会計ニュース2025年09月19日 非化石価値、アグリゲーターも適用対象(2025年9月22日号・№1091) ASBJ、一定要件を満たせば発電事業者と需要家の間に入るケースも
企業会計基準委員会(ASBJ)は、実務対応報告「非化石価値の特定の購入取引における需要家の会計処理に関する当面の取扱い(案)」に対して寄せられたコメントを踏まえ、需要家が特定卸供給事業者(アグリゲーター)と契約する場合も適用範囲とするよう見直す方針だ。同委員会の事務局によれば、特定卸供給事業者が関わるバーチャルPPAに係る取引としては、①発電事業者と需要家の間でバーチャルPPAが締結されるとともに、発電事業者と特定卸供給事業者の間で電力の売買契約が締結される(パターン1)、②発電事業者と特定卸供給事業者の間で電力の売買契約が締結され、特定卸供給事業者と需要家の間でバーチャルPPAが締結される(パターン2)が考えられるとしている。このうち、パターン1は、発電事業者と需要家の関係でみれば、非化石価値の移転に関する契約が発電事業者と需要家の相対で締結されており、非化石価値が発電事業者から需要家に直接移転することから、非化石価値の移転の観点では公開草案が適用範囲とした契約と異なるところはないため、特段の対応は不要としている。一方、パターン2は、公開草案で想定した取引とは異っているが、発電事業者と需要家の間に特定卸供給事業者を挟むものの、契約で発電事業者の再生可能電力発電設備が指定され、需要家が発電事業者の再生可能電力発電設備の発電量に応じた非化石価値を購入し、また非化石価値を買い取る義務を負うという状況にあれば、需要家に生じる権利及び義務は、公開草案の適用範囲とした契約から生じるものと同一視できるとし、一定の要件を定め、その要件を満たす契約は実務対応報告の適用範囲に含めるとしている。
具体的には、①需要家は、特定卸供給事業者との間で締結する契約で、再生可能電力発電設備で発電を行う者の再生可能電力発電設備を指定している、②需要家は、当該再生可能電力発電設備の発電量に応じた量の非化石価値を特定卸供給事業者から購入する、③需要家は、再生可能電力発電設備の発電量に応じた量の非化石価値を購入する義務を負うとの要件をすべて満たす場合には、適用範囲に含めるとしている。
これに伴い、発電事業者と需要家の間に特定卸供給事業者を介す取引にも対応するため、実務対応報告案第4項の会計処理について、「需要家は、非化石価値を受け取る権利について、契約で指定された再生可能電力発電設備による発電の時点で費用処理を行う。」旨に文言を修正する方向だ。
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