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税務ニュース2026年05月01日 指揮命令関係の存在のみで給与と言えず(2026年5月4日号・№1121) 労働者派遣料の仕入税額控除、黙示の雇用契約の成立認めた判例なし

  • 労働者派遣料、指揮命令関係の存在をもって「給与等」とは言えず。指揮命令関係は派遣という法形式に当然に内在し、また、派遣先との黙示の雇用契約の成立を認めた裁判例も見当たらず。

 周知の通り、役務提供の対価が給与等(所法28①)に該当する場合、消費税法上、役務提供者側においては資産の譲渡等(消法2①八)に該当せず、役務提供を受ける側においては仕入税額控除の対象とならない(同十二カッコ書)。消費税法基本通達1ー1ー1は、「事業者とは自己の計算において独立して事業を行う者をいうから、個人が雇用契約又はこれに準ずる契約に基づき他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行われる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しない」ことから、「出来高払の給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当する」とした上で、給与か請負による報酬かの区分が明らかでない場合に、その判定上勘案する要素の一つとして、「役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか」を挙げている。
 給与等への該当性がしばしば問題となるのが、労働者派遣の場面だ。税務調査で、派遣先と派遣労働者との間に指揮命令関係が存在することをもって給与等に該当するとの指摘を受けた事例が本誌取材により把握されているが、派遣先と派遣労働者との間に指揮命令関係が存在することは、両者間の雇用関係の成否の判断基準とならないという点、留意したい。労働者派遣とは、派遣先の指揮命令を受けて労働に従事させることを本質とする法律関係であり(労働者派遣法2条1号)、指揮命令関係は派遣という法形式に当然に内在するものだからだ。
 そして、私法上、労働者派遣契約が締結されている場合には、特段の事情がある場合を除き、派遣先と派遣労働者との間に雇用関係が成立することはない。その根拠は、労働者派遣法の定義自体が派遣先による雇用を想定しておらず、派遣労働者も派遣契約に基づく就労であることを認識している以上、派遣先との雇用は合理的意思として想定し得ないことにある。実際、派遣先との黙示の雇用契約の成立を認めた裁判例は見当たらない。したがって、消費税上も、労働者派遣契約が締結され、労働者派遣料が支払われる場合は、実態として指揮命令関係があるか否かにかかわらず、特段の事情がない限り、「給与等を対価とする役務の提供」には該当せず、派遣元の課税売上を構成するとともに派遣先の課税仕入れにも該当するものと解される。

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