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訴訟手続2026年03月18日 公務カスハラ、断れぬ実態 「全体奉仕者」被害3割 現場任せず、対策一丸で 提供:共同通信社

 顧客からの暴言や不当な要求といったカスタマーハラスメント(カスハラ)が社会問題化している。民間企業だけでなく、公務員が被害を訴えるケースも多く、政府による調査では自治体職員の約3割が被害を申告。「全体の奉仕者」という立場上、一方的に対応を打ち切るのは難しく、専門家は「現場任せにせず、自治体一丸となった取り組みが重要」と訴えた。
 きっかけは昨年1月。大阪府内のスポーツ施設を土足で利用しようとした男性を、他の利用者が注意した。口論になり、胸ぐらをつかみ合う事態となったため、施設側が警察に通報した。
 男性は「普通に利用していただけなのになぜ警察を呼んだ」と激高。自分に非がないことを証明するため、当時の対応記録を市に開示請求した。対応した30代の男性職員がいくら状況を説明しても、「何もしていない」「おまえとは頭の出来が違う」とののしられた。
 開示請求は公的手続きのため、要求があれば何度も電話や対面でやりとりしなければならない。1人での応対が続き、心身共に疲弊している。
 総務省が自治体職員を対象にした2024年調査では、過去3年間にカスハラを受けたと答えた人は3割超だった。同年の民間企業で働く従業員などへの厚生労働省調査では、10・8%が経験したと回答。別調査のため単純比較はできないが、民間の約3倍だった。
 カスハラ対策を巡っては国も本腰を入れており、昨年6月、カスハラ対策を義務付ける改正労働施策総合推進法が成立。企業だけでなく自治体も対象となっており、今年10月1日に施行される。
 自治体にも広がる。大阪府寝屋川市は昨年4月、職員の名札に本名以外のビジネスネームを使用することを認めた。茨城県取手市は、個室で対応する職員に「ばかやろう」などの言葉が浴びせられると、室内の機器が反応し、管理職に知らせる仕組みを試験導入。担当者は「職員が安心できる環境にしたい」とした。
 自治体のカスハラ対策に詳しい大阪経済大の山谷清秀(やまや・きよひで)准教授(行政学)は、難しいポイントを「相手が同じ地域に住む人なので、簡単に排除できないところ」と説明する。その上で「現場任せにせず、自治体を挙げて取り組む必要がある。部署ごとに仕事が多岐に分かれるため、実態に即したマニュアルをそれぞれの部署が作るべきだ」とした。

カスタマーハラスメント

 顧客や取引先が立場を利用して、従業員や公務員に理不尽な要求をしたり、暴力をふるったりする行為。カスタマー(顧客)とハラスメント(嫌がらせ)を合わせた造語で「カスハラ」と略される。厚生労働省などは具体例として、理由や関係がない要求や、対応が著しく困難な要求などを挙げている。殴る蹴るの暴力、脅迫や中傷といった精神的攻撃のほか、大声での威圧や同じ質問を執拗(しつよう)に繰り返す、長時間の居座りなども該当する。

(2026/03/18)

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