税務ニュース2020年08月28日 出張で“Go To”利用時の経理処理は(2020年8月31日号・№847) 還付手続き「無し」なら簡易な処理に
Go Toトラベルキャンペーンを企業が出張等に利用するケースで、経理処理等への疑問が生じている(本稿では「地域共通クーポン」(42頁参照)については検討しない)。
(1)還付手続き「有り」のケース
・通常は、従業員が一旦は出張旅費の全額を立替払いし、後日経費精算処理することになろう。この場合、「35%分」の経理処理が問題となる。
出張旅費を100(消費税率10%)とすると、以下の2つのパターンが考えられる。
【パターン1】
①従業員が110(消費税込)全額を一旦立替処理
②110のうち35%分(38.5)について従業員個人が還付請求を実施(なお、この38.5は消費税込の金額)。
③②と並行して、従業員は110の65%分(71.5)を企業に対し経費精算。その際、企業側は65の旅費と6.5の仮払消費税処理を行う。
④②にて従業員が還付を受けた38.5は従業員が受領。
上記35%分の還付(38.5)は個人への還付ということで消費税は「不課税」となろう。
【パターン2】
①従業員が110(消費税込)全額を一旦立替処理
②110のうち35%分(38.5)を従業員が還付請求(この38.5は消費税込の金額)。
③②と並行して、従業員は110全額を企業に対し経費精算。その際、企業は110の旅費と10の仮払消費税処理(※)を行う。
④②にて従業員が還付を受けた38.5は従業員が企業に戻入れる。企業はこれを雑収入として経理処理する。消費税は課税処理もしくは不課税処理が考えられるため、以下解説する。
⑤−1 ④における消費税を課税処理した場合
企業は、35%相当額の消費税については売上側・仕入側ともに課税処理をすることとなり③の(※)の処理と整合性が取れるため、適切な仕入税額控除計算となる。ただし、還付相当額の戻入れ額が企業の課税売上を構成するのかという議論は残る。
⑤−2 ④の経理処理が不課税処理の場合
③の(※)で行う35%相当額に係る仮払消費税処理について、企業は過大に仕入税額控除を行うことになるため、35%分の経費処理を不課税処理にすべきかが論点となる。
(2)還付手続き「無し」のケース
・35%の割引が適用されてチケットが発行されるため、個人が一旦立替払いしたとしても立替額は65%分の金額となり、その金額の経理処理は65%分のみとなるため、その金額を出張旅費として処理。
当該65%分に係る消費税区分については、通常の旅費と同様の扱いとなるため、消費税課税対象(35%分の経理処理は企業側は行わないため、消費税の論点は発生しない)。
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