一般2026年03月19日 「人生被害」の明記求める 強制不妊、次期指導要領で 国賠訴訟原告ら中教審に 提供:共同通信社

旧優生保護法下の強制不妊手術を巡り、国家賠償請求訴訟の原告団や弁護団が、次期学習指導要領を検討する中教審(文部科学相の諮問機関)に「優生政策による人生被害」の明記を要請したことが18日、関係者への取材で分かった。今後、中教審作業部会が指導要領に盛り込むかどうか議論するとみられる。
指導要領は学校教科書作りの基準で、中教審は2026年度中に改定内容を答申し、30年度以降に全面実施される見通し。旧法下の高校保健体育などの教科書では「結婚の相手を選ぶときに劣悪な遺伝質をもっているかどうかを確かめることがたいせつである」といった差別的記述があった。原告側は学校教育を再発防止策の柱に位置付けている。
関係者によると、要請では①旧法の歴史②優生政策が特定の病気や障害がある人をいかに傷つけ、人生被害を与えたか③今も残る偏見・差別の実態と、そこから決別する必要性―の記載が指導要領に必須とした。
また、国が教科書を通じて優生思想を広めた事実は重いとし「長年にわたる優生教育の一端は中教審が担っていた」と指摘。最高裁の違憲判決を受けて国が問題解決に乗り出した経緯を踏まえ、次期指導要領が重視する「多様性の包摂」を学ぶ「これ以上ない教材と考えられる」と訴えた。
25年9月、原告側と国との定期協議で文科省担当者は、指導要領への反映を「しっかり議論したい」と表明。今回の要請は教科書に盛り込むべき内容を詳しくしたもので、原告側は同12月に文書をまとめた。
旧優生保護法
「不良な子孫の出生防止」との目的で1948年制定。差別条文を削除し母体保護法に改称された96年まで存在した。障害や精神疾患を理由に不妊や人工妊娠中絶の手術を認め、旧法下の不妊手術は少なくとも2万5千件とされる。2018年以降、国家賠償請求訴訟が起こされ、最高裁は24年、旧法を違憲と判断して国に賠償を命じた。25年1月、国の責任と謝罪を明記した被害補償法が施行された。国は被害者側と定期的な協議の場を設け、再発防止策を検討、実施していくとしている。
(2026/03/19)
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