資料2025年12月15日 重要資料 令和7年6月30日付課法2−7ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)等の趣旨説明(2)(2025年12月15日号・№1103)
下記資料は1102号から分割して掲載するものです。(編集部)
重要資料
令和7年6月30日付課法2−7ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)等の趣旨説明(2)
この趣旨説明は、令和7年11月27日現在の法令に基づいて作成している。
第1 法人税基本通達関係
〇 リース税制の改正に伴う見直し(承前)
【改正】(著しく有利な価額で買い取るものであることにより権利行使が確実と見込まれるものに該当するものの例示)
7−6の2−2 リース期間終了の時又はリース期間の中途においてリース資産を買い取る権利が与えられているリース取引のうち、賃借人がそのリース資産を買い取る権利に基づき当該リース資産を購入する場合の対価の額が、賃貸人において当該リース資産につき令第56条((減価償却資産の耐用年数、償却率等))に規定する財務省令で定める耐用年数(以下この節において「耐用年数」という。)を基礎として定率法により計算するものとした場合におけるその購入時の未償却残額に相当する金額(当該未償却残額が当該リース資産の取得価額の5%相当額を下回る場合には、当該5%相当額)以上の金額とされているものであっても、当該対価の額が当該権利行使時の公正な市場価額に比し著しく下回るものについては、令第48条の2第5項第5号ロ((減価償却資産の償却の方法))に規定する「当該権利が目的資産を著しく有利な価額で買い取るものであること……により当該権利が行使されることが確実であると見込まれるもの」に該当する。
【解説】
1 リース取引のうち、「賃借人に対しリース期間終了の時又はリース期間の中途において目的資産を買い取る権利が与えられており、かつ、当該権利が目的資産を著しく有利な価額で買い取るものであることその他の事情により当該権利が行使されることが確実であると見込まれるもの」に該当するものは、所有権移転外リース取引に該当しないこととされている(令48の2⑤五ロ)。これは、リース契約において賃借人がリース期間終了の時又はリース期間の中途においてリース資産を買い取る権利(以下「購入選択権」という。)が与えられているリース取引について、その購入選択権の行使価格が賃借人にとって著しく有利な価額であることその他の事情により、その行使が確実であると見込まれる場合には、賃借人がその権利を行使してリース資産を買い取ることが予定されていると認められることから、リース期間に応じた償却をするのではなく、通常取得される資産と同様に償却を行うようにするためである。
2 令和7年度の税制改正において、所有権移転外リース取引に該当しないこととなる要件として、購入選択権が著しく有利な価額で買い取る権利である場合のほか、他の事情によってもその権利行使が確実であることが見込まれる場合が追加された。これは、新リース会計基準において、「契約期間終了後又は契約期間の中途で、借手による購入オプションの行使が合理的に確実であるリース」が、原資産の所有権が借手に移転すると認められるリースとされ(リースに関する会計基準の適用指針43(2))、買取価額が著しく有利な価額でなくとも、その他の要因も考慮して購入オプションの行使が合理的に確実であるものは、所有権が借手に移転すると認められるリースとされたことを踏まえたものである。
3 一般的に、「著しく有利な価額」とは、購入選択権の行使価格がその行使時におけるリース資産の時価に比して著しく低い場合のその行使価格をいうものと解されるが、多種多様なリース資産につき、契約時にそのリース期間終了時の時価を算定することが実務上困難な場合も少なくないと思われる。そこで、令和7年6月改正通達による改正前の本通達においては、「著しく有利な価額」に該当するかどうかの判定に際しての一種の簡便基準として、賃貸人がリース資産をそのまま事業供用するものと仮定した場合の定率法により計算したリース期間終了時の未償却残額相当額を権利行使時の時価とみなし、購入選択権の行使価格が当該未償却残額相当額以上の金額とされている場合には、原則として、「著しく有利な価額」に該当しないものとすることとしていた。
令和7年度の税制改正後においても、上記の考え方は妥当であると考えられることから、本通達においても、引き続き、上記の取扱いを維持することとしている。
なお、未償却残額がそのリース資産の取得価額の5%相当額を下回る場合には、5%相当額を下限とすることとしている。これは、購入選択権が付されるようなリース資産については、リース期間終了後も賃借人によって引き続き使用されることが見込まれ、又は第三者に売却が可能であるということが過去の取引や中古市場の相場などにより明らかである資産であることから、そのような取引実態を踏まえて、いわゆる備忘価額等ではなく、そのリース資産の取得価額の5%相当額を簡便基準の下限としているものである。
また、購入選択権の行使価格が未償却残額相当額以上であっても、購入選択権の権利行使時におけるリース資産の時価がその購入選択権の行使価格を著しく上回ると認められる場合には、当然ながら著しく有利な価額となる。
ただし、著しく有利な価額に該当しないと判断されたとしても、他の事情によりその権利行使が確実であることが見込まれるかどうかの判定が必要となることに留意が必要である。
【改正】(賃借人におけるリース資産の取得価額)
7−6の2−9 賃借人におけるリース資産の取得価額は、原則としてそのリース期間中のリース料の額の合計額による。ただし、リース料の額の合計額のうち利息相当額から成る部分の金額を合理的に区分することができる場合には、当該リース料の額の合計額から当該利息相当額を控除した金額を当該リース資産の取得価額とすることができる。
(注)1 再リース料の額は、原則として、リース資産の取得価額に算入しない。ただし、再リースをすることが明らかな場合には、当該再リース料の額は、リース資産の取得価額に含まれる。
2 リース資産を事業の用に供するために賃借人が支出する付随費用の額は、リース資産の取得価額に含まれる。
3 本文ただし書の適用を受ける場合には、当該利息相当額は、リース期間の経過に応じて利息法又は定額法により損金の額に 算入する。
【解説】
1 平成20年4月1日以後の契約に係るリース取引については、リース資産を賃貸人から賃借人に引き渡した時に売買があったものとされることから(法64の2①)、その引渡しの時に賃借人がリース資産を取得することとなる。そして、賃借人においては、そのリース取引が所有権移転外リース取引に該当するものであれば、リース期間定額法により、所有権移転外リース取引以外のリース取引に該当するものであれば、法人が有するそのリース資産と同じ区分の他の減価償却資産について採用している償却の方法により償却を行うこととなる(令48の2①)。
このように、税務上は賃借人がリース資産を取得したものとして取り扱われるのであるが、他方、リース取引は法形式上は資産の賃貸借であるとともに、その実態としては、賃貸借、売買、金融等の異なる取引目的を同時に達成させる複合的な性格を持つものであることから、賃借人においてリース資産の取得価額をどのように算定するか疑問が生ずる。
この点、税務上はリース資産の売買があったものとされるのであるから、リース取引において賃借人が支払うリース料の額は、基本的には、そのリース資産の購入代金の分割払いの金額であるとみて、その合計額をリース資産の取得価額とすることが相当であろう。
一方、新リース会計基準においては、借手は、リース開始日に、原則として、同日において未払である借手のリース料からこれに含まれている利息相当額の合理的な見積額を控除し、現在価値により算定する方法に従い算定された額によりリース負債を計上するとともに、当該リース負債にリース開始日までに支払った借手のリース料、付随費用及び資産除去債務に対応する除去費用を加算し、受け取ったリース・インセンティブを控除した額により使用権資産を計上することとされている(リースに関する会計基準33・34)。そして、借手のリース料は、原則として、利息相当額部分とリース負債の元本返済額部分とに区分計算し、前者は支払利息として会計処理を行い、後者はリース負債の元本返済として会計処理を行い(リースに関する会計基準の適用指針38)、利息相当額は、借手のリース期間にわたり、原則として、利息法により配分することとされている(リースに関する会計基準36、リースに関する会計基準の適用指針39)。
ただし、使用権資産総額に重要性が乏しいと認められる場合は、リース料総額から利息相当額を控除しない処理も認められている(リースに関する会計基準の適用指針40(1))。
リース取引は、上記のとおり、賃貸借、売買、金融等の異なる取引目的を同時に達成させる複合的な性格を持つものであり、かつ、新リース会計基準においては原則として借手のリース料の合計額を元本返済額と利息相当額とに区分し、元本返済額部分に基づき使用権資産を計上することとされていることを踏まえると、新リース会計基準に従い利息相当額が合理的に区分されている場合には、税務上も当該利息相当額については、取得価額とは区分して取り扱っても差し支えないと考えられる。
そこで、本通達においては、賃借人におけるリース資産の取得価額は、原則として、リース期間中のリース料の合計額によることとし、リース料の合計額のうち利息相当額から成る部分の金額を合理的に区分できる場合には、当該リース料の合計額から当該利息相当額を控除した金額とすることもできることとしている。
2 なお、リース契約において再リース料が定められている場合であっても、再リースをすることが明らかではない限り、再リース料の額をリース資産の取得価額に含める必要はない。ここでいう再リースをすることが明らかな場合とは、契約書上で再リースをすることが明示されている場合だけでなく、当事者間において再リースをすることが予定されていることが一連の事実関係から明らかな場合も含まれる。本通達の注書1において、このことを明らかにしている。
また、リース料とは別に賃借人がリース資産の設置等に当たり据付費や運送費など、そのリース資産を事業の用に供するに当たって支出した金額がある場合には、それらの金額も取得価額に含まれることを本通達の注書2において明らかにしている。資産を取得した場合にその資産を事業の用に供するために直接支出した費用については、取得価額に含まれることとされており、リース資産についても同様であることから、このような取扱いを定めているものである。
なお、新リース会計基準において使用権資産の計上に当たり加算することとされている資産除去債務に対応する除去費用は、リース料の額及びリース資産を事業の用に供するために直接支出した費用には該当しないため、リース資産の取得価額には含まれないこととなる。
3 ところで、新リース会計基準に従ってリース料の合計額を利息相当額と元本相当額とに区分し、リース料の合計額から利息相当額を控除した金額をリース資産の取得価額とした場合には、その利息相当額はリース期間の経過に応じて利息法又は定額法により損金の額に算入することとなる。本通達の注書3において、そのことを明らかにしている。
4 なお、新リース会計基準における借手の会計処理については、全てのリースについて使用権資産及びリース負債を計上し、当該使用権資産に係る減価償却費及び当該リース負債に係る利息相当額を費用配分することとされたが(リースに関する会計基準33~38)、リース取引に該当するものについては、リース資産と使用権資産という違いはあるものの、リース料の合計額に基づき資産の計上額の算定を行うべき点は旧リース会計基準と同様であるため、本通達においては、文言の適正化を行った上で、改正前と同様の取扱いを行うことを明らかにしている。
【新設】(賃借人の会計リース期間をリース期間とする場合の取扱い)
7−6の2−10の2 賃借人が、賃借人の会計リース期間を用いて経理を行っているリース資産に係る令第48条の2第1項第6号((減価償却資産の償却の方法))の規定又はこの節における各通達の適用に当たっては、当該賃借人の会計リース期間を同号の「リース期間」又は当該各通達の「リース期間」とする。
(注) 本文の賃借人の会計リース期間とは、賃借人が原資産(2−1−1ただし書の(2)(注)(2)((収益の計上の単位の通則))に定める原資産をいう。以下この節において同じ。)を使用する権利を有する解約不能期間(2−1−29(注)4(1)((賃貸借契約に基づく使用料等の帰属の時期))に定める解約不能期間をいう。)に次の(1)及び(2)の期間を加えた期間をリース期間としている場合の当該リース期間をいう。
(1) 賃借人が行使することが合理的に確実であるリース(2−1−1ただし書の(2)(注)(1)に定めるリースをいう。以下この節において同じ。)の延長オプションの対象期間
(2) 賃借人が行使しないことが合理的に確実であるリースの解約オプションの対象期間
【解説】
1 本通達では、リース取引の賃借人が、当該リース取引に係る契約における延長オプション又は解約オプションの対象期間を含めてリース期間の算定を行っている場合の取扱いについて明らかにしている。
2 新リース会計基準における借手のリース期間は、借手が原資産を使用する権利を有する解約不能期間に、①借手が行使することが合理的に確実であるリースの延長オプションの対象期間及び②借手が行使しないことが合理的に確実であるリースの解約オプションの対象期間の両方の期間を加えて決定することとされている(リースに関する会計基準15・31)。
すなわち、契約に定められたリースの解約不能期間そのものをリース期間とするのではなく、オプションの行使を含めた原資産を使用する期間についての企業の合理的な見積りをリース期間に反映することとされている。
これは、存在するオプションの対象期間について、企業の合理的な判断に基づき資産及び負債を計上することが、財務諸表利用者にとって有用な情報をもたらすものと考えられること、及び、国際会計基準との整合による国際的な比較可能性を確保することを理由とするものである(リース会計基準BC36参照)。
3 他方、法人税法上、リース期間は、リース取引に係る契約において定められているリース資産の賃貸借の期間をいうとされている(令48の2⑤七)。
4 ここで、新リース会計基準においてリース期間に含めることとされている上記2①②の期間は、契約期間そのものではなく、借手の合理的な見積りを反映したものであるため、税務上のリース期間に該当するか疑問が生ずる。
5 この点、確かに、上記2①②の期間は、借手の見積りを反映したものではあるものの、その行使可能性については「合理的に確実」であることが要求されており、恣意的な見積りが許されるものではなく、また、加算することになる期間も、あくまでリース取引に係る契約において定められているオプションの対象期間であることから、リース取引の賃借人が会計上採用することとしたリース期間を、税務上のリース期間とすることに特段の問題はないと考えられる。
したがって、本通達において、リース取引の賃借人が新リース会計基準に基づくリース期間を用いて経理を行っているリース資産については、その用いたリース期間を税務上のリース期間として取り扱う旨を明らかにしている。
【改正】(リース期間の終了に伴い返還を受けた資産の取得価額)
7−6の2−11 リース期間の終了に伴い賃貸人が賃借人からそのリース取引の目的物であった資産の返還を受けた場合には、賃貸人は当該リース期間終了の時に当該資産を取得したものとする。この場合における当該資産の取得価額は、原則として、返還の時の価額による。
リース期間の終了に伴い再リースをする場合についても、同様とする。
【解説】
1 リース取引についてはリース資産の賃貸人から賃借人への引渡しの時にそのリース資産の売買があったものとして所得金額を計算することとされていることから(法64の2①)、賃貸人はリース資産の引渡し時に賃借人に対しリース資産を譲渡したこととなる。しかしながら、リース取引は法形式上は資産の賃貸借であることから、リース期間終了時には賃借人はリース資産を賃貸人に返還することとなる。この場合、返還に伴う金銭の授受は通常行われないのであるが、賃貸人は現実に資産を有することとなることから、税務上これをどのように取り扱うべきか疑問が生ずる。
また、リース期間の終了に伴い再リースをする場合においても、通常、再リースは税務上売買とされるリース取引には該当しないため、賃貸人においてリース資産の返還を受けた上で、改めて賃借人に対して賃貸をするということになるか疑問が生ずる。
2 前者について、本通達の前段では、リース期間の終了に伴い賃貸人が賃借人からリース資産の返還を受けた場合には、税務上、賃貸人はそのリース期間の終了の時にその資産を取得したものとすることを明らかにしている。また、後者のリース期間の終了に伴い再リースをする場合についても、これと同様にすること、すなわち、税務上は、賃貸人においてリース資産の返還を受けた上で、改めて賃借人に対して賃貸をするということになるのであり、本通達の後段でこのことを明らかにしている。これらの場合における賃貸人が返還を受けた資産及び再リースをする資産の取得価額については、その返還の時における時価による。これらの取扱いは、賃貸人においては、リース取引の目的であった資産の返還を受け、その後、その資産を処分(売却など)し、又は再リースをすることとなるのであるから、何らかの価値を有する資産を無償で取得したものとみて、無償で減価償却資産を取得した場合の取得価額の取扱い(令54①六)と同様に、その返還の時における時価をその返還を受けた資産の取得価額とすることとしているものである。
なお、賃貸人(リース会社)においては、通常、リース契約を締結するに当たりそのリース資産がリース期間終了時にどの程度の価額で処分できるのか又は再リースができるのかを過去の実績や中古市場の相場などから見積もっており、その見積残存価額もリース料の算定の基礎計数となっている。また、新リース会計基準においては、賃手は、所有権移転外ファイナンス・リース取引で生じる資産、すなわち、将来のリース料を収受する権利と見積残存価額を、リース投資資産として計上することとされ(リースに関する会計基準BC56参照)、リース期間の終了により借手からリース物件の返却を受けた場合は、当該リース物件を見積残存価額でリース投資資産からその後の保有目的に応じ貯蔵品又は固定資産等に振り替えることとされている(リースに関する会計基準の適用指針76)。したがって、賃貸人(リース会社)が、新リース会計基準に従い、その見積残存価額で返還を受けた資産の取得価額に振り替えているのであれば、その見積残存価額が中古市場や再リース料などと比較して相当の差異があるものでない限り、その処理を認めて差し支えないと考えられる。
3 なお、令和7年6月改正通達による改正前の本通達においては、旧リース会計基準で、所有権移転外ファイナンス・リース取引に係る契約に残価保証額に関する取決めがある場合、原則として、当該残価保証額を残存価額とすることとされていたことを踏まえ、残価保証額がリース期間終了時の見積時価と大幅に乖離していないことを想定して、残価保証額の定めがある場合における返還を受けた資産の取得価額は当該残価保証額とする旨の取扱いを定めていたが、新リース会計基準における使用権資産の償却においては、残存価額を0とする(リースに関する会計基準38)こととされたことを踏まえ、令和7年6月改正通達において、残価保証額の定めがある場合の取扱いは廃止している。
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