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税務ニュース2026年01月16日 国内G内取引も書類保存義務化の可能性(2026年1月19日号・№1107) シェアードコスト等の算定根拠を調査で提示できなければ青色取消しも

  • 企業グループ間の取引に係る書類保存の特例、内国法人との取引も適用対象になる可能性。
  • 既存の移転価格税制による文書化書類の中に「支払額の根拠の詳細を確認できる資料」が含まれていれば、新しく別の文書を作成する必要はなく、また、契約書や算定式等の根拠資料が備えられていれば可とされる方向。

 令和8年度税制改正では、納税環境整備の項目の一つとして「企業グループ間の取引に係る書類保存の特例」が創設される。これは、企業グループ内の法人間で行われる特定の取引について、支払額の妥当性を立証するための書類保存を義務付ける制度であり、令和8年4月1日から施行される。
 現行法人税法上も取引書類の保存義務はあるが、税務調査においてグループ内の「シェアードコスト取引」等の実態解明が困難な事例が頻発している。税務調査においては調査対象法人の協力の下で必要な資料の提示・提出を受けているところ、税務当局は国外関連者に対する経費支払い(特に間接経費)の実態確認に苦慮しているとのことであり、「特に国外に所在している法人との取引については、反面調査が困難である等、当局が取り得る手段が限定されているため、その取引実態の確認には調査対象者による支払いの詳細な情報の提供が必須」だという。また、「例えば、極めて単純に利益調整が可能となる、グループ会社間で経費配賦を行うシェアードコスト契約が普及しているところ、調査対象者から十分な資料の収集ができなかったことが要因の一つとなり、実態確認ができなかった事例が発生」しているとのことだ。
 一方、国外親会社から多額の間接費配賦を受けている日本子会社が「詳細は親会社が管理しており不明」「調査時に要求されてから用意すればよい」として、十分な資料提供を行わないケースが見られたという。財務省は、このような「資料がないことを理由とした実態確認の拒否」を封じ込め、恣意的な利益調整や国外への所得流出を防止することを目的として、本制度の創設に踏み切ったようだ。
 本制度は、内国法人が「関連者」との間で「特定取引」を行った場合に適用される。「関連者」とは、移転価格税制における「特殊の関係」と同様、発行済株式等の50%以上を直接・間接に保有されている関係にある法人や、事業方針を実質的に決定できる関係にある法人を指すが、「国外関連者」との限定はないため、内国法人との取引も同制度の適用対象になる可能性がある。
 「特定取引」には、販売費や一般管理費等の費用の基因となる取引が該当するとされている。具体的には、①無形資産(工業所有権・著作権・プログラムの著作物等)の譲渡・貸付け、②役務の提供(シェアードコスト取引等):研究開発、広告宣伝、共通システムの使用・維持管理、経営の管理・指導、情報の提供等、③これらに類する取引を指す。
 「関連者」との間で「特定取引」を行った場合において、「取引関連書類等」(注文書、契約書、送り状、領収書、見積書やその電磁的記録等)にその取引に関する資産又は役務の提供の明細、支払対価の額の計算の明細等その取引に係る対価の額を算定するために必要な事項の記載又は記録がないときは、記載又は記録がない事項を明らかにする書類(電磁的記録を含む)を取得し、又は作成し、かつ、これを保存しなければならないとされている。書類の保存が法令の定めに従って行われていないことは、青色申告の承認の取消事由等となる。
 本誌取材によると、既存の移転価格税制による文書化書類の中に「支払額の根拠の詳細を確認できる資料」が含まれていない場合には、別途、本特例に基づく資料の作成・保存が求められる一方、既にそれらの資料が存在する場合には、新しく別の文書を作成する必要はないとの整理になる方向。また、保存書類には個別金額まで逐一明示する必要はなく、契約書や算定式(計算ロジック)等の根拠資料が備えられていれば済む模様だ。
 ただ、本制度では取引に関する客観的な算定根拠を証明できる書類の適切な保存が明確に求められており、調査時にこれらの書類を提示・提出できない場合、青色申告の承認が取り消されるリスクが生じる。本制度は令和8年4月1日以降に行われる取引について適用されるため、残された時間はそれほど多くない。企業は早急に国内外のグループ間取引を洗い出し、既存の契約書や請求書に「算定根拠」が十分に記載され、該当する書類等が適切に保存されているか点検するとともに、国外も含む「関連者」への協力要請や適切な文書化のためのプロセスを構築する必要があろう。

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