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電気事業法の一部改正(令和5年6月7日法律第44号〔第1条〕 公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行 ※令和5年9月13日(政令第281号)において令和7年6月6日からの施行となりました
法律 新旧対照表
  • 公布日 令和5年06月07日
  • 施行日 令和7年06月06日

経済産業省

昭和39年法律第170号

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◇脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(政令第二八一号)(原子力規制委員会)

 脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(令和五年法律第四四号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行期日は令和五年一〇月一日とし、同条第四号に掲げる規定の施行期日は令和七年六月六日とすることとした。


◇脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(法律第四四号)(内閣官房)
一 電気事業法の一部改正関係
 1 発電用原子炉の運転期間
  ㈠ 原子力発電事業者が、その発電事業の用に供するため、その維持し、及び運用する発電用原子炉を運転することができる期間(以下「運転期間」という。)は、当該発電用原子炉について最初に使用前検査に合格した日から起算して四〇年とすることとした。(第二七条の二九の二第一項関係)
  ㈡ 原子力発電事業者は、㈠の四〇年を超えて発電用原子炉を運転しようとするときは、あらかじめ、経済産業大臣の認可を受けて、運転期間を延長することができることとした。(第二七条の二九の二第二項関係)
  ㈢ 経済産業大臣は、㈡の認可の申請があった場合において、当該申請が次のいずれにも適合していると認めるときに限り、㈡の認可をすることができることとした。
   ⑴ ㈡の認可の申請に係る発電用原子炉(以下「申請発電用原子炉」という。)が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと。
   ⑵ その原子力発電事業者が核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「原子炉等規制法」という。)第四三条の三の五第一項の許可の取消しを受けていないこと、申請発電用原子炉について原子炉等規制法第四三条の三の二〇第二項の規定による運転の停止の命令を受けていないこと並びに申請発電用原子炉に係る二の2の㈠及び㈢の認可の申請並びに二の2の㈣の認可の申請(二の2の㈧の命令を受けて行うものに限る。)に対し不認可の処分がなされていないこと。
   ⑶ 延長しようとする運転期間において申請発電用原子炉を運転することが、我が国において、脱炭素社会の実現に向けた発電事業における非化石エネルギー源の利用の促進を図りつつ、電気の安定供給を確保することに資すると認められること。
   ⑷ その原子力発電事業者が、申請発電用原子炉に係る発電事業に関する法令の規定を遵守して当該発電事業に係る業務を実施するための態勢を整備していることその他当該発電事業を遂行する態勢の見直し及び改善に継続的に取り組むことが見込まれること。
   ⑸ 延長しようとする運転期間が二〇年を超える場合にあっては、その二〇年を超える期間が次に掲げる期間(平成二三年三月一一日以降の期間に限る。)を合算した期間以下であること。
    イ 申請発電用原子炉に係る発電事業に関する法令若しくは審査基準若しくは処分基準の制定若しくは改正又は当該法令の解釈若しくは運用の基準の変更に対応するため、その原子力発電事業者が申請発電用原子炉の運転を停止した期間と認められる期間
    ロ 電気事業法第二七条の二九において準用する同法第二七条第一項若しくは第四〇条の規定による処分、原子炉等規制法第四三条の三の二〇、第四三条の三の二三若しくは第六四条第三項の規定による処分又は武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律第一〇六条(同法第一八三条において準用する場合を含む。)の規定による処分(これらの処分をした行政官庁又は審査請求に対する裁決によって取り消されたもの等に限る。)による義務を履行するため申請発電用原子炉の運転を停止した原子力発電事業者にあっては、その停止した期間のうち、当該処分による義務を履行するため申請発電用原子炉の運転を停止する必要がなかったと認められる期間
    ハ 行政指導に従って申請発電用原子炉の運転を停止した原子力発電事業者にあっては、当該行政指導に従って申請発電用原子炉の運転を停止した期間と認められる期間
    ニ 仮処分命令(保全異議の申立てについての決定によって取り消され、その決定に対して抗告をすることができないもの等に限る。)を受けて申請発電用原子炉の運転を停止した原子力発電事業者にあっては、その停止した期間のうち、当該仮処分命令による義務を履行するため申請発電用原子炉の運転を停止する必要がなかったと認められる期間
    ホ ロの処分以外の他の法律の規定に基づく申請発電用原子炉に関する処分であってその取消しの判決が確定したものその他原子力発電事業者が申請発電用原子炉に係る発電事業の遂行上予見し難い事由として経済産業省令で定めるものに対応するため、その原子力発電事業者が申請発電用原子炉の運転を停止した期間と認められる期間(第二七条の二九の二第四項関係)
  ㈣ 経済産業大臣は、㈡の認可をしようとする場合には、あらかじめ、㈢の⑴の基準の適用について、原子力委員会の意見を聴かなければならないこととした。(第二七条の二九の二第五項関係)
  ㈤ 経済産業大臣は、㈡の認可をしたときは、遅滞なく、その旨を原子力規制委員会及び当該認可を受けた原子力発電事業者に係る使用済燃料再処理・廃炉推進機構に通知することとした。(第二七条の二九の二第六項関係)
  ㈥ ㈡から㈤までは、㈡の認可等を受けた原子力発電事業者が、当該認可により延長された運転期間を超えて当該認可に係る発電用原子炉を運転しようとする場合に準用することとし、この場合において、延長しようとする運転期間は、㈢の⑸のイからホまでに掲げる期間(平成二三年三月一一日以降の期間に限り、過去になされた㈡の認可等により延長された運転期間に算入された期間を除く。)を合算した期間以下であることとした。(第二七条の二九の二第七項関係)
 2 事業の譲渡し及び譲受け並びに合併及び分割等
  ㈠ 1の㈡の認可等を受けた原子力発電事業者(以下「認可原子力発電事業者」という。)が営む発電事業(以下「認可発電事業」という。)の全部の譲渡し及び譲受けは、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないこととした。(第二七条の二九の三第一項関係)
  ㈡ 認可原子力発電事業者である法人の合併及び分割(認可発電事業の全部を承継させるものに限る。㈣において同じ。)は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じないこととした。(第二七条の二九の三第二項関係)
  ㈢ 1の㈢の⑴、⑵及び⑷並びに1の㈣は、㈠及び㈡の認可に準用することとした。(第二七条の二九の三第三項関係)
  ㈣ 認可発電事業の全部の譲渡しがあり、又は認可原子力発電事業者について相続、合併若しくは分割があったときは、認可発電事業の全部を譲り受けた者又は相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人若しくは分割により当該認可発電事業の全部を承継した法人は、認可原子力発電事業者の地位を承継することとした。(第二七条の二九の三第四項関係)
  ㈤ ㈣により認可原子力発電事業者の地位を承継した相続人は、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならないこととした。(第二七条の二九の三第五項関係)
 3 認可の取消し
  ㈠ 経済産業大臣は、認可原子力発電事業者が次のいずれかに該当するときは、1の㈡の認可等を取り消すことができることとした。
   ⑴ 1の㈢の⑴、⑵又は⑷に掲げる基準等に適合しなくなったとき。
   ⑵ この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるとき。(第二七条の二九の四第一項関係)
  ㈡ 1の㈤は、㈠の場合に準用することとした。(第二七条の二九の四第二項関係)
 4 運転停止命令
 経済産業大臣は、原子力発電事業者が1の㈡の認可等を受けないで1の㈠の四〇年を超えて発電用原子炉を運転したとき、又は当該認可により延長された運転期間を超えて当該認可に係る発電用原子炉を運転したときは、当該原子力発電事業者に対し、当該発電用原子炉の運転を停止すべきことを命ずることができることとした。(第二七条の二九の五関係)
 5 資料の提供等の要求
 経済産業大臣は、1の㈢の運用等に関し、必要があると認めるときは、関係行政機関又は地方公共団体の長に対し、資料又は情報の提供、意見の表明その他必要な協力を求めることができることとした。(第二七条の二九の六関係)
 6 広域的運営推進機関の業務
 広域的運営推進機関(以下「推進機関」という。)の業務に、次に掲げる業務を追加することとした。
  ㈠ 8の㈠の認定整備等事業者に対し、8の㈡の認定整備等計画に基づく電気工作物の整備又は更新に必要な資金を貸し付けること。
  ㈡ 四の6の㈡の交付金相当額積立金の管理及び四の7の徴収等を行うこと。(第二八条の四〇第一項第五号の三、第八号の二及び第八号の三関係)
 7 整備等計画の認定
  ㈠ 広域系統整備計画に定められた電気工作物であって経済産業省令で定める規模以上のものの整備又は更新を実施しようとする一般送配電事業者又は送電事業者は、単独で又は共同して、その整備又は更新に関する計画(以下「整備等計画」という。)を作成し、経済産業大臣に提出して、その認定を受けることができることとした。(第二八条の四九第一項関係)
  ㈡ 整備等計画には、次に掲げる事項等を記載しなければならないこととした。
   ⑴ 整備又は更新を実施しようとする電気工作物の設置の場所、その規模その他当該電気工作物に関する事項
   ⑵ 電気工作物の整備又は更新の実施期間
   ⑶ 電気工作物の整備又は更新の実施体制
   ⑷ 電気工作物の整備又は更新の実施に必要な資金の額、調達方法及び負担の方法
   ⑸ 電気工作物の整備又は更新の実施により見込まれる電気の安定供給の確保への効果(第二八条の四九第二項関係)
  ㈢ 経済産業大臣は、㈠の認定の申請があった場合において、当該申請に係る整備等計画が次のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をすることとした。
   ⑴ 整備等計画の円滑かつ確実な実施を確保することが、広域的運営による電気の安定供給の確保を図るために特に重要であること。
   ⑵ 整備等計画の実施期間、実施体制その他の事項が当該整備等計画を確実に遂行するために適切なものであること。(第二八条の四九第三項関係)
 8 認定整備等計画の変更等
  ㈠ 7の㈠の認定を受けた者(以下「認定整備等事業者」という。)は、当該認定に係る整備等計画を変更しようとするときは、経済産業大臣の認定を受けなければならないこととした。(第二八条の五〇第一項関係)
  ㈡ 経済産業大臣は、認定整備等事業者が当該認定に係る整備等計画(㈠による変更の認定があったときは、その変更後のもの。以下「認定整備等計画」という。)に従って電気工作物の整備又は更新を実施していないと認めるときは、当該認定を取り消すことができることとした。(第二八条の五〇第二項関係)
  ㈢ 経済産業大臣は、認定整備等計画が7の㈢の⑴又は⑵のいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、認定整備等事業者に対して当該認定整備等計画の変更を指示し、又はその認定を取り消すことができることとした。(第二八条の五〇第三項関係)
  ㈣ 7の㈢は、㈠による変更の認定に準用することとした。(第二八条の五〇第四項関係)
 9 区分経理
 推進機関は、広域系統整備交付金交付等業務に係る経理と当該業務以外の業務に係る経理を区分して整理しなければならないこととした。(第二八条の五四関係)

二 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正関係
 1 許可の取消し等
 原子力規制委員会は、発電用原子炉設置者が2の㈠若しくは㈢に違反して発電用原子炉を運転したとき、又は2の㈧の命令に違反したときは、発電用原子炉の設置の許可を取り消し、又は一年以内の発電用原子炉の運転の停止を命ずることができることとした。(第四三条の三の二〇第二項第一二号及び第一三号関係)
 2 発電用原子炉施設の劣化の管理等
  ㈠ 発電用原子炉設置者は、その設置した発電用原子炉について最初に使用前事業者検査について原子力規制委員会の確認を受けた日から起算して三〇年を超えて当該発電用原子炉を運転しようとするときは、あらかじめ、当該三〇年を超えて運転しようとする期間(一〇年以内に限る。)における発電用原子炉施設の劣化を管理するための計画(以下「長期施設管理計画」という。)を定め、原子力規制委員会の認可を受けなければならないこととした。(第四三条の三の三二第一項関係)
  ㈡ 長期施設管理計画には、長期施設管理計画の期間、㈤の劣化評価(発電用原子炉施設の劣化の状況に関する技術的な評価をいう。以下同じ。)の方法及びその結果、発電用原子炉施設の劣化を管理するために必要な措置等を記載しなければならないこととした。(第四三条の三の三二第二項関係)
  ㈢ ㈠の認可を受けた者は、当該認可等を受けた長期施設管理計画の期間を超えて発電用原子炉を運転しようとするときは、あらかじめ、当該期間を超えて運転しようとする期間(一〇年以内に限る。)における長期施設管理計画を定め、原子力規制委員会の認可を受けなければならないこととし、当該認可等を受けた長期施設管理計画の期間を超えて運転しようとするときも、同様とすることとした。(第四三条の三の三二第三項関係)
  ㈣ ㈠又は㈢の認可を受けた者は、これらの認可を受けた長期施設管理計画の変更(原子力規制委員会規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、原子力規制委員会の認可を受けなければならないこととした。(第四三条の三の三二第四項関係)
  ㈤ 発電用原子炉設置者は、長期施設管理計画を定め、又は長期施設管理計画に記載された発電用原子炉施設の劣化を管理するために必要な措置に係る重要な事項その他の原子力規制委員会規則で定める事項を変更しようとするときは、劣化評価を実施しなければならないこととした。(第四三条の三の三二第五項関係)
  ㈥ 原子力規制委員会は、㈠、㈢又は㈣の認可の申請が次の⑴から⑶までのいずれにも適合していると認めるときでなければ、これらの認可をしてはならないこととした。
   ⑴ 劣化評価の方法が、発電用原子炉施設の劣化の状況を適確に評価するための基準として原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること。
   ⑵ 発電用原子炉施設の劣化を管理するために必要な措置が、核燃料物質若しくは核燃料物質によって汚染された物又は発電用原子炉による災害の防止上支障がないものであること。
   ⑶ 発電用原子炉施設が、長期施設管理計画の期間における運転に伴い生ずる劣化の状況を踏まえ、当該期間において安全性を確保するための基準として原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること。(第四三条の三の三二第六項関係)
  ㈦ 発電用原子炉設置者は、㈠又は㈢の認可等を受けた長期施設管理計画に従って、発電用原子炉施設の劣化を管理するために必要な措置を講じなければならないこととした。(第四三条の三の三二第八項関係)
  ㈧ 原子力規制委員会は、㈥の⑴の基準の変更があった場合等において発電用原子炉施設の劣化を適確に管理するため改めて劣化評価を実施させる必要があると認めるとき、発電用原子炉施設の劣化を管理するために必要な措置が㈥の⑵の基準に適合せず、若しくは適合しなくなるおそれがあると認めるとき、発電用原子炉施設が㈥の⑶の基準に適合せず、若しくは適合しなくなるおそれがあると認めるとき、又は発電用原子炉設置者が㈦に違反していると認めるときは、発電用原子炉設置者に対し、劣化評価の実施、長期施設管理計画の変更その他発電用原子炉施設の劣化を管理するために必要な措置を命ずることができることとした。(第四三条の三の三二第九項関係)
 3 原子力規制検査
 原子力規制検査の対象に、2の㈠又は㈢の認可等を受けた長期施設管理計画に従って講ずべき措置の実施状況を追加することとした。(第六一条の二の二第一項第三号ホ関係)

三 原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に関する法律の一部改正関係
 1 題名
 題名を「原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施及び廃炉の推進に関する法律」に改めることとした。(題名関係)
 2 目的
 この法律は、発電に関する原子力の適正な利用に資するため、使用済燃料の再処理等の着実な実施及び円滑かつ着実な廃炉の推進のために必要な措置を講ずることにより、発電に関する原子力に係る環境の整備を図り、もって国民経済の健全な発展と国民生活の安定に寄与することを目的とすることとした。(第一条関係)
 3 定義
  ㈠ この法律において「廃炉」とは、発電用原子炉施設(原子炉等規制法第四三条の三の五第二項第五号に規定する発電用原子炉施設(原子炉等規制法第六四条の二第一項の規定により指定されたものを除く。)をいい、その設置されている建物及びその附属設備を含む。)に係る実用発電用原子炉の廃止に伴う当該発電用原子炉施設の解体、核燃料物質による汚染の除去、核燃料物質によって汚染された物の廃棄その他の措置をいうこととした。(第二条第五項関係)
  ㈡ この法律において「実用発電用原子炉設置者等」とは、実用発電用原子炉に係る発電用原子炉設置者(当該実用発電用原子炉の運転を開始していない者を除く。)及び原子炉等規制法第四三条の三の三五第一項に規定する旧発電用原子炉設置者等(同項の規定により発電用原子炉設置者とみなされているものに限る。)をいうこととした。(第二条第八項関係)
 4 実用発電用原子炉設置者等の責務
 実用発電用原子炉設置者等は、円滑かつ着実な廃炉の実施を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならないこととした。(第四条関係)
 5 廃炉拠出金の納付
  ㈠ 実用発電用原子炉設置者等は、廃炉推進業務(7の㈤に掲げる使用済燃料再処理・廃炉推進機構(以下「機構」という。)の業務をいう。)に必要な費用に充てるため、各年度、一の機構に対し、拠出金を納付しなければならないこととした。(第一一条第一項関係)
  ㈡ ㈠の拠出金(以下「廃炉拠出金」という。)の額は、各実用発電用原子炉設置者等につき、廃炉拠出金年度総額(機構ごとに、実用発電用原子炉設置者等から納付を受けるべき廃炉拠出金の額の総額として機構が年度ごとに運営委員会の議決を経て定める額をいう。以下同じ。)に拠出金率(機構ごとに、廃炉拠出金年度総額に対する各実用発電用原子炉設置者等が納付すべき額の割合として機構が運営委員会の議決を経て実用発電用原子炉設置者等ごとに定める割合をいう。以下同じ。)を乗じて得た額とすることとした。(第一一条第二項関係)
  ㈢ 廃炉拠出金年度総額は、次に掲げる要件を満たすために必要なものとして機構ごとに経済産業省令で定める基準に従い、定めなければならないこととした。
   ⑴ 各実用発電用原子炉設置者等の実用発電用原子炉に係る廃炉の長期的な見通し及び当該廃炉の実施の状況に照らし、各年度における廃炉推進業務を適正かつ確実に実施するために十分なものであること。
   ⑵ 各実用発電用原子炉設置者等の収支の状況に照らし、電気の安定供給その他の実用発電用原子炉の運転に係る事業の円滑な運営に支障を来し、又は当該事業の利用者に著しい負担を及ぼすおそれのないものであること。(第一一条第三項関係)
  ㈣ 拠出金率は、各実用発電用原子炉設置者等の実用発電用原子炉に係る発電用原子炉施設の規模、廃炉の実施の状況その他の事情を勘案して機構ごとに経済産業省令で定める基準に従い、定めなければならないこととした。(第一一条第四項関係)
  ㈤ 機構は、廃炉拠出金年度総額若しくは拠出金率を定め、又はこれらを変更しようとするときは、経済産業大臣の認可を受けなければならないこととし、当該認可を受けたときは、遅滞なく、当該認可に係る廃炉拠出金年度総額又は拠出金率を実用発電用原子炉設置者等に通知しなければならないこととした。(第一一条第五項及び第六項関係)
  ㈥ 機構は、一の1の㈤又は三の5の㈨の通知等を受けたときは、廃炉拠出金年度総額又は拠出金率について検討を加え、必要と認めるときは、これらを変更しなければならないこととした。(第一一条第七項関係)
  ㈦ 経済産業大臣は、廃炉推進業務の実施の状況、各実用発電用原子炉設置者等が行う実用発電用原子炉の運転に係る事業の状況その他の事情に照らし必要と認めるときは、機構に対し、廃炉拠出金年度総額又は拠出金率の変更をすべきことを命ずることができることとした。(第一一条第八項関係)
  ㈧ 実用発電用原子炉設置者等は、その実用発電用原子炉設置者等となった日から一五日以内に、廃炉拠出金を納付する機構の名称等を経済産業大臣に届け出なければならないこととし、廃炉拠出金を納付する機構を変更しようとするときは、経済産業大臣の承認を受けなければならないこととした。(第一二条第一項及び第一三条第一項関係)
  ㈨ 実用発電用原子炉設置者等は、次のいずれかに該当することとなったときは、その日から一五日以内に、その旨を経済産業大臣に届け出なければならないこととし、経済産業大臣は、これらの届出を受理したときは、当該届出に係る事項を当該機構に通知することとした。
   ⑴ その設置している実用発電用原子炉の運転を廃止したとき。
   ⑵ その設置している実用発電用原子炉の廃炉が終了したとき。
   ⑶ その設置している実用発電用原子炉に係る発電用原子炉施設が原子炉等規制法第六四条の二第一項の規定により指定されたとき。
   ⑷ その設置している実用発電用原子炉に係る発電用原子炉施設について原子炉等規制法第六四条の二第三項の規定による指定の解除が行われたとき。(第一二条第二項及び第三項関係)
  (一)〇 実用発電用原子炉設置者等は、各年度の六月三〇日(その年度に実用発電用原子炉設置者等となった者にあっては、そのなった日の属する年度の翌年度の六月三〇日)までに、廃炉拠出金を、㈧により届け出た機構(㈧の変更の承認があったときは、その変更後の機構。6において同じ。)に納付しなければならないこと等とした。(第一四条関係)
 6 廃炉に係る費用の支払
  ㈠ 認可業務計画(7の㈦の認可を受けた廃炉推進業務中期計画をいう。以下同じ。)の計画期間内に廃炉を実施する実用発電用原子炉設置者等は、あらかじめ、廃炉の実施に関する計画(以下「廃炉実施計画」という。)を作成し、その内容が認可業務計画に適合することについて、機構の確認を受けなければならないこととし、これを変更しようとするときも、同様とすることとした。(第一六条関係)
  ㈡ 機構は、㈠の確認を受けた廃炉実施計画(㈠の変更があったときは、その変更後のもの)に基づき廃炉を実施する実用発電用原子炉設置者等から当該廃炉に係る費用に相当する額の支払の請求を受けたときは、実用発電用原子炉設置者等の実用発電用原子炉に係る廃炉について機構が適正な支払を行うための基準として経済産業大臣が定める基準に従って、当該廃炉の実施に必要な費用に相当する額を支払うこととした。(第一七条関係)
 7 使用済燃料再処理・廃炉推進機構
  ㈠ 使用済燃料再処理機構の名称を「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」に改め、機構は、発電に関する原子力の適正な利用に資するため、特定実用発電用原子炉の運転に伴って生ずる使用済燃料の再処理等の実施の業務及び円滑かつ着実な廃炉の推進に関する業務を行うことにより、発電に関する原子力に係る環境の整備を図ることを目的とすることとした。(第一八条及び第二〇条関係)
  ㈡ 次に掲げる事項等は、運営委員会の議決を経なければならないこととした。
   ⑴ ㈦の廃炉推進業務中期計画の作成又は変更
   ⑵ 廃炉実施計画の確認(第二九条関係)
  ㈢ 運営委員会は、委員一〇人以内並びに機構の理事長、副理事長及び理事をもって組織することとし、委員は、使用済燃料の再処理等、廃炉、電気事業、経済、金融、法律又は会計に関して専門的な知識と経験を有する者のうちから、機構の理事長が経済産業大臣の認可を受けて任命することとした。(第三〇条及び第三一条関係)
  ㈣ 機構に、役員として、理事長一人、副理事長一人、理事六人以内及び監事一人を置くこととした。(第三七条関係)
  ㈤ 機構の業務に、次の業務を追加することとした。
   ⑴ 円滑かつ着実な廃炉の実施を図るために必要な実用発電用原子炉設置者等に対する助言、指導及び勧告を行うこと。
   ⑵ 廃炉に関する技術の調査、研究及び開発を行うこと。
   ⑶ 廃炉に必要な設備の調達及び維持管理を行い、並びにこれを実用発電用原子炉設置者等の共用に供すること。
   ⑷ 廃炉拠出金を収納すること。
   ⑸ 廃炉の実施に必要な費用に相当する額の支払を行うこと。
   ⑹ ⑴から⑸までに掲げる業務に附帯する業務を行うこと。(第四九条第三号~第八号関係)
  ㈥ 機構は、毎事業年度、廃炉拠出金の収納及び廃炉の実施に必要な費用に相当する額の支払の状況、助言、指導及び勧告の内容その他の廃炉推進業務の実施の状況について経済産業大臣に報告しなければならないこととし、経済産業大臣は、当該報告を受けたときは、速やかに、これを公表しなければならないこととした。(第五二条関係)
  ㈦ 機構は、五年を超えない範囲内において経済産業省令で定める期間ごとに、当該期間を一期として、円滑かつ着実な廃炉の実施を図るための方針その他の経済産業省令で定める事項を記載した廃炉推進業務の実施に関する計画(以下「廃炉推進業務中期計画」という。)を定め、経済産業大臣の認可を受けなければならないこととし、廃炉推進業務中期計画の変更(経済産業省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときも、同様とすることとした。(第五五条第一項関係)
  ㈧ 経済産業大臣は、㈦の認可の申請に係る廃炉推進業務中期計画が次のいずれにも適合していると認めるときでなければ、当該認可をしてはならないこととした。
   ⑴ 当該廃炉推進業務中期計画に係る廃炉推進業務が適切かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
   ⑵ 当該廃炉推進業務中期計画の内容がこの法律及びこの法律に基づく命令その他関係法令に違反するものでないこと。(第五五条第二項関係)
  ㈨ 機構は、廃炉推進業務に係る経理と再処理等業務に係る経理を区分して整理しなければならないこととした。(第六〇条関係)
 8 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構との協力
 機構及び国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は、発電用原子炉の円滑かつ着実な廃止を図るため、相互に連携を図りながら協力するよう努めなければならないこととした。(第七一条関係)

四 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法の一部改正関係
 1 再生可能エネルギー発電事業計画の認定等
  ㈠ 再生可能エネルギー発電事業計画には、再生可能エネルギー発電事業の用に供する再生可能エネルギー発電設備が出力その他の事項に関する経済産業省令で定める要件に該当する場合においては、当該再生可能エネルギー発電設備の設置の場所の周辺地域の住民に対する説明会の開催その他の再生可能エネルギー発電事業の実施に関する事項の内容を周知させるための措置として経済産業省令で定めるものの実施状況に関する事項を記載しなければならないこととし、再生可能エネルギー発電設備が当該要件に該当する場合においては、当該措置が実施されたことを再生可能エネルギー発電事業計画の認定の要件とすることとした。(第九条第二項第七号及び第四項第六号関係)
  ㈡ 認定事業者は、再生可能エネルギー発電事業計画の記載事項を変更又は追加しようとするときは、経済産業大臣に当該事項(再生可能エネルギー発電事業計画の記載事項のうち重要な事項として経済産業省令で定めるものを変更しようとするときは、㈠の措置の実施状況に関する事項を含む。)を記載した申請書を提出してその認定を受けなければならないこととし、経済産業省令で定める軽微な変更については、この限りでないこと等とした。(第一〇条第一項及び第四項関係)
 2 再生可能エネルギー発電設備の増設又は更新に係る基準価格又は調達価格の適用の特例
 再生可能エネルギー発電設備の増設又は一部の更新(以下「増設等」という。)であって経済産業省令で定めるものに係る再生可能エネルギー発電事業計画の変更の認定を受けようとする認定事業者は、再生可能エネルギー発電設備に関する事項について、再生可能エネルギー発電設備のうち当該増設等に係る部分とそれ以外の部分とに区別して再生可能エネルギー発電事業計画に記載することができることとし、当該変更の認定を受けた再生可能エネルギー発電事業計画に記載した再生可能エネルギー発電設備に適用される基準価格又は調達価格は、当該増設等に係る部分以外の部分について従前の交付対象区分等又は特定調達対象区分等に該当するものとみなして、当該増設等に係る部分及びそれ以外の部分に係る基準価格又は調達価格を基礎として、これらの部分ごとの再生可能エネルギー源を電気に変換する能力を勘案し、経済産業省令で定める方法により算定した価格とすることとした。(第一〇条の二関係)
 3 認定事業者の義務
 認定事業者は、認定計画に従って再生可能エネルギー発電事業を実施しなければならないこととし、再生可能エネルギー発電事業に係る業務の全部又は一部を委託する場合は、当該再生可能エネルギー発電事業が認定計画に従って実施されるよう、その委託を受けた者(その者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。)に対する必要かつ適切な監督を行わなければならないこととした。(第一〇条の三関係)
 4 改善命令
 経済産業大臣は、認定事業者が3の義務に違反していると認めるときは、当該認定事業者に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができることとした。(第一三条関係)
 5 認定の取消し
 経済産業大臣は、認定事業者が3の義務に違反していると認めるときは、当該認定を取り消すことができることとした。(第一五条第一号関係)
 6 積立命令等
  ㈠ 経済産業大臣は、認定事業者が3の義務に違反していると認めるときは、当該認定事業者に対し、㈣の額の金銭を交付金相当額積立金として積み立てるべきことを命ずることができることとした。(第一五条の六第一項関係)
  ㈡ ㈠の命令に従って行う積立ては、推進機関にしなければならないこととし、推進機関は、積み立てられた交付金相当額積立金の管理業務を行うこととした。(第一五条の六第二項及び第一五条の一九関係)
  ㈢ 特定契約又は一時調達契約により再生可能エネルギー電気を供給する認定事業者は、特定契約又は一時調達契約を締結した電気事業者を経由して㈡の積立てを推進機関に行うこととした。(第一五条の六第三項関係)
  ㈣ 交付金相当額積立金の額
 交付金相当額積立金の額は、次に掲げる場合の区分に応じて次に定める額とすることとした。
   ⑴ 認定事業者が再生可能エネルギー電気を市場取引等により供給する場合 供給促進交付金の額を基礎として経済産業省令で定める方法により算定した額
   ⑵ 認定事業者が再生可能エネルギー電気を特定契約又は一時調達契約により電気事業者に対し供給する場合 調整交付金の額のうち当該電気事業者が当該特定契約又は一時調達契約に係る再生可能エネルギー電気の調達に係る費用に充てる額に相当する額を基礎として経済産業省令で定める方法により算定した額(第一五条の七関係)
  ㈤ 推進機関は、㈠の命令を受けた認定事業者に対して供給促進交付金を交付するときは、経済産業省令で定める方法により算定した額から、㈣の⑴の額(当該供給促進交付金の額を限度とする。)を控除することとし、当該控除された額は、当該認定事業者が、交付金相当額積立金として推進機関に積み立てたものとみなすこととした。(第一五条の八関係)
  ㈥ 認定事業者又は旧認定事業者は、交付金相当額積立金を積み立てておく必要がない場合として経済産業省令で定める場合に該当することについて、経済産業大臣の確認を受けた場合には、当該交付金相当額積立金の全部又は一部を取り戻すことができることとした。(第一五条の九関係)
 7 返還命令等
 経済産業大臣は、認定計画の認定を取り消すときは、その認定事業者に対して、認定発電設備を用いて発電した再生可能エネルギー電気の供給に係る供給促進交付金の全部若しくは一部を推進機関に返還し、又は認定発電設備に係る特定契約若しくは一時調達契約を締結する電気事業者に交付される調整交付金のうち当該特定契約若しくは一時調達契約に係る再生可能エネルギー電気の調達に係る費用に充てる額に相当する額の全部若しくは一部を推進機関に納付すべきことを命ずることができることとし、推進機関は、当該命令を受けた者から、当該者が返還又は納付を命ぜられた金額を徴収することとした。(第一五条の一一関係)
 8 特定系統設置交付金の交付等
  ㈠ 認定整備等事業者は、認定整備等計画に従って、系統電気工作物であって再生可能エネルギー電気の利用の促進に資するものを設置しようとするときは、当該系統電気工作物の設置に要する費用を当該系統電気工作物の工事を開始した日から使用する日の前日までの期間にわたり回収するための交付金(以下「特定系統設置交付金」という。)の交付を受けることができることとした。(第二八条の二第一項関係)
  ㈡ 認定整備等事業者が系統電気工作物の設置に係る特定系統設置交付金の交付を受けた場合における系統設置交付金の額は、一般送配電事業者又は送電事業者が推進機関に届け出た費用の額に、当該系統電気工作物の設置及び維持に伴い生ずる便益のうちに再生可能エネルギー電気の利用の促進が占める割合として、経済産業省令で定める算定方法により算定した割合を乗じて得た額から当該特定系統設置交付金の額を控除した額とすることとした。(第二九条第一項関係)
  ㈢ 特定系統設置交付金の額は、推進機関に届け出られた費用のうち、その事業の規模を考慮して経済産業省令で定めるものの額に、当該系統電気工作物の設置及び維持に伴い生ずる便益のうちに再生可能エネルギー電気の利用の促進が占める割合として、経済産業省令で定める算定方法により算定した割合を乗じて得た額とすることとした。(第二九条第二項関係)
  ㈣ 経済産業大臣は、一の8の㈡又は㈢により一の7の㈠の認定を取り消すときは、その認定整備等事業者に対して、特定系統設置交付金の全部又は一部を推進機関に返還すべきことを命ずることができることとし、推進機関は、当該命令を受けた者から、当該者が返還を命ぜられた金額を徴収することとした。(第二九条の二関係)
 9 送達すべき書類等
 4の命令、5の認定の取消し又は6の㈠若しくは7の命令は、経済産業省令で定める書類を送達して行うこととし、経済産業大臣は、送達をすべき場所が知れない場合等の場合には、公示送達をすることができることとした。(第五二条の二第一項及び第五二条の四第一項関係)

五 原子力基本法の一部改正関係
 1 目的
 この法律は、原子力の研究、開発及び利用(以下「原子力利用」という。)を推進することによって、将来におけるエネルギー資源を確保し、並びに学術の進歩、産業の振興及び地球温暖化の防止を図り、もって人類社会の福祉と国民生活の水準向上とに寄与することを目的とすることとした。(第一条関係)
 2 基本方針
 エネルギーとしての原子力利用は、国及び原子力事業者が安全神話に陥り、平成二三年三月一一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故を防止することができなかったことを真摯に反省した上で、原子力事故の発生を常に想定し、その防止に最善かつ最大の努力をしなければならないという認識に立って、これを行うこととした。(第二条第三項関係)
 3 国の責務
  ㈠ 国は、エネルギーとしての原子力利用に当たっては、原子力発電を電源の選択肢の一つとして活用することによる電気の安定供給の確保、我が国における脱炭素社会の実現に向けた発電事業における非化石エネルギー源の利用の促進及びエネルギーの供給に係る自律性の向上に資することができるよう、必要な措置を講ずる責務を有することとした。(第二条の二第一項関係)
  ㈡ 国は、エネルギーとしての原子力利用に当たっては、原子力施設の安全性の向上に不断に取り組むこと等によりその安全性を確保することを前提として、原子力事故による災害の防止に関し万全の措置を講じつつ、原子力施設が立地する地域及び電力の大消費地である都市の住民をはじめとする国民の原子力発電に対する信頼を確保し、その理解と協力を得るために必要な取組並びに地域振興その他の原子力施設が立地する地域の課題の解決に向けた取組を推進する責務を有することとした。(第二条の二第二項関係)
 4 原子力利用に関する基本的施策
 国は、原子力発電を適切に活用することができるよう、原子力施設の安全性を確保することを前提としつつ、次に掲げる施策その他の必要な施策を講ずることとした。
  ㈠ 原子力発電に係る高度な技術の維持及び開発を促進し、これらを行う人材の育成及び確保を図り、並びに当該技術の維持及び開発のために必要な産業基盤を維持し、及び強化するための施策
  ㈡ 原子力に関する研究及び開発に取り組む事業者、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構その他の関係者の相互の連携並びに当該研究及び開発に関する国際的な連携を強化するための施策その他の当該研究及び開発の推進並びにこれらの成果の円滑な実用化を図るための施策
  ㈢ 電気事業に係る制度の抜本的な改革が実施された状況においても、原子力事業者が原子力施設の安全性を確保するために必要な投資を行うことその他の安定的にその事業を行うことができる事業環境を整備するための施策
  ㈣ 再処理等、使用済燃料に係るその貯蔵能力の増加その他の対策及び廃止措置の円滑かつ着実な実施を図るための関係地方公共団体との調整その他の必要な施策
  ㈤ 最終処分に関する国民の理解を促進するための施策、最終処分の計画的な実施に向けた地方公共団体その他の関係者に対する主体的な働き掛け、文献調査対象地区又は概要調査地区等をその区域に含む地方公共団体、最終処分に理解と関心を有する地方公共団体その他の関係者に対する関係府省の連携による支援、最終処分に関する研究開発の推進を図るための国際的な連携並びに原子力発電環境整備機構及び原子力事業者との連携の強化その他の最終処分の円滑かつ着実な実施を図るために必要な施策(第二条の三関係)
 5 原子力事業者の責務
  ㈠ 原子力事業者は、エネルギーとしての原子力利用に当たっては、原子力事故の発生の防止及び特定核燃料物質の防護のために必要な措置を講じ、並びにその内容を不断に見直し、その他原子力施設の安全性の向上を図るための態勢を充実強化し、並びに関係地方公共団体その他の関係機関と連携しながら原子力事故に対処するための防災の態勢を充実強化するために必要な措置を講ずる責務を有することとした。(第二条の四第一項関係)
  ㈡ 原子力事業者は、原子力施設が立地する地域の原子力発電に対する信頼を確保し、その理解を得ることがその事業の円滑な実施を図る上で極めて重要であることに鑑み、そのために必要な取組を推進しながら、国又は地方公共団体が実施する地域振興その他の原子力施設が立地する地域の課題の解決に向けた取組に協力する責務を有することとした。(第二条の四第二項関係)
 6 原子力発電の用に供する原子炉の運転期間に係る規制
  ㈠ 原子力発電の用に供する原子炉を運転する者は、別に法律で定めるところにより政府の行う運転期間に係る規制に従わなければならないこととした。(第一六条の二第一項関係)
  ㈡ ㈠の規制は、我が国において、脱炭素社会の実現に向けた発電事業における非化石エネルギー源の利用の促進を図りつつ、電気の安定供給を確保するため、エネルギーとしての原子力の安定的な利用を図る観点から措置することとした。(第一六条の二第二項関係)

六 附則
 1 電気事業法の一部改正に伴う経過措置
 一の1から5までの施行の際現に原子炉等規制法第四三条の三の三二第二項の認可(以下「旧認可」という。)を受けている発電用原子炉設置者である原子力発電事業者は、一の1から5までの施行の日に一の1の㈡の認可を受けたものとみなすこととし、当該認可により延長する運転期間は、旧認可により延長した期間と同一の期間等とすることとした。(附則第二条関係)
 2 原子炉等規制法の一部改正に伴う経過措置
  ㈠ 運転開始後三〇年を経過している既設の発電用原子炉を二の施行の日(以下「施行日」という。)において引き続き運転しようとする者は、施行日の前日までに、二の2の㈠、㈡、㈤及び㈥の例により、長期施設管理計画を定め、原子力規制委員会の認可を受けなければならないこととし、この場合において、当該認可は、施行日において二の2の㈠の認可とみなすこと等とした。(附則第四条関係)
  ㈡ 既設の発電用原子炉(㈠の発電用原子炉を除く。)について長期施設管理計画の認可を受けようとする者は、施行日前においても、二の2の㈠、㈡、㈤及び㈥の例により、原子力規制委員会の認可を受けることができることとし、この場合において、当該認可は、施行日において二の2の㈠の認可とみなすこと等とした。(附則第五条関係)
  ㈢ ㈠又は㈡の認可等を受けた者であって、長期施設管理計画の変更(原子力規制委員会規則で定める軽微な変更を除く。)をしようとするものは、施行日前においても、二の2の㈡及び㈣から㈥までの例により、当該長期施設管理計画の変更の認可を受けることができることとし、この場合において、当該認可は、施行日において二の2の㈣の認可とみなすこと等とした。(附則第六条関係)
 3 原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に関する法律の一部改正に伴う経過措置
 この法律の施行の際現にその実用発電用原子炉に係る廃炉の実施に必要な費用に充てるため積み立てた引当金がある実用発電用原子炉設置者等は、廃炉推進業務に必要な費用に充てるため、実用発電用原子炉設置者等ごとに経済産業大臣が定める額の金銭を、令和六年度から令和三五年度までの各年度に、経済産業省令で定めるところにより分割して、機構(三の5の㈧の変更の承認があったときは、その変更後の機構)に対し、支払わなければならないこと等とした。(附則第一〇条関係)
 4 1から3までのほか、この法律の施行に伴う所要の経過措置等について定めることとした。(附則第三条、第七条~第九条、第一一条~第一八条、第二二条及び第二六条関係)
 5 関係法律について所要の改正を行うこととした。(附則第一九条~第二一条及び第二三条~第二五条関係)

七 この法律は、一部の規定を除き、令和六年四月一日から施行することとした。
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