カートの中身空

閲覧履歴

最近閲覧した商品

表示情報はありません

最近閲覧した記事

税務ニュース2025年09月12日 「共存制度」の設計に向けOECDが始動(2025年9月15日号・№1090) CFC税制とピラー2の一般原則に影響も

  • G7が「共存制度」への支持を表明したことを受け、OECDが同制度の具体的な設計に向け始動。

 G7は6月28日に「side-by-side system(共存制度)」への支持を表明、同制度を有する法域に本社を置く多国籍企業グループにIIR及びUTPRを適用しないことが共有理解となった。これを受けOECDは、ピラー2合意と米国制度の共存に向け、具体的な制度設計に動き出した。
 共存制度とは、米国親会社の多国籍企業が、米国国内法における合算課税制度(Net CFC Tested Income)と、OECDグローバルミニマム税(GloBE)の二重適用を受けないよう調整するもの。適格な共存制度の要件とは、①グループを構成する法人の所得に対し、国内外を問わず合意された率以上で課税、②究極の親会社において、CFC所得(未配当分を含む)に対し合意された率以上で課税、③QDMTTについての外国税額控除等の適用を全て満たすものをいう。適用対象は米国に限られるため、OECDは他国とのバランスに配慮し、(1)国内法のCFCルールを適格IIR相当の制度として位置付けること、(2)多国籍企業に対して、(イ)通常の実効税率計算によりトップアップ税額を計算するか、(ロ)OECD/G20包摂的枠組みが認めた法域でのIIR・UTPRトップアップ税を零とみなすかの選択的セーフハーバーを検討する。
 また、投資や雇用の存在といった①実体に基づく非還付型の費用連動税額控除と、②払戻可能税額控除のピラー2適用における取扱いを整合させることも検討する。ピラー2の実効税率の計算において、①は分子となる税額を減らし、②は減らさないため、①は実効税率計算上、相対的に不利という非対称性が指摘されてきた。米国は国内の税額控除型インセンティブ(例:R&Dクレジット)の利益を保護・整合するセーフハーバー等を提案している。
 さらに、2026年末で失効する移行的CbCRセーフハーバーの後継として、簡素化した実効税率計算により、高実効税率法域国向けのセーフハーバーを恒久的なものとして導入することが検討されている。
 共存システムの提案は、ピラー2(法域別に実効税率を計算)と米国制度(グローバル合算で実効税率を計算)という異なる枠組みを調整する過程で、ピラー2の原則や個別規定の見直しが選択肢となり得ることを示唆している。また、ピラー2はミニマム課税と国内CFC税制の併存を前提とするが、上記(1)により各国のCFCをピラー2の適用にあたり適格IIRとして扱うのであれば、重複課税のリスクとコンプライアンス負担を大幅に軽減できる可能性があろう。

当ページの閲覧には、週刊T&Amasterの年間購読、
及び新日本法規WEB会員のご登録が必要です。

週刊T&Amaster 年間購読

お申し込み

新日本法規WEB会員

試読申し込みをいただくと、「【電子版】T&Amaster最新号1冊」と当データベースが2週間無料でお試しいただけます。

週刊T&Amaster無料試読申し込みはこちら

人気記事

人気商品

  • footer_購読者専用ダウンロードサービス
  • footer_法苑WEB
  • footer_裁判官検索