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税務ニュース2026年06月05日 破産財団からの放棄では債権は消滅せず(2026年6月8日号・№1125) 放棄時点では債権者・債務者のいずれにも課税関係なし

  • 破産財団からの債権放棄時点では債権は消滅しないため、直ちに課税関係は生じず。
  • 破産手続終結後も、自由財産たる債権が残存すれば法人格は存続するが、回収不能性に基づく貸倒処理や明示的な債務免除が行われる場合には、改めて課税関係を検討。

 破産管財人は、破産会社が取引先・役員等に対して有する債権について、回収コストが回収見込額を上回る場合、裁判所の許可(破産法78②十二)を得て、破産財団からの放棄を行うことができる。もっとも、これは破産管財人の管理処分権を放棄する相対的放棄であり、債権そのものを消滅させる実体法上の債権放棄とは性質が異なる。したがって、破産財団からの放棄があっても、当該債権自体は破産会社の自由財産として存続するため、債権者側で貸倒損失等は実現せず、債務者側にも経済的利益の移転はない。すなわち、その時点では債権者・債務者のいずれにも課税関係は生じない。
 破産手続終結決定により法人格は消滅するのが原則だが、自由財産たる債権が残存する場合は、清算の必要から法人格はなお存続する。そうすると、当該債権の回収を完了しなければ清算を結了することができないのかが問題となる。もっとも、第三者たる破産管財人が回収コストと回収見込額の衡量判断を経て放棄に至っている事実は、回収不能性を裏付ける有力な間接事実となる。したがって、事実上の貸倒れ(法基通9−6−2)として損金処理する余地が生じる。また、清算法人として明示的に債務免除を行い、法律上の貸倒れ(同9−6−1)として処理することも実務上あり得る。
 債務者側の課税関係は、債務免除を行うか否かによって異なる。法人債務者の場合、債務免除益は原則として益金に算入される(法法22②)が、清算事業年度において残余財産がないと見込まれるときは、法人税法59条4項により期限切れ欠損金の損金算入が認められ、結果として税負担は生じない場合が多い。
 一方、個人債務者の場合、役員・従業員に対する債務免除は原則として給与所得(役員賞与)として源泉徴収の対象となるが、所得税法44条の2第1項により「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合」に該当するときは非課税となり、源泉徴収義務も生じない。ただし、同項の資力喪失要件は、債務者個人の財産状況に関する独立の評価事項であり、破産管財人による「破産財団からの放棄」の判断のみで当然に充足されるものではない。実務上は、債務者個人の無資産・無収入を疎明する資料を別途確保するようにしたい。

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