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一般2026年03月02日 デマ接触、事実と誤認9割 衆院選誤情報で有権者調査 提供:共同通信社

 先の衆院選期間中に拡散していた複数の偽・誤情報について尋ねたところ、見聞きした人の割合は半数超に上り、情報に接した人の90%近くがその情報を事実だと誤認していたとの調査結果を東洋大の小笠原盛浩(おがさはら・もりひろ)教授がまとめた。選挙中にデマが拡散し、有権者の判断に影響を与えかねない状況が浮き彫りになった。
 調査は2月8~10日、18~79歳までの男女1800人を対象にインターネットで実施した。ファクトチェック団体が検証し、誤りと認定した情報から選挙関連の五つを選んで提示。公示日から投票日前日までに見聞きしたか尋ね、有権者1793人から回答を得た。
 その結果、全体の51・4%に当たる921人がいずれかの誤情報に接触しており、このうち823人(89・4%)が情報が事実だと誤認していた。1人で複数の誤情報を見聞きしたケースもあり、累計の接触数は1585件。件数ベースの誤認割合は79・9%だった。
 見聞きしたのが多いのは「マンション価格の高騰は外国人が投機目的で購入しているから」で、接触割合は44・4%。このうち89・6%が事実と誤認していた。
 誤情報に接した情報源は、テレビが32・7%と最多で、ニュースサイト・アプリ22・7%、X(旧ツイッター)などのSNS20・0%と続いた。
 小笠原氏は、実際にテレビがこれらの誤情報を事実として報じた可能性は低いと指摘。誤情報への注意を呼びかける趣旨が正しく伝わらず事実だと認識されてしまったケースや、放送した党首討論や街頭演説に含まれる誤りのファクトチェックが後日になってしまうケースがあると推測した。
 また、誤情報への接触率は若年層は低く、高齢層ほど高かった。選挙への関心が高いほど接触しやすかったとみている。

事実に基づく判断困難に 生成AIで状況悪化

 近年の国政選挙や知事選を巡ってはインターネットで偽・誤情報が大量に拡散し、陣営が否定に追われるなどの事態が頻発している。画像や動画を手軽に作成できる生成人工知能(AI)の登場で事態は深刻さを増しており、調査した小笠原盛浩(おがさはら・もりひろ)・東洋大教授は「有権者が事実に基づいて判断することが困難になっている」と警鐘を鳴らしている。
 2月の衆院選では、生成AIがからむ事例が相次いだ。中道改革連合の公認候補者が、カメラに向けて中指を立てる偽画像が拡散したケースは、AI製とみられる画像が使われた。それとは逆に「中道の街頭演説会に集まった聴衆の動画はAIで生成された」とのデマも広まった。画像や動画の真偽の見極めは難しく、検証も容易ではない。
 今回調査対象となった五つの誤情報のうち、一つでも見聞きした人は半数を超えた。真偽不明の情報は他にも数多く拡散しており、実際にはより多くの人が誤情報にさらされていたとみられる。
 小笠原氏は「個人の判断能力だけで大量の情報の真偽を見極めるには限界がある」と指摘し、「情報環境そのものを改善する必要性が高まっている」と強調した。

(2026/03/02)

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