民事2026年02月15日 支援、オーダーメード型へ 「終了後」に新たな課題も 成年後見制度見直し 提供:共同通信社

法制審議会は、成年後見制度を見直す民法改正要綱を法相に答申した。現行制度は一度利用し始めると本人が亡くなるまで終えられず、当初の目的を果たした後も後見が継続。硬直的な仕組みが利用控えの要因とされてきた。新制度は、認知症高齢者の増加などでニーズが多様化する中、個々の事情に合わせた「オーダーメード型」の支援を目指す。専門家は、後見終了後のサポートの在り方が次の課題とみる。
▽歓迎
「必要な時に、必要な人が、必要なだけ使える制度に近づく」。認知症の当事者らを支える公益社団法人「認知症の人と家族の会」(京都市)の花俣ふみ代(はなまた・ふみよ)副代表理事は、見直しを歓迎した。
後見人が本人の意思をよそに財産を守ることにこだわったり、財産管理はしても日常生活の見守りはおろそかにしたりするケースを見てきた。2022年には、国連の障害者権利委員会が「意思決定を代行する制度の永続」に懸念を示し、民法改正を勧告した。
花俣さんは法制審の部会に委員として参加し「終われる後見、代われる後見」の必要性を訴えた。新制度では、遺産相続は弁護士が担い、その後に身の回りの世話が必要になると社会福祉士に任せるといった柔軟な対応が可能になる。相談窓口の充実を図り「本人が納得した形で利用できるようになれば」と話す。
▽地域連携
一方、支援の現場からは課題を指摘する声が上がる。「甲賀・湖南権利擁護支援センターぱんじー」(滋賀県甲賀市)は、認知症高齢者やその家族の相談に乗り、チームでの後見業務も担う。桐高(きりたか)とよみ所長は、新たな制度で後見人の業務が限定的になるため、幅広い支援が必要なケースでは、地域での支えがより求められるとみる。
早い段階から後見対象の行為だけでなく、全体としてどのような支援が必要なのかを把握しておく必要性を強調。その上で、さまざまな専門家が連携した自立支援や、地域でのサポートを行うことが望ましいとした。
ただ、福祉の分野は人手不足が深刻で、地域の「互助」機能を支えてきた老人会なども衰退傾向にあると実感する。「支援対象外の領域や、後見終了後をどう支えていくかがこれからは重要になるだろう」と指摘した。
答申は12日に行われた。法務省は答申に沿った民法改正案を特別国会に提出予定。同日に答申された遺言制度見直し法案との一括審議を見込む。
成年後見制度
認知症や知的障害などで判断能力が十分ではない人を福祉関係者、司法書士、親族らが後見人となって支える制度。2000年に禁治産、準禁治産制度を廃止して導入された。「法定後見」は判断能力に応じた3類型があり、本人に代わって預貯金の管理や福祉サービスの利用手続きをしたり、契約を取り消したりする権利が与えられる。本人や家族が申し立てて、家裁が後見人を選定する。判断能力があるうちにあらかじめ後見人を選任する「任意後見」もある。
(2026/02/15)
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