一般2025年08月27日 戦争文言削除で公表見送り 10月予定の立命憲章改正案 賛否寄せられ「慎重議論」 提供:共同通信社

「戦争の痛苦」などの文言をなくす立命館憲章の改正案を巡り、学校法人立命館(京都市)が10月の創立記念行事に予定していた新憲章の公表を見送ることが26日、分かった。改正検討に関わった高山茂(たかやま・しげる)副総長らが共同通信の取材に明らかにした。学生や教職員から「平和への誓いが揺らぐ」などの反対の声が上がる一方、賛成意見も寄せられるとし「期間にこだわらず慎重に議論したい」と修正も含め検討している。
法人側は改正案を示した4月、戦争関連の文言を削ろうとした理由を「外国籍の方には意図がつかみにくいとの意見が出た」などと説明していた。
改正検討委員会の元事務局長・山下範久(やました・のりひさ)常務理事は「戦争による加害と被害の意味を込めた痛苦という言葉は玉虫色。そう表現されていること自体受け入れ難いと思う人もいる」と補足した。
その上で憲章が制定された2006年の社会状況と比べ「戦争の総括を簡潔に表すのが極めて難しくなっている」ことから、改正案では、未来志向の表現を追求し「グローバルな平和」として、多様な立場から平和の実現を目指すことに重点を置いたと強調した。
学生や教職員の「歴史的経緯や反省をうやむやにしている」との訴えには、文言はなくとも文面に込めた思いは変わらないとし、高山氏は「意図を持って削ったわけではない」と理解を求めた。
憲章を巡っては24年7月に「将来志向の価値観の再構築」を目的に、法人の理事会が改正検討委を設置。学生らに意見聴取し、今年4月に改正案を学内のポータルサイトに掲載した。改正案は前半で学園の起源や教学理念を説明。後半は、多様性の尊重や持続可能な社会の創造を挙げ「グローバルな平和の実現に貢献する」と締めくくっている。
立命館憲章
学園全体で共有される価値観や行動指針を示すもので、教育・研究活動の根幹にある理念や精神を明文化する目的で2006年に定められた。現行憲章では、「平和と民主主義」を教学理念として掲げる根拠を示すため、「第2次世界大戦後、戦争の痛苦の体験を踏まえて」などの文言が盛り込まれた。戦時中に国家主義的な体質が強かったことへの反省や、戦争犠牲者への追悼の思いなどが込められている。
(2025/08/27)
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