税務ニュース2020年04月24日 青色事業専従者給与の適正額見直し(2020年4月27日号・№832) 審判所、類似青色事業専従者の給与額平均を適正給与相当額と認定
本件は、請求人が、請求人の配偶者に対して支払った青色事業専従者給与を必要経費に算入して所得税等の確定申告をしたところ、課税庁が、当該青色事業専従者給与の金額のうち労務の対価として相当であると認められる金額を超える部分の金額は必要経費に算入できないとして更正処分等を行ったのに対し、請求人がその全部の取消しを求めた事案である。
請求人は個人開業の歯科医師であり、請求人と生計を一にする配偶者は、歯科衛生士として請求人の歯科医業に従事しており、青色事業専従者となっていた。請求人は、青色事業専従者である配偶者に対して支払った給与の金額が、本件配偶者の労務の性質及びその提供の程度からすれば、労務の対価として相当と認められるもの(適正給与相当額)である旨主張した。
審判所は、「本件配偶者の適正給与相当額は、本件配偶者の労務の性質が、請求人の事業に従事する本件配偶者以外の使用人(本件使用人)とは異なる上、本件配偶者の労務の提供の程度が明らかでないことから、本件使用人の給与の金額と比較してその該当性を検討することは相当でなく、また、本件青色事業専従者給与額は、類似同業者の青色事業専従者(本件類似青色事業専従者)の給与の額の平均額と比較すると、適正給与相当額とは認められず、本件の適正給与相当額は本件類似青色事業専従者の給与の額の平均額と認められるから、本件青色専従者給与額のうち本件類似青色事業専従者の給与の額の平均額を上回る部分は、事業所得の金額の計算上必要経費に算入することはできない。なお、一部取消しは、原処分庁が採用した本件類似青色事業専従者の抽出基準の一部が相当でなかったことから、その点を見直した結果である。」と判断し、課税処分等の一部を取り消す裁決を行った。
審判所の判断のうち、請求人の主張を基に適正給与額を算定できないとする部分については、本件配偶者の労務提供の程度を示す客観的な資料がないことなどが判断理由に挙げられている。納税者が専従者への給与支給額が適正給与額であることを主張するためには、専従者の労務の性質及び労務提供の程度について、客観的な資料に基づき主張することが求められることを改めて示す裁決と言えそうだ。
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