
(ニ)労働生産性の伸び率及び投資収益率が一定水準以上となることが見込まれること。
ロ 本措置の対象である直前事業年度における付加価値額の増加率が8%以上である場合について、要件に「その承認地域経済牽引事業が1億円以上の付加価値額を創出すると見込まれるものであること」が追加された。
④ 承認地域経済牽引事業の主務大臣の確認要件について、先進性に係る要件の運用改善及びサプライチェーン類型の除外等の見直しが行われた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、個人が令和7年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする特定事業用機械等について適用し、個人が同日前に取得又は製作若しくは建設をした特定事業用機械等については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、令和7年4月1日以後に地域経済牽引事業計画について承認を受ける個人のその承認に係る承認地域経済牽引事業計画に定められた施設又は設備について適用し、同日前に地域経済牽引事業計画について承認を受けた個人のその承認に係る承認地域経済牽引事業計画に定められた施設又は設備については従前どおりとされている。
③ 上記(1)③及び④の改正は、令和7年4月1日以後に承認を受ける個人がその承認に係る承認地域経済牽引事業計画に記載された承認地域経済牽引事業について受ける確認について適用し、同日前に承認を受けた個人がその承認に係る承認地域経済牽引事業計画に記載された承認地域経済牽引事業について受ける確認については従前どおりとされている。
4 特定中小事業者が特定経営力控除設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の改正(措法10の5の3関係)
(1)改正の内容
生産等設備を構成する減価償却資産で食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律の認定を受けた安定取引関係確立事業活動計画等に記載された資産が、本制度の対象とされた上で、その適用期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係
食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律の施行の日から施行される。
5 認定特定高度情報通信技術活用設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度の廃止(旧措法10の5の5等関係)
(1)改正の内容
適用期限(令和7年3月31日)の到来をもって廃止された。
(2)適用関係
個人が令和7年4月1日前に取得又は製作若しくは建設をした認定特定高度情報通信技術活用設備については従前どおりとされている。
6 事業適応設備を取得した場合等の特別償却又は所得税額の特別控除制度(改正後:生産工程効率化等設備を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除制度)の改正(措法10の5の5等関係)
(1)改正の内容
① デジタルトランスフォーメーション投資促進税制は、その適用期限(令和7年3月31日)の到来をもって廃止された。
② カーボンニュートラルに向けた投資促進税制について、食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の促進及び食品等の取引の適正化に関する法律の認定を受けた環境負荷低減事業活動計画に従って行うエネルギー利用環境負荷低減事業適応のための措置として導入する生産工程効率化等設備の取得等をする場合のその生産工程効率化等設備が、本制度の対象とされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①の改正は、個人が令和7年4月1日前に取得又は製作をした情報技術事業適用設備及び個人が同日前に支出した費用に係る事業適応繰延資産については従前どおりとされている。
② 上記(1)②の改正は、食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律の施行の日から施行される。
7 特定事業継続力強化設備等の特別償却制度の改正(措法11の3等関係)
(1)改正の内容
対象設備から感染症対策のために取得等をする減価償却資産が除外された上、事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画の認定期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、個人が令和7年4月1日以後に認定の申請をする事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画について適用し、個人が同日前に認定の申請をした事業継続力強化計画については従前どおりとされている。
8 特定地域における工業用機械等の特別償却制度の改正(措令6の3等関係)
(1)改正の内容
① 沖縄の特定地域において工業用機械等を取得した場合の特別償却制度について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
イ 産業イノベーション促進地域に係る措置の対象事業から、デザイン業が除外された。
ロ 国際物流拠点産業集積地域に係る措置の対象地域(国際物流拠点産業集積地域の区域)について、一部の地域の追加等が行われた。
② 沖縄の離島において旅館業用建物等を取得した場合の特別償却制度の適用期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
③ 特定地域において産業振興機械等を取得した場合の割増償却制度のうち半島振興対策実施地域に係る措置及び離島振興対策実施地域に係る措置について、対象事業からコールセンター及び市場等に関する調査の業務並びにその業務により得られた情報の整理等の業務に係る事業が除外された上、その適用期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係
① 上記(1)①イの改正は、個人が令和7年4月1日以後に取得又は製作若しくは建設をする工業用機械等について適用し、個人が同日前に取得又は製作若しくは建設をした工業用機械等については従前どおりとされている。
② 上記(1)①ロの改正に係る国際物流拠点産業集積計画は、令和7年4月1日に公表されている。
③ 上記(1)③の改正は、個人が令和7年4月1日以後に取得等をする産業振興機械等について適用し、個人が同日前に取得等をした産業振興機械等については従前どおりとされている。
9 医療用機器等の特別償却制度の改正(措法12の2関係)
(1)改正の内容
医療用機器に係る措置における高度な医療の提供に資する機器につき対象機器の一部が除外された上、制度の適用期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和7年4月1日から適用される。
10 探鉱準備金制度の改正(措法22関係)
(1)改正の内容
① 積立限度額について、その適用を受ける年の前年以前5年内の各年のいずれにおいても鉱物に係る新鉱床探鉱費の支出を行わなかった場合には、改正前の積立限度額から、次のイの金額からロの金額を控除した残額(その残額が改正前の積立限度額に25%を乗じて計算した金額を超える場合には、その計算した金額)を控除することとされた。
イ その年における次の金額の合計額
(イ)積立てをした年の翌年1月1日から5年を経過した探鉱準備金の取崩しにより総収入金額に算入される金額
(ロ)探鉱準備金の任意の取崩しにより総収入金額に算入された、又は算入されるべきこととなった金額
ロ その年において支出する鉱物に係る新鉱床探鉱費の額及びその年の探鉱用機械設備の償却費の額の合計額
② その適用期限が令和10年3月31日まで3年延長された。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については従前どおりとされている。
11 農業経営基盤強化準備金制度及び農用地等を取得した場合の課税の特例の改正(措令16の2等関係)
(1)改正の内容
① 農業経営基盤強化準備金制度について、次の見直しが行われた上、その適用期限が令和9年3月31日まで2年延長された。
イ 積立限度額の計算の基礎となる金額のうち農用地の取得に充てるための金額について、農用地のうち地域計画の区域においてその個人の利用が見込まれるものの取得に充てるための金額(改正前:農用地の取得に充てるための金額)に限定することとされた。
ロ 確定申告書に添付することとされている農林水産大臣の証明書について、その証明書の原本の添付のほか、その写しの添付が可能とされた。
② 農用地等を取得した場合の課税の特例について、次の見直しが行われた。
イ 対象となる農用地が、認定計画等の定めるところにより取得をする農用地で地域計画にその個人が利用するものとして定められたもの(改正前:認定計画等の定めるところにより取得をする農用地)に限定された。
ロ 確定申告書に添付することとされている農林水産大臣の証明書について、その証明書の原本の添付のほか、その写しの添付が可能とされた。
(2)適用関係
① 上記(1)①イの改正は、令和9年分以後の所得税について適用し、令和8年分以前の所得税については従前どおりとされている。
② 上記(1)①ロ及び②ロの改正は、令和7年分以後の所得税について適用される。
③ 上記(1)②イの改正は、個人が令和8年4月1日以後に取得をする農用地について適用し、個人が同日前に取得をした農用地については従前どおりとされている。
第四 その他の改正
1 青色申告特別控除の改正(措法25の2等関係)
(1)改正の内容
電子帳簿保存による65万円の青色申告特別控除の要件について、仕訳帳等につき優良な電子帳簿の保存要件を満たす電磁的記録の保存等を行っていることに代えて、特定電子計算機処理システムを使用するとともに、電子取引の取引情報に係る特定電磁的記録で、その特定電子計算機処理システムを使用して、国税の納税義務の適正な履行に資するものとして一定の要件を満たして保存ができるものはその要件を満たして保存していることとすることができることとされた。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和9年分以後の所得税について適用される。
2 家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の改正(措法27等関係)
(1)改正の内容
家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保障額が65万円(改正前:55万円)に引き上げられた。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和7年分以後の所得税について適用し、令和6年分以前の所得税については従前どおりとされている。
3 公益法人等に対して財産を寄附した場合の譲渡所得等の非課税措置の改正(措法40等関係)
(1)改正の内容
① 独立行政法人等に係る非課税承認の要件の特例の対象となる公益法人等の範囲に、国立健康危機管理研究機構が追加された。
② 承認手続の特例の対象となる贈与等の範囲に、次に掲げる法人等に対する一定の贈与等を加えるとともに、本特例の対象となる学校法人に対する一定の贈与等については、全ての学校法人(改正前:学校法人会計基準に従い会計処理を行う私立学校振興助成法の学校法人)に対する一定の贈与等を対象とすることとされた。
イ 国立健康危機管理研究機構
ロ 準学校法人
ハ 公益信託の受託者
③ 非課税承認に係る財産を特定管理方法により管理する場合における非課税制度の継続適用の特例の特定買換資産の範囲に、非課税承認に係る贈与等を受けた上記②イからハまでに掲げる法人等が、その贈与等に係る財産で特定管理方法により管理しているものの譲渡をし、その譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって取得した一定の資産を加えること等とされた。
④ 特定一般法人が公益目的支出計画に基づき他の公益法人等に財産等を贈与した場合における非課税制度の継続の特例措置について、適用対象に、特定贈与等を受けた特定一般法人が公益支出計画に基づき特定贈与等に係る財産等を類似の公益事務をその目的とする公益信託の信託財産としようとする場合が追加された。
⑤ 他の公益法人等が特定贈与等を受けた公益法人等から資産の移転を受けた場合における非課税制度の継続の特例措置(受贈公益法人等が特定一般法人から資産の贈与を受けた場合の措置)について、適用対象に、類似の公益事務をその目的とする公益信託の受託者が公益目的支出計画に基づき特定一般法人から特定贈与等に係る財産等を公益信託の信託財産として受け入れた場合が追加された。
⑥ 非課税承認の取消しにより公益信託の受託者に対して所得税が課税される場合には、各公益信託の信託資産等及び固有資産等ごとに、その受託者をそれぞれ別の者とみなして、所得税法等の規定を適用することとされた。
⑦ 公益法人等が公益法人認定法の公益認定の取消処分を受けた場合の非課税制度の継続の特例措置における公益引継財産の計算方法について、公益法人認定制度上の公益目的取得財産残額の計算方法が見直されたことに伴う所要の整備が行われた。
(2)適用関係
① 上記(1)①及び②イの改正並びに上記③の改正(上記②ハに係る改正を除く。)は、令和7年4月1日から施行されている。
② 上記(1)②ロの改正は、令和7年4月1日以後にされる財産の贈与又は遺贈について適用し、同日前にされた財産の贈与又は遺贈については従前どおりとされている。
③ 上記(1)②ハの改正、上記③の改正(上記②ハに係る改正に限る。)及び上記④から⑥までの改正は、公益信託に関する法律の施行の日から施行される。
④ 上記(1)⑦の改正は、特定贈与等を受けた公益法人等が、公益法人認定法の改正により、当該改正後の区分経理の適用を受けることとなった事業年度に係る公益法人認定法の財産目録等を行政庁に提出した日以後に特定処分を受ける場合について適用し、同日前に特定贈与等を受けた公益法人等が特定処分を受けた場合については従前どおりとされている。
4 債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の課税の特例の改正(措法40の3の2関係)
適用期限が令和10年3月31日まで3年延長された。
5 給付金等の非課税の改正(措規19の2関係)
(1)改正の内容
① 児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業による貸付けについて受けた債務免除により受ける経済的な利益の価額については、引き続き所得税を課さないこととされた。
② 児童扶養手当受給者等に対するひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業の住宅支援資金貸付けについて受けた債務免除により受ける経済的な利益の価額については、その事業内容の見直し後も引き続き所得税を課さないこととされた。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和7年4月1日から施行されている。なお、上記(1)②の特例の対象となる者に係る改正は、令和7年分以後の所得税について適用し、令和6年分以前の所得税については従前どおりとされている。
6 公益社団法人等に寄附をした場合の所得税額の特別控除制度の改正(措令26の28の2関係)
(1)改正の内容
この制度の対象となる学校法人及び準学校法人の情報公開要件について、私立学校法の改正に伴う整備が行われた。
(2)適用関係
上記(1)の改正は、令和7年4月1日以後に個人が支出するこの制度の対象となる法人に対する寄附金について適用し、同日前に個人が支出したその法人に対する寄附金については従前どおりとされている。
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