税務ニュース2026年02月27日 月次一括記載は「帳簿保存」に当たらず(2026年3月2号・№1113) 審判所、電磁的記録や原始書類の保存による代替えも排斥
消費税法30条7項は、帳簿及び請求書等の保存がない場合には仕入税額控除を適用しない旨規定しているが、実務上、請求書等の保存への意識は高い一方で、帳簿の記載事項やその作成時期(保存開始時期)については、法人税との混同も相まって、税務調査で不備を指摘されるケースが少なくない。こうした中、帳簿の保存要件の解釈の厳格さを示したのが、令和7年6月16日裁決(関裁(法・諸)令6第70号)だ。
請求人(日用品等の輸出販売)の総勘定元帳には、現金仕入れの毎月の合計金額のみが一括して記載され、取引ごとの①相手方の氏名等、②年月日、③資産等の内容、④対価の額という法定記載事項を欠いていた。請求人は仕入税額控除を否認された。
請求人は、①一括計上仕入に係る明細を電磁的記録で、②原始記録としての取引関係書類(年間買取書兼領収書綴)を紙媒体で保存しており、これらには法定の記載事項が記載されていたことから、総勘定元帳の記載と併せれば「帳簿の保存」がある旨主張した。これに対し審判所は、請求人は電子帳簿保存法4条1項に規定する所轄税務署長の承認を受けていない以上、明細を電磁的記録で保存していても法定帳簿に該当しないと判断した。請求人は、税務調査時に明細を印刷したものを準備していたものの、調査官から提示を求められなかったとも主張したが、審判所は、複数回提示を求めたにもかかわらず請求人が応じなかった事実を認定し、当該主張も斥けた。課税実務上、法定帳簿は、法定申告期限の翌日までに作成・保存する必要があると解されているが、仮に調査開始時に印刷した帳簿を調査官の求めに応じて提示していれば、作成・保存時期の問題自体が争点にならなかった可能性もある(なお、令和3年度税制改正後は、電子帳簿の保存について税務署長の事前承認は不要となった)。
また審判所は、取引関係書類が消費税法30条9項に規定する請求書等の要件を満たすか否かにかかわらず、同条8項に規定する帳簿等の保存がない以上、仕入税額控除は適用されないとした。法人税法では、法定事項を帳簿に記載することに代えて、それらの事項が記載された取引関係書類を帳簿代用書類として保存することが認められている(法規59)。しかし、消費税法には同様の規定がないため、帳簿の保存に代えて取引関係書類を保存することは認めないとの解釈が課税実務上定着している。本裁決も、この解釈を前提としたものと言える。
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