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会社法ニュース2020年08月07日 定款から消える株主総会開催地(2020年8月10日号・№845) コロナ禍で「場所」を定めること自体がリスクに

  • 今年6月の株主総会で、複数の上場会社が定款から株主総会開催地を削除。コロナ禍を踏まえ、会場型の株主総会へのリスク認識広がる。
  • 上場・未上場会社問わず、株主総会開催地が定款に残っている場合には基本的に削除することが賢明。

 旧商法上、株主総会は「本店所在地またはその隣接地」で開催することが求められていたため、定款に総会開催地の定めを置くのが一般的だった。また、株主総会を本店所在地またはその隣接地以外の場所で開催するには、定款で「別段の定め」が必要とされていたことから、「株主総会を本店所在地またはその隣接地以外で開催できる」旨を定めている会社もあった。
 しかし、株主総会開催地に関する規定は会社法の施行により消滅した。そこで、会社法の施行に伴い実施した定款変更の際に、株主総会開催地に関する規定を削除した会社も相当数あったが、一部の会社は引き続き同規定を定款に定めている。
 コロナ禍を受け、今年6月の株主総会では、上場会社の多くが株主総会会場への来場を自粛するよう株主に呼び掛けるという異例の対応をとったが、いまだコロナ禍は収束していない上、今後、大地震、水害などにより、会場型の株主総会が開催できなくなるリスクは低くない。経営上のリスクヘッジという観点からは、上場・未上場会社問わず、現在も定款に株主総会開催地の規定を置いている場合には、当該規定を削除するよう定款変更を行うべきだろう。
 実際、今年6月の株主総会では、複数の上場会社が株主総会開催地の規定を削除等する定款変更議案を上程し、いずれも可決されている。例えば、兼松エレクトロニクス、ヘリオステクノホールディング、スパークスグループは定款に定めていた総会開催地の規定を削除している。
 ただ、特定の土地とゆかりの深い会社等の中には、引き続き総会開催地の定めを定款に置きたいというニーズもある。こうした会社にとって参考になるのが、日清食品ホールディングスの事例だ。同社は今年の株主総会で、「大阪府において開催する」との規定は残しつつ、「大阪府において開催することが困難と認められるときは、他の地域を開催地とすることができる」旨の但し書きを追加している。
 もっとも、そもそも「会場型」の株主総会の開催を求める現行会社法を時代遅れとする意見もある。仮に将来、バーチャルオンリー型株主総会(42頁参照)も会社法上の株主総会として認められるようになれば、株主総会会場という概念は益々希薄なものとなろう。

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