税務ニュース2026年01月16日 建物改修工事に係る高額特定資産で争い(2026年1月19日号・№1107) 審判所、各工事の代金は一千万円未満であるとした請求人主張を斥ける
高額特定資産(一の取引の単位に係る税抜き価額が1,000万円以上の調整対象固定資産等)である居住用賃貸建物については仕入税額控除の適用が制限されている(消法30⑩)。本件の争点は、建物改装工事の資本的支出が高額特定資産に該当するか(消費税法30条10項の適用があるか)否かという点であった。請求人は、所有する1棟の建物について居住用部分と住宅の貸付けの用に供しない部分に改装して賃貸するための本件工事の代金を支払った。そして建物の資本的支出に係る消費税を仕入税額控除の対象として確定申告を行った。これに対し税務署は、資本的支出から居住用賃貸部分以外の部分として合理的に区分されていると認められる部分を除いた部分は消費税法30条10項の規定により仕入税額控除はできないとする課税処分を行った。これを不服とした請求人は、本件工事は内容の違う独立した複数の工事の集まりであると指摘し、工事ごとの代金は1,000万円未満であるから本件工事の資本的支出は高額特定資産に該当せず、消費税法30条10項の適用を受けないと主張した。
国税不服審判所はまず、本件工事に係る工事請負契約書には、特定の工事ごとに引き渡し、支払義務が生じるなどの特約はなく、工事請負契約書のとおり履行されていると認められることから、本件工事は一の取引に係るものとみるべきであり、複数の工事の集合体と見る余地はないと指摘。資本的支出は建物という一のものについて行う修理、改良等のために要したものであり、その金額は一の取引の単位として1,000万円以上であるから、高額特定資産に該当するとした。そのうえで審判所は、本件工事には居住用と認められる工事箇所が含まれていることから、建物が消費税法30条10項規定の住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物以外の建物に該当しないことは明らかであり、資本的支出は居住用賃貸建物に該当すると指摘。資本的支出のうち住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな部分として合理的に区分されている部分以外の部分は、消費税法30条10項の適用を受けることから仕入税額控除は認められないと結論付けた。
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