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税務ニュース2025年09月19日 「住宅貸付け」への該当性巡り紛争多発(2025年9月22日号・№1091) 消費税法改正前の事案でも契約書外の事情を考慮し用途を判断する必要

  • 消費税の非課税取引である「住宅の貸付け」該当性を巡る紛争が多発。「住宅の貸付け」の範囲が拡張された令和2年度税制改正前から、“契約書外”の事情を踏まえて「住宅の貸付け」と認定の上、仕入税額控除が否認された事例も存在。
  • 契約上、建物の用途についてどのような合意がされたのか、契約書外の事情も総合的に考慮する必要。

 消費税が非課税とされる「住宅の貸付け」(消法6①別表第1十三)の範囲は、かつて「当該貸付に係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限る」と規定されていたところ。これが令和2年度税制改正により拡張され、「当該貸付に係る契約において人の居住の用に供することが明らかにされている」場合には「当該契約において当該貸付けに係る用途が明らかにされていない場合に当該貸付け等の状況からみて人の居住の用に供されていることが明らかな場合」を含むこととされたのは周知のとおりだ。
 もっとも、上記改正前より、貸付けに係る「契約書」上で用途を居住用に限定していなくとも、契約締結の経緯、貸付けの対象となる建物の用途等から、「契約において人の居住の用に供することが明らかにされている」場合として「住宅の貸付け」に該当すると判断され、それに対応する建物の取得について仕入税額控除を否認された事例が存在する(東裁(諸)平成30第121号)。さらに上記改正後は、改正前の事案について同様の理由で「住宅の貸付け」に該当するとされるケースが多発しており、令和5年1月から令和6年12月までの裁決事例だけで十件以上にのぼるので要注意だ。
 一般に、契約の内容は、契約書のみならず、契約締結に至る経緯、関連する契約の定め等の諸般の事情を総合的に考慮して解釈し、確定すべきところ、改正前の「当該貸付にかかる契約において人の居住の用に供することが明らかにされているものに限る」という条文の存在を前提としても、契約書の文言の記載のみによることなく、契約書外の事情も考慮して「人の居住の用に供することが明らか」と判断されるケースがあり得るということだろう。裁決事例の中には、課税対応であることを前提に仕入税額控除を行うため、あえて契約書において用途を明記しなかったことが疑われる事例も存在するが、そのような事例に限らず、上記改正の前後を通じ、契約上、建物の用途についてどのような合意がなされたのかは、契約書外の事情も総合的に考慮して解釈すべきという点、改めて留意したい。

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