税務ニュース2026年01月09日 総則6項事案に係る裁決が新たに出現(2026年1月12日号・№1106) 「実質的な租税負担の公平に反する事情」が認定される傾向が鮮明
周知の通り、国税庁は最高裁令和4年4月19日判決を受け、評価通達総則6項の適用に関する事務運営指針を令和4年7月1日付で発遣している。その後、総則6項の適用件数は増加傾向にあり、令和4事務年度では6件(不動産3件、非上場株式3件)、令和5事務年度では11件(不動産5件、非上場株式6件)に上っている。
そして、これらの課税事例の適法性について判断を示した裁決事例が公表されつつある。先行する2件の裁決「金裁(諸)令5第5号」「東裁(諸)令6第103号」は、いずれも被相続人が入院して容体が悪化した後、つまり相続開始直前の切迫した時期に、租税負担の減少効果が大きい行為(前者は事業年度の変更と決算期直前の剰余金配当を組み合わせることで、類似業種比準方式における比準要素数が1の会社に該当することを回避し、後者は3か月という短期間に連続して高額(1億前後~9.6億円)の不動産を複数(5件)取得)が実行されたという総則6項の典型的な適用事案と言える。
令和7年12月に裁決要旨が公表された「高裁(諸)令6第13号」「関裁(諸)令6第72号」は、課税時期前に多額の借入れを原資として不動産の購入等が行われ、その結果として租税負担が著しく軽減されている点、共通している。これらの裁決では、当該行為が、それに至る経過等に照らし、租税負担軽減の意図をもって行われたものと認定され、通達評価額を上回る価額による課税の適法性を基礎づける「実質的な租税負担の公平に反する事情」に該当すると判断されている。もっとも、裁決要旨からは具体的な取得の時期やその検討の経緯の詳細までは必ずしも明らかではない。したがって、これらの裁決に対して訴訟が提起された場合、個別具体的な事実関係次第では、租税負担軽減の意図に関する認定が覆る可能性も残されている。
このほか、(修正簿価)純資産価額と類似業種比準方式の併用方式により評価した価額による申告に対し、前者のみで評価すべきと判断した裁決が2件(令和7年4月16日関裁(諸)令6第57号、令和7年4月9日東裁(諸)令6第171号)出ており、これらも評価通達上の原則的評価方式による申告評価額を否認した総則6項適用事案である可能性があろう。
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