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資料2003年04月19日 【税務通達等】 租税特別措置法関係通達(連結納税編)の制定について(法令解釈通達)(平15.2.28課法2-5他1課共同)

 課法2-5
 課審4-8

 平成15年2月28日

国税局長
沖縄国税事務所長  殿

 国税庁長官

租税特別措置法関係通達(連結納税編)の制定について(法令解釈通達)

 租税特別措置法関係通達(連結納税編)を別冊のとおり定めたから、今後はこれによられたい。

( 趣旨)
 平成14年法律第79号「法人税法等の一部を改正する法律」により連結納税制度が創設されたことに伴い、連結確定申告書を提出する連結法人に係る租税特別措置法の法人税に関する取扱いを定めたものである。



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「租税特別措置法関係通達(連結納税編)の制定について」(法令解釈通達)

(平15.2.28課法2-5他1課共同)

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例    言
1  この通達の分類及び配列は、租税特別措置法の関係条文の順序によった。
2  この通達の構成は、租税特別措置法「第三章 法人税法の特例」の各節を「章」とし、各章は、原則として、各条文ごとに例えば「第68条の16《特定設備等の特別償却》関係」のように区分した。
 なお、各条文ごとの区分を必要に応じてさらに「款」に区分した。
  (例)  
 第2章  連結法人の特別税額控除及び減価償却の特例
第 68条の16《特定設備等の特別償却》関係
第1款 共通事項
第2款 公害防止設備
第3款 海洋運輸業等
第4款 航空機
3  この通達の番号は、各条文ごとの一連番号とした。
 ただし、「款」の区分を設けたものについては、通達番号にその款の区分をかっこ書で付記するとともに、その款ごとの一連番号を付した。
  (例)  
 68の16(1) -1……  第68条の16《特定設備等の特別償却》関係の第1款の1番を示す。
4  この通達の文中(以下「……」という。)又は(……。以下同じ。)は、特にその範囲を限定しない限り、(以下第○条関係において「……」という。)又は(……以下第○条関係において同じ。)を意味する。

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省 略 用 語 例

 この通達で使用した次の省略用語は、それぞれ次に掲げる法令等を示すものである。
  法 ………………………  法人税法
  令 ………………………  法人税法施行令
  規則 ……………………  法人税法施行規則
  措置法 …………………  租税特別措置法
  措置法令 ………………  租税特別措置法施行令
  措置法規則 ……………  租税特別措置法施行規則
  通則法 …………………  国税通則法
  通則法令 ………………  国税通則法施行令
  通則法規則 ……………  国税通則法施行規則
  耐用年数省令 …………  減価償却資産の耐用年数等に関する省令
  基本通達 ………………  法人税基本通達
  連結基本通達 …………  連結納税基本通達
  措置法通達 ……………  租税特別措置法関係通達(法人税編)
  耐用年数通達 …………  耐用年数の適用等に関する取扱通達



第1章  共通規定

第68条の3~第68条の3の2 《共通事項》関係

(連結事業年度における共通規定の適用)
68の3~68の3の2(共)-1 措置法第68条3及び第68条の3の2の規定は、連結法人の連結事業年度において行われるこれらの規定に規定する合併又は分割についても適用があることに留意する。


第2章  連結法人の特別税額控除及び
減価償却の特例

第68条の9 《試験研究費の額が増加した場合等の法人税額の特別控除》関係

(試験研究費に含まれる人件費)
68の9-1 措置法第68条の9第3項第1号に規定する試験研究費(以下「試験研究費」という。)に含まれる人件費は、専門的知識をもって試験研究の業務に専ら従事する者に係るものをいうのであるから、たとえ研究所等に専属する者に係るものであっても、例えば事務職員、守衛、運転手等のように試験研究に直接従事していない者に係るものは、これに含まれないことに留意する。  

(試験研究用資産の減価償却費)
68の9-2 試験研究費の額には、連結法人が自ら行う製品の製造又は技術の改良、考案若しくは発明に係る試験研究の用に供する減価償却資産に係る減価償却費の額は含まれるが、措置法第68条の41の規定による特別償却準備金の積立額は含まれない。  

(試験研究用固定資産の除却損等)
68の9-3 試験研究用固定資産の除却損又は譲渡損のうち、災害、研究項目の廃止等に基づき臨時的、偶発的に発生するものは試験研究費に含まれないのであるが、試験研究の継続過程において通常行われる取替更新に基づくものは試験研究費に含まれる。

(試験研究費の範囲が改正された場合の取扱い)
68の9-4 試験研究費に含まれる費用の範囲が改正された場合には、措置法第68条の9第3項第2号に規定する「当該適用年度の連結親法人事業年度開始の日の5年前の日から連結親法人又はその連結子法人の適用年度開始の日の前日までの期間内に開始した各連結事業年度」若しくは「当該5年以内事業年度」(以下これらを「比較年度」という。)又は同項第3号に規定する「当該連結親法人及び当該各連結親法人事業年度終了の時において当該連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人のその連結事業年度」若しくは措置法令第39条の39第4項に規定する「適用年度開始の日の前日を含む事業年度」(以下これらを「基準年度」という。)の試験研究費の額についてもその改正後の規定により計算するものとする。

(他の者から支払を受ける金額の範囲)
68の9-5 措置法第68条の9第1項の規定により試験研究費の額から控除する「他の者(当該連結親法人又はその連結子法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を含む。)から支払を受ける金額」には、次に掲げる金額を含むものとする。
(1)  国等からその試験研究費に充てるため交付を受けた補助金(法第42条第1項に規定する国庫補助金等を含む。)
(2)  科学技術振興事業団と締結した新技術開発委託契約に定めるところにより、同事業団から返済義務の免除を受けた開発費の額(当該免除とともに金銭の支払をした場合には支払った金銭を控除した額)から引き渡した物件の帳簿価額を控除した金額
(3)  委託研究費の額
(注)1  国庫補助金等を法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第43条第1項の規定により特別勘定に経理した場合又は同条第6項の規定により期中特別勘定に経理した場合には、当該国庫補助金等は、その経理した日を含む連結事業年度においては「他の者から支払を受ける金額」には含めないものとし、法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額を計算する場合の法第43条第3項の規定により益金の額に算入する日を含む連結事業年度において、当該益金の額に算入する金額(当該連結事業年度において返還すべきことが確定したことにより益金の額に算入する金額を除く。)を「他の者から支払を受ける金額」に含める。
2  法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条第1項若しくは第5項又は第44条第1項若しくは第4項の規定により試験研究用の固定資産につき損金の額に算入した金額は、その損金の額に算入した日を含む連結事業年度の試験研究費の額に含める。  

(試験研究費の額の統一的計算)
68の9-6 措置法第68条の9第1項の規定は、試験研究費の額が増加した場合に法人税額の特別控除を認めるものであるから、比較年度、基準年度及び適用年度(措置法第68条の9第1項に規定する適用年度をいう。以下同じ。)の試験研究費の範囲、試験研究費を計算する場合の共通経費の配賦基準等については、各連結法人ごとに継続して同一の方法によることに留意する。  

(連結法人のうちに設立初年度の法人が含まれている場合の試験研究費の額の合計額)
68の9-7 適用年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入される連結親法人及びその連結子法人の試験研究費の額の合計額には、当該適用年度が設立事業年度である連結法人の試験研究費の額が含まれることに留意する。  

(分割型分割が行われた場合の比較試験研究費の額)
68の9-8 連結法人が連結親法人事業年度(法第15条の2第1項に規定する連結親法人事業年度をいう。以下同じ。)の中途で当該連結法人を分割法人とする分割型分割を行った場合には、当該分割の日の前日を含む事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額は、当該分割の日を含む連結事業年度における措置法第68条の9第3項第2号に規定する比較試験研究費の額の計算の基礎となることに留意する。
 連結法人が連結親法人事業年度の中途で連結親法人との間に連結完全支配関係を有することとなった連結子法人である場合において、当該連結子法人のその有することとなった日の前日を含む事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額についても、同様とする。  

(加入法人・離脱法人が存在する場合の基準試験研究費の額)
68の9-9 措置法第68条の9第3項第3号の基準試験研究費の額の計算の基礎となる同号に規定する「その連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額を合計した金額」には、適用年度に係る連結親法人事業年度において連結親法人との間に連結完全支配関係を有しなくなった法人に係る試験研究費の額は含まれるが、当該連結親法人事業年度において連結親法人との間に連結完全支配関係を有することとなった連結子法人に係る試験研究費の額は含まないことに留意する。  

(中小連結親法人であるかどうかの判定の時期)
68の9-10 連結親法人が中小連結親法人(措置法第68条の9第2項に規定する中小連結親法人をいう。以下同じ。)に該当するかどうかは、当該連結事業年度終了の時の現況によって判定するものとする。  

(従業員数基準の適用)
68の9-11 措置法令第39条の39第8項の規定により中小連結親法人に該当するかどうかを判定する場合において従業員数基準が適用されるのは、資本又は出資を有しない連結親法人のみであるから、資本又は出資の金額が1億円以下の連結親法人については、同項第1号イ及びロに掲げるものを除き、常時使用する従業員の数が 1,000人を超えても中小連結親法人に該当することに留意する。  

(常時使用する従業員の範囲)
68の9-12 措置法令第39条の39第8項に規定する「常時使用する従業員の数」は、常用であると日々雇い入れるものであるとを問わず、事務所又は事業所に常時就労している職員、工員等(役員を除く。)の総数によって判定することに留意する。この場合において、連結法人が酒造最盛期、野菜缶詰・瓶詰製造最盛期等に数か月程度の期間その労務に従事する者を使用するときは、当該従事する者の数を「常時使用する従業員の数」に含めるものとする。  

(申告に係るその控除を受けるべき金額)
68の9-13 措置法第68条の9第5項に規定する「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」とは、連結確定申告書等に記載された控除税額そのものをいうのではなく、当該連結確定申告書等に記載された事項を基礎として計算する場合に控除を受けることができる正当額をいう。したがって、連結所得金額の更正により法人税の額が増加することとなっても、控除を受けることができる金額は、当該正当額に限られることに留意する。  

(移転試験研究費の額の区分に係る合理的な方法)
68の9-14 移転事業(措置法令第39条の39第11項に規定する移転事業をいう。以下同じ。)と移転事業以外の事業とに共通して生じた試験研究費の額(連結事業年度に該当しない事業年度にあっては、当該事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される試験研究費の額。以下同じ。)がある場合における同項に規定する合理的な方法とは、当該試験研究費の額をその試験研究費の内容、性質等に応じた合理的な基準により、それぞれの事業に配分する方法をいうのであるから、留意する。

  (注)  分割等(分割、現物出資又は事後設立をいう。)の時に、分割法人等(分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。)において現に営まれていない事業に係る試験研究費の額は、移転事業に係る試験研究費の額に該当しないことに留意する。  

(移転試験研究費の額の区分に係る合理的な方法に関する書類の提出)
68の9-15 連結法人が連結親法人事業年度開始の日に当該連結法人を分割法人とする分割型分割を行った場合において、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が法第81条の24第1項に規定する連結確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受けているときであっても、措置法令第39条の39第11項の移転試験研究費の額の区分に係る合理的な方法に関する認定を受けるときは、 同項に規定する書類の提出については、当該分割型分割の日以後2月以内に行わなければならないことに留意する。  

(試験研究費の個別増加額)
68の9-16 措置法令第39条の39第14項第1号イにいう「試験研究費の個別増加額」とは、各連結法人の同号イの「試験研究費の額」が当該各連結法人の同号イの「比較試験研究費の額」を超える場合のその超える部分の金額をいうことに留意する。


第68条の10~第68条の36 《共通事項》関係


(特定設備等の特別償却の計算)
68の10~68の36(共)-1 措置法第68条の10第1項、第68条の11第1項、第68条の12第1項、第68条の14第1項、第68条の15第1項、第68条の16から第68条の29まで及び第68条の31から第68条の36までの規定による特別償却等は、当該特別償却等の対象となる機械設備等について認められているのであるから、機械設備等で特別償却等の対象とならないものがあるときはもちろん、当該特別償却等の対象となる機械設備等と種類及び耐用年数を同じくする他の機械設備等があっても、それぞれ各別に償却限度額を計算することに留意する。  

(特別償却等の適用を受けたものの意義)
68の10~68の36(共)-2 連結法人が、その有する減価償却資産について、措置法第68条の10第1項、第68条の11第1項、第68条の12第1項、第68条の14第1項、第68条の15第1項及び第68条の16から第68条の36までの規定(同法第42条の5第1項、第42条の7第1項、第42条の8第1項、第42条の10第1項、第42条の11第1項、第43条から第44条の2まで、第44条の4から第44条の7まで及び第44条の9から第48条までの規定を含む。)による特別償却等に係る償却を実施していない場合においても、当該特別償却等に関する明細書においてその特別償却限度額の計算を行い、措置法第68条の40第1項(同法第52条の2第1項を含む。)に規定する特別償却不足額若しくは措置法第68条の40第4項(同法第52条の2第4項を含む。)に規定する合併等特別償却不足額として記載しているとき又はこれらの特別償却等に係る措置法第68条の41の規定(同法第52条の3の規定を含む。)による特別償却準備金の積立不足額若しくは合併等特別償却準備金積立不足額として処理したときは、当該減価償却資産は、当該特別償却限度額に係る特別償却等の適用を受けたものに該当することに留意する。  

(常時使用する従業員の範囲)
68の10~68の36(共)-3 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律第2条第1項第1号から第3号まで、中小企業経営革新支援法第2条第1項第1号から第3号まで、中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第2条第1項第1号から第3号まで、中小小売商業振興法第2条第1項第1号から第3号まで及び中小企業流通業務効率化促進法第2条第1項第1号から第3号までに規定する「常時使用する従業員の数」の意義については、68の9-12の取扱いを準用する。  

(適格合併等があった場合の特別償却等の適用)
68の10~68の36(共)-4 措置法第68条の10から第68条の29まで及び第68条の34から第68条の36までの規定並びにこれらの規定に係る措置法第68条の41第1項の規定は、減価償却資産を事業の用に供した場合に適用があるのであるから、適格合併等(適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立をいう。以下同じ。)による移転に係る減価償却資産についてこれらの規定の適用があるかどうかは、当該減価償却資産を事業の用に供した日の現況において、これらの規定に規定する適用要件(適用対象法人、適用期間、適用対象事業等に関する要件をいう。以下同じ。)を満たすかどうかにより判定することに留意する。
  (注)1  例えば、中小連結法人(措置法第68条の15第1項に規定する中小連結法人をいう。以下同じ。)に該当する被合併法人が減価償却資産を適格合併により中小連結法人に該当しない連結法人である合併法人に移転する場合の同項の規定の適用については、次のようになる。
  (1)  被合併法人が当該減価償却資産を事業の用に供した場合は、他の適用要件を満たせば、被合併法人において同項の規定の適用を受けることができる。
(2)  被合併法人が当該減価償却資産を事業の用に供しないで合併法人が事業の用に供した場合は、被合併法人又は合併法人のいずれの連結法人においても、同項の規定の適用を受けることができない。

2  連結法人である合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。以下同じ。)が適格合併等により移転を受けた減価償却資産につき当該移転を受けた日を含む連結事業年度において合併等特別償却不足額(措置法第68条の40第5項に規定する合併等特別償却不足額をいう。)がある場合には、当該合併法人等については、同条第1項に規定する特別償却に関する規定に規定する適用要件を満たすかどうかにかかわらず、同条第4項の規定の適用を受けることができることに留意する。
 措置法第68条の41第3項に規定する合併等特別償却準備金積立不足額がある場合における連結法人である合併法人等の同項の規定の適用についても同様とする。  

(被合併法人等が有する繰越税額控除限度超過額)
68の10~68の36(共)-5 繰越税額控除限度超過額(措置法第68条の10第4項、第68条の11第5項、第68条の12第5項、第68条の13第3項、第68条の14第5項又は第68条の15第5項に規定する繰越税額控除限度超過額をいう。以下同じ。)を有している連結法人が、当該連結法人を被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。)とする合併等(合併、分割、現物出資又は事後設立をいう。以下同じ。)を行った場合には、当該合併等が適格合併等に該当し、当該繰越税額控除限度額の基となった資産をこれにより移転したときであっても、当該繰越税額控除限度超過額を合併法人等に引き継ぐことは認められないのであるから留意する。

第68条の10 《エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》関係

(中小連結法人であるかどうかの判定の時期)
68の10-1 連結法人が、措置法第68条の10第1項第4号又は第2項に規定する「中小連結法人」に該当する連結法人であるかどうかは、その取得し、又は製作した機械その他の減価償却資産を同条第1項かっこ書に規定する製造業、建設業その他政令で定める事業(以下68の10-4までにおいて「対象事業」という。)の用に供した日の現況によって判定するものとする。  

(事業の判定)
68の10-2 措置法第68条の10第1項第4号に規定する連結法人の営む事業が対象事業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。

  (注)  措置法規則第22条の24の規定により対象事業に含まれる措置法規則第20条の2第1項第5号に規定する「サービス業」については、日本標準産業分類の「大分類H情報通信業」(通信業を除く。)、「小分類693 駐車場業」、「中分類72宿泊業」、「大分類N医療、福祉」、「大分類O教育、学習支援業」、「中分類79協同組合(他に分類されないもの)」及び「大分類Qサービス業(他に分類されないもの)」(旅行業を除く。)に分類する事業が該当する。  

(その他これらに類する事業に含まれないもの)
68の10-3 措置法規則第22条の24の規定により対象事業から除かれる措置法規則第20条の2第1項第2号かっこ書の料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブに類する事業には、例えば大衆酒場及びビヤホールのように、一般大衆が日常利用する飲食店は含まないものとする。  

(対象事業とその他の事業とに共通して使用されるエネルギー需給構造改革推進設備等)
68の10-4 措置法第68条の10第1項第4号に規定する中小連結法人又は農業協同組合等が、対象事業とその他の事業とを営む場合において、その取得又は製作をした機械その他の減価償却資産をそれぞれの事業に共通して使用しているときは、その全部を対象事業の用に供したものとして同条の規定を適用する。  

(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
68の10-5 連結法人が、その取得又は製作をした機械及び装置を自己の下請業者に貸与した場合において、当該機械及び装置が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該機械及び装置は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして措置法第68条の10の規定を適用する。  

(圧縮記帳をしたエネルギー需給構造改革推進設備等の取得価額)
68の10-6 措置法令第39条の40第4項に規定する機械その他の減価償却資産の取得価額が 200万円以上であるかどうかを判定する場合において、当該機械その他の減価償却資産が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(附属機器等の同時設置の意義)
68の10-7 措置法第68条の10第1項第2号及び措置法令第39条の40第3項に規定する減価償却資産に係る平成4年3月31日付大蔵省告示第57号並びに措置法令第39条の40第4項に係る平成4年3月31日付通商産業省告示第 145号の別表において本体と同時に設置することを条件として、措置法第68条の10第1項に規定するエネルギー需給構造改革推進設備等に該当することとなる附属の機器等(以下「附属機器等」という。)には、一の計画に基づき本体を設置してから相当期間内に設置するこれらの附属機器等が含まれるものとする。  

(エネルギー需給構造改革推進設備等の対価につき値引きがあった場合の税額控除限度額の計算)
68の10-8 連結法人が措置法第68条の10第1項(同法第42条の5第1項を含む。)に規定するエネルギー需給構造改革推進設備等を事業の用に供した日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の10-8において「供用年度」という。)後の連結事業年度において当該エネルギー需給構造改革推進設備等の対価の額につき値引きがあった場合には、供用年度にさかのぼって当該値引きのあったエネルギー需給構造改革推進設備等に係る措置法第68条の10第2項(同法第42条の5第2項を含む。)に規定する税額控除限度額の修正を行うものとする。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の10-9 措置法第68条の10第5項の規定により同条第1項から第3項までの規定の適用がない連結法人は、これらの規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、これらの規定の適用を受けることができる。  

(申告に係るその控除を受けるべき金額)
68の10-10 措置法第68条の10第7項及び第8項に規定する「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」の意義については、68の9-13の取扱いを準用する。

第68条の11 《事業基盤強化設備を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除》関係

(連結事業年度の中途において特定中小連結法人等に該当しなくなった場合等の適用)
68の11-1 連結法人が各連結事業年度の中途において措置法第68条の11第1項に規定する特定中小連結親法人等又は特定中小連結子法人等(以下「特定中小連結法人等」という。)に該当しないこととなった場合においても、その該当しないこととなった日前に取得若しくは製作(以下「取得等」という。)又は賃借をして事業の用に供した措置法令第39条の41第1項又は第15項に規定する事業基盤強化設備(賃借に係る事業基盤強化設備については、事業の用に供した日を含む連結事業年度終了の日まで引き続き当該事業の用に供しているものに限る。)については、措置法第68条の11第1項及び第3項の規定の適用があることに留意する。この場合において、措置法規則第22条の25第1項又は第4項に規定する器具及び備品に係る取得価額又はリース費用の総額の合計額がこれらの項に規定する金額以上であるかどうかは、その特定中小連結法人等に該当していた期間内に取得等又は賃借をして事業の用に供していたもの(賃借に係る器具及び備品については、事業の用に供した日を含む連結事業年度終了の日まで引き続き当該事業の用に供しているものに限る。)の取得価額又はリース費用の総額の合計額によって判定するものとする。
  (注)  連結法人が各連結事業年度の中途において措置法第68条の11第2項に規定する特定中小連結親法人等又は特定中小連結子法人等に該当しなくなった場合の同項の規定の適用についても同様とする。  

(取得価額の判定単位)
68の11-2 措置法令第39条の41第1項に規定する機械及び装置又は器具及び備品の1台又は1基の取得価額が 280万円以上又は 120万円以上であるかどうかについては、通常1単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器で当該本体と一体となって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。
  (注)  措置法規則第22条の25第1項の「第20条の3第1項各号に掲げるもの」の取得価額の合計額が 120万円以上であるかどうかについては、各連結法人が当該各号ごとに、当該各号に規定する器具及び備品の取得価額の合計額により判定することに留意する。  

(圧縮記帳をした事業基盤強化設備の取得価額)
68の11-3 措置法令第39条の41第1項に規定する機械及び装置又は器具及び備品の取得価額が 280万円以上又は 120万円以上であるかどうかを判定する場合において、その機械及び装置又は器具及び備品が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(連結事業年度の中途において大規模連結法人に該当しなくなった場合の適用)
68の11-4 連結法人が各連結事業年度の中途において措置法第68条の11第1項に規定する大規模な連結法人(以下「大規模連結法人」という。)に該当しないこととなった場合においても、その該当しないこととなった日前に取得等又は賃借をして事業の用に供した同項第3号又は第4号に定める資産(賃借に係るものについては、事業の用に供した日を含む連結事業年度終了の日まで引き続き当該事業の用に供しているものに限る。)については、大規模連結法人が取得等又は賃借をしたものとして同条第1項から第3項までの規定を適用することに留意する。
  (注)  大規模連結法人に係る同条第1項に規定する特別償却限度額(同項第3号又は第4号に係るものに限る。)又は同条第2項若しくは第3項に規定する税額控除限度額(同条第1項第3号又は第4号に係るものに限る。)は、当該資産の取得価額の50%相当額(同条第1項第4号に係るものについては35%相当額)又はリース費用の総額の60%相当額の50%(同条第1項第4号に係るものについては35%)相当額を基礎として計算するのであるが、措置法令第39条の41第1項又は第15項に定める取得価額基準等を満たすかどうかは、当該資産の取得価額又はリース費用の総額により判定することに留意する。  

(主たる事業でない場合の適用)
68の11-5 連結法人の営む事業が措置法第68条の11第1項第2号から第4号までに規定する事業(以下「特定事業」という。)に該当するかどうかは、当該連結法人が主たる事業としてその事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。  

(事業の判定)
68の11-6 連結法人の営む事業が特定事業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。  

(特定事業とその他の事業とに共通して使用される事業基盤強化設備)
68の11-7 特定事業とその他の事業とを営む連結法人が、その取得等をし、又は賃借した事業基盤強化設備(措置法第68条の11第1項に規定する事業基盤強化設備をいう。以下同じ。)をそれぞれの事業に共通して使用している場合には、その全部を特定事業の用に供したものとして同条の規定を適用する。  

(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
68の11-8 特定中小連結法人等である連結法人が、その取得等又は賃借をした事業基盤強化設備を自己の下請業者に貸与した場合において、当該事業基盤強化設備が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該事業基盤強化設備は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして取り扱う。

  (注)  物品賃貸業を営む連結法人は、貸付けの用に供した事業基盤強化設備につき措置法第68条の11第1項から第3項までの規定の適用を受けることができないことに留意する。  

(附属機器等の同時設置の意義)
68の11-9 措置法令第39条の41第5項第2号の器具及び備品又は同条第8項の機械及び装置並びに器具及び備品に係る平成9年9月12日付大蔵省告示第 221号の別表一及び二において本体と同時に設置することを条件として事業基盤強化設備に該当することとなる附属の機器等には、一の計画に基づき本体を設置してから相当期間内に設置するこれらの附属の機器等が含まれるものとする。  

(事業基盤強化設備の対価につき値引きがあった場合の税額控除限度額の計算)
68の11-10 連結法人が措置法第68条の11第1項(同法第42条の7第1項を含む。)に規定する特定事業基盤強化設備を事業の用に供した日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の11-10において「供用年度」という。)後の連結事業年度において当該特定事業基盤強化設備の対価の額につき値引きがあった場合には、供用年度にさかのぼって当該値引きのあった特定事業基盤強化設備に係る措置法第68条の11第2項(同法第42条の7第2項を含む。)に規定する税額控除限度額の修正を行うものとする。  

(物品賃貸業の意義)
68の11-11 措置法第68条の11第3項に規定する物品賃貸業とは、不特定又は多数の者に対し相当の対価を得て継続的に物品の賃貸を行う事業をいう。
  (注)  同項に規定する物品賃貸業は、法人又は個人が主たる事業としてその事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。  

(特殊の減価償却資産の耐用年数)
68の11-12 リース契約(措置法令第39条の41第14項第1号に規定するリース契約をいう。以下68の11-14までにおいて同じ。)に係る事業基盤強化設備が、耐用年数省令別表第五から別表第八までに掲げる減価償却資産のいずれかに該当するもの又は令第57条の規定による耐用年数の短縮の承認を受けたものである場合には、これらの別表に掲げる耐用年数又はその承認に係る年数を基礎として当該事業基盤強化設備のリース契約が同号の要件に該当するかどうかを判定することに留意する。  

(リース費用の均等支払の判定)
68の11-13 事業基盤強化設備に係るリース契約の締結に当たってその契約の履行を担保するための保証金等を支払うこととされている場合において、その金額がリース契約の締結に当たって通常授受される程度のものであるときは、当該保証金等がリース契約期間終了直前の一定期間のリース料等に充当することとされているときであっても、当該リース契約が措置法令第39条の41第14項第3号の要件に該当するかどうかは、その保証金等の支払がないものとして判定したところによることができるものとする。  

(リース費用に含まれない費用)
68の11-14 措置法令第39条の41第15項に規定する「政令で定める費用の総額」には、その賃借する事業基盤強化設備に係るソフトウエアの費用(当該事業基盤強化設備に組み込まれているいわゆる基本ソフトウエアに係るものを除く。)、リース契約に基づく賃借料とは別に支払う当該事業基盤強化設備の引取運賃等は含まれないことに留意する。  

(税額控除の適用を受けた連結法人の意義)
68の11-15 措置法第68条の11第6項に規定する「これらの規定の適用を受けた連結親法人又は当該連結親法人による連結完全支配関係にある当該適用に係る連結子法人」には、当該連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においては同条第3項の規定(同法第42条の7第3項の規定を含む。)による税額控除を実施していないが、当該税額控除に関する明細書においてリース税額控除限度額の計算を行い、その金額を繰越税額控除限度超過額として記載している連結法人が含まれることに留意する。  

(分社型分割等により移転した事業基盤強化設備のリース税額控除)
68の11-16 措置法第68条の11第3項の規定は、賃借をした事業基盤強化設備を特定事業の用に供した日を含む連結事業年度終了の日まで引き続き当該特定事業の用に供した場合に限り適用があるのであるから、連結法人である分割法人等(分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。)が特定事業の用に供した日を含む連結事業年度において分社型分割等(分社型分割、現物出資又は事後設立をいう。)により当該事業基盤強化設備を移転した場合には、同項の規定の適用はないのであるから留意する。  

(合併法人等における取戻し課税の不適用)
68の11-17 連結法人である合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。以下同じ。)が合併等(合併、分割、現物出資又は事後設立をいう。以下同じ。)により措置法第68条の11第3項の規定(同法第42条の7第3項の規定を含む。)の適用を受けた事業基盤強化設備の移転を受けた場合において、当該合併法人等が当該事業基盤強化設備を特定事業の用に供しなくなったときは、当該合併等に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。)において措置法第68条の11第6項の規定(同法第42条の7第6項の規定を含む。)による取戻し課税の適用がないときであっても、当該合併法人等については措置法第68条の11第6項の規定の適用はないのであるから留意する。
  (注)  例えば、非適格現物出資又は非適格事後設立により当該事業基盤強化設備を移転したことにより特定事業の用に供しなくなった場合であっても、措置法令第39条の41第19項第1号又は第5号に掲げる事実が生じたことによるときは、取戻し課税の適用がないことに留意する。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の11-18 措置法第68条の11第7項の規定により同条第1項から第4項まで及び第6項の規定の適用がない連結法人は、これらの規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、これらの規定の適用を受けることができる。  

(申告に係るその控除を受けるべき金額)
68の11-19 措置法第68条の11第9項及び第10項に規定する「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」の意義については、68の9-13の取扱いを準用する。

第68条の12 《事業化設備等を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除》関係

(連結事業年度の中途において特別中小連結法人に該当しなくなった場合の適用)
68の12-1 連結法人が各連結事業年度の中途において措置法第68条の12第1項に規定する特別中小連結親法人又は特別中小連結子法人(以下「特別中小連結法人」という。)に該当しないこととなった場合においても、その該当しないこととなった日前に取得若しくは製作(以下「取得等」という。)をして事業の用に供した同項に規定する特定事業化設備等又は賃借をして事業の用に供した措置法令第39条の42第9項に規定する事業化設備等(事業の用に供した日を含む連結事業年度終了の日まで引き続き当該事業の用に供しているものに限る。)については、措置法第68条の12第1項から第3項までの規定の適用があることに留意する。  

(取得価額の判定単位)
68の12-2 措置法令第39条の42第2項に規定する機械及び装置の1台又は1基の取得価額が 280万円以上であるかどうかについては、個々の機械及び装置ごとに判定することに留意する。  

(圧縮記帳をした事業化設備等の取得価額)
68の12-3 措置法令第39条の42第2項に規定する機械及び装置の取得価額が280 万円以上であるかどうかを判定する場合において、その機械及び装置が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(特定事業とその他の事業とに共通して使用される事業化設備等)
68の12-4 措置法第68条の12第1項第2号に規定する事業(以下68の12-4において「特定事業」という。)とその他の事業とを営む連結法人が、その取得等をした事業化設備等(同項に規定する事業化設備等をいう。以下同じ。)をそれぞれの事業に共通して使用している場合には、その全部を特定事業の用に供したものとして同条の規定を適用する。  

(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
68の12-5 特別中小連結法人である連結法人が、その取得等又は賃借をした事業化設備等を自己の下請業者に貸与した場合において、当該事業化設備等が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該事業化設備等は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして取り扱う。
  (注)  物品賃貸業を営む連結法人は、貸付けの用に供した事業化設備等につき措置法第68条の12第1項から第3項までの規定の適用を受けることができないことに留意する。  

(事業基盤強化設備の特別償却等との重複適用の排除)
68の12-6 連結法人が、その有する措置法第68条の11第1項に規定する事業基盤強化設備の全部又は一部につき同項の規定(同項に係る措置法第68条の41第1項の規定を含む。)又は措置法第68条の11第2項から第4項までの規定の適用を受ける場合には、当該適用を受ける連結事業年度において当該連結法人が有する事業化設備等のすべてについて措置法第68条の12第1項から第4項までの規定を適用することができないことに留意する。  

(総収入金額)
68の12-7 連結法人の当該連結事業年度開始の日前1年以内に開始した各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)における試験研究費割合(措置法令第39条の42第4項に定める割合をいう。以下68の12-8において同じ。)の計算の基礎となる同項に規定する総収入金額(以下68の12-8において「総収入金額」という。)とは、同項に規定する試験研究費の額に充てるため他の者(その連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を含む。)から支払を受ける金額及びこの通達において特別の定めのあるものを除き、当該連結事業年度において益金の額に算入されるべき収入金額(固定資産又は有価証券の譲渡に係るもの及び合併又は分割による移転に係るものを除く。)の合計額をいうものとする。  

(内部取引による益金の額の総収入金額からの除外)
68の12-8 試験研究費割合を計算する場合において、準備金勘定又は引当金勘定の取崩しによる益金算入額、措置法第68条の78第4項又は第12項の規定による買換資産を事業の用に供しない場合等の益金算入額及び法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額を計算する場合の法第48条等の規定による特別勘定の益金算入額並びに資産の評価換えによる益金等の内部取引に関する益金の額は、総収入金額に算入しないものとする。  

(固定資産又は有価証券の譲渡に係る収入金額)
68の12-9 措置法令第39条の42第4項に規定する固定資産又は有価証券の譲渡に係る収入金額には、次のものが含まれるものとする。
(1)  法第50条第1項に規定する取得資産の価額(当該取得資産とともに取得した令第92条第2項第1号に規定する交換差金等の金額を含む。)
(2)  措置法第68条の70第1項若しくは第68条の72第1項に規定する補償金若しくは清算金(収用等の対価に該当するものに限る。)の金額又は代替資産若しくは交換取得資産の価額
(3)  措置法第68条の80の規定により、交換の日におけるその資産の価額に相当する金額をもって譲渡したものとみなされる同条第1項に規定する交換譲渡資産の価額
(4)  借地権の譲渡対価の額
(5)  令第 138条第1項の規定に該当する場合における借地権の設定等に伴って収受する権利金等の金額
(6)  措置法第68条の86第1項に規定する特定共同出資により取得した株式(出資を含む。)のうち、現物出資をした固定資産及び有価証券に係るものの取得の時における価額の合計額
(注)1  法第47条第1項に規定する保険金等の金額は、固定資産の譲渡に係る収入金額に含まれない。
2  不動産売買業を営む連結法人の有する土地又は建物であっても、当該連結法人が使用し若しくは他に貸し付けているもの(販売の目的で所有しているもので一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該連結法人が使用することを予定して長期間にわたり所有していることが明らかなものは、固定資産に該当する。  

(試験研究費の額の範囲)
68の12-10 措置法令第39条の42第4項に規定する試験研究費の額には、その試験研究費に充てるため他の者(その連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を含む。)から支払を受ける金額は含まれないことに留意する。
  (注)  試験研究費の額の計算に当たっては、68の9-4の取扱いは適用しない。  

(事業化設備等の対価につき値引きがあった場合の税額控除限度額の計算)
68の12-11 連結法人が措置法第68条の12第1項(同法第42条の8第1項を含む。)に規定する特定事業化設備等を事業の用に供した日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の12-11において「供用年度」という。)後の連結事業年度において当該特定事業化設備等の対価の額につき値引きがあった場合には、供用年度にさかのぼって当該値引きのあった特定事業化設備等に係る措置法第68条の12第2項(同法第42条の8第2項を含む。)に規定する税額控除限度額の修正を行うものとする。  

(事業基盤強化設備のリース税額控除等の取扱いの準用)
68の12-12 68の11-16及び68の11-17の取扱いは、措置法第68条の12第3項の規定の適用について準用する。  

(物品賃貸業の意義)
68の12-13 措置法第68条の12第3項に規定する物品賃貸業とは、不特定又は多数の者に対し相当の対価を得て継続的に物品の賃貸を行う事業をいう。
  (注)  同項に規定する物品賃貸業は、法人又は個人が主たる事業としてその事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。  

(特殊の減価償却資産の耐用年数)
68の12-14 リース契約(措置法令第39条の42第8項第1号に規定するリース契約をいう。以下68の12-16までにおいて同じ。)に係る事業化設備等が、耐用年数省令別表第五から別表第八までに掲げる減価償却資産のいずれかに該当するもの又は令第57条の規定による耐用年数の短縮の承認を受けたものである場合には、これらの別表に掲げる耐用年数又はその承認に係る年数を基礎として当該事業化設備等のリース契約が同号の要件に該当するかどうかを判定することに留意する。  

(リース費用の均等支払の判定)
68の12-15 事業化設備等に係るリース契約の締結に当たってその契約の履行を担保するための保証金等を支払うこととされている場合において、その金額がリース契約の締結に当たって通常授受される程度のものであるときは、当該保証金等がリース契約期間終了直前の一定期間のリース料等に充当することとされているときであっても、当該リース契約が措置法令第39条の42第8項第3号の要件に該当するかどうかは、その保証金等の支払がないものとして判定したところによることができるものとする。  

(リース費用に含まれない費用)
68の12-16 措置法令第39条の42第9項に規定する「政令で定める費用の総額」には、その賃借する事業化設備等に係るソフトウエアの費用(当該事業化設備等に組み込まれているいわゆる基本ソフトウエアに係るものを除く。)、リース契約に基づく賃借料とは別に支払う当該事業化設備等の引取運賃等は含まれないことに留意する。  

(税額控除の適用を受けた連結法人の意義)
68の12-17 措置法第68条の12第6項に規定する「これらの規定の適用を受けた連結親法人又は当該連結親法人による連結完全支配関係にある当該適用に係る連結子法人」には、当該連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においては同条第3項の規定(同法第42条の8第3項の規定を含む。)による税額控除を実施していないが、当該税額控除に関する明細書においてリース税額控除限度額の計算を行い、その金額を繰越税額控除限度超過額として記載している連結法人が含まれることに留意する。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の12-18 措置法第68条の12第7項の規定により同条第1項から第4項まで及び第6項の規定の適用がない連結法人は、これらの規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、 これらの規定の適用を受けることができる。  

(申告に係るその控除を受けるべき金額)
68の12-19 措置法第68条の12第9項及び第10項に規定する「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」の意義については、68の9-13の取扱いを準用する。

第68条の13 《沖縄の特定地域において工業用機械等を取得した場合の法人税額の特別控除》関係

(生産等設備の範囲)
68の13-1 措置法令第39条の43第2項第2号に規定する生産等設備は、措置法第68条の13第1項に係る措置法第42条の9第1項の表の第2号から第5号までの第2欄に掲げる電気通信業、製造の事業若しくは金融業務に係る事業又は措置法令第27条の9第4項、第6項若しくは第8項に規定する事業の用に直接供される減価償却資産で構成されているものをいう。したがって、例えば、本店、販売所、寄宿舎等の建物、事務用器具備品、乗用自動車、福利厚生施設のようなものは、これに該当しない。  

(圧縮記帳をした減価償却資産の取得価額)
68の13-2 措置法令第39条の43第2項第1号の一の設備でこれを構成する機械及び装置、建物及びその附属設備並びに構築物の取得価額の合計額が5,000 万円を超えるかどうかを判定する場合において、 その一の設備のうちに法又は措置法の規定による圧縮記帳の適用を受けたものがあるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。
 同項第2号の一の生産等設備でこれを構成する減価償却資産の取得価額の合計額が 1,000万円を超えるかどうかを判定する場合においても、 同様とする。  

(新増設の範囲)
68の13-3 措置法第68条の13第1項の規定の適用上、次に掲げる工業用機械等の取得又は製作若しくは建設(以下「取得等」という。)についても同項に規定する新設又は増設に係る工業用機械等(以下68の13-10までにおいて「工業用機械等」という。)の取得等に該当するものとする。
(1) 既存設備が災害により滅失又は損壊したため、その代替設備として取得等をした工業用機械等
(2)  既存設備の取替え又は更新のために工業用機械等の取得等をした場合で、その取得等により生産能力、処理能力等が従前に比して相当程度(おおむね30%)以上増加したときにおける当該工業用機械等のうちその生産能力、処理能力等が増加した部分に係るもの  

(工場用等の建物及びその附属設備の意義)
68の13-4 措置法第68条の13の適用対象となる減価償却資産である措置法第42条の9第1項の表の第3号又は第4号に規定する工場用(以下68の13-5までにおいて「工場用」という。)の建物及びその附属設備には、次に掲げる建物及びその附属設備が含まれるものとする。
 措置法第68条の13の適用対象となる減価償却資産である措置法令第27条の9第5項、第7項、第8項及び第9項に規定する作業場用等の建物及びその附属設備についても、同様とする。
(1) 工場の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類するもので工場用の建物としての耐用年数を適用するもの及びこれらの建物の附属設備
(2)  発電所又は変電所の用に供する建物及びこれらの建物の附属設備
(注) 倉庫用の建物は、工場用又は作業場用の建物に該当しない。

(工場用又は作業場用等とその他の用に共用されている建物の判定)
68の13-5 一の建物が工場用又は作業場用等とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、工場用又は作業場用等に供されている部分について措置法第68条の13第1項の規定を適用するのであるが、次の場合には、次によることとする。
(1) 工場用又は作業場用等とその他の用に供されている部分を区分することが困難であるときは、当該建物が主としていずれの用に供されているかにより判定する。
(2) その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が工場用又は作業場用等に供されているものとすることができる。  
(税額控除の対象となる工場用建物等の附属設備)
68の13-6 措置法第68条の13の適用対象となる減価償却資産である措置法第42条の9第1項の表の各号に掲げる建物の附属設備並びに措置法令第27条の9第5項、第7項、第8項及び第9項に規定する建物の附属設備は、これらの建物とともに取得等をする場合における建物附属設備に限られることに留意する。  

(取得価額の合計額が20億円を超えるかどうかの判定)
68の13-7 措置法第68条の13の規定の適用上、一の生産等設備を構成する工業用機械等の取得価額の合計額が20億円を超えるかどうかは、その新設又は増設に係る事業計画ごとに判定することに留意する。
 措置法令第39条の43第2項第1号の一の設備でこれを構成する機械及び装置、 建物及びその附属設備並びに構築物の取得価額の合計額が 5,000万円を超えるかどうか又は同項第2号の一の生産等設備でこれを構成する減価償却資産の取得価額の合計額が 1,000万円を超えるかどうかの判定についても、同様とする。  

(2以上の連結事業年度において事業の用に供した場合の取得価額の計算)
68の13-8 一の生産等設備を構成する工業用機械等でその取得価額の合計額が20億円を超えるものを2以上の連結事業年度(それらの事業年度のうちに連結事業年度に該当しない事業年度がある場合には、当該事業年度)において事業の用に供した場合には、その取得価額の合計額が初めて20億円を超えることとなる連結事業年度(以下68の13-8において「超過連結事業年度」という。)における措置法第68条の13第1項の規定による税額控除限度額の計算の基礎となる個々の工業用機械等の取得価額は、次の算式によるものとする。
   
(注)1 その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度とする。以下注書2において同じ。
2  超過連結事業年度前の各連結事業年度において事業の用に供した個々の工業用機械等については、その取得価額の調整は行わないことに留意する。  

(指定事業の範囲)
68の13-9 連結法人が措置法第68条の13の適用対象となる地区である措置法第42条の9第1項の表の各号の第1欄に掲げる地区内(以下68の13-10までにおいて「沖縄の特定地域内」という。)において行う事業が同項の表の各号の第2欄に掲げる事業(以下68の13-10までにおいて「指定事業」という。)に該当するかどうかは、当該沖縄の特定地域内にある事業所ごとに判定する。この場合において、連結親法人である協同組合等が当該沖縄の特定地域内において指定事業を営むその組合員の共同的施設として工業用機械等の取得等をしたときは、当該工業用機械等は指定事業の用に供されているものとする。
(注)1 例えば建設業を営む連結法人が当該沖縄の特地域内に建設資材を製造する事業所を有している場合には、当該連結法人が当該建設資材をその建設業に係る原材料等として消費しているときであっても、当該事業所における事業は指定事業に係る製造の事業に該当する。
2  指定事業かどうかの判定は、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として行う。  

(指定事業の用に供したものとされる資産の貸与)
68の13-10 連結法人が、自己の下請業者で沖縄の特定地域内において指定事業を営む者に対し、その指定事業の用に供する工業用機械等を貸し付けている場合において、当該工業用機械等が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該連結法人が下請業者の当該沖縄の特定地域内において営む指定事業と同種の事業を営むものである場合に限り、その貸し付けている工業用機械等は当該連結法人の営む指定事業の用に供したものとして取り扱う。
(注) 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品とするいわゆる製造問屋の事業は、措置法第68条の13の適用対象となる事業である措置法第42条の9第1項の表の第2欄に掲げる製造の事業に該当しない。
 
(工業用機械等の対価につき値引きがあった場合の税額控除限度額の計算)
68の13-11 連結法人が措置法第68条の13第1項(同法第42条の9第1項を含む。)に規定する工業用機械等を事業の用に供した日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の13-11において「供用年度」という。)後の連結事業年度において当該工業用機械等の対価の額につき値引きがあった場合には、供用年度にさかのぼって当該値引きのあった工業用機械等に係る措置法第68条の13第1項(同法第42条の9第1項を含む。)に規定する税額控除限度額の修正を行うものとする。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の13-12 措置法第68条の13第4項の規定により同条第1項及び第2項の規定の適用がない連結法人は、これらの規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、これらの規定の適用を受けることができる。  

(申告に係るその控除を受けるべき金額)
68の13-13 措置法第68条の13第5項及び第6項に規定する「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」の意義については、68の9-13の取扱いを準用する。

第68条の14 《沖縄の特定中小連結法人が経営革新設備等を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除》関係

(連結事業年度の中途において特定中小連結法人に該当しなくなった場合の適用)
68の14-1 連結法人が各連結事業年度の中途において措置法第68条の14第1項に規定する特定中小連結親法人又は特定中小連結子法人(以下「特定中小連結法人」という。)に該当しないこととなった場合においても、その該当しないこととなった日前に取得又は製作若しくは建設(以下「取得等」という。)をして事業の用に供した同項に規定する特定経営革新設備等又は賃借をして事業の用に供した措置法令第39条の44第4項に規定する経営革新設備(事業の用に供した日を含む連結事業年度終了の日まで引き続き当該事業の用に供しているものに限る。)については、措置法第68条の14第1項から第3項までの規定の適用があることに留意する。  

(取得価額の判定単位)
68の14-2 措置法令第39条の44第1項に規定する機械及び装置又は器具及び備品の1台又は1基の取得価額が 280万円以上又は 120万円以上であるかどうかについては、通常1単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器で当該本体と一体となって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。
(注)措置法規則第22条の27第1項に規定する「第20条の4第3項各号」に掲げる器具及び備品の取得価額の合計額が 120万円以上であるかどうかについては、各連結法人が当該各号ごとに、当該各号に掲げる器具及び備品の取得価額の合計額により判定することに留意する。
 
(圧縮記帳をした経営革新設備等の取得価額)
68の14-3 措置法令第39条の44第1項に規定する機械及び装置、器具及び備品又は建物等の取得価額が 280万円以上、120万円以上又は 1,000万円以上であるかどうかを判定する場合において、その機械及び装置、器具及び備品又は建物等が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(特別償却等の対象となる建物の附属設備)
68の14-4 措置法第68条の14第1項に規定する建物の附属設備は、当該建物とともに取得等をする場合における建物附属設備に限られることに留意する。  

(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
68の14-5 特定中小連結法人である連結法人が、その取得等又は賃借をした経営革新設備等(措置法第68条の14第1項に規定する経営革新設備等をいう。以下同じ。)を自己の下請業者に貸与した場合において、当該経営革新設備等が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該経営革新設備等は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして取り扱う。
(注) 物品賃貸業を営む連結法人は、貸付けの用に供した経営革新設備等につき措置法第68条の14第1項から第3項までの規定の適用を受けることができないことに留意する。
 

(特定経営革新設備等の対価につき値引きがあった場合の税額控除限度額の計算)
68の14-6 連結法人が措置法第68条の14第1項(同法第42条の10第1項を含む。)に規定する特定経営革新設備等を事業の用に供した日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の14-6において「供用年度」という。)後の連結事業年度において当該特定経営革新設備等の対価の額につき値引きがあった場合には、供用年度にさかのぼって当該値引きのあった特定経営革新設備等に係る措置法第68条の14第2項(同法第42条の10第2項を含む。)に規定する税額控除限度額の修正を行うものとする。  

(物品賃貸業の意義)
68の14-7 措置法第68条の14第3項に規定する物品賃貸業とは、不特定又は多数の者に対し相当の対価を得て継続的に物品の賃貸を行う事業をいう。
(注) 同項に規定する物品賃貸業は、法人又は個人が主たる事業としてその事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。
 

(特殊の減価償却資産の耐用年数)
68の14-8 リース契約(措置法令第39条の44第3項第1号に規定するリース契約をいう。以下68の14-10までにおいて同じ。)に係る経営革新設備(措置法第68条の14第3項に規定する経営革新設備をいう。以下同じ。)が、耐用年数省令別表第五から別表第八までに掲げる減価償却資産のいずれかに該当するもの又は令第57条の規定による耐用年数の短縮の承認を受けたものである場合には、これらの別表に掲げる耐用年数又はその承認に係る年数を基礎として当該経営革新設備のリース契約が同号の要件に該当するかどうかを判定することに留意する。  

(リース費用の均等支払の判定)
68の14-9 経営革新設備に係るリース契約の締結に当たってその契約の履行を担保するための保証金等を支払うこととされている場合において、その金額がリース契約の締結に当たって通常授受される程度のものであるときは、当該保証金等がリース契約期間終了直前の一定期間のリース料等に充当することとされているときであっても、当該リース契約が措置法令第39条の44第3項第3号の要件に該当するかどうかは、その保証金等の支払がないものとして判定したところによることができるものとする。  

(リース費用に含まれない費用)
68の14-10 措置法令第39条の44第4項に規定する「政令で定める費用の総額」には、その賃借する経営革新設備に係るソフトウエアの費用(当該経営革新設備に組み込まれているいわゆる基本ソフトウエアに係るものを除く。)、リース契約に基づく賃借料とは別に支払う当該経営革新設備の引取運賃等は含まれないことに留意する。  

(事業基盤強化設備のリース税額控除等の取扱いの準用)
68の14-11 68の11-16及び68の11-17の取扱いは、措置法第68条の14第3項の規定の適用について準用する。  

(税額控除の適用を受けた連結法人の意義)
68の14-12 措置法第68条の14第6項に規定する「これらの規定の適用を受けた連結親法人又は当該連結親法人による連結完全支配関係にある当該適用に係る連結子法人」には、当該連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においては同条第3項の規定(同法第42条の10第3項の規定を含む。)による税額控除を実施していないが、当該税額控除に関する明細書においてリース税額控除限度額の計算を行い、その金額を繰越税額控除限度超過額として記載している連結法人が含まれることに留意する。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の14-13 措置法第68条の14第7項の規定により同条第1項から第4項まで及び第6項の規定の適用がない連結法人は、これらの規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、これらの規定の適用を受けることができる。  

(申告に係るその控除を受けるべき金額)
68の14-14 措置法第68条の14第9項及び第10項に規定する「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」の意義については、68の9-13の取扱いを準用する。

第68条の15 《中小連結法人が機械等を取得した場合等の特別償却又は法人税額の特別控除》関係

(連結事業年度の中途において中小連結法人に該当しなくなった場合等の適用)
68の15-1 連結法人が各連結事業年度の中途において措置法第68条の15第1項に規定する中小連結法人に該当しないこととなった場合においても、その該当しないこととなった日前に取得若しくは製作(以下「取得等」という。)をして同項に規定する事業として措置法第42条の11第1項に規定する指定事業(以下68の15-10までにおいて「指定事業」という。)の用に供した同項に規定する特定機械装置等又は賃借をして指定事業の用に供した措置法令第39条の45第6項に規定する特定機械等(特定事業の用に供した日を含む連結事業年度終了の日まで引き続き当該指定事業の用に供しているものに限る。)については、措置法第68条の15第1項及び第3項の規定の適用があることに留意する。この場合において、措置法規則第22条の28第1項に規定する特定機械装置等に係る取得価額の合計額又は同条第2項に規定する特定機械等に係るリース費用の総額の合計額がこれらの項に規定する金額以上であるかどうかは、その中小連結法人に該当していた期間内に取得等又は賃借をして指定事業の用に供していたもの(賃借に係る特定機械等については、指定事業の用に供した日を含む連結事業年度終了の日まで引き続き当該指定事業の用に供しているものに限る。)の取得価額の合計額又はリース費用の総額の合計額によって判定するものとする。
  (注)
 連結法人が各連結事業年度の中途において特定中小連結法人(措置法第68条の15第2項に規定する「特定中小連結親法人」又は「特定中小連結子法人」をいう。以下68の15-8において同じ。)に該当しないこととなった場合の同項の適用についても同様とする。
 

(取得価額の判定単位)
68の15-2 措置法令第39条の45第1項に規定する機械及び装置又は器具及び備品の1台又は1基の取得価額が 160万円以上又は 100万円以上であるかどうかについては、通常一単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器で当該本体と一体になって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。
  (注)
 措置法規則第22条の28第1項に規定する「第20条の5の2第1項各号」に掲げる器具及び備品の取得価額の合計額が 100万円以上であるかどうかについては、各連結法人が当該各号ごとに、当該各号に規定する器具及び備品の取得価額の合計額により判定することに留意する。
 

(圧縮記帳をした特定機械装置等の取得価額)
68の15-3 措置法令第39条の45第1項に規定する機械及び装置又は器具及び備品の取得価額が 160万円以上又は 100万円以上であるかどうかを判定する場合において、その機械及び装置又は器具及び備品が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(主たる事業でない場合の適用)
68の15-4 連結法人の営む事業が指定事業に該当するかどうかは、当該連結法人が主たる事業としてその事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。  

(事業の判定)
68の15-5 連結法人の営む事業が指定事業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。
  (注)
 措置法第68条の15第1項に規定する指定事業に該当する措置法規則第20条の5の2第4項第10号に掲げる「サービス業」については、日本標準産業分類の「大分類H情報通信業」(通信業を除く。)、「小分類693 駐車場業」、「中分類72宿泊業」、「大分類N医療、福祉」、「大分類O教育、学習支援業」、「中分類79協同組合(他に分類されないもの)」及び「大分類Qサービス業(他に分類されないもの)」(旅行業を除く。)に分類する事業が該当する。
 

(その他これらに類する事業に含まれないもの)
68の15-6 措置法第68条の15第1項に規定する指定事業に該当しない措置法規則第20条の5の2第4項第2号かっこ書の料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブに類する事業には、例えば大衆酒場及びビヤホールのように一般大衆が日常利用する飲食店は含まないものとする。  

(指定事業とその他の事業とに共通して使用される特定機械装置等又は特定機械等)
68の15-7 指定事業とその他の事業とを営む連結法人が、その取得等又は賃借をした特定機械装置等(措置法第68条の15第1項に規定する「特定機械装置等」をいう。以下68の15-9までにおいて同じ。)又は特定機械等(措置法令第39条の45第5項に規定する「特定機械等」をいう。以下同じ。)をそれぞれの事業に共通して使用している場合には、その全部を指定事業の用に供したものとして措置法第68条の15の規定を適用する。  

(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
68の15-8 措置法第68条の15第1項に規定する中小連結法人である連結法人が、その取得等又は賃借をした特定機械装置等又は特定機械等を自己の下請業者に貸与した場合において、当該特定機械装置等又は特定機械等が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該特定機械装置等又は特定機械等は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして取り扱う。
  (注)
 特定中小連結法人が、その取得等をした特定機械装置等を自己の下請業者に貸与した場合についても同様とする。
 

(附属機器等の同時設置の意義)
68の15-9 特定機械装置等に係る措置法規則第20条の5の2第1項各号において本体と同時に設置することを条件として特定機械装置等に該当することとなる附属の機器等には、一の計画に基づき本体を設置してから相当期間内に設置するこれらの附属の機器等が含まれるものとする。  

(特定機械装置等の対価につき値引きがあった場合の税額控除限度額の計算)
68の15-10 連結法人が措置法第68条の15第1項(同法第42条の11第1項を含む。)に規定する特定機械装置等を指定事業の用に供した日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の15-10において「供用年度」という。)後の連結事業年度において当該特定機械装置等の対価の額につき値引きがあった場合には、供用年度にさかのぼって当該値引きのあった特定機械装置等に係る措置法第68条の15第2項(同法第42条の11第2項を含む。)に規定する税額控除限度額の修正を行うものとする。  

(物品賃貸業の意義)
68の15-11 措置法第68条の15第3項に規定する物品賃貸業とは、不特定又は多数の者に対し相当の対価を得て継続的に物品の賃貸を行う事業をいう。
  (注)
 同項に規定する物品賃貸業は、法人又は個人が主たる事業としてその事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。
 

(特殊の減価償却資産の耐用年数)
68の15-12 リース契約(措置法令第39条の45第5項第1号に規定するリース契約をいう。以下68の15-14までにおいて同じ。)に係る特定機械等が、耐用年数省令別表第五から別表第八までに掲げる減価償却資産のいずれかに該当するもの又は令第57条の規定による耐用年数の短縮の承認を受けたものである場合には、これらの別表に掲げる耐用年数又はその承認に係る年数を基礎として当該特定機械等のリース契約が同号の要件に該当するかどうかを判定することに留意する。  

(リース費用の均等支払の判定)
68の15-13 特定機械等に係るリース契約の締結に当たってその契約の履行を担保するための保証金等を支払うこととされている場合において、その金額がリース契約の締結に当たって通常授受される程度のものであるときは、当該保証金等がリース契約期間終了直前の一定期間のリース料等に充当することとされているときであっても、当該リース契約が措置法令第39条の45第5項第3号の要件に該当するかどうかは、その保証金等の支払がないものとして判定したところによることができるものとする。  

(リース費用に含まれない費用)
68の15-14 措置法令第39条の45第6項に規定する「政令で定める費用の総額」には、その賃借する特定機械等に係るソフトウエアの費用(当該特定機械等に組み込まれているいわゆる基本ソフトウエアに係るものを除く。)、リース契約に基づく賃借料とは別に支払う当該特定機械等の引取運賃等は含まれないことに留意する。  

(税額控除の適用を受けた連結法人の意義)
68の15-15 措置法第68条の15第6項に規定する「これらの規定の適用を受けた連結親法人又は当該連結親法人による連結完全支配関係にある当該適用に係る連結子法人」には、当該連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においては同条第3項の規定(同法第42条の11第3項の規定を含む。)による税額控除を実施していないが、当該税額控除に関する明細書においてリース税額控除限度額の計算を行い、その金額を繰越税額控除限度超過額として記載している連結法人が含まれることに留意する。  

(事業基盤強化設備のリース税額控除等の取扱いの準用)
68の15-16 68の11-16及び68の11-17の取扱いは、措置法第68条の15第3項の規定の適用について準用する。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の15-17 措置法第68条の15第7項の規定により同条第1項から第4項まで及び第6項の規定の適用がない連結法人は、これらの規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては当該連結子法人以外の連結法人は、これらの規定の適用を受けることができる。  

(申告に係るその控除を受けるべき金額)
68の15-18 措置法第68条の15第9項及び第10項に規定する「当該申告に係るその控除を受けるべき金額」の意義については、68の9-13の取扱いを準用する。

第68条の16 《特定設備等の特別償却》関係

第1款 共通事項
 

(特別償却の対象となる特定設備等)
68の16(1)-1 特定設備等の特別償却の規定は、連結法人が取得し、又は製作し、若しくは建設した措置法第68条の16第1項に規定する特定設備等(以下「特定設備等」という。)が次のすべてに該当する場合に限って適用があることに留意する。
(1)その製作又は建設の後事業の用に供されたことのないいわゆる新品であること。
(2) 当該特定設備等について措置法令第39条の46第9項に定める期間(以下「指定期間」という。)内に当該連結法人が取得し、又は製作し、若しくは建設し、かつ、指定期間内に事業の用に供したものであること。  

(特定設備等を貸し付けた場合の不適用)
68の16(1)-2 連結法人が取得し、又は製作し、若しくは建設した特定設備等を他に貸し付けた場合には、措置法第68条の16第1項の規定により、措置法令第39条の46第10項に規定する船舶貸渡業を営む連結法人がその船舶を他に貸し付けた場合を除き、その貸し付けた特定設備等については、措置法第68条の16第1項の規定の適用がないことに留意する。  

(附属機器等の同時設置の意義)
68の16(1)-3 措置法令第39条の46第1項及び第7項に係る昭和48年5月29日付大蔵省告示第69号(措置法第43条第1項の表の第1号、第3号及び第4号の規定の適用を受ける機械その他の減価償却資産及び期間を指定する等の告示。以下「告示」という。)別表において本体と同時に設置することを条件として特別償却の対象となる附属の機器等には、一の計画に基づき本体を設置してから相当期間内に設置するこれらの附属の機器等が含まれるものとする。  

(取得価額の判定単位)
68の16(1)-4 措置法令第39条の46第1項に規定する機械その他の減価償却資産の1台又は1基の取得価額が 150万円以上又は 230万円以上であるかどうかについては、通常1単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は電源装置のような附属機器で当該本体と一体となって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。
 同条第7項に規定する機械及び装置の1台又は1基の取得価額が3億円、2億円又は1億円を超えるかどうかの判定についても、同様とする。  

(圧縮記帳をした公害防止設備等の取得価額)
68の16(1)-5 措置法令第39条の46第1項に規定する機械その他の減価償却資産の取得価額が 150万円以上又は 230万円以上であるかどうかを判定する場合において、その機械その他の減価償却資産が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。
 措置法令第39条の46第7項に規定する機械及び装置の取得価額が3億円、2億円又は1億円を超えるかどうかの判定についても、同様とする。

第2款 公害防止設備
 
(中古資産に公害防止の減価償却資産を設置した場合)
68の16(2)-1 連結法人が、告示別表一、別表三及び別表四に定める機械その他の減価償却資産で、建物、構築物、又は機械及び装置(以下「建物等」という。)の一部を構成するものを取得し、これを従来から所有している建物等に新たに設置した場合にも、その取得した機械その他の減価償却資産については、措置法第68条の16第1項の表の第1号の規定の適用を受ける機械その他の減価償却資産として、同条の規定による特別償却ができることに留意する。  

(中小連結法人等以外の連結法人であるかどうかの判定の時期)
68の16(2)-2 連結法人が、措置法第68条の16第1項に規定する「中小連結法人又は連結親法人である同項に規定する農業協同組合等以外の連結親法人又はその連結子法人」に該当する連結法人であるかどうかは、その新設又は増設した措置法第68条の16第1項に規定する機械及び装置を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。
 措置法令第39条の46第2項に規定する「中小連結法人(連結親法人である同項に規定する農業協同組合等を含む。)以外の連結法人」に該当する連結法人であるかどうかについても、同様とする。  

(新増設設備の範囲)
68の16(2)-3 措置法令第39条の46第2項に規定する「新設又は増設をして事業の用に供するもの」には、連結法人が事業の用に供する同条第3項に規定する「既存の機械その他の減価償却資産に代えて設置するもの」は含まれないのであるが、次に掲げる減価償却資産については、新設又は増設に係るものとして同条第2項の規定を適用し、同条第3項の規定を適用しないことができるものとする。

  (1)
 既存設備が災害により滅失又は損壊したためその代替設備として取得等をした指定公害防止用設備(措置法令第39条の46第1項に係る措置法令第28条第1項の規定により財務大臣が指定した機械その他の減価償却資産をいう。以下68の16(2)-3において同じ。)

(2)  既存設備の取替え又は更新のために指定公害防止用設備の取得等をした場合で、その取得等により処理能力等が従前に比して相当程度(おおむね30%)以上増加したときにおける当該指定公害防止用設備のうちその処理能力等が増加した部分に係るもの
  (注)
 上記(2)の指定公害防止用設備が措置法規則第22条の29第2項及び第5項第2号に規定する要件である措置法規則第20条の6第2項第2号ロ及び第5項第2号ロに規定する「規制基準に対する処理割合」及び「処理能力」に係る要件を満たすものであるかどうかは、その指定公害防止用設備の全体によって判定するものとする。

 

(ばい煙の処理の用に主として使用することの判定)
68の16(2)-4 大気汚染防止法第2条第1項に規定するばい煙及び同条第4項に規定する粉じん並びに同法第17条第1項に規定する特定物質の処理に共用されている告示別表第一に掲げるばい煙処理用設備又はばい煙処理用等設備が、当該ばい煙の処理の用に主として使用されているかどうかは、当該設備の設置目的、構造、使用状況等からみて、当該設備が主としてばい煙の処理のために設置されたかどうかにより判定する。

第3款 海洋運輸業等
 

(海洋運輸業又は沿海運輸業の意義)
68の16(3)-1 措置法令第39条の46第6項に規定する海洋運輸業又は沿海運輸業を営む連結法人は、海洋又は沿海において運送営業を営む連結法人に限られるから、たとえ連結法人が海上運送法の規定により船舶運航事業を営もうとする旨の届出をしていても、専ら自家貨物の運送を行う場合には、その連結法人の営む運送は、海洋運輸業又は沿海運輸業に該当しないことに留意する。

  (注)
 同項に規定する海洋運輸業又は沿海運輸業については、日本標準産業分類(総務省)の「小分類451外航海運業」又は「小分類452沿海海運業」に分類する事業が該当する。


第4款 航空機
 

(航空機の範囲)
68の16(4)-1 措置法第68条の16の規定の適用を受ける航空機の範囲には、連結法人が指定して機内に装備する措置法令第39条の46第8項かっこ書に規定する部品及び装備品は含まれないのであるが、航空機本体の購入契約においてあらかじめ当該航空機本体に標準装備することとされる部品及び装備品は含まれることに留意する。

第68条の17 《関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却》関係

(研究施設の範囲)
68の17-1 措置法第68条の17第1項の規定の適用の対象となる「第43条の2第1項に規定する研究施設」は、措置法令第28条の2第1項第1号に規定する技術に関する研究開発のために直接使用されているものに限られるから、製品の生産工程の一部において使用されているなど当該技術に関する研究開発のために使用されていない資産については、措置法第68条の17第1項の規定の適用がないことに留意する。  

(研究所用施設の要件の判定)
68の17-2 措置法第68条の17第1項に規定する研究施設に係る措置法令第28条の2第1項第1号に規定する研究所用の施設の取得等に必要な資金の額が2億円以上であるかどうかは、一の計画に基づき取得する研究所用の施設ごとに判定するものとする。

  (注)
 研究所用の施設の取得等に必要な資金の額が2億円以上であるかどうかは、その研究所用の施設につき法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けるものであってもこれらの規定の適用を受ける前の金額により判定するが、研究所用の施設に含まれる個々の資産の特別償却額は、これらの規定による圧縮記帳後の金額を基礎として計算することに留意する。
 

(研究所用の建物及びその附属設備の意義)
68の17-3 措置法第68条の17第1項に規定する研究施設に該当する措置法第43条の2第1項に規定する研究所用の建物及びその附属設備には、次に掲げる建物及びその附属設備が含まれるものとする。

  (1)
 研究所の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類するもので研究所用の建物としての耐用年数を適用するもの及びこれらの建物の附属設備

(2)  研究所において使用する電力に係る発電所又は変電所の用に供する建物及びこれらの建物の附属設備

  (注)  倉庫用の建物は、研究所用の建物に該当しない  

(特別償却の対象となる研究所用の建物の附属設備)
68の17-4 措置法第68条の17第1項に規定する研究施設に該当する措置法第43条の2第1項に規定する研究所用の建物の附属設備は、当該建物とともに取得する場合における建物附属設備に限られることに留意する。  

(研究所用とその他の用に共用されている建物の判定)
68の17-5 一の建物が研究所用とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、研究所用に供されている部分について措置法第68条の17第1項の規定を適用するのであるが、研究所用とその他の用に供されている部分を区分することが困難であるときは、当該建物が主としていずれの用に供されているかにより判定する。

  (注)
 その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が研究所用に供されているものとすることができる。
 

(機械及び装置の取得価額の判定単位)
68の17-6 措置法第68条の17第1項に規定する研究施設に係る措置法令第28条の2第2項に規定する機械及び装置の1台又は1基の取得価額が 240万円以上であるかどうかについては、通常1単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器で当該本体と一体となって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。  

(圧縮記帳をした研究施設の取得価額)
68の17-7 措置法第68条の17第1項に規定する研究施設に係る措置法令第28条の2第2項に規定する機械及び装置の取得価額が 240万円以上であるかどうかを判定する場合において、その機械及び装置が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。


第68条の18 《特定中核的民間施設等の特別償却》関係

(特定親法人の株式保有割合等の判定の時期)
68の18-1 連結親法人が、措置法第68条の18第1項に規定する「その発行済株式の総数又は出資金額若しくは拠出された金額の2分の1以上の数又は金額が地方公共団体により所有され、又は出資若しくは拠出をされている法人」(以下「特定親法人」という。)に該当する連結親法人であるかどうかは、その取得又は建設(以下「取得等」という。)をした同項に規定する特定中核的民間施設に該当する措置法第43条の3第1項に規定する建物及びその附属設備を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。
  (注)
 連結親法人の発行済株式の総数又は出資金額若しくは拠出された金額の2分の1以上の数又は金額が2以上の地方公共団体により所有され、又は出資若しくは拠出をされている場合であっても、当該連結親法人は、特定親法人に該当することに留意する。
 

(特定認定親法人等の株式保有割合等の判定の時期)
68の18-2 措置法第68条の18第2項の表の第1号に規定する認定法人である連結親法人又は同表の第2号に規定する認定を受けた連結親法人(以下「認定親法人等」という。)が、措置法令第39条の47第3項に規定する「その発行済株式の総数又は出資金額若しくは拠出された金額の4分の1以上の数又は金額が地方公共団体により所有され、又は出資若しくは拠出をされている連結親法人」(以下「特定認定親法人等」という。)に該当する連結親法人であるかどうかは、その取得又は製作若しくは建設をした措置法第68条の18第2項に規定する建物及びその附属設備並びに機械及び装置を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。

  (注)
 認定親法人等の発行済株式の総数又は出資金額若しくは拠出された金額の4分の1以上の数又は金額が2以上の地方公共団体により所有され、又は出資若しくは拠出をされている場合であっても、当該認定親法人等は、特定認定親法人等に該当することに留意する。
 

(特別償却の対象となる建物の附属設備)
68の18-3 措置法第68条の18第1項の特定中核的民間施設に該当する措置法第43条の3第1項に規定する建物の附属設備又は措置法第68条の18第2項の保全事業等資産に該当する同項に規定する建物の附属設備は、当該建物とともに取得等をする場合における建物附属設備に限られることに留意する。  

(固定資産税及び不動産取得税の軽減又は免除の意義)
68の18-4 措置法第68条の18第1項に規定する特定中核的民間施設に係る措置法令第28条の3第1項に規定する「当該施設に含まれる建物について地方税法第6条の規定により固定資産税及び不動産取得税が軽減又は免除をされるもの」とは、その建物について固定資産税と不動産取得税の双方が軽減又は免除をされるものをいうことに留意する。  

(中核的民間施設等の取得等に必要な資金の判定単位等)
68の18-5 措置法第68条の18第1項に規定する特定中核的民間施設に係る措置法第43条の3第1項第1号若しくは第2号に規定する中核的民間施設又は同項第3号に規定する中核的施設(以下68の18-5において「中核的民間施設等」という。)の取得等に必要な措置法令第28条の3第1項に規定する資金の額が6億円以上であるかどうかは、一の計画に基づき取得等をする中核的民間施設等ごとに判定するものとする。

  (注)
 中核的民間施設等の取得等に必要な資金の額が6億円以上であるかどうかは、その中核的民間施設等につき法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けるものであってもこれらの規定の適用を受ける前の金額により判定するが、中核的民間施設等に含まれる個々の資産の特別償却額は、これらの規定による圧縮記帳後の金額を基礎として計算することに留意する。
 

(床面積の意義)
68の18-6 措置法令第39条の47第1項に規定する床面積は、建築基準法施行令第2条第1項第3号に規定する床面積によるものとする。  

(圧縮記帳した保全事業等資産の取得価額)
68の18-7 措置法令第39条の47第4項第1号又は第5項第1号に規定する建物及びその附属設備の取得価額が 2,000万円以上であるかどうか並びに同条第4項第2号又は第5項第2号に規定する機械及び装置の取得価額が 180万円以上であるかどうかを判定する場合において、その建物及びその附属設備並びに機械及び装置が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(機械及び装置の取得価額の判定単位)
68の18-8 措置法令第39条の47第4項第2号又は第5項第2号に規定する機械及び装置の1台又は1基の取得価額が 180万円以上であるかどうかについては、通常1単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器で当該本体と一体となって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。

第68条の19 《地震防災対策用資産の特別償却》関係

(大規模地震対策特別措置法施行令第4条各号に掲げる施設又は事業の管理又は運営を行う連結法人であるかどうかの判定の時期)
68の19-1 連結法人が措置法令第39条の48に規定する「連結親法人又はその連結子法人で大規模地震対策特別措置法施行令第4条各号に掲げる施設又は事業の管理又は運営を行うもの」に該当する連結法人であるかどうかは、その取得又は製作若しくは建設をした措置法第68条の19第1項に規定する地震防災対策用資産を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。  

(地震防災対策用資産を事業の用に供した日の判定)
68の19-2 措置法第68条の19第1項の規定を適用する場合における同項に規定する地震防災対策用資産を事業の用に供した日は、当該地震防災対策用資産をその設置場所に設置した日によるものとする。

  (注)
 措置法第68条の19第1項に規定する地震防災対策用資産に該当する措置法規則第20条の8第1項第1号に掲げる動力消防ポンプには、動力消防ポンプの技術上の規格を定める省令第2条第2号及び第3号に掲げる消防ポンプが含まれることに留意する。


第68条の20 《特定高度技術産業集積地域における高度技術産業用設備の特別償却》関係


(圧縮記帳をした特定資産の取得価額)
68の20-1 措置法第68条の20第1項に規定する特定資産(以下「特定資産」という。)の取得価額の合計額が5億円以上であるかどうかを判定する場合において、当該特定資産が法又は措置法の規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。

  (注)
 特定資産の取得価額の合計額が5億円以上であるかどうかの判定は、一の計画に基づき取得する特定資産の取得価額の合計額によるのではなく、各連結事業年度ごとに当該連結事業年度において同項に規定する高度技術工業(以下「高度技術工業」という。)に属する事業の用に供した特定資産の取得価額の合計額によることに留意する。
 

(機械及び装置の取得価額の判定単位)
68の20-2 措置法令第39条の49第1項第1号に規定する機械及び装置の1台又は1基の取得価額が 500万円以上であるかどうかについては、通常1単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器で当該本体と一体となって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。

  (注)
 当該機械及び装置が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。
 

(工場用又は研究所用の建物及びその附属設備の意義)
68の20-3 特定資産である工場用又は研究所用の建物及びその附属設備には、次に掲げる建物及びその附属設備を含むことに取り扱う。

  (1)
 工場又は研究所の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類するもので工場用又は研究所用の建物としての耐用年数を適用するもの及びこれらの建物の附属設備

(2)  工場又は研究所において使用する電力に係る発電所又は変電所の用に供する建物及びこれらの建物の附属設備
(注)
 倉庫用の建物は、工場用又は研究所用の建物に該当しない。
 

(特別償却の対象となる工場用又は研究所用の建物の附属設備)
68の20-4 特定資産である工場用又は研究所用の建物の附属設備は、当該建物とともに取得する場合における建物附属設備に限られることに留意する。  

(工場用又は研究所用とその他の用に共用されている建物の判定)
68の20-5 一の建物が工場用又は研究所用とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、工場用又は研究所用に供されている部分について措置法第68条の20第1項の規定を適用するのであるが、次の場合には、次によることに取り扱う。

  (1)
 工場用又は研究所用とその他の用に供されている部分を区分することが困難であるときは、当該建物が主としていずれの用に供されているかにより判定する。

(2)  その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が工場用又は研究所用に供されているものとすることができる。  

(高度技術工業に属する事業の範囲)
68の20-6 連結法人が措置法第68条の20第1項に規定する特定高度技術産業集積地域内において行う事業が高度技術工業に属する事業に該当するかどうかは、当該地域内にある事業所ごとに判定する。

  (注)
 連結親法人である協同組合等が当該地域内において高度技術工業に属する事業を営むその組合員の共同的施設として特定資産の取得等をして事業の用に供したときは、当該特定資産は当該協同組合等の営む高度技術工業に属する事業の用に供したものとして取り扱う。
 

(事業の用に供したものとされる資産の貸与)
68の20-7 連結法人が、自己の下請業者で措置法第68条の20第1項に規定する特定高度技術産業集積地域内において高度技術工業に属する事業を営むものに対し、当該事業の用に供する特定資産を貸し付けている場合において、当該特定資産が専ら当該連結法人の製造する製品の加工等の用に供されるものであるときは、その貸し付けている特定資産は当該連結法人の営む高度技術工業に属する事業の用に供したものとして取り扱う。

  (注)
 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品とするいわゆる製造問屋の事業は、高度技術工業に属する事業に該当しない。
 

(連結事業年度の中途において中小連結法人等に該当しなくなった場合の適用)
68の20-8 連結法人が各連結事業年度の中途において措置法第68条の20第1項に規定する「第68条の9第2項に規定する中小連結法人又は連結親法人である同項に規定する農業協同組合等」に該当しないこととなった場合においても、その該当しないこととなった日前に取得又は製作若しくは建設(以下「取得等」という。)をして事業の用に供した特定資産については、当該中小連結法人又は連結親法人である農業協同組合等が取得等をしたものとして措置法第68条の20第1項の規定を適用することに留意する。


第68条の21 《事業革新設備等の特別償却》関係

(特定認定事業者等であるかどうかの判定の時期)
68の21-1 連結法人が、措置法第68条の21第1項に規定する事業再構築計画に係る認定を受けた連結法人、同条第2項に規定する高度化計画に係る認定を受けた連結法人又は措置法令第39条の50第1項に規定する関係事業者若しくは合併新設法人に該当する連結法人であるかどうかは、その取得し、又は製作した機械及び装置その他の減価償却資産を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。

  (注)
 措置法第68条の21第1項の規定の適用に当たり、その連結法人が同項に係る措置法第44条の4第1項に規定する「産業活力再生特別措置法第17条第1項第1号及び第2項の確認」を受けた連結法人に該当するかどうかについても、当該減価償却資産を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。
 

(附属機器等の同時設置の意義)
68の21-2 措置法令第39条の50第2項に係る平成7年3月31日付大蔵省告示第75号の別表において本体と同時に設置することを条件として特別償却の対象とする旨の定めのある附属の機器等には、一の計画に基づき本体を設置してから相当期間内に設置するこれらの附属の機器等が含まれるものとする。  

(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
68の21-3 連結法人が、その取得又は製作をした措置法第68条の21第1項に規定する事業革新設備を自己の下請業者に貸与した場合において、当該事業革新設備が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該事業革新設備は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして取り扱う。  

(非指定事業の用に供される機械その他の減価償却資産)
68の21-4 措置法令第39条の50第2項に係る平成7年3月31日付大蔵省告示第75号の別表で指定された機械その他の減価償却資産(貸付けの用に供しているものを除く。)については、同項に規定する非指定事業のみに使用しているもの又は非指定事業とその他の事業に共通して使用しているものであっても、同項かっこ書に該当するものを除き、措置法第68条の21第1項の規定の適用があることに留意する。  

(棚卸資産の販売等に係る総収入金額)
68の21-5 連結法人の非指定事業収入割合(措置法令第39条の50第2項に定める割合をいう。以下同じ。)の計算の基礎となる同項に規定する基準日前1年以内に開始した各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の総収入金額とは、この通達において特別の定めのあるものを除き、当該各連結事業年度において益金の額に算入されるべき収入金額(同項に規定する棚卸資産の販売等に係るものに限る。)の合計額をいうものとする。  

(収入金額の統一的計算)
68の21-6 非指定事業収入割合を計算する場合において、製品の販売取引等について返品、値引き又は割戻し等があるときは、これらの計算又は判定の基礎となる収入金額のいずれについても各連結法人ごとに税務計算上継続して適用している経理方法により統一的に計算しなければならないことに留意する。

第68条の22 《特定余暇利用施設の特別償却》関係

(取得価額の判定単位)
68の22-1 措置法第68条の22第1項に規定する特定余暇利用施設(以下「特定余暇利用施設」という。)に係る措置法令第28条の8第2項に規定する建物及びその附属設備並びに構築物(以下68の22-3までにおいて「建物等」という。)の取得価額の合計額が1億3千万円以上であるかどうかは、特定余暇利用施設に係る措置法規則第20条の10第2項各号に掲げるそれぞれの施設(当該施設に専ら附属する施設として設置するものを含む。)ごとに判定するのであるから、例えば、一の建物等が同項第2号に掲げる劇場と博物館とから成る場合には、それぞれの施設ごとに判定することに留意する。

  (注)
 例えば、複数のテニスコートが一体として整備される庭球場又は大小複数のプールが一体として整備される水泳場は、一の施設として取り扱う。
 

(圧縮記帳をした建物等の取得価額)
68の22-2 建物等の取得価額の合計額が1億3千万円以上であるかどうかを判定する場合において、その建物等が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(附属施設等の意義)
68の22-3 特定余暇利用施設に係る措置法規則第20条の10第2項に規定する「当該施設に専ら附属する施設として設置するもの」(以下68の22-3において「附属施設」という。)は、同項各号に掲げるそれぞれの施設とともに取得等をする場合における附属施設に限られることに留意する。
 特定余暇利用施設に係る措置法令第28条の8第2項に規定する建物の附属設備についても、同様とする。


第68条の23 《特定電気通信設備等の特別償却》関係

(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
68の23-1 措置法第68条の23第1項の表の第1欄に掲げる連結法人が、その取得し又は製作し若しくは建設した同項に規定する特定電気通信設備等(以下「特定電気通信設備等」という。)を他の者に貸与した場合において、当該特定電気通信設備等が専ら当該連結法人の事業の用に供されるものであるときは、当該特定電気通信設備等は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして取り扱う。  

(附属機器等の同時設置の意義)
68の23-2 措置法規則第22条の33第9項に係る措置法規則第20条の11第9項各号において本体と同時に設置することを条件として特定電気通信設備等に該当することとなる附属の機器等には、一の計画に基づき本体を設置してから相当期間内に設置するこれらの附属の機器等が含まれるものとする。  

(中小連結法人等であるかどうかの判定の時期)
68の23-3 連結法人が措置法第68条の23第1項の表の第6号の第1欄に規定する「中小連結法人又は連結親法人である同項に規定する農業協同組合等」に該当する連結法人であるかどうかは、その取得し又は製作し若しくは建設した同号の第3欄に規定する設備を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。  

(圧縮記帳をした特定電気通信設備等の取得価額)
68の23-4 措置法第68条の23第1項の表の第6号の第1欄に規定する設備の取得価額が措置法令第39条の52第10項に規定する 180万円以上であるかどうかを判定する場合において、当該設備が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(ファイアウォール装置の意義)
68の23-5 措置法第68条の23第1項の表の第6号の第1欄に規定する設備に係る同項の特別償却の適用上、いわゆるアクセス監視センサー装置やセキュリティ管理サーバー装置はその対象とならないことに留意する。

第68条の24 《商業施設等の特別償却》関係

(主として公衆の利用に供される共同利用施設の範囲)
68の24-1 措置法令第39条の53第1項に規定する「主として公衆の利用に供される共同利用施設」とは、休憩所、集会場、駐車場、小公園、カラー舗装、街路灯などのように主として顧客その他の地域住民の利用に供される共同利用施設をいうのであるから、措置法第68条の24第1項の表の第1号の上欄に掲げる連結法人(以下「事業共同組合等」という。)の組合事務所及び当該事業共同組合等の組合員等が共同で使用する店舗、倉庫等のような施設はこれに含まれないことに留意する。

  (注)
 同号の中欄に規定する「共同利用施設」には、事業共同組合等の組合事務所及び当該事業共同組合等の組合員等が共同で使用する店舗、倉庫等のような施設が含まれる。
 

(中小小売商業者等であるかどうかの判定の時期)
68の24-2 連結法人が措置法第68条の24第1項の表の第2号に規定する中小小売商業者等に該当する連結法人であるかどうかは、その取得又は建設(以下「取得等」という。)をした同号の中欄に規定する店舗用又は倉庫用の建物及びその附属設備を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。  

(事業の判定)
68の24-3 措置法第68条の24第1項の表の第2号に規定する中小小売商業者等の営む事業が中小小売商業振興法第2条第2項に規定する小売業又は同法第6条第1号に規定するサービス業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。

  (注)1
 「小売業」については、日本標準産業分類の「中分類55各種商品小売業」から「中分類60その他の小売業」まで、「中分類70一般飲食店」及び「中分類71遊興飲食店」に分類する事業が該当する。

2  「サービス業」については、日本標準産業分類の「大分類H情報通信業」(通信業を除く。)、「小分類693 駐車場業」、「中分類72宿泊業」、「大分類N医療、福祉」、「大分類O教育、学習支援業」、「中分類79協同組合(他に分類されないもの)」及び「大分類Qサービス業(他に分類されないもの)」(旅行業を除く。)に分類する事業が該当する。  

(圧縮記帳をした商業基盤施設の取得価額)
68の24-4 措置法令第39条の53第11項に規定する商業基盤施設の取得又は建設に必要な資金の額が10億円以上であるかどうかを判定する場合において、当該商業基盤施設が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(店舗の意義)
68の24-5 措置法令第39条の53第2項第1号に規定する「店舗用」の店舗とは、措置法第68条の24第1項の表の第2号に規定する中小小売商業者等の営む事業を行うために顧客との間に取引がされる場所をいうのであるから、通常店舗と称しないものであっても、理容所、美容所、公衆浴場、旅館、映画館、医院等は店舗に該当する。  

(店舗用の範囲)
68の24-6 措置法令第39条の53第2項第1号に規定する店舗用には、68の24-5に定める店舗のほか、商品置場、こん包、発送等に使用される作業所(製造小売業の作業所、飲食店業の調理場を含む。)、従業員の洗面所、休憩室等店舗に付随して設置される施設に使用されるものを含むものとする。  

(店舗用又は倉庫用に主として供されている部分の判定単位)
68の24-7 措置法令第39条の53第2項第1号の建物が同号に規定する「店舗用又は倉庫用に主として供されている部分」に該当するかどうかは、建物の階(その階が壁等により更に区分されている場合には、その区分された区画)ごとに店舗用又は倉庫用に主として供されているかどうかにより判定するものとする。

  (注)
 この判定の結果、その階又は区分された区画が貸事務所、貸店舗又は住宅の用等店舗用又は倉庫用以外の用に主として供されていると認められる場合には、その階又は区分された区画については、措置法第68条の24第1項の表の第2号の適用がない。
 

(店舗用又は倉庫用以外の用に供されている部分がきん少である場合の特例)
68の24-8 措置法令第39条の53第2項第1号の商店街整備計画に従って取得等をした建物のうちに、店舗用又は倉庫用に主として供されている部分とその他の用に供されている部分とがある場合において、その他の用に供されている部分の床面積が当該建物の床面積の10分の1以下であるときは、68の24-7にかかわらず、当該建物の全部が店舗用又は倉庫用に主として供されているものとして取り扱う。  

(小売商業の用に供されている建物の範囲)
68の24-9 措置法令第39条の53第2項第2号の共同店舗等整備計画等に従って取得等をした建物で小売商業の用に供されている部分には、商品の売場のほか商品の保管及びこん包、発送等に使用される倉庫及び作業所、小売商業のための事務所、顧客又は小売商業のための車庫、顧客又は小売商業の従業員の使用する洗面所等小売商業を営むに当たって通常必要なものとして使用されている部分が含まれるものとする。この場合において、これらの部分が同一棟であるかどうかを問わないことに留意する。  

(特別償却の対象となる店舗等の附属設備)
68の24-10 措置法令第39条の53第2項の附属設備は、同項に規定する商店街整備計画又は共同店舗等整備計画等に基づき建物とともに取得する場合における建物附属設備に限られることに留意する。  

(特別償却の適用が受けられない部分がある場合の取得価額の区分)
68の24-11 措置法令第39条の53第2項に規定する建物及びその附属設備のうちに措置法第68条の24第1項の規定の適用のある部分とない部分とがある場合には、これらの部分に係る取得価額は床面積の比その他合理的な基準により区分するものとする。この場合において、建物附属設備については、当該建物の大部分が同項の規定の適用があるものであるときは、その全部をその適用がある部分に該当するものとすることができる。  

(床面積の意義)
68の24-12 措置法令第39条の53第10項又は第20項に規定する床面積は、建築基準法施行令第2条第1項第3号に規定する床面積によるものとする。

第68条の25 《再商品化設備等の特別償却》関係

(貸付けの用に供したものに該当しない資産の貸与)
68の25-1 連結法人が、その取得等をした措置法第68条の25第1項に規定する再商品化設備等を自己の下請業者に貸与した場合において、当該再商品化設備等が専ら当該連結法人の製造する製品の加工等の用に供されるものであるときは、その貸し付けている再商品化設備等は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして取り扱う。  

(附属機器等の同時設置の意義)
68の25-2 措置法第68条の25第1項に係る平成8年3月31日付大蔵省告示第96号の別表において本体と同時に設置することを条件として特別償却の対象となる附属の機器等には、一の計画に基づき本体を設置してから相当期間内に設置するこれらの附属の機器等が含まれるものとする。

第68条の26 《特定集積地区における輸入関連事業用資産の特別償却》関係

(事業の判定)
68の26-1 連結法人の営む事業が措置法第68条の26第1項に規定する輸入関連事業(以下「輸入関連事業」という。)に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。  

(主たる事業でない場合の適用)
68の26-2 連結法人の営む事業が輸入関連事業に該当するかどうかは、当該連結法人が主たる事業としてその事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。  

(工場用等の建物及びその附属設備の意義)
68の26-3 措置法第68条の26第1項に規定する輸入関連事業用資産に係る措置法令第28条の13第3項第1号に規定する工場用の建物及びその附属設備には、次に掲げる建物及びその附属設備を含むことに取り扱う。
 なお、同項第2号から第5号に規定する作業場用等の建物及びその附属設備についても同様とする。

  (1)
 工場の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類するもので工場用の建物としての耐用年数を適用するもの及びこれらの建物の附属設備

(2)  発電所又は変電所の用に供する建物及びこれらの建物の附属設備  

(工場用、作業場用等とその他の用に共用されている建物の判定)
68の26-4 一の建物が工場用、作業場用等とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、工場用、作業場用等に供されている部分について措置法第68条の26第1項の規定を適用するのであるが、次の場合には、次によることに取り扱う。

  (1)
 工場用、作業場用等とその他の用に供されている部分を区分することが困難である場合は、当該建物が主としていずれの用に供されているかにより判定する。

(2)  その他の用に供されている部分が極めて小部分である場合は、その全部が工場用、作業場用等に供されているものとすることができる。  

(圧縮記帳をした輸入関連事業用資産の取得価額)
68の26-5 措置法令第39条の55第1項に規定する一の生産等設備を構成する減価償却資産の取得価額の合計額が 3,500万円(当該一の生産等設備が製造業の用に供されるものである場合には、1億円)以上であるかどうかを判定する場合において、その一の生産等設備を構成する減価償却資産のうちに法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳を受けたものがあるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(取得価額の合計額が10億円を超えるかどうか等の判定)
68の26-6 措置法第68条の26第1項の適用上、輸入関連事業用資産で一の生産等設備を構成するものの取得価額の合計額が10億円を超えるかどうかは、その新設に係る事業計画ごとに判定する。
 措置法令第39条の55第1項の一の生産等設備でこれを構成する減価償却資産の取得価額の合計額が3,500万円(当該一の生産等設備が製造業の用に供されるものである場合には、1億円)以上であるかどうかの判定についても同様とする。  

(2以上の連結事業年度において事業の用に供した場合の取得価額の計算)
68の26-7 一の生産等設備を構成する輸入関連事業用資産でその取得価額の合計額が10億円を超えるものを2以上の連結事業年度(それらの事業年度のうちに連結事業年度に該当しない事業年度がある場合には、当該事業年度)において事業の用に供した場合には、その取得価額の合計額が初めて10億円を超えることとなる連結事業年度(以下68の26-7において「超過連結事業年度」という。)における措置法第68条の26第1項の規定による特別償却限度額の計算の基礎となる個々の輸入関連事業用資産の取得価額は、次の算式によるものとする。

(注)1 その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度とする。以下注書2において同じ。
2  超過連結事業年度前の各連結事業年度において事業の用に供した個々の輸入関連事業用資産については、その取得価額の調整は行わないことに留意する。

第68条の27 《特定地域における工業用機械等の特別償却》関係

(生産等設備の範囲)
68の27-1 措置法令第39条の56に規定する生産等設備は、措置法第68条の27第1項に係る措置法第45条第1項の表の各号の第2欄に掲げる事業の用に直接供される減価償却資産で構成されているものをいう。したがって、例えば、本店、販売所、寄宿舎等の建物、事務用器具備品、乗用自動車、福利厚生施設のようなものは、これに該当しない。  

(適用対象地域が重複する場合の選択適用)
68の27-2 連結法人が措置法第68条の27第1項に規定する工業用機械等(以下「工業用機械等」という。)の取得等をし事業の用に供した地区又は地域が同項に係る措置法第45条第1項の表の2以上の号の第1欄に掲げる地区又は地域に該当する場合には、当該連結法人の選択により、いずれか一の地区又は地域において当該工業用機械等を事業の用に供したものとして措置法第68条の27の規定を適用することができることに留意する。  

(一の生産等設備の取得価額基準の判定)
68の27-3 措置法令第39条の56に規定する一の生産等設備を構成する減価償却資産の取得価額の合計額が同項に規定する2,800万円又は 1,000万円、2,300万円若しくは2,500万円を超えるかどうかについては、当該一の生産等設備を構成する減価償却資産のうちに他の特別償却等の規定(措置法第68条の27以外の特別償却等の規定又はこれらの規定に係る措置法第68条の41の規定をいう。以下同じ。)の適用を受けるものがある場合であっても、当該他の特別償却等の規定の適用を受けるものの取得価額を含めたところにより判定することに留意する。  

(圧縮記帳をした減価償却資産の取得価額)
68の27-4 措置法令第39条の56の一の生産等設備を構成する減価償却資産のうちに法又は措置法の規定による圧縮記帳の適用を受けたものがある場合において、当該一の生産等設備を構成する減価償却資産の取得価額の合計額が同項に規定する 2,800万円又は 1,000万円、 2,300万円若しくは 2,500万円を超えるかどうかを判定するときは、 その圧縮記帳の適用を受けた減価償却資産の取得価額は、圧縮記帳前の実際の取得価額によるものとする。

  (注)
 法の規定による圧縮記帳の適用を受けた減価償却資産が工業用機械等に該当する場合には、措置法第68条の27第1項の規定による特別償却限度額の計算の基礎となる取得価額は、圧縮記帳後の取得価額によることに留意する。
 

(工業用機械等の範囲)
68の27-5 工業用機械等には、措置法第68条の78の規定による圧縮記帳の適用を受けたこと等により措置法第68条の27の適用がないものとされる減価償却資産は含まれないことに留意する。  

(特別償却の対象となる資産)
68の27-6 措置法第68条の27第1項の規定による特別償却の対象となる工業用機械等は、工業生産設備等の新設又は増設に伴って取得し、又は製作し、若しくは建設した工業用機械等をいうのであるから、当該新設又は増設に伴って取得し、又は製作し、若しくは建設したものであれば、いわゆる新品であることを要しないのであるが、当該連結法人の他の工場、作業場等から転用したものは含まれないことに留意する。  

(新増設の範囲)
68の27-7 措置法第68条の27第1項の規定の適用上、次に掲げる工業用機械等の取得等についても同項に規定する新設又は増設に係る工業用機械等の取得等に該当するものとする。

  (1)
 既存設備が災害により減失又は損壊したためその代替設備として取得等をした工業用機械等

(2)  既存設備の取替え又は更新のために工業用機械等の取得等をした場合で、その取得等により生産能力、処理能力等が従前に比して相当程度(おおむね30%)以上増加したときにおける当該工業用機械等のうちその生産能力、処理能力等が増加した部分に係るもの
(3)  措置法第68条の27第1項に規定する地区又は地域において他の者が同項に規定する事業の用に供していた工業用機械等を取得した場合における当該工業用機械等  

(工場用等の建物及びその附属設備の意義)
68の27-8 工業用機械等に係る措置法第45条第1項に規定する工場用の建物及びその附属設備には、次に掲げる建物及びその附属設備を含むことに取り扱う。
 工業用機械等に係る措置法令第28条の14第4項、第11項及び第12項に規定する作業場用等の建物及びその附属設備についても、同様とする。

  (1)
 工場の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類するもので工場用の建物としての耐用年数を適用するもの及びこれらの建物の附属設備

(2)  発電所又は変電所の用に供する建物及びこれらの建物の附属設備

  (注)
 倉庫用の建物は、工場用又は作業場用の建物に該当しない。
 

(工場用、作業場用等とその他の用に共用されている建物の判定)
68の27-9 一の建物が工場用、作業場用等とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、工場用、作業場用等に供されている部分について措置法第68条の27第1項の規定を適用するのであるが、次の場合には、次によることに取り扱う。

  (1)
 工場用、作業場用等とその他の用に供されている部分を区分することが困難であるときは、当該建物が主としていずれの用に供されているかにより判定する。

(2)  その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が工場用、作業場用等に供されているものとすることができる。  

(特別償却の対象となる工場用建物等の附属設備)
68の27-10 工業用機械等に係る措置法第45条第1項の表の各号に掲げる建物の附属設備は、当該建物とともに取得する場合における建物附属設備に限られることに留意する。  

(取得価額の合計額が10億円等を超えるかどうかの判定)
68の27-11 措置法第68条の27第1項の適用上、一の生産等設備を構成する工業用機械等の取得価額の合計額が10億円を超えるかどうかは、その新設又は増設に係る事業計画ごとに判定する。
 措置法令第39条の56の一の生産等設備でこれを構成する減価償却資産の取得価額の合計額が同項に規定する 2,800万円又は 1,000万円、 2,300万円若しくは 2,500万円を超えるかどうかの判定についても同様とする。  

(2以上の連結事業年度において事業の用に供した場合の取得価額の計算)
68の27-12 一の生産等設備を構成する工業用機械等でその取得価額の合計額が10億円を超えるものを2以上の連結事業年度(それらの事業年度のうちに連結事業年度に該当しない事業年度がある場合には、当該事業年度)において事業の用に供した場合には、その取得価額の合計額が初めて10億円を超えることとなる連結事業年度(以下68の27-12において「超過連結事業年度」という。)における措置法第68条の27第1項の規定による特別償却限度額の計算の基礎となる個々の工業用機械等の取得価額は、次の算式によるものとする。  

(注)1 その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度とする。以下注書2において同じ。
2  超過連結事業年度前の各連結事業年度において事業の用に供した個々の工業用機械等については、その取得価額の調整は行わないことに留意する。  

(指定事業の範囲)
68の27-13 連結法人が措置法第68条の27第1項に規定する地区又は地域内(以下68の27-14までにおいて「特定地域内」という。)において行う事業が同項に規定する事業(以下68の27-14までにおいて「指定事業」という。)に該当するかどうかは、当該特定地域内にある事業所ごとに判定する。この場合において、連結親法人である協同組合等が当該特定地域内において指定事業を営むその組合員の共同的施設として工業用機械等の取得等をしたときは、当該工業用機械等は指定事業の用に供されているものとする。

  (注)1
 例えば建設業を営む連結法人が当該特定地域内に建設資材を製造する事業所を有している場合には、当該連結法人が当該建設資材をその建設業に係る原材料等として消費しているときであっても、当該事業所における事業は指定事業に係る製造の事業に該当する。

2  指定事業かどうかの判定は、おおむね日本標準産業分類(総務省) の分類を基準として行う。  

(指定事業の用に供したものとされる資産の貸与)
68の27-14 連結法人が、自己の下請業者で特定地域内において指定事業を営む者に対し、その指定事業の用に供する工業用機械等を貸し付けている場合において、当該工業用機械等が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該連結法人が下請業者の当該特定地域内において営む指定事業と同種の事業を営むものである場合に限り、その貸し付けている工業用機械等は当該連結法人の営む指定事業の用に供したものとして取り扱う。

  (注)
 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品とするいわゆる製造問屋の事業は、措置法第68条の27の適用対象となる事業である措置法第45条第1項の表の第2欄に掲げる製造の事業に該当しない。


第68条の28 《中小連結法人の機械の特別償却》関係

(中小連結法人であるかどうかの判定の時期)
68の28-1 連結法人が、措置法第68条の28第1項に規定する「中小連結法人」に該当する連結法人であるかどうかは、その取得し、又は製作した機械及び装置を事業の用に供した日の現況によって判定するものとする。  

(連結事業年度の中途において中小連結法人に該当しなくなった場合の適用)
68の28-2 措置法規則第22条の37第1項に規定する「組ひも製造業」又は「縫製品製造業」を営む連結法人が各連結事業年度の中途において措置法第68条の28第1項に規定する中小連結法人に該当しなくなった場合においても、当該該当しなくなった日前に取得して事業の用に供した製ちゅう機又は電動ミシンについては、同項の規定の適用があるものとし、 230万円以上であるかどうかは、それまでの期間内に取得し事業の用に供したものの取得価額の合計額によって判定する。  

(農林業用の機械及び装置)
68の28-3 農業用又は林業用の減価償却資産が機械及び装置に該当するかどうかは個々の減価償却資産の属性に基づき判定するのであるが、措置法第68条の28第1項の規定の適用上、耐用年数省令別表第七(以下68の28-3において「別表第七」という。)に掲げる減価償却資産のうち次の表に掲げるものは機械及び装置に該当するものとする。
別表第七の種類 左のうち機械及び装置に該当するもの
電動機
内燃機関、ボイラー及びポンプ
トラクター
全  部
耕うん整地用機具
耕土造成改良用機具
栽培管理用機具
防除用機具
穀類収穫調整用機具
飼料作物収穫調整用機具
果樹、野菜又は花き収穫調整用機具
その他の農作物収穫調整用機具 
動力により作動するもの及びトラクターに装着し又はけん引させて作業をするもの
農作物処理加工用機具(精米又は精麦機を除く。)
家畜飼養管理用機具
養蚕用機具
造林又は伐木用機具
動力により作動するもの
その他の機具 精米機及び精麦機
 

(取得価額の判定単位)
68の28-4 措置法令第39条の57第1項に規定する機械及び装置の1台又は1基の取得価額が 230万円以上であるかどうかについては、通常1単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する自動調整装置又は原動機のような附属機器で当該本体と一体となって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。  

(圧縮記帳をした減価償却資産の取得価額)
68の28-5 措置法令第39条の57第1項に規定する機械及び装置の取得価額が 230万円以上であるかどうかを判定する場合において、当該機械及び装置が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(主たる事業でない場合の適用)
68の28-6 措置法第68条の28第1項に規定する事業は、連結法人が主たる事業としてこれらの事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。  

(事業の判定)
68の28-7 連結法人の営む事業が措置法第68条の28第1項に規定する事業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。

  (注)1
 措置法規則第22条の37第1項に規定する「縫製品製造業」については、日本標準産業分類の「中分類12衣服・その他の繊維製品製造業」に分類する事業が該当する。

2  措置法規則第22条の37第2項に規定する事業に該当する措置法規則第20条の16第2項第4号に規定する「サービス業」については、日本標準産業分類の「大分類H情報通信業」(通信業を除く。)、「小分類693 駐車場業」、「中分類72宿泊業」、「大分類N医療、福祉」、「大分類O教育、学習支援業」、「中分類79協同組合(他に分類されないもの)」及び「大分類Qサービス業(他に分類されないもの)」(旅行業を除く。)に分類する事業が該当する。  

(その他これらに類する事業に含まれないもの)
68の28-8 措置法規則第22条の37第2項の規定により対象事業から除かれる措置法規則第20条の16第2項第2号のかっこ書の料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブに類する事業には、例えば大衆酒場及びビヤホールのように一般大衆が日常利用する飲食店は、含まないものとする。  

(対象事業とその他の事業とに共通して使用される機械及び装置)
68の28-9 措置法第68条の28第1項に規定する事業とその他の事業とを営む連結法人が、その取得した機械及び装置をそれぞれの事業に共通して使用している場合には、その全部を同項の事業の用に供したものとして同項の規定を適用する。  

(物品賃貸業に該当しない資産の貸与)
68の28-10 措置法第68条の28第1項に規定する中小連結法人である連結法人が、その取得した機械及び装置を自己の下請業者に貸与した場合において、当該機械及び装置が専ら当該連結法人のためにする製品の加工等の用に供されるものであるときは、当該機械及び装置は当該連結法人の営む事業の用に供したものとして取り扱う。

第68条の29 《医療用機器等の特別償却》関係


(取得価額の判定単位)
68の29-1 措置法令第39条の58第1項又は第3項に規定する機械及び装置並びに器具及び備品の1台又は1基の取得価額が 500万円以上又は 2,700万円以上であるかどうかについては、通常1単位として取引される単位ごとに判定するのであるが、個々の機械及び装置の本体と同時に設置する附属機器で当該本体と一体となって使用するものがある場合には、これらの附属機器を含めたところによりその判定を行うことができるものとする。  

(圧縮記帳をした減価償却資産の取得価額)
68の29-2 措置法令第39条の58第1項又は第3項に規定する機械及び装置並びに器具及び備品の取得価額が 500万円以上又は 2,700万円以上であるかどうかを判定する場合において、当該機械及び装置並びに器具及び備品が法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第42条から第49条までの規定による圧縮記帳の適用を受けたものであるときは、その圧縮記帳後の金額に基づいてその判定を行うものとする。  

(主たる事業でない場合の適用)
68の29-3 措置法第68条の29第1項の表の各号の上欄又は第2項から第4項までに規定する事業は、連結法人が主たる事業としてこれらの事業を営んでいるかどうかを問わないことに留意する。  

(事業の判定)
68の29-4 連結法人の営む事業が措置法第68条の29第1項の表の第1号の上欄又は第2項から第4項までに規定する医療保健業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。  

(医療用機器の範囲)
68の29-5 措置法第68条の29第1項の表の第1号の中欄のイに掲げる資産(以下「医療用機器」という。)は、直接医療の用に供される機械及び装置並びに器具及び備品をいうものとし、耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」 の「8医療機器」に掲げる減価償却資産はこれに該当する。

  (注)
 病院、診療所等が有する減価償却資産であっても、例えば事務用の器具及び備品、給食用設備、クリーニング設備等のように直接医療の用に供されない減価償却資産は、ここでいう医療用機器には該当しない。
 

(介護老人保健施設の用とその他の用に共用されている建物の判定)
68の29-6 一の建物が介護老人保健施設(措置法第68条の29第2項に規定する特定医療用建物に係る措置法第45条の3第2項第1号に規定する介護老人保健施設をいう。以下同じ。)の用とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、介護老人保健施設の用に供されている部分について措置法第68条の29第2項の規定を適用するのであるが、当該建物の一部が介護老人保健施設の用とその他の用に共用されており、その区分をすることが困難であるときは、当該建物の一部が主としていずれの用に供されているかにより判定する。

  (注)
 その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が介護老人保健施設の用に供されているものとすることができる。
 

(療養病床等に入院する患者のための施設の用とその他の用に共用されている建物の判定等)
68の29-7 一の建物が措置法第68条の29第2項に規定する特定医療用建物(以下「特定医療用建物」という。)に係る措置法第45条の3第2項第2号に規定する療養病床等(措置法令第28条の16第5項に規定する病床に該当するものに限る。以下68の29-7において同じ。)に入院する患者のための施設の用とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、当該療養病床等に入院する患者のための施設の用に供されている部分について措置法第68条の29第2項の規定を適用するのであるが、当該建物の一部が当該療養病床等に入院する患者のための施設の用とその他の用に共用されており、その区分をすることが困難であるときは、当該建物の一部が主としていずれの用に供されているかにより判定する。
 特定医療用建物に係る療養病床(措置法第45条の3第2項第3号に規定する療養病床をいう。以下68の29-7において同じ。)に入院する患者のための施設の用とその他の用に共用されている場合にも同様とする。

  (注)
 その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が療養病床等又は療養病床に入院する患者のための施設の用に供されているものとすることができる。
 

(病院の意義)
68の29-8 特定医療用建物に係る措置法第45条の3第2項第3号に規定する「病院又は診療所」とは、医療法第1条の5に規定する病院又は診療所をいうのであるから、例えば、助産所、歯科技工所、療術所、動物病院等は含まれないことに留意する。

第68条の30 《経営基盤強化計画を実施する特定組合等の構成員等の機械等の割増償却》関係

第1款  収入金額基準及び資産価額基準

 

(総収入金額及び計画対象事業収入金額)
68の30(1)-1 措置法令第39条の59第2項第1号及び第4項第1号に定める基準(以下「収入金額基準」という。)の判定の基礎となるこれらの号の計画対象事業(以下「計画対象事業」という。)に係る収入金額(以下「計画対象事業収入金額」という。)は、これらの号に定める承認を受けている期間内における計画対象事業収入金額に限られるのであるから、例えば、連結事業年度の中途においてその承認があった場合には、当該承認のあった日以後の期間内における計画対象事業収入金額に限られることに留意する。
 なお、これらの号の総収入金額についても同様とする。  

(総収入金額)
68の30(1)-2 連結法人の収入金額基準の判定の基礎となる各連結事業年度の総収入金額(以下「総収入金額」という。)とは、この通達において特別の定めのあるものを除くほか、当該連結事業年度において益金の額に算入されるべき収入金額(固定資産、有価証券又は山林の譲渡に係るもの及び合併又は分割による移転に係るものを除く。)の合計額をいうものとする。  

(内部取引による益金の額の総収入金額からの除外)
68の30(1)-3 収入金額基準を判定する場合において、準備金勘定又は引当金勘定の取崩しによる益金算入額、措置法第68条の78第4項又は第12項の規定による買換資産を事業の用に供しない場合等の益金算入額及び法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額を計算する場合の法第48条等の規定による特別勘定の益金算入額並びに資産の評価換えによる益金等の内部取引に関する益金の額は、総収入金額に算入しないものとする。  

(固定資産又は山林の譲渡に係る収入金額)
68の30(1)-4 総収入金額及び計画対象事業収入金額から控除することとなる固定資産又は山林の譲渡に係る収入金額には、例えば、次に掲げる収入金額又は価額も含まれるものとする。

  (1)
 法第50条に規定する交換取得資産の価額(交換取得資産とともに取得した交換差金等の金額を含む。)、措置法第68条の70若しくは第68条の72に規定する補償金若しくは清算金(収用等の対価たるものに限る。)の金額若しくは交換取得資産の価額又は措置法第68条の80の規定により時価により譲渡したものとみなされる交換譲渡資産の価額

  (注)
 棚卸資産に係る損害保険金の額、経費補助のために交付される国庫補助金等の額並びに収用等の場合の収益補償金及び経費補償金の額は、総収入金額に含まれ、また、それらが計画対象事業に係るものであるときは計画対象事業収入金額にも含まれる。 (2)  借地権の譲渡対価の金額及び令第 138条第1項に規定する場合に該当する借地権の設定等に伴って収受する権利金等の金額  

(計画対象事業収入金額の範囲)
68の30(1)-5 計画対象事業収入金額とは、各連結事業年度の総収入金額のうち、計画対象事業の遂行に伴って生ずる収入金額(当該事業に係る製品等の売上代金、加工賃、副産物、くず等の売却代金等)をいい、次に掲げるような収入金額は、総収入金額には含まれるが、計画対象事業収入金額には含まれないことに留意する。

  (1)
 受取利子割引料の額

(2)  不動産の賃貸料、権利金(68の30(1)-4の(2)に該当するものを除く。)の額
(3)  法第42条に規定する国庫補助金等の額(その収入に係る益金の全部又は一部に相当する金額のうち法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額又は個別損金額を計算する場合の法第42条の規定の適用を受けなかったため所得となった部分の金額に限る。)  

(総収入金額及び計画対象事業収入金額の統一的計算)
68の30(1)-6 計画対象事業を営む連結法人について、製品の販売取引等について返品、値引き又は割戻し等がある場合には、総収入金額及び計画対象事業収入金額のいずれについても各連結法人ごとに税務計算上継続して適用している経理方法により統一的に計算しなければならないことに留意する。
 なお、連結法人が、一の計画対象事業と他の計画対象事業又は計画対象事業以外の事業(以下「非対象事業」という。)とを併せて営む場合における当該他の計画対象事業又は非対象事業に係る収入金額についても同様とする。  

(2以上の製品の加工等を行う場合の統一的計算)
68の30(1)-7 連結法人が、一の計画対象事業に係る製品の加工等のほかに他の計画対象事業又は非対象事業に係る製品の加工等を行う場合において、一の製品について製造販売契約の方式により、他の製品について賃加工契約の方式によっているときであっても、それらの加工等の内容が実質的に同様のものであると認められるものであるときは、当該連結法人の収入金額基準の判定については、それらのすべての収入金額につき売上収入金額又は加工料収入金額のいずれか一を基礎として統一的に計算しなければならないものとする。  

(計画対象事業に係る部分の区分が明らかでない棚卸資産)
68の30(1)-8 措置法令第39条の59第2項第2号及び第4項第2号に定める基準(以下「資産価額基準」という。)を判定する場合において、計画対象事業と非対象事業とを併せて営む連結法人が、各連結事業年度終了の日において有する棚卸資産のうち原材料等で計画対象事業に係る製造等と非対象事業に係る製造等とに共通的に費消されるものである等のため、そのいずれの事業に係るものであるかが明らかでないものがあるときは、当該連結事業年度におけるそれぞれの事業ごとの当該原材料等の費消高の比その他合理的な基準によりあん分するものとする。  

(固定資産の範囲)
68の30(1)-9 資産価額基準の判定の基礎となる固定資産は、令第13条各号に掲げる資産(他の通達においてこれらに該当し又は準ずるものとして取り扱うこととされている資産を含む。)のほか、電話加入権等の非償却資産を含み、土地を除くのであるが、次に定めることについては、次によることに取り扱う。

  (1)
 借地権その他土地の上に存する権利は、判定の基礎となる固定資産から除く。

(2)  劣化資産(棚卸資産としての経理が認められているものを除く。)は、判定の基礎となる固定資産に含める。
(3)  建設仮勘定(土地に係る部分を除く。)は、判定の基礎となる固定資産に含める。この場合において、計画対象事業の用に供されることが明確である部分は、計画対象事業に係る固定資産にも含める。
(4)  令第14条に規定する繰延資産は、判定の基礎となる固定資産に含めない。  

(計画対象事業に係る固定資産)
68の30(1)-10 資産価額基準の判定の基礎となる計画対象事業に係る固定資産には、計画対象事業に係る製品等を生産する工場、作業場、倉庫、その生産に従事する従業員のための厚生施設等のほか、本社、本店等の施設のうち計画対象事業に係る部分及び製品の販売に関する施設(主として自己の製品の卸売をするものに限る。)のうち計画対象事業に係る製品の卸売に係る部分を含むものとする。  

(計画対象事業に係る部分の区分が明らかでない固定資産)
68の30(1)-11 計画対象事業と非対象事業とを営む連結法人が各連結事業年度終了の日において有する固定資産で、計画対象事業に係るものと非対象事業に係るものとに共用され、その専属区分が明らかでないものがあるときは、その明らかでない部分については、次に定めるところによりそれぞれの事業に係る部分を区分するものとする。

  (1)
 工場、作業場等については、それぞれの事業に係る当該連結事業年度の生産高の比その他合理的な基準によりあん分する。

(2)  本社、支店、出張所等の非現場については、それぞれの事業に係る当該連結事業年度の売上高の比その他合理的な基準によりあん分する。
(3)  寄宿舎その他の厚生施設については、それぞれの事業に専属する従業員(寄宿舎については、それらの者のうち当該寄宿舎に居住する者に限る。)の数の比、直接労務費の比その他合理的な基準によりあん分する。
(4)  (1)から(3)までに掲げる資産以外の資産については、それぞれの事業に係る使用期間の比、使用面積の比その他合理的な基準によりあん分する。  

(帳簿価額)
68の30(1)-12 資産価額基準の判定の基礎となる棚卸資産及び固定資産の帳簿価額は、税務計算上の金額によるのであるが、固定資産については、計画対象事業に係るものであると否とにかかわらず、その連結事業年度分の減価償却をする前の帳簿価額によるものとする。

第2款  対象となる資産の範囲等

(割増償却の対象となる資産)
68の30(2)-1 措置法第68条の30の規定による割増償却は、同条第1項各号に規定する適用事業年度終了の日において当該連結法人の有する当該各号に掲げる減価償却資産のすべてについて適用があるのであるから、当該減価償却資産が計画対象事業に属するものであるかどうかには関係がないことに留意する。  

(工場用の建物及びその附属設備の意義)
68の30(2)-2 措置法第68条の30第1項第1号又は第2号の工場用の建物及びその附属設備には、次に掲げる建物及びその附属設備を含むことに取り扱う。

  (1)
 工場の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類するもので工場用の建物としての耐用年数を適用するもの及びこれらの建物の附属設備

(2)  発電所又は変電所の用に供する建物及びこれらの建物の附属設備
(注)
 倉庫用の建物は、工場用の建物に該当しない。
 

(2以上の用途に共用されている建物の判定)
68の30(2)-3 一の建物が工場用とその他の用とに共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、工場用に供されている部分について措置法第68条の30第1項の規定を適用するのであるが、次の(1)又は(2)の場合には、それぞれ次の(1)又は(2)によるものとする。

  (1)
 工場用とその他の用とに供されている部分を区分することが困難であるときは、当該建物が主としていずれの用に供されているかにより判定する。

(2)  その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が工場用に供されているものとすることができる。  

(経営基盤強化事業を実施している旨の証明の取消しの効果)
68の30(2)-4 経営基盤強化計画を実施する者として措置法令第39条の59第1項に規定する証明書の交付を受けている者について当該証明書の交付の取消しがあった場合には、当該取消しの対象となった連結事業年度にさかのぼって措置法第68条の30第1項又は第68条の41第1項の規定が適用されないことに留意する。

第68条の31 《障害者を雇用する場合の機械等の割増償却等》関係

(障害者として取り扱うことができる者)
68の31-1 所得税基本通達2-38の取扱いは、措置法第68条の31第3項第1号に規定する障害者について準用する。  

(公共職業安定所の長の証明)
68の31-2 措置法令第39条の60第2項、第6項及び第7項の公共職業安定所の長の証明は、少なくとも当該連結事業年度の連結確定申告書の提出期限までに受けるものとし、税務署長の要求があった場合には、遅滞なく呈示できるよう保存しておくものとする。  

(工場用の建物及びその附属設備の意義等)
68の31-3 68の27-8及び68の27-9の取扱いは、措置法第68条の31第1項に規定する工場用建物及びその附属設備について準用する。  

(短時間労働者等の意義)
68の31-4 措置法令第39条の60第6項に規定する短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が30時間未満である労働者をいい、同条第7項に規定する重度の障害者である短時間労働者とは、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者をいう。

第68条の32 《農業経営改善計画等を実施する法人の機械等の割増償却》関係

(事業の判定)
68の32-1 連結法人の営む事業が措置法第68条の32第1項各号に規定する農業、素材生産業又は林業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。  

(農林業用の機械及び装置)
68の32-2 農業用又は林業用の減価償却資産が機械及び装置に該当するかどうかは個々の減価償却資産の属性に基づき判定するのであるが、措置法第68条の32の規定の適用上、耐用年数省令別表第七(以下68の32-3において「別表第七」という。)に掲げる減価償却資産のうち次の表に掲げるものは機械及び装置に該当するものとする。
別表第七の種類 左のうち機械及び装置に該当するもの
電動機
内燃機関、ボイラー及びポンプ
トラクター
全  部
耕うん整地用機具
耕土造成改良用機具
栽培管理用機具
防除用機具
穀類収穫調整用機具
飼料作物収穫調整用機具
果樹、野菜又は花き収穫調整用機具
その他の農作物収穫調整用機具 
動力により作動するもの及びトラクターに装着し又はけん引させて作業をするもの
農作物処理加工用機具(精米又は精麦機を除く。)
家畜飼養管理用機具
養蚕用機具
造林又は伐木用機具
動力により作動するもの
その他の機具 精米機及び精麦機
 

(農業用とその他の用に共用されている建物の判定)
68の32-3 一の建物が農業用とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、農業用に供されている部分について措置法第68条の32第1項の規定を適用するのであるが、次の場合には、次によることに取り扱う。

  (1)
 農業用とその他の用に供されている部分を区分することが困難であるときは、当該建物が主としていずれの用に供されているかにより判定する。

(2)  その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が農業用に供されているものとすることができる。  

(総収入金額)
68の32-4 連結法人の各連結事業年度における国内生産割合(措置法令第39条の61第13項に定める割合をいう。以下68の32-5において同じ。)の計算の基礎となる同項に規定する総収入金額(以下68の32-5において「総収入金額」という。)とは、この通達において特別の定めのあるものを除き、当該連結事業年度において益金の額に算入されるべき収入金額(固定資産又は有価証券の譲渡に係るもの及び合併又は分割による移転に係るものを除く。)の合計額をいうことに留意する。  

(内部取引による益金の額の総収入金額からの除外)
68の32-5 国内生産割合を計算する場合において、準備金勘定又は引当金勘定の取崩しによる益金算入額、措置法第68条の78第4項又は第12項の規定による買換資産を事業の用に供しない場合等の益金算入額及び法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額を計算する場合の法第48条等の規定による特別勘定の益金算入額並びに資産の評価換えによる益金等の内部取引に関する益金の額は、総収入金額に算入しないものとする。  

(固定資産又は有価証券の譲渡に係る収入金額)
68の32-6 措置法令第39条の61第13項に規定する固定資産又は有価証券の譲渡に係る収入金額には、次のものが含まれるものとする。

  (1)
 法第50条第1項に規定する取得資産の価額(当該取得資産とともに取得した令第92条第2項第1号に規定する交換差金等の金額を含む。)

(2)  措置法第68条の70第1項若しくは第68条の72第1項に規定する補償金若しくは清算金(収用等の対価に該当するものに限る。)の金額又は代替資産若しくは交換取得資産の価額
(3)  措置法第68条の80の規定により、交換の日におけるその資産の価額に相当する金額をもって譲渡したものとみなされる同条第1項に規定する交換譲渡資産の価額
(4)  借地権の譲渡対価の額
(5)  令第 138条第1項の規定に該当する場合における借地権の設定等に伴って収受する権利金等の金額
(6)  措置法第68条の86第1項に規定する特定共同出資により取得した株式(出資を含む。)のうち、現物出資をした固定資産及び有価証券に係るものの取得の時における価額の合計額

  (注)1
 法第47条第1項に規定する保険金等の金額は、固定資産の譲渡に係る収入金額に含まれない。

2  不動産売買業を営む連結法人の有する土地又は建物であっても、当該連結法人が使用し若しくは他に貸し付けているもの(販売の目的で所有しているもので一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該連結法人が使用することを予定して長期間にわたり所有していることが明らかなものは、固定資産に該当する。  

(素材生産業に係る収入金額に含まれるものの例示)
68の32-7 措置法令第39条の61第13項に規定する「素材生産業に係る収入金額(固定資産又は有価証券の譲渡に係るもの及び合併又は分割による移転に係るものを除く。)」には、伐木をした棚卸資産の譲渡に係る収入金額のほか、次に掲げるような収入金額(以下「付随収入金額」という。)が含まれることに留意する。

  (1)
 素材生産業の用に供する固定資産及び伐木をした棚卸資産に係る損害保険金、損害賠償金の額

(2)  伐木をした棚卸資産の譲渡に係る契約が解除されたことにより収受する違約金の額
(3)  伐木に係る副産物、作業くず等の売却に係る対価の額
(4)  伐木をした棚卸資産の譲渡により取得した金銭債権に係る利子及び遅延損害金の額
(5)  貸付金、預金、貯金又は有価証券から生ずる利子の額及び他の法人から受ける利益の配当、商法第 293条ノ5第1項に規定する金銭の分配、剰余金の分配若しくは資産の流動化に関する法律第 102条第1項に規定する金銭の分配等又は証券投資信託の収益の分配の額(以下「利子配当等の額」という。)のうち伐木をした棚卸資産の譲渡に係る収入金額及び(1)から(4)までに掲げる収入金額の全部又は一部を貸付金、預金、貯金、有価証券等として運用することにより生ずるもの

  (注)
 連結法人が素材生産業とその他の事業とを兼営する場合において、これらの事業から共通して生ずる利子配当等の額があるときは、当該利子配当等の額のうち素材生産業に係る収入金額に含まれる金額は、当該利子配当等の額につき素材生産業に係る売上総利益の額と当該素材生産業以外の事業に係る売上総利益の額の比その他の基準のうち当該連結法人の業務の内容等に適合すると認められる合理的な基準によりあん分して計算した金額とする。
 

(国の内外にわたって素材生産業を営む場合)
68の32-8 連結法人が、各連結事業年度において、国内及び国外の双方にわたって素材生産業を営む場合には、当該連結法人の措置法令第39条の61第13項に規定する当該連結事業年度の国内において営む素材生産業に係る収入金額(以下68の32-8において「国内の素材生産業に係る収入金額」という。)は、当該連結事業年度の素材生産業に係る収入金額(固定資産又は有価証券の譲渡に係るもの及び合併又は分割による移転に係るものを除く。)のうち国内において伐木をした棚卸資産の譲渡に係る収入金額及び当該棚卸資産の譲渡等に係る付随収入金額に限られることに留意する。

  (注)1
 国外において生産をした棚卸資産について、国内又は国外で譲渡した場合のその対価の額は、国内の素材生産業に係る収入金額に該当しない。

2  連結法人が国内において営む素材生産業とその他の事業とを兼営する場合において、これらの事業から共通して生ずる付随収入金額があるときは、当該付随収入金額のうち国内の素材生産業に係る収入金額に含まれる金額は、当該付随収入金額につき国内において営む素材生産業に係る売上総利益の額と当該国内において営む素材生産業以外の事業に係る売上総利益の額の比その他の基準のうち当該連結法人の業務の内容等に適合すると認められる合理的な基準によりあん分して計算した金額とする。

第68条の33 《漁業経営改善計画を実施する法人の漁船の割増償却》関係

(割増償却の対象となる漁船)
68の33-1 措置法第68条の33の規定による割増償却の対象となる漁船は、同条第1項の規定の適用を受けようとする連結事業年度又は当該連結事業年度開始の日前4年以内に開始した各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において同項に規定する認定改善計画に従って取得等をし、漁業の用に供されたものであることを要するのであるから、同条第2項に規定する供用期間内に取得等をしたものであっても、当該連結事業年度開始の日の4年前の日前に開始した連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)に取得等をしたものについては、同条の規定の適用がないことに留意する。

第68条の34 《優良賃貸住宅等の割増償却》関係

(優良賃貸住宅等の範囲)
68の34-1 措置法第68条の34の規定の適用を受けることができる同条第1項に規定する優良賃貸住宅(以下「優良賃貸住宅」という。)又は同条第3項に規定する高齢者向け優良賃貸住宅(以下「高齢者向け優良賃貸住宅」という。)は、同条第1項又は第3項に定める期間内に新築されたもので、かつ、新築後使用されたことのないものに限られるのであるから、これらの期間内に新築されたものであっても、新築後他の用に使用されていたもの又は他から取得した中古住宅等については適用がないことに留意する。  

(各独立部分の範囲)
68の34-2 措置法令第39条の63第1項又は第2項に規定する各独立部分とは、建物の構成部分である隔壁、扉、階層(天井及び床)等によって他の部分と完全に遮断されている部分で、独立した出入口を有するなど独立して住居その他の用途に供することができるものをいう。
 したがって、例えば、ふすま、障子等又はベニヤ板等の堅固でないものによって仕切られている部分及び階層で区分されていても独立した出入口を有しない部分は、各独立部分には該当しない。
 措置法第68条の34第1項第2号に係る措置法令第29条の4第2項及び第4項に規定する各独立部分についても、同様とする。

  (注)
 外部に接する出入口を有しない部分であっても、共同で使用すべき廊下、階段、エレベーター等の共用部分のみを通って外部と出入りすることができる構造となっているものは、独立した出入口を有するものに該当する。
 

(優良賃貸住宅の範囲)
68の34-3 賃貸住宅である共同家屋の各独立部分(以下「住宅用区分所有家屋」という。)が住宅の用と住宅以外の用とに共用されている場合において、その住宅以外の用に供されている部分の床面積が当該住宅用区分所有家屋の床面積の10分の1以下であるときは、当該住宅用区分所有家屋は優良賃貸住宅又は高齢者向け優良賃貸住宅に該当するものとして取り扱う。  

(別棟建物)
68の34-4 本屋と一体となって住宅の効用を果たしている別棟の離れ屋、浴場、食堂等の建物は、本屋と併せて取得されたものに限り、本屋に含めて一の共同家屋又は住宅用区分所有家屋として措置法第68条の34第1項又は第3項の規定を適用するものとする。  

(倉庫、車庫等)
68の34-5 住宅用区分所有家屋に倉庫、車庫等が設置されている場合における当該倉庫、車庫等の取扱いは、次の区分に応じ次によるものとする。

  (1)
 倉庫、車庫等が共同家屋の構造の一部をなしている場合には、当該倉庫、車庫等は、住宅用区分所有家屋に併せて取得されたものに限り、住宅用区分所有家屋に含めて一の住宅用区分所有家屋として措置法第68条の34第1項又は第3項の規定を適用する。ただし、当該倉庫、車庫等がその住宅に居住する者の居住の用以外の用に供されている場合には、この限りでない。

(2)  倉庫、車庫等が共同家屋と別棟となっている場合には、当該倉庫、車庫等については、措置法第68条の34第1項又は第3項の規定の適用がない。ただし、当該倉庫、車庫等で当該住宅用区分所有家屋に居住する者の居住の用に供されており、かつ、当該倉庫、車庫等の床面積が当該住宅用区分所有家屋の床面積の10分の1以下であるものについては、当該住宅用区分所有家屋に併せて取得され、かつ、当該住宅用区分所有家屋の耐用年数を適用しているものに限り、当該住宅用区分所有家屋に含めて一の住宅用区分所有家屋として同条第1項又は第3項の規定を適用することができる。
  (注)
 (2)のただし書の適用を受けた場合には、当該倉庫、車庫等の床面積及び敷地の面積は、当該住宅用区分所有家屋の床面積及び当該共同家屋の敷地の面積に含めて床面積基準及び敷地面積基準に該当するかどうかを判定することに留意する。

 

(従業員の居住の用に供されている家屋の範囲)
68の34-6 措置法第68条の34第1項第2号に係る措置法令第29条の4第4項第1号に規定する「当該法人の従業員の居住の用(当該法人の従業員としての地位に基づくものに限る。)に供されているもの」とは、連結法人がその従業員(役員を含む。以下同じ。)に貸し付けている住宅用区分所有家屋のうち、次のいずれかに該当するものをいう。

  (1)
 その住宅用区分所有家屋の入居資格が当該連結法人の従業員に限られ、又は当該従業員を優先して入居させることとしている場合の、当該住宅用区分所有家屋

(2)  当該連結法人がその従業員以外の者にその住宅用区分所有家屋を貸し付けるとした場合に通常付せられる家賃の額、敷金の額等の賃貸条件に比して有利な条件で貸し付けているときの、当該住宅用区分所有家屋
(3)  その貸付けを受けた従業員が当該連結法人を退職した場合にはその住宅用区分所有家屋から退去することを条件に貸し付けているときの、当該住宅用区分所有家屋  

(賃貸住宅の社宅としての転貸)
68の34-7 連結法人がその有する住宅用区分所有家屋を他の者に貸し付けた場合には、その貸付けを受けた者が当該家屋をその従業員の社宅の用に供しているときであっても、当該家屋については措置法第68条の34第1項第2号に係る措置法令第29条の4第4項第1号に規定する「当該法人の従業員の居住の用に供されているもの」に該当しないものとする。ただし、当該他の者が当該法人と特殊の関係にあり、その実態が専ら当該他の者のために当該連結法人が当該家屋を保有していると認められるものであるときは、この限りでない。  

(特定優良賃貸住宅等の各独立部分の数が10以上であるかどうかの判定の時期等)
68の34-8 措置法第68条の34第1項第1号に規定する特定優良賃貸住宅は、その共同住宅又は長屋に係る各独立部分の数が10以上である場合における当該各独立部分に限られるのであるが、当該各独立部分の数が10以上であるかどうかは、同項の規定の適用を受ける各連結事業年度終了の日(同項に規定する供用期間の末日を含む連結事業年度については、当該供用期間の末日)の現況によって判定するものとする。
 この場合において、当該各独立部分の数が10に満たないこととなった連結事業年度については、当該各独立部分のすべてについて同項の規定の適用がないことに留意する。

  (注)
 同項第2号又は同条第3項の賃貸住宅におけるその各独立部分の数の判定等についても、本文と同様に取り扱う。
 

(公募要件に該当する旨を明らかにする書類の書式)
68の34-9 措置法規則第22条の41第3項に規定する「施行令第29条の4第4項第3号に掲げる要件」に該当する旨を明らかにする書類は、付表の書式(これに準ずる書式を含む。)による。 (床面積の意義)
68の34-10 措置法令第39条の63第1項及び第2項に規定する床面積は、建築基準法施行令第2条第1項第3号に規定する床面積によるものとする。
 措置法第68条の34第1項第2号に係る措置法令第29条の4第2項に規定する床面積についても、同様とする。  

(管理人室等に使用する部分)
68の34-11 連結法人が、その所有する共同家屋(各独立部分が相当数含まれるものに限る。)を貸家の用に供する場合において、当該家屋の管理人の居住の用に供されている独立部分は当該家屋の共用部分に含めることができるものとする。

  (注)
 当該連結法人の従業員を当該家屋の管理人として居住させているときは、その居住の用に供されている独立部分は当該家屋の共用部分に含まれるものとする。
 

(特定再開発建築物等に優良賃貸住宅等が含まれる場合)
68の34-12 連結法人が、措置法第68条の35第3項に規定する特定再開発建築物等の全部又は一部を取得した場合において、当該連結法人の取得した部分に優良賃貸住宅又は高齢者向け優良賃貸住宅に該当する部分が含まれているときは、当該優良賃貸住宅部分又は高齢者向け優良賃貸住宅部分については措置法第68条の34第1項又は第3項の規定を適用し、それ以外の部分については措置法第68条の35第1項の規定を適用することができることに留意する。  

(資本的支出)
68の34-13 措置法第68条の34第1項の規定の適用を受けている優良賃貸住宅について資本的支出(増築に該当するものを除く。以下同じ。)がされた場合には、当該優良賃貸住宅について同項の規定の適用がある期間内に限り、当該資本的支出に係る金額についても同項の規定の適用があるものとする。
 同条第3項の規定の適用を受けている高齢者向け優良賃貸住宅について資本的支出がされた場合についても、同様とする。

第68条の35 《特定再開発建築物等の割増償却》関係

(特定再開発建築物等の範囲)
68の35-1 措置法第68条の35第1項の規定の適用を受けることができる同項に規定する特定再開発建築物等(以下「特定再開発建築物等」という。)は、同項に定める期間内に新築されたもので、かつ、新築後使用されたことのないものに限られるのであるから、当該期間内に新築されたものであっても、新築後他の用に使用されていたもの又は他から取得した中古建築物等については適用がないことに留意する。  

(特定再開発建築物等に該当する建物附属設備の範囲)
68の35-2 措置法第68条の35第3項に規定する建物附属設備は、その特定再開発建築物等に係る事業計画に基づいて設置される建物附属設備に限られる。  

(併せて設置されるものの意義)
68の35-3 措置法第68条の35第3項の規定により特定再開発建築物等に含まれることとなる機械及び装置は、一の計画に基づき建物及びその附属設備又は構築物と併せて設置されるものに限られるのであるから、当該建物及びその附属設備又は構築物を取得してから相当期間を経過した後に設置したものはこれに含まれないことに留意する。  

(駐車場の用に供される建築物の範囲)
68の35-4 措置法第68条の35第3項に係る措置法第47条の2第3項第3号に規定する駐車場の用に供される建築物の要件とされる特殊の装置が用いられているかどうかは、措置法規則第20条の21第1項に規定する機械及び装置のうち同項第1号又は第2号に掲げる方式による駐車装置が用いられているかどうかにより判定するのであるが、措置法第68条の35第3項に係る措置法第47条の2第3項第3号の規定に該当する特定再開発建築物等については当該建築物に係る建物及びその附属設備と併せて設置される措置法規則第20条の21第1項第1号から第5号までに掲げる方式による駐車装置並びに自動車用の昇降装置及び方向転換装置を含めて措置法第68条の35第1項の規定を適用することができることに留意する。  

(路外駐車場の意義)
68の35-5 措置法第68条の35第3項に係る措置法第47条の2第3項第3号イに規定する路外駐車場とは、道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって一般公共の用に供されるものをいい、建物に内設又は併設されているものかどうかは問わないことに留意する。

  (注)
 例えば、いわゆる月極駐車場、レストラン等の専用駐車場のように利用者について制限を設けているものは、一般公共の用に供されるものに該当しない。
 

(直接地上へ通ずる出入口のある階以外の階に設ける駐車場の意義)
68の35-6 措置法第68条の35第3項に係る措置法第47条の2第3項第3号イに規定する直接地上へ通ずる出入口のある階以外の階に自動車の駐車の用に供する部分を設ける駐車場には、例えば地上階数2以上の建物の地上2以上の階の特定の階のみを駐車場とする場合の当該駐車場及び地下に設けられた駐車場は含まれるが、地上1階部分又は建物の屋上のみに設けられた駐車場は含まれない。  

(駐車場の用とその他の用に共用されている建物の判定)
68の35-7 一の建物が駐車場の用とその他の用に共用されている場合には、原則としてその用途の異なるごとに区分し、駐車場の用に供されている部分について措置法第68条の35第1項の規定を適用するのであるが、当該建物の一部が駐車場の用とその他の用に共用されており、その区分をすることが困難であるときは、当該建物の一部が主としていずれの用に供されているかにより判定する。

  (注)
 その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が駐車場の用に供されているものとすることができる。
 

(昇降機が設置されている建築物の範囲)
68の35-8 措置法第68条の35第3項に係る措置法令第29条の5第4項に規定する昇降機が設置されている建築物は、不特定かつ多数の者が利用し、かつ、直接地上へ通ずる出入口がない階(専ら駐車場の用に供する階にあっては、当該駐車場に車いす使用者用駐車施設が設けられている階に限る。)にそのかごが停止するエレベーターが設置されている建築物で、当該エレベーターのうち少なくとも一のものの配置及び構造が判断事項(平成6年9月27日付建設省告示第1987号の「第二 誘導的基準」の「四 昇降機」に定める事項をいう。以下68の35-8において同じ。)の(二)に掲げる事項を満たし、かつ、他のエレベーターの構造が判断事項の(二)又は(三)に掲げる事項を満たすものを設置している建築物に限られることに留意する。

  (注)
 例えば、地上1階部分のみが不特定かつ多数の者に利用されることとされている建物が、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律第7条に規定する認定建築物に該当する場合であっても、当該建物に係るエレベーターは措置法令第29条の5第4項に規定する昇降機に該当しないことから、当該建物については、措置法第68条の35第1項の規定の適用がないことに留意する。
 

(建物の一部が要件該当特定建築物である場合の取扱い)
68の35-9 一の建物が措置法第68条の35第3項に係る措置法第47条の2第3項第4号の規定に該当する特定建築物(以下「要件該当特定建築物」という。)に該当する部分と要件該当特定建築物以外の部分から成っている場合には、当該要件該当特定建築物に該当する部分についてのみ措置法第68条の35第1項の規定の適用があることに留意する。  

(用途変更等があった場合の適用)
68の35-10 措置法第68条の35第1項の規定の適用を受けた建築物につき用途変更等があった場合には、その用途変更等があった都度当該建築物が同条第3項に定める要件に該当するかどうかを判定することに留意する。

  (注)
 用途変更等があったことにより同条第1項の規定の適用がないこととなるのは、その用途変更等があった月以後となることに留意する。
 

(遮音上有効な機能を有する壁の部分の長さの判定)
68の35-11 措置法第68条の35第3項に係る措置法令第29条の5第6項第1号に規定する沿道整備道路(以下「沿道整備道路」という。)に面する遮音上有効な機能を有する壁の部分の長さを判定する場合において、同号に規定する建築物が沿道整備道路と平行に建設されていないときには、当該建築物の周囲の地面に接する外壁又はこれに代わる柱の面で囲まれた部分の水平投影の沿道整備道路に面する長さにより判定することに留意する。  

(空隙の意義)
68の35-12 措置法第68条の35第3項に係る措置法規則第20条の21第6項に規定する「空隙」とは、例えば、建築物の1階部分が支柱のみで2階以上の部分が部屋となっている建築物の1階部分のように、沿道整備道路と建築物の背後地の間が常時遮へいされていない部分をいう。  

(路面の中心からの高さ)
68の35-13 措置法第68条の35第3項に係る措置法規則第20条の21第6項に規定する沿道整備道路の路面の中心からの外壁の高さが6メートル以上であるかどうかは、措置法令第29条の5第6項に規定する沿道地区整備計画の内容として定められたその敷地が沿道整備道路に接する建築物に係る当該建築物の沿道整備道路に面する方向の鉛直投影の各部分の高さが沿道整備道路の路面の中心から6メートル以上であるかどうかにより判定するものとする。  

(開放された空地の意義)
68の35-14 措置法第68条の35第3項に係る措置法令第29条の5第6項第4号に規定する「日常一般に開放された空地」とは、例えば、公園、緑地、広場等日常一般に地域住民に開放されている土地をいう。  

(床面積等の意義)
68の35-15 措置法第68条の35第3項に係る措置法令第29条の5第3項各号及び第4項第1号に規定する床面積並びに同条第6項第3号に規定する建築面積は、建築基準法施行令第2条第1項第3号に規定する床面積及び同項第2号に規定する建築面積によるものとする。
 この場合において、措置法規則第22条の42第1項に規定する「第20条の21第1項各号に掲げる方式」による駐車装置を用いる駐車場につき、床として認識することが困難な形状の部分に係る床面積については、自動車1台につき15㎡とみなして建築基準法施行令第2条第1項第3号に規定する床面積を計算するものとする。  

(資本的支出)
68の35-16 措置法第68条の35第1項の規定の適用を受けている特定再開発建築物等について資本的支出(増築に該当するものを除く。以下同じ。)がされた場合には、当該特定再開発建築物等について同項の規定の適用がある期間内に限り、当該資本的支出に係る金額についても同項の規定の適用があるものとする。

  (注)
 措置法第68条の35第3項に係る措置法令第29条の5第5項に規定する増改築に係る計画に係る特定建築物については、その増改築に係る部分が同条第4項に定める要件を満たす必要があることに留意する。


第68条の36 《倉庫用建物等の割増償却》関係

(倉庫用建物等を貸し付けた場合)
68の36-1 連結法人が、措置法第68条の36第1項に規定する倉庫用建物等を取得し、又は建設して、これを他に貸し付けた場合においても、その貸付けを受けた者が同項に規定する倉庫業の用に供したときは、当該倉庫用建物等については、措置法第68条の36の規定の適用があるものとする。  

(公共上屋の上に建設した倉庫業用倉庫)
68の36-2 連結法人が公共上屋の上に倉庫を建設した場合には、その建設した倉庫について措置法令第39条の65第2項第1号イ若しくはロ又は第2号イ若しくはロに規定する階数に係る条件に該当するかどうかを判定することに留意する。

  (注)
 公共上屋の上に1階の倉庫を建設した場合には、階数が2以上の倉庫には該当しない。
 

(貯蔵槽倉庫)
68の36-3 措置法令第39条の65第2項第1号ニに規定する貯蔵槽倉庫に該当するかどうかについては、次のことに留意する。

  (1)
 貯蔵槽倉庫とは、倉庫業法施行規則第3条の9に規定する貯蔵槽倉庫をいうのであるから、容器に入れていない粉状若しくは液状又はばらの物品を保管する倉庫であっても、床式の倉庫は、これに該当しない。

(2)  貯蔵槽倉庫の容積が 4,500立方メートル以上であるかどうかは、1基の貯蔵槽倉庫(連続した周壁によって外周を囲まれたもの又は同一の荷役設備により搬入若しくは搬出を行う貯蔵槽倉庫の集合体をいう。)ごとに判定する。

第68条の37 《鉱業用坑道等の特別償却》関係

(坑外から掘削される坑道)
68の37-1 坑外から掘削される坑道については、措置法第68条の37第1項の規定の適用がないのであるが、この場合における当該坑道の範囲は、次に掲げるところによるものとする。

  (1)
 地表から掘削し既設の坑道に連絡するための坑道(既設の坑道に連絡するまでにその坑道から分派する坑道を設けて採掘場所を設置し採掘を開始する坑道を除く。)にあっては、当該坑道の坑底までの坑道(その坑底において既設の坑道に連絡しないでその坑底から更に斜坑又は立坑を掘削する場合には、当該斜坑又は立坑の坑底までの坑道とする。)

(2)  (1)以外の坑道については、地表から掘削し片ばん坑道、ひ()押坑道その他これに類する機能を有する坑道で主要坑道から分派するものを設ける地点までの坑道(当該坑道を坑底まで掘削した後当該坑道から分派するこれらの坑道を設ける場合には、その坑底までの坑道とする。)  

(切羽及び片ばん坑道等の損金算入)
68の37-2 切羽及び片ばん坑道の掘削のために支出した金額は、支出の都度損金の額に算入するものとする。  

(予定採掘量の意義)
68の37-3 措置法令第39条の66第1項に係る措置法令第29条の7第1項第1号に規定する鉱業法第63条に規定する施業案で採掘権に係るもの(以下「施業案」という。)において定められた予定採掘量は、一施業案に定められた予定採掘量をいうのであるから、当該施業案に2以上の坑口が含まれている場合であっても各坑ごとの予定採掘量をいうのではないことに留意する。  

(増産後の採掘量)
68の37-4 措置法令第39条の66第1項に係る措置法令第29条の7第1項第1号に規定する「増産後の採掘量」とは、連結法人の昭和29年1月1日以後に終了する各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合は、当該事業年度。以下68の37-4前段において同じ。)のうち鉱物の採掘量が施業案に定める予定採掘量を超えている連結事業年度がある場合のその超えている連結事業年度のうちその鉱物の採掘量(その連結事業年度の期間が1年に満たない場合の採掘量は、当該連結事業年度の月数(1月未満の端数があるときは、1月とする。以下同じ。)で除して得たものに12を乗じて得たものとする。)が最も多い連結事業年度の当該採掘量をいうものとする。ただし、68の37-16により増産後の採掘量を減額補正したとき(措置法通達49-16により減額補正したときを含む。)は、その減額後の採掘量とするものとする。
 この場合において、連結法人の昭和32年4月1日を含む事業年度前の各事業年度の採掘量が災害、ストライキその他これらに準ずる事由により通常の操業状態の場合の採掘量に満たないと認められるときは、当該事業年度のうち通常の操業状態であると認められる月の採掘量の合計をそれらの月数で除して得たものに、当該事業年度の月数を乗じて計算した数量を当該事業年度における採掘量とするものとする。  

(連結事業年度が1年に満たない連結法人のその連結事業年度の採掘量、予定採掘量及び増産後の採掘量)
68の37-5 坑内において掘削される坑道(以下「坑内坑道」という。)が措置法令第39条の66第1項に係る措置法令第29条の7第1項第1号に掲げる坑道に該当するかどうかを判定する場合において、連結法人の連結事業年度が1年に満たないときは、同号に規定する「鉱物の1年間における採掘量」、「予定採掘量」及び「増産後の採掘量」は、それぞれ当該連結事業年度に係る採掘量並びに当該連結事業年度の期間の予定採掘量及び増産後の採掘量とするものとする。この場合における当該連結事業年度の期間の予定採掘量は、施業案に定める1年間の採掘量に当該連結事業年度の月数を乗じて得たものを12で除して算出した数量とし、当該連結事業年度の期間の増産後の採掘量は、増産後の採掘量に当該連結事業年度の月数を乗じて得たものを12で除して計算した数量とする。  

(採掘量の計算)
68の37-6 連結法人の各連結事業年度の鉱物の採掘量が措置法令第39条の66第1項に係る措置法令第29条の7第1項第1号に掲げる予定採掘量又は増産後の採掘量を超えているかどうかを判定する場合の採掘量は、原則として、石炭鉱業にあっては精炭量、石炭鉱業以外の鉱業にあっては選鉱前の粗鉱量(乾鉱量とする。)によるものとする。したがって、例えば、従来は選炭しないで販売していたため施業案に定める予定採掘量が粗炭量によっている場合において、選炭して販売することとなったとき等、施業案に定める予定採掘量と実際の採掘量との品質等が異なっているときは、施業案に定める予定採掘量は、適当と認められる精炭量に調整したものによるものとする。  

(採掘量が予定採掘量に達するまでに掘削された坑内坑道)
68の37-7 連結法人が新たに施業案の認可を受けて坑口を設けた場合においては、その認可を受けた後、その鉱物の採掘量が施業案に定められた予定採掘量に達するに至った連結事業年度末までに掘削された坑内坑道の掘削のために支出した金額は、全額資本的支出とするものとする。ただし、その施業区域における採掘計画が2以上の計画に分かれている場合において、その計画の全部の完成により施業案に定める予定採掘量が採掘されることとなっているときは、各計画ごとの予定採掘量を維持するためにだけ掘削される坑内坑道(準備坑道を除く。)の掘削のために支出した金額は、損金の額に算入することができるものとする。  

(準備坑道の定義)
68の37-8 第68条の37関係において準備坑道とは、坑内坑道で各連結事業年度末においてまだ鉱物の採掘に利用されていないもの(片ばん坑道に直接附属する坑道で、採掘の進行に伴い次の採掘準備として掘削されるもののうち、その生産を維持するために通常必要と認められる部分を除く。)をいうものとする。  

(準備坑道の掘削費)
68の37-9 準備坑道の掘削のために支出した金額は、その坑道を利用して鉱物を採掘した日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)前の各連結事業年度においては仮勘定として経理するものとする。
 なお、その坑道を利用して鉱物を採掘した場合においては、当該準備坑道に係る仮勘定(連結事業年度に該当しない事業年度において仮勘定に経理したものを含む。)の金額は、その坑道を利用して鉱物を採掘した連結事業年度において掘削された坑内坑道の掘削のために支出した金額となることに留意する。  

(採掘量が予定採掘量に達しない場合の坑内坑道の損金算入の特例)
68の37-10 連結法人の鉱物の採掘量がその施業案に定められた予定採掘量に達しない場合において、予定採掘量に達しないことについて炭層及び地質構造の変化、採掘計画の変更等相当な事由があり、かつ、その後相当期間にわたりおおむねその状態の生産規模を維持するものと認められるときは、事実上予定採掘量の変更があったものとし、その変更があったと認められる変更後の予定採掘量をもって当該連結法人の措置法令第39条の66第1項に係る措置法令第29条の7第1項第1号に掲げる予定採掘量とみなして取り扱うものとする。  

(増額補正後の予定採掘量に達するまでに掘削された坑内坑道)
68の37-11 連結法人が、施業案を変更して予定採掘量を増額補正した場合においては、その補正後において、その連結事業年度の採掘量が変更後の予定採掘量に達するに至った連結事業年度末までに掘削される坑内坑道のうち、補正前の予定採掘量を超える増産のために掘削されたものの掘削のために支出した金額は、資本的支出とするものとする。この場合における増産のために掘削された坑道の計算については68の37-14及び68の37-15によるものとする。  

(新区域の施業のために掘削された坑内坑道)
68の37-12 連結法人が、既に認可を受けた施業案の坑口を利用して別の炭層を採掘するため、又は既に認可を受けた施業案の坑口を利用して施業区域を拡大するため、追加施業案又は合併施業案の認可を受け、その新たな採掘場所の設置又は本卸坑道の拡大等の坑内坑道の増強をした場合において、その坑内坑道の掘削によりその坑口を利用して採掘される鉱量が増加することとなるときは、施業案の変更により1年間の予定採掘量が増加しない場合においても、その新たな採掘のために行う坑内坑道の掘削又は増強のために支出した金額は、全額資本的支出とするものとする。  

(増産のための坑内坑道)
68の37-13 連結法人が、施業案に定める予定採掘量を超える増産を行った場合において、その増産のために掘削される坑内坑道の掘削のために支出した金額及び当該増産後の採掘量を超える増産を行った場合において、その増産のために掘削される坑内坑道の掘削のために支出した金額は、資本的支出となることに留意する。  

(計画増産坑道)
68の37-14 連結法人が、施業案に定める予定採掘量(施業案を変更しないで予定採掘量を超える増産を行った場合には、その増産量を加算した数量とする。以下「基準採掘量」という。)を超える増産を行った場合において、その増産が採掘量を増加するための新たな採掘場所の設置、本卸坑道の拡大による坑内坑道の増強等計画的に行われたものと認められるときは、その計画に従って掘削された坑内坑道(以下「計画増産坑道」という。)の掘削のために支出した金額のうち、その超える部分に対応する部分の金額として次の算式により計算した金額は、資本的支出とするものとする。
 なお、上記の計画増産坑道が正常操業の場合に増産となることとなるときも同様とする。


 なお、上記の算式において当該計画増産坑道からの産出量が当該計画増産坑道の正常操業の場合の予定採掘量に満たないときで、かつ、当該計画増産坑道以外の坑道からの産出量が減少したときには、「計画増産坑道からの産出量」は正常操業の場合の予定採掘量とし、「当期増産量」は当該増産坑道が正常操業の場合の予定増産量とするものとする。  

(計画増産坑道以外の増産のための坑内坑道)
68の37-15 連結法人が、施業案に定める基準採掘量を超える増産を行った場合(その増産が68の37-14の計画増産坑道の掘削による場合を除く。)において、その増産が、坑内施設の増設、採鉱若しくは掘進又は運搬の機械化、労働力の増強等鉱物の採掘量を増加させるための施策の結果によるものであるときは、その連結事業年度において掘削された坑内坑道(準備坑道及び計画増産坑道を除く。)の掘削のために支出した金額のうち、その超える部分に対応する部分の金額として、次の算式により計算した金額は、資本的支出とするものとする。


 なお、上記の算式においてその連結事業年度前の計画増産坑道が正常操業に入ったための増産であることが明らかである場合には、その増産量を「当期採掘量の合計額」から控除するものとする。  

(基準採掘量の減額補正)
68の37-16 災害、採掘場の閉鎖その他の原因によって坑内坑道の相当部分がその本来の機能を喪失した等のため、企業の規模が縮小し、その連結事業年度以後の各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の鉱物の採掘量が基準採掘量に達しないこととなることが予測される場合において、その後相当期間にわたりおおむねその状態の生産規模を維持するものと認められるときは、事実上予定採掘量の変更があったものとし、その縮小後の規模に応ずるように基準採掘量を減額補正するものとする。この場合においては、その基準採掘量の減額補正の基因となった事実の生じた日におけるその機能を喪失した坑内坑道に係る帳簿価額は、その事実の生じた日を含む連結事業年度の損金の額に算入するものとし、その機能を喪失した坑内坑道(準備坑道を除く。)に係る帳簿価額は、その事実の生じた日における坑内坑道(準備坑道を除く。)の帳簿価額に減額前の基準採掘量に対する減額した数量の割合を乗じて算出した金額とする。  

(坑内坑道の償却)
68の37-17 連結法人の各連結事業年度における坑内坑道(準備坑道を除く。)の掘削のために支出した金額のうち資産に計上すべき金額については、当該坑道の属する鉱区(合併施業案による操業であるときは、その施業案に含まれている施業区域とする。)の当該坑道の取得の時(68の37-15により資産に計上した坑内坑道については、当該連結事業年度の期央に取得されたものとする。)以後の採掘予定数量で当該金額を除して得た金額を1単位当たりの償却金額として償却するものとする。この場合において、当該連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)後の各連結事業年度において当該各連結事業年度の開始の日における坑内坑道(準備坑道を除く。)の帳簿価額(当該連結事業年度前の各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においてした償却額のうち償却超過額があるときは、その償却超過額を加算し、償却不足額があるときは、その償却不足額を控除した金額とする。)の合計額をその連結事業年度以後の採掘予定数量で除して一定単位当たりの金額を算出して償却限度額を計算したときは、その計算を認めるものとする。  

(坑外から掘削された坑道の償却)
68の37-18 坑外から掘削された坑道の掘削のために支出した金額は、当該坑道を利用して採掘される鉱量で当該金額を除して得た金額を1単位当たりの償却金額として償却するものとする。この場合において、当該坑道が本来の機能を喪失したときは、当該坑道の未償却残高の金額は、その機能を喪失した日を含む連結事業年度の損金の額に算入するものとする。  

(予定採掘量に達するまでの軌条等及び小型機械等)
68の37-19 連結法人が、新たに施業案の認可を受けて操業を開始した場合において、その操業開始後その連結事業年度の鉱物の採掘量が予定採掘量に達するに至った連結事業年度末までにその事業の用に供した軌条、動力線、排水管及び送風管(以下これらを「軌条等」という。)並びに措置法令第39条の66第1項に係る措置法令第29条の7第1項第3号に規定する機械及び装置等(以下これらを「小型機械等」という。)の取得のために支出した金額は、資本的支出とするものとする。ただし、68の37-7のただし書の適用を受ける坑道に施設される軌条等及びその坑道に固着する小型機械等の取得のために支出した金額は、この限りではない。  

(予変更後の予定採掘量に達するまでの軌条等及び小型機械等)
68の37-20 連結法人が、施業案を変更して予定採掘量を増額補正した場合においては、その変更後、その連結事業年度の鉱物の採掘量がその変更後の予定採掘量に達するに至った連結事業年度までの各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において掘削される坑内坑道のうち、補正前の予定採掘量を超える増産のために掘削されたものに新たに施設され、又は使用される軌条等及び小型機械等の取得のために支出した金額は、資本的支出となることに留意する。この場合における増産のために取得した軌条等及び小型機械等の取得のために支出した金額の計算については68の37-21及び68の37-22によるものとする。  

(増産のための軌条等)
68の37-21 連結法人の各連結事業年度の鉱物の採掘量が基準採掘量を超えた場合において、当該連結事業年度終了の日における一施業案の施業区域内の坑内坑道(切羽及び片ばん坑道を含む。)に施設されている軌条等のそれぞれの総延長メートルが当該連結事業年度の直前連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)終了の日におけるその総延長メートルを超えているときは、それぞれ、次の算式により計算した金額は、増産のための資本的支出とするものとする。

 

(増産のための小型機械等)
68の37-22 連結法人の各連結事業年度の鉱物の採掘量が基準採掘量を超えた場合において、当該連結事業年度終了の日における一施業案の施業区域内の坑内坑道(切羽及び片ばん坑道を含む。)に施設され、又は使用されている小型機械等の指定告示(措置法令第39条の66第1項の規定に係る鉱業用坑道等の特別償却の適用を受ける機械及び装置等を指定する昭和32年大蔵省告示第 166号をいう。)に定める名称の異なるごとのそれぞれの総出力(積載能力、容量、出力等その小型機械等の種類に応じた能力をいう。以下同じ。)又は台数が当該連結事業年度の直前連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)終了の日における総出力又は台数を超えているときは、それぞれその超えている出力又は台数から当該施業区域の採掘条件において当該基準採掘量を維持するために通常必要と認められる増加すべき出力又は台数を控除して算出した小型機械等の出力又は台数の取得のために支出した金額は、増産のための資本的支出とするものとする。この場合において、当該施業区域の採掘条件において当該基準採掘量を維持するために通常必要と認められる増加すべき出力又は台数の算出が困難であるときは、当該連結事業年度の直前連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)終了の日におけるそれぞれの小型機械等の総出力又は台数に年5パーセントの割合を乗じて算出した出力又は台数を増加すべき出力又は台数とすることができるものとする。
 なお、上記の出力又は台数の計算において、増産のための小型機械等として資本的支出とすべきものに1台未満の端数が生じたときは、これを切り捨てるものとする。

  (注) 増
産のための小型機械等の端数切捨ての計算例
前期末の小型機械等に該当する電動機の総出力

  500キロワット
  当期末の小型機械等に該当する電動機の総出力
  590キロワット
  基準採掘量を維持するために通常必要と認められる増加すべき出力
  50キロワット
  当期において取得した小型機械等に該当する電動機
  30キロワット3台

    1
 まず、当期末の電動機の総出力のうち前期末の電動機の総出力を超えている出力を計算する。

   590キロワット- 500キロワット=90キロワット
2  次に、この超えている出力から基準採掘量を維持するために通常必要と認められる増加すべき出力を控除する。
   90キロワット-50キロワット=40キロワット
3  この40キロワットが増産のための小型機械等に該当する電動機となるが、当期に取得した小型機械等に該当する電動機は30キロワットのもの3台であるから、30キロワットのもの1台と、1台のうち10キロワット分が増産のためのものとなるが、10キロワット分は切り捨てて、30キロワットのもの1台だけを増産のための電動機とする。  

(適正な保有数量を超える軌条等及び小型機械等)
68の37-23 連結法人が、鉱物の採掘量が基準採掘量を超えていない各連結事業年度において、軌条等及び小型機械等を取得して事業の用に供した場合のそれらの資産の当該連結事業年度終了の日における保有量が基準採掘量に見合う適正な保有数量(通常必要とされる予備分を含む。以下同じ。)を超え、かつ、その取得が増産を行うためのものと認められるときは、その超える数量のうち、増産のために当該連結事業年度において取得した軌条等及び小型機械等の取得のために支出した金額は、資本的支出とするものとする。  

(増産後の連結事業年度において、その増産に見合う軌条等及び小型機械等を取得した場合の取扱い)
68の37-24 連結法人の各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の鉱物の採掘量が基準採掘量を超えた場合において、その増産が従来の保有数量のうちの予備分の稼働によって行われたため、当該連結事業年度においては、その増産に見合う軌条等及び小型機械等が取得されないで当該連結事業年度後の鉱物の採掘量が基準採掘量を超えていない連結事業年度においてその増産に見合う軌条等及び小型機械等が取得されたときは、当該増産に見合う軌条等及び小型機械等の取得のために支出した金額は、資本的支出とするものとする。  

(軌条等及び小型機械等の取替更新)
68の37-25 資産に計上されている軌条等及び小型機械等の取替更新に要した金額は、資本的支出とし、損金の額に算入された軌条等及び小型機械等の取替更新に要した金額は、損金の額に算入することに留意する。  

(損金の額に算入された小型機械等の取替更新)
68の37-26 小型機械等で損金の額に算入されたものを新たな機械及び装置と取り替えた場合においては、その取り替えた機械及び装置が従前の小型機械等とその種類を異にしていても、その機械及び装置等が小型機械等に該当しているときは、その機械及び装置等については措置法第68条の37の規定の適用があるが、その取り替えた機械及び装置等が小型機械等に該当しないときは、その機械及び装置等については同条の規定の適用がないことに留意する。  

(資産坑道において施設され又は使用されている軌条等及び小型機械等の取替更新の計算)
68の37-27 連結法人の各連結事業年度において軌条等及び小型機械等の取替更新を行った場合において、それぞれの資産の異なるごとにその取替更新に要した金額のうち68の37-25の資本的支出に該当する金額は次の算式により計算した金額とするものとする。


 なお、昭和32年4月1日を含む事業年度開始の日の資産計上の軌条等の延長メートルは、旧坑道通達(昭27年直法1-10「石炭鉱業における坑道の減価償却について」通達をいう。)により同日において資産として処理されている坑道(同通達「一」の(二)に規定する本卸坑道及びこれに附属する添卸坑道の延長部分及び同通達「一」の(五)に規定する運搬坑道のうち、増産に関連して掘削されたことが明りょうなもの以外のものを除く。)に施設されている軌条等の延長メートルとするものとする。  

(軌条等の取替更新が通常必要と認められる数量以下である場合)
68の37-28 連結法人が、各連結事業年度において使用に耐えなくなった軌条等の取替更新を行った場合において、その取り替えられた数量が通常取替えを必要とされる数量以下であるときは、その軌条等の取替更新に要した金額は、68の37-27にかかわらず、当分の間、損金の額に算入することができるものとする。  

(準備坑道に施設され又は使用される軌条等及び小型機械等)
68の37-29 準備坑道(当該坑道に附属する片ばん坑道を含む。)に新たに施設され、又は使用されている軌条等及び小型機械等の取得のために支出した金額は、全額資本的支出とし、これをその坑道の掘進の用に供した連結事業年度から償却できるものとし、その償却額は、その準備坑道の取得価額に算入しないで損金の額に算入することができるものとする。この場合において、その坑道を利用して鉱物を採掘するに至ったときは、その坑道を利用して鉱物を採掘した日を含む連結事業年度開始の日における当該軌条等及び小型機械等の未償却残高の金額をもって、当該連結事業年度において取得して事業の用に供した軌条等及び小型機械等の取得のために支出した金額として68の37-21及び68の37-22の規定を適用するものとする。  

(特別償却の適用の範囲)
68の37-30 連結法人が、措置法第68条の37の規定の適用を受けようとする場合においては、すべての坑内坑道並びにこれに施設される軌条等及び小型機械等について同条の規定の適用を受けなければならないものとする。したがって、例えば、連結法人が2以上の施業案で操業している場合において、一施業案の施業区域内の坑内坑道等について措置法第68条の37の規定の適用を受けようとするときは、他の施業案の施業区域内の坑内坑道等についても同条の規定の適用を受けなければならないものとする。  

(坑内坑道について措置法第68条の37の規定の適用を受けない場合の軌条等及び小型機械等)
68の37-31 連結法人が、坑内坑道について措置法第68条の37の規定の適用を受けない場合には、軌条等及び小型機械等についても同条の規定の適用はないものとする。  

(坑内坑道の一部について特別償却の規定の適用を受けなかった場合の坑道の償却)
68の37-32 連結法人が、坑内坑道について措置法第68条の37の規定の適用を受ける場合において、同条の規定により損金の額に算入することができる金額のうち一部の金額を損金の額に算入しないで資産として計上したときは、その資産として計上した金額に係る坑内坑道の償却については、5年間に均等して償却することができるものとする  

(軌条等及び小型機械等の一部について特別償却の規定の適用を受けなかった場合の償却)
68の37-33 連結法人が、措置法第68条の37の規定により損金の額に算入することができる軌条等及び小型機械等の金額のうち、一部の金額を損金の額に算入しないで資産として計上したときは、その金額は当該連結法人の選定している償却方法により償却するものとし、当該軌条等及び小型機械等の取替更新のために支出した金額は、資本的支出とするものとする。

第68条の38 《植林費の損金算入の特例》関係

(連結法人が分収造林契約を締結した場合の植林費の損金算入の特例の適用)
68の38-1 連結法人が、分収造林契約を締結し、その契約に基づいて措置法第68条の38に規定する期間内にその造林に要する植林費の全部又は一部を負担した場合においては、その植林費のうち同条に規定する植林費については、同条の規定の適用があるものとする。ただし、当該連結法人が当該分収造林契約によりその分収割合により分収する金額のほか、当該契約期間中において当該負担した植林費に対する利子に相当する金額の支払を受ける場合における当該負担額については、植林費に該当しないものとする。  

(分収造林契約の意義)
68の38-2 68の38-1の分収造林契約とは、公有林野等官行造林法を廃止する法律(昭和36年法律第88号)による廃止前の公有林野等官行造林法第1条、国有林野の管理経営に関する法律第9条又は分収林特別措置法第2条第1項に規定する契約その他の造林に関する契約で一定の土地の所有者、当該土地の所有者以外の者でその土地につき造林を行うもの及びこれらの者以外の者でその造林に要する植林費の全部又は一部を負担するもの又はこれらの者のうちいずれか二者が当事者となって締結し、当該造林に係る山林の伐採又は譲渡による収益を一定の割合により分収することを定めたものをいうものとする。

第68条の39 《鉱工業技術研究組合等に対する支出金の特別償却》関係

(鉱工業技術研究組合に対する支出金の特別償却)
68の39-1 措置法第68条の39第1項に係る措置法第52条第1項各号に掲げる鉱工業技術研究組合等に対する支出金は、その支出した日を含む連結事業年度においてその全額を損金の額に算入するか、又は適当な期間に繰り延べて償却するかは連結法人の計算によることに留意する。

第68条の41 《準備金方式による特別償却》関係

(積立限度超過額の認容)
68の41-1 連結法人が、特別償却対象資産に係る特別償却準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた特別償却準備金を含む。以下68の41-3において同じ。)の金額を益金の額に算入した場合において、その益金の額に算入した金額が措置法第68条の41第5項の規定により当該特別償却対象資産について益金の額に算入すべき金額を超えるときは、その超える金額は、同条第6項第3号に規定する任意の取崩額に該当することに留意する。この場合において、当該特別償却対象資産に係る特別償却準備金として計上していた金額のうちに積立限度超過額があり、連結法人がその超える金額のうち既往の積立限度超過額に達するまでの金額について、既往の積立限度超過額の取崩しとして連結確定申告書等において損金の額に算入したときは、その計算を認めるものとする。  

(初年度特別償却に代える特別償却準備金の積立て)
68の41-2 連結法人が措置法第68条の41第1項から第3項までの規定の適用を受ける連結事業年度において特別償却準備金として積み立てた金額が、措置法第68条の10第1項等初年度特別償却に係るものであるときは、当該積み立てた金額につき、措置法第68条の41第1項の積立限度額又は同条第2項若しくは第3項の積立不足額のいずれを積み立てたものとするかは、連結法人の計算によることに留意する。  

(適格合併等により引継ぎを受けた特別償却準備金の均分取崩し)
68の41-3 連結法人である合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。以下同じ。)が措置法第68条の41第15項、第17項、第20項又は第23項の規定(同法第52条の3第15項、第17項、第20項又は第23項の規定を含む。)により特別償却準備金の金額の引継ぎを受けた場合において、当該合併法人等の適格合併等(適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立をいう。以下同じ。)の日を含む連結事業年度以後の各連結事業年度における当該特別償却準備金に係る措置法第68条の41第5項の規定の適用については、当該適格合併等に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。以下同じ。)が当該特別償却準備金の積立てをした連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の41-3において同じ。)と当該合併法人等の連結事業年度とは区分して、かつ、当該被合併法人等が積立てをした連結事業年度において当該合併法人等が自ら積立てをしたものとみなして取り扱うものとする。 
 当該適格合併等の日を含む事業年度後の連結事業年度における特別償却準備金に係る同項の規定の適用についても、同様とする。




第3章  連結法人の準備金等


第68条の43~第68条の58 《共通事項》関係


(海外投資等損失準備金等の差額積立て等の特例)
68の43~68の58(共)-1 連結基本通達10-1-1の取扱いは、連結法人が海外投資等損失準備金その他措置法に規定する準備金につき、当該連結事業年度の取崩額と積立額との差額を積み立て又は取り崩している場合について準用する。  

(合併等に伴う準備金の表示替え)
68の43~68の58(共)-2 海外投資等損失準備金、金属鉱業等鉱害防止準備金等の準備金で損金経理の方法により積み立てられたものと利益又は剰余金の処分の方法により積み立てられたものとを有する連結法人が、その準備金の積立方式の統一を図るため、例えば、損金経理の方法により積み立てられた準備金の全部を取り崩して益金の額に算入するとともに同額(措置法の規定により取り崩して益金の額に算入すべき金額を除く。)を利益又は剰余金の処分の方法により準備金として積み立てる経理をした場合において、その経理をしたことが合併に伴う合併法人と被合併法人の準備金の積立方式の不統一を改める等合理的な理由によるものであるときは、その準備金は、当初からその統一後の積立方式によって積み立てられていたものとして取り扱う。

  (注)
 この準備金の積立方式の変更を行った場合には、その内容に応じ、申告調整による当該準備金の額に相当する金額の加算又は減算をしなければならないことに留意する。

第68条の43 《海外投資等損失準備金》関係

(海外投資等損失準備金の積立ての対象となる新増資資源株式等の取得の意義)
68の43-1 措置法第68条の43第1項の規定により海外投資等損失準備金を積み立てることができる同条第2項第6号に規定する新増資資源株式等(同号ハに規定する資源特定債権を除く。)の取得は、同号イ又はロの規定に該当する払込み又は分社型分割に伴う取得に限られるのであるから、例えば、贈与による取得、代物弁済による取得、資本準備金の資本組入れによる取得、内国法人である特定法人(同条第1項に規定する特定法人をいう。以下同じ。)の行う利益準備金の資本組入れによる取得、合併若しくは分割型分割による取得又は購入による取得はこれに該当しないが、現物出資による取得又は連結基本通達1-7-5に定める転換社債型新株予約権付社債に係る新株予約権の行使による取得はこれに該当する。  

(積立限度額の計算の基礎となる取得価額)
68の43-2 措置法第68条の43に規定する海外投資等損失準備金の積立額の計算の基礎となる特定株式等(同条第1項に規定する特定株式等をいう。以下同じ。)の取得価額は、当該特定株式等の取得に際し現実に負担した金額によることに留意する。  

(特定株式等の取得の日の判定)
68の43-3 特定株式等の取得が措置法第68条の43第1項に規定する指定期間(以下「指定期間」という。)内にされたものであるかどうかは、設立の場合には当該特定株式等に係る特定法人の本店又は主たる事務所の所在する国の法令により法人が成立したとされる日、増資の場合には連結基本通達1-7-1に定める日、購入の場合には一般の例により購入の日とされる日を基礎として判定するものとする。  

(分割払込みをした場合の積立ての時期等)
68の43-4 海外投資等損失準備金勘定の積立ては特定株式等を取得した連結事業年度において行うのであるが、その取得が払込みによるものであり、かつ、当該払込みが2以上の連結事業年度(それらの事業年度のうち連結事業年度に該当しない事業年度がある場合には、当該事業年度)にわたって分割して行われるものである場合には、それぞれその払込みをした連結事業年度においてその払込みをした金額を基礎としてその積立てを行うものとする。  

(付随事業の例示)
68の43-5 措置法第68条の43第2項第1号に係る措置法第55条第2項第1号に規定する「これらの事業に付随して行われる事業」には、例えば、資源の探鉱、開発又は採取の事業を営む法人が行うその採油した石油の精製、幹線パイプラインの整備、出荷施設の建設、採掘した鉱産物の精錬又は伐採した木材の合板若しくはパルプの製造の事業が含まれる。  

(償還期間の判定)
68の43-6 措置法令第39条の72第4項第2号において償還期間が10年以上であるかどうかは、次に掲げる場合は、次による。

  (1)
 貸付けが一定の期間内に分割して行われている場合において、それぞれの貸付金ごとに返済期限が定められているときは、それぞれの貸付金額につきその貸付けの日からそれぞれの返済期限までの期間による。

(2)  貸付けが一定の期間内に分割して行われている場合において、それぞれの貸付金の返済期限がすべて同一の期日をもって定められているときは、それぞれの貸付けの日からその返済期限までの期間による。
(3)  貸付けが一定の期間内に分割して行われ、かつ、その返済が全体として賦払とされている場合には、最初に貸し付けられた金額から順次返済されるものとしたときにおけるそれぞれの貸付けの日からその賦払金の支払の期日までの期間による。  

(海外投資等損失準備金の経理)
68の43-7 海外投資等損失準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた海外投資等損失準備金を含む。以下同じ。)の金額は、原則として、その積立事業年度(措置法第68条の43第3項に規定する積立事業年度をいう。以下同じ。)の翌連結事業年度から5年間据え置き、5年を経過した連結事業年度から更に5年間で均分して取り崩すこととなるのであるから、積立事業年度別に海外投資等損失準備金の残額及び取崩しの状況を補助簿等において明確に経理するものとする。  

(適格合併等により引継ぎを受けた海外投資等損失準備金の均分取崩し)
68の43-8 連結法人である合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。以下68の43-8において同じ。)が措置法第68条の43第10項、第12項、第15項又は第18項の規定(同法第55条第11項、第14項、第18項又は第22項の規定を含む。)により海外投資等損失準備金の金額の引継ぎを受けた場合において、当該合併法人等の適格合併等(適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立をいう。以下68の43-8において同じ。)の日を含む連結事業年度以後の各連結事業年度における当該海外投資等損失準備金に係る措置法第68条の43第3項の規定の適用については、当該適格合併等に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。以下68の43-8において同じ。)が当該海外投資等損失準備金の積立てをした連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の43-8において同じ。)と当該合併法人等の連結事業年度とは区分して、かつ、当該被合併法人等が積立てをした連結事業年度において当該合併法人等が自ら積立てをしたものとみなして取り扱うものとする。
 当該適格合併等の日を含む事業年度後の各連結事業年度における海外投資等損失準備金に係る同項の規定の適用についても、同様とする。  

(特定法人が2以上ある場合の海外投資等損失準備金の取崩しの計算)
68の43-9 連結法人が海外投資等損失準備金への積立てを2以上の特定法人の株式等について行っている場合には、当該準備金の金額は、それぞれの特定法人について設けられているのであるから、当該連結法人の措置法第68条の43第3項又は第4項第1号から第4号までの規定による益金算入額は各特定法人ごとに計算することに留意する。  

(株式と貸付金等とがある場合の取崩し)
68の43-10 海外投資等損失準備金の積立ては、特定法人別に、かつ、株式、貸付金又は社債の別に行うのであるから、当該連結法人の措置法第68条の43第3項又は第4項第1号から第4号までの規定による益金算入額は、これらの区分ごとに計算することに留意する。  

(債権の返済等を受けた場合の取崩し)
68の43-11 連結法人が、措置法第68条の43第2項第6号ハに規定する資源特定債権(同法第55条第2項第6号ハに規定する資源特定債権を含む。)に該当する債権につき海外投資等損失準備金を積み立てている場合における措置法第68条の43第4項の規定の適用については、その債権の一部について返済を受け又は放棄をした場合には同項第1号の規定により、債権につき回収ができないため貸倒れとして経理した場合には同項第4号の規定により、それぞれ当該債権に係る海外投資等損失準備金の取崩しを行うものとする。  

(評価減をした場合の海外投資等損失準備金の取崩し)
68の43-12 海外投資等損失準備金を積み立てている連結法人が、各連結事業年度において当該準備金に係る特定法人の株式等について帳簿価額を減額した場合(措置法第68条の43第4項第4号かっこ書に該当する場合を除く。68の43-13及び68の43-15において同じ。)において、同号の規定により取り崩すこととなる海外投資等損失準備金の金額は、当該連結事業年度前の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)から引き続き有している当該特定法人の株式等及び当該連結事業年度において取得した当該特定法人の株式等のうち特定株式等に該当しないものの帳簿価額を減額した部分の金額に限るものとし、当該連結事業年度に取得した特定株式等の帳簿価額を減額した部分の金額は同条第1項の規定により当該連結事業年度における積立限度額の計算上控除することに留意する。  

(評価減の額の区分)
68の43-13 連結法人が、各連結事業年度において海外投資等損失準備金に係る特定法人の株式等の帳簿価額を減額した場合において、当該特定法人の株式等が当該連結事業年度の指定期間内において取得した特定株式等とその他の株式等とから成っているときにおける当該その他の株式等に係る帳簿価額を減額した金額は、当該特定法人の株式等について帳簿価額を減額した金額から当該連結事業年度の指定期間内に取得した特定株式等に係る帳簿価額を減額した金額として次により計算した金額を控除した金額によるものとする。

  (1)  帳簿価額を減額した日に有する特定法人の株式等の当該減額後の平均単価(当該株式等の帳簿価額を当該株式等の数で除して計算した金額をいう。以下(2)において同じ。)が当該連結事業年度の指定期間内に取得した特定株式等に係る平均取得単価(当該特定株式等の実際の取得価額の合計額を当該特定株式等の数で除して計算した金額をいう。以下(2)において同じ。)以上である場合には、当該特定株式等に係る帳簿価額を減額した金額はないものとする。
(2)
 帳簿価額を減額した日に有する特定法人の株式等の当該減額後の平均単価が当該連結事業年度の指定期間内に取得した特定株式等に係る平均取得単価に満たない場合には、その満たない金額に当該特定株式等の数を乗じて計算した金額(当該金額が当該特定法人の株式等に係る帳簿価額を減額した金額を超えるときは、当該帳簿価額を減額した金額)を特定株式等に係る帳簿価額を減額した金額とする。
 

(特定法人の株式等の評価減を否認した場合の海外投資等損失準備金の特例)
68の43-14 連結法人が、海外投資等損失準備金に係る特定法人の株式等についてその帳簿価額を減額したため、措置法第68条の43第4項第4号の規定により海外投資等損失準備金の金額を取り崩して益金の額に算入した場合において、当該特定法人の株式等に係る当該減額後の帳簿価額が時価を下回る等のため当該減額が認められないこととなる金額があり、かつ、その取り崩した金額が帳簿価額の減額が認められた金額を基礎として同号の規定により取り崩すべきこととなる金額を超えるときは、その超える部分の金額は、取崩しがなかったものとし、当該金額に相当する会社計算外の海外投資等損失準備金の金額があるものとして取り扱う。  

(海外投資等損失準備金の基礎としなかった株式等がある場合の評価減)
68の43-15 連結法人が、当該連結事業年度前の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)から引き続き有している特定法人の株式等について帳簿価額を減額した場合には、当該株式等のうちに海外投資等損失準備金の設定の基礎としなかった株式等があるときにおいても、当該減額した日における海外投資等損失準備金の金額のうち当該減額した金額に達するまでの金額は、措置法第68条の43第4項第4号の規定により益金の額に算入しなければならないことに留意する。  

(特定法人が適格合併をした場合)
68の43-16 海外投資等損失準備金の設定の基礎とした特定株式等に係る特定法人が適格合併により解散した場合には、措置法第68条の43第4項第3号かっこ書の規定により当該特定法人に係る海外投資等損失準備金の金額は取り崩すことを要しないのであるが、当該適格合併に係る合併法人が特定法人でないときは同項第3号及び措置法令第39条の72第13項の規定により当該適格合併に係る被合併法人である特定法人が当該適格合併直前において特定法人でないこととなったものとみなして海外投資等損失準備金の金額を取り崩すこととなることに留意する。  

(換算差損を計上した場合の海外投資等損失準備金の取崩し)
68の43-17 連結法人が海外投資等損失準備金を積み立てている場合において、当該積立てに係る特定法人の株式等又は資源特定債権で外貨建てのものにつき当該連結事業年度終了の時において法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額又は個別損金額を計算する場合の令第 122条の3の規定により換算を行ったため換算差損が生じたときは、当該海外投資等損失準備金の金額のうち、当該換算差損の金額に相当する金額を取り崩して益金の額に算入するものとする。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の43-18 措置法第68条の43第5項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。

第68条の44 《金属鉱業等鉱害防止準備金》関係

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の44-1 措置法第68条の44第4項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。  

(積立限度超過額の認容)
68の44-2 連結法人が金属鉱業等鉱害防止準備金勘定の金額を益金の額に算入した場合において、その益金の額に算入した金額が措置法第68条の44第2項の規定により益金の額に算入すべき金額を超えるときは、その超える金額は同条第3項第4号に規定する任意の取崩額に該当することに留意する。この場合において、連結法人が計上していた金属鉱業等鉱害防止準備金勘定のうちに積立限度超過額があり、連結法人がその超える金額のうち既往の積立限度超過額に達するまでの金額について既往の積立限度超過額の取崩しとして連結確定申告書等において損金の額に算入したときは、その計算を認めるものとする。

第68条の45 《特定災害防止準備金》関係

(採石災害防止費用の見積額等に異動が生じた場合の調整)
68の45-1 特定災害防止準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた特定災害防止準備金を含む。以下同じ。)のうち措置法第55条の6第1項の表の第1号に規定する岩石採取場に係るものを積み立てている連結法人において、当該準備金の各連結事業年度に係る積立限度額の計算の基礎となる措置法令第39条の74第2項第1号に掲げる「採石災害防止費用の見積額」又は同項第2号に掲げる「採取予定数量」について異動が生じた場合には、その異動が生じた日を含む連結事業年度以後の各連結事業年度の積立限度額は、その異動後の金額又は数量を基礎として計算するものとする。
 その異動が生じた日を含む事業年度後の各連結事業年度における積立限度額の計算についても、同様とする。

  (注)
 「採石災害防止費用の見積額」又は「採取予定数量」に異動が生じた日とは、その異動後の金額又は数量について、措置法規則第22条の47第1項又は第3項に規定する認定を受けた日をいう。
 

(最終処分災害防止費用の見積額等に異動が生じた場合の調整)
68の45-2 特定災害防止準備金のうち措置法第55条の6第1項の表の第2号に規定する廃棄物最終処分場に係るものを積み立てている連結法人において、当該準備金の各連結事業年度に係る積立限度額の計算の基礎となる措置法令第39条の74第7項第1号に掲げる「最終処分災害防止費用の見積額」又は同項第2号に掲げる「廃棄物の最終処分の予定数量」について異動が生じた場合には、その異動が生じた日を含む連結事業年度以後の各連結事業年度の積立限度額は、その異動後の金額又は数量を基礎として計算するものとする。
 その異動が生じた日を含む事業年度後の各連結事業年度における積立限度額の計算についても、同様とする。

  (注)
 「最終処分災害防止費用の見積額」又は「廃棄物の最終処分の予定数量」に異動が生じた日とは、その異動後の金額又は数量について、措置法規則第22条の47第5項又は第7項に規定する認定を受けた日をいう。
 

(露天石炭等採掘災害防止費用の見積額等に異動が生じた場合の調整)
68の45-3 特定災害防止準備金のうち措置法第55条の6第1項の表の第3号に規定する露天石炭等採掘場に係るものを積み立てている連結法人において、当該準備金の各連結事業年度に係る積立限度額の計算の基礎となる措置法令第39条の74第11項第1号に掲げる「露天石炭等採掘災害防止費用の見積額」又は同項第2号に掲げる「採掘予定数量」について異動が生じた場合には、その異動が生じた日を含む連結事業年度以後の各連結事業年度の積立限度額は、その異動後の金額又は数量を基礎として計算するものとする。
 その異動が生じた日を含む事業年度後の各連結事業年度における積立限度額の計算についても、同様とする。

  (注)
 「露天石炭等採掘災害防止費用の見積額」又は「採掘予定数量」に異動が生じた日とは、その異動後の数量について、措置法規則第22条の47第9項又は第11項に規定する認定を受けた日をいう。
 

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の45-4 措置法第68条の45第6項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の45-5 特定災害防止準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の47 《特定都市鉄道整備準備金》関係

(特定都市鉄道整備準備金の計算方法)
68の47-1 特定都市鉄道整備準備金は、措置法第68条の47第1項に規定する「第56条第1項に規定する整備事業計画」(以下「整備事業計画」という。)ごとに計算するのであるから、一の整備事業計画に係る準備金について積立不足となり、他の整備事業計画に係る準備金について積立超過となる場合においても、その積立不足に係る金額と積立超過に係る金額とを通算することはできないことに留意する。  

(整備事業計画が2以上ある場合の特定都市鉄道整備準備金の取崩しの計算)
68の47-2 連結法人が特定都市鉄道整備準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた特定都市鉄道整備準備金を含む。以下同じ。)への積立てを2以上の整備事業計画について行っている場合には、当該準備金の金額は、それぞれの整備事業計画について設けられているのであるから、措置法第68条の47第2項から第4項まで又は第5項第1号の規定による益金算入額は各整備事業計画ごとに計算することに留意する。  

(適格合併等により引継ぎを受けた特定都市鉄道整備準備金の均分取崩し)
68の47-3 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により引継ぎを受けた特定都市鉄道整備準備金の措置法第68条の47第3項の規定による均分取崩しについては、68の43-8の取扱いに準じて取り扱うものとする。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の47-4 特定都市鉄道整備準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。


第68条の48 《新幹線鉄道大規模改修準備金》関係

(適格合併等により引継ぎを受けた新幹線鉄道大規模改修準備金の均分取崩し)
68の48-1 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により引継ぎを受けた新幹線鉄道大規模改修準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた新幹線鉄道大規模改修準備金を含む。以下同じ。)の措置法第68条の48第4項の規定による準備金の均分取崩しについては、68の43-8の取扱いに準じて取り扱うものとする。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の48-2 新幹線鉄道大規模改修準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の49 《ガス熱量変更準備金》関係

(熱量変更費用の見積額に異動が生じた場合の調整)
68の49-1 ガス熱量変更準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てたガス熱量変更準備金を含む。)を積み立てている場合において、当該準備金の各連結事業年度に係る積立限度額の計算の基礎となる措置法令第39条の77第1項に規定する「熱量変更費用の見積額」につき異動が生じたときは、その異動が生じた日を含む連結事業年度以後の各連結事業年度の積立限度額は、その異動後の金額を基礎として計算するものとする。
 その異動が生じた日を含む事業年度後の各連結事業年度における積立限度額の計算についても、同様とする。  

(ガス熱量変更準備金の計算方法)
68の49-2 ガス熱量変更準備金は、措置法第68条の49第1項に規定する熱量変更計画(以下68の49-2及び68の49-3において「熱量変更計画」という。)ごとに計算するのであるから、一の熱量変更計画に係る準備金について積立不足となり、他の熱量変更計画に係る準備金について積立超過となる場合においても、その積立不足に係る金額と積立超過に係る金額とを通算することはできないことに留意する。  

(熱量変更計画が2以上ある場合のガス熱量変更準備金の取崩しの計算)
68の49-3 連結法人がガス熱量変更準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てたガス熱量変更準備金を含む。以下同じ。)への積立てを2以上の熱量変更計画について行っている場合には、当該準備金の金額は、それぞれの熱量変更計画について設けられているのであるから、措置法第68条の49第3項、第4項又は第5項第3号の規定による益金算入額は各熱量変更計画ごとに計算することに留意する。  

(ガス熱量変更準備金の取崩しの計算の基礎となる熱量変更費用の額の意義)
68の49-4 措置法第68条の49第4項第1号に規定する「各連結事業年度において支出された当該熱量変更計画に係る熱量変更費用の額」とは、熱量変更費用の額の支出の事実があったものをいうのであるから、当該各連結事業年度の損金の額に算入されたものであるかどうかを問わないことに留意する。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の49-5 ガス熱量変更準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の50 《電子計算機買戻損失準備金》関係

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の50-1 措置法第68条の50第7項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の50-2 電子計算機買戻損失準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の51 《プログラム等準備金》関係

(対象法人の範囲)
68の51-1 措置法第68条の51の規定は、連結法人がソフトウェア業、データベース業又はシステムサービス業を主たる事業として営んでいるかどうかを問わず適用があることに留意する。  

(証明データベースの利用の許諾に係る収入金額)
68の51-2 措置法令第39条の79第12項第1号に規定する証明データベースの利用の許諾に係る当該連結事業年度の収入金額には、例えば、当該証明データベースの利用に関する契約書において明らかにされている登録料、接続時間料、検索料、出力料等に係る収入金額が含まれる。ただし、当該証明データベースを利用するための入出力装置の使用料等に係る収入金額はこれに含まれないことに留意する。  

(統合情報処理システムサービスの意義)
68の51-3 措置法第68条の51第1項の表の第3号に規定する統合情報処理システムサービスとは、一の情報処理システムに係るシステムの設計、プログラムの作成、試験、運用の準備及び保守のすべてが一括して締結された契約に係る当該情報処理システムに関する役務の提供に限られることに留意する。  

(契約書の範囲)
68の51-4 措置法令第39条の79第15項第1号に規定する「統合情報処理システムサービス……に係る情報処理システムの欠陥につきその引渡し後1年以上の間無償で補修すべき旨の定めがある契約(書面によるものに限る。)」には、その定めがされている覚書又は保証書を含むものとする。  

(対価の額が 3,000万円以上であるかどうかの判定)
68の51-5 措置法令第39条の79第15項第2号に規定する統合情報処理システムに係る対価の額が 3,000万円以上であるかどうかは、一の統合情報処理システムごとにその契約金額により判定する。  

(割戻しがある場合の収入金額)
68の51-6 措置法第68条の51第1項の表の各号の規定によりプログラム等準備金の積立限度額を計算する場合において、措置法令第39条の79第3項、第6項、第10項、第12項及び第16項に規定する収入金額につき当該連結事業年度において割戻しをした金額があるときは、当該連結事業年度のこれらの収入金額からそれぞれその割戻しをした金額を控除する。  

(適格合併等により引継ぎを受けたプログラム等準備金の均分取崩し)
68の51-7 適格合併又は適格分割型分割により引継ぎを受けたプログラム等準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てたプログラム等準備金を含む。以下同じ。)の措置法第68条の51第2項の規定による均分取崩しについては、68の43-8の取扱いに準じて取り扱うものとする。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の51-8 プログラム等準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。


第68条の52 《日本国際博覧会出展準備金》関係


(共同出展法人の積立限度額の計算)
68の52-1 他の法人と共同して財団法人2005年日本国際博覧会協会(以下「協会」という。)との間に直接又は間接に日本国際博覧会への出展参加契約を締結した連結法人(以下「共同出展法人」という。)が日本国際博覧会出展準備金を積み立てる場合の措置法令第39条の80第3項に規定する「その出展をする連結親法人又はその連結子法人に係るもの」は、2005年日本国際博覧会出展参加契約書に添付される計画書に定める「出展に要する費用の分担割合」(集合館出展の場合は「各参加者の占有展示面積割合」。以下「分担割合等」という。)によって計算した金額をいうものとする。  

(分担割合等に異動が生じた場合の積立限度額の計算)
68の52-2 協会との協議に基づく計画書の修正により共同出展法人の分担割合等が増加し、又は減少することとなった場合には、その増加し、又は減少することとなった日以後に終了する各連結事業年度の日本国際博覧会出展準備金の積立限度額は、その異動後の分担割合等によって計算するものとする。  

(敷地面積に異動が生じた場合の積立限度額の計算)
68の52-3 協会から引渡しを受けた敷地(集合館出展における展示館の建築面積に相当する敷地を含む。以下68の52-3において同じ。)の面積が当初の出展参加契約に定められていた敷地面積と異なることとなった場合には、その引渡しを受けた日以後に終了する各連結事業年度の日本国際博覧会出展準備金の積立限度額は、その引渡しを受けた敷地の面積を基礎として計算するものとする。  

(日本国際博覧会出展準備金の取崩しの対象となる出展費用等の額の範囲)
68の52-4 措置法第68条の52第2項の規定により日本国際博覧会出展準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた日本国際博覧会出展準備金を含む。以下同じ。)の取崩しの対象となる「出展費用等の額」とは、次の(1)に掲げるような出展費用等の額をいい、(2)に掲げるような費用の額はこれに該当しないことに留意する。

  (1)
 取崩しの対象となる出展費用等の額

  イ
 出展参加契約に基づき敷地を賃借するための費用の額

ロ  措置法第68条の52第1項(同法第57条の2第1項を含む。)に規定する費用の対象となった資産(以下「対象資産」という。)について償却をした場合のその償却費の額(対象資産を賃借した場合の賃借料の額を含む。)
ハ  対象資産の撤去に伴い生じた除却損、撤去費用及び原状復旧費の額
ニ  対象資産を地方公共団体に寄附した場合のその寄附金の額
ホ  対象資産が災害等により滅失し、又は損壊したことにより生じた損失の額(保険金等により補てんされる部分の金額を除く。)

(2)  取崩しの対象とならない費用の額
  イ
 出展に関し支出した広告宣伝費、旅費、会議費又は参加団体の共同事務局に係る運営費(博覧会の会場内で催される諸行事の運営費を含む。)

ロ  展示館(その附属設備を含む。)、庭園、出展物、展示場所等の維持管理費(修繕費を含む。)
 

(敷地等の利用料の取扱い)
68の52-5 出展参加法人が出展参加契約に基づき協会から賃借する敷地又は集合館出展における展示館(以下68の52-5において「敷地等」という。)の使用料については、当該敷地等の引渡しがあった日以後に終了する各連結事業年度においてその引渡しのあった日以後閉会日までの期間の経過に応じて損金の額に算入する。ただし、当該連結法人が当該使用料の全部を当該敷地等を返還する日まで仮払金として経理し、当該返還する日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において損金の額に算入することとしているときは、これを認める。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の52-6 措置法第68条の52第5項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の52-7 日本国際博覧会出展準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の53 《使用済核燃料再処理準備金》関係

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の53-1 使用済核燃料再処理準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた使用済核燃料再処理準備金を含む。)の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。



第68条の54 《原子力発電施設解体準備金》関係

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の54-1 原子力発電施設解体準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた原子力発電施設解体準備金を含む。)の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の55 《保険会社等の異常危険準備金》関係

(当該保険料のうち払い戻した、又は払い戻すべきものの意義)
68の55-1 措置法第68条の55第3項に規定する損害保険会社の正味収入保険料を計算する場合において収入保険料から控除する「当該保険料のうち払い戻した、又は払い戻すべきもの」とは、火災相互保険、建物更新保険、長期総合保険、満期戻長期保険等の満期返戻金、簡易火災保険の満期払戻金、海上保険の期末払戻金等通常保険料の払戻しと認められるものをいうのであって、海上保険の利益払戻金のようなものは含まれないものとする。
 なお、保険期間が5年以上で、かつ、当該期間満了後に満期返戻金を支払う旨の特約がある保険契約にあっては、収入保険料に含まれる積立保険料によるものとする。  

(保険料の現場戻しをした場合)
68の55-2 損害保険会社が保険料の現場戻しをした場合においては、通常当該戻金に相当する保険料は収入がなかったものとして取り扱われているが、連結法人が、保険料の全額を収入保険料に計上しているときは、68の55-1の適用については、それぞれ当該戻金に相当する保険料の収入がなかったものとして取り扱う。  

(通常の掛金率及び特別の安全率の意義)
68の55-3 措置法第68条の55第4項に規定する「通常の掛金率」とは、火災共済協同組合が行政庁の認可を受けた共済掛金算出方法書に記載されている基本共済掛金の算出の基礎となる純掛金率及び付加掛金率をいい、同項に規定する「特別の安全率」とは、当該基本共済掛金の算出上特別に危険率を考慮して純掛金率及び付加掛金率のほかに特に加算される安全率をいうことに留意する。  

(異常危険準備金の計算方法)
68の55-4 異常危険準備金は、保険の種類ごとに計算されるのであるから、一の種類の保険について積立不足となり、他の種類の保険について積立超過となる場合においても、その積立不足に係る金額と積立超過に係る金額とを通算することはできないことに留意する。  

(損金の額に算入されなかった異常危険準備金)
68の55-5 損害保険会社の各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)における異常危険準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた異常危険準備金を含む。以下同じ。)の積立額が限度額を超えているために損金の額に算入されなかった金額は、当該連結事業年度後の各連結事業年度における異常危険準備金の積立額が限度額に達しない場合においても、これを損金の額に算入しない。  

(損金の額に算入されなかった異常危険準備金がある場合)
68の55-6 損害保険会社が異常危険準備金を積み立てている保険について、異常危険による損失が生じたため当該準備金を取り崩した場合において、既に積み立てた異常危険準備金のうちに損金の額に算入されなかった部分の金額があるときは、当該取り崩した金額は、まず、損金算入により積み立てられた異常危険準備金から取り崩されたものとして取り扱う。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の55-7 措置法第68条の55第11項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の55-8 異常危険準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。


第68条の56 《原子力保険又は地震保険に係る異常危険準備金》関係

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の56-1 措置法第68条の56第7項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。  

(保険会社等の異常危険準備金の取扱いの準用)
68の56-2 原子力保険又は地震保険に係る異常危険準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた原子力保険又は地震保険に係る異常危険準備金を含む。)の積立額の損金算入等については、68の55-5、68の55-6及び68の55-8の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の57 《関西国際空港整備準備金又は中部国際空港整備準備金》関係

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の57-1 関西国際空港整備準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた関西国際空港整備準備金を含む。)又は中部国際空港整備準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた中部国際空港整備準備金を含む。)の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の58 《特別修繕準備金》関係

(対象資産を賃借している場合の特別修繕準備金勘定の積立て)
68の58-1 措置法第68条の58第1項に規定する事業の用に供する固定資産には、連結法人が賃借している固定資産に係る特別の修繕のために要する費用を当該連結法人が負担する契約をしている場合における当該固定資産が含まれることに留意する。  

(船舶の定期検査のための修繕)
68の58-2 連結法人がその有する船舶につき船舶安全法による定期検査を受けるために修繕を行った場合においても、当該修繕のうちに明らかに定期検査と関係のないものがあるときは、当該定期検査と関係のない修繕は措置法第68条の58第1項第1号に規定する修繕に該当しないことに留意する。  

(溶鉱炉、熱風炉等の特別の修繕の範囲)
68の58-3 措置法第68条の58第1項第2号から第4号までに規定する修繕とは、次に掲げる炉、球形のガスホルダー又は貯油槽の区分に応じ、それぞれ次に掲げる修繕をいう。

  (1)
 銑鉄製造用の溶鉱炉 炉体のれんが及びモルタルの取替え並びに炉頂装入装置(高圧操業装置及びムーバブルアーマーを含む。)、羽口、冷却装置、羽口回り金物類、炉体鉄皮、炉体回り給排水装置、出銑樋、鉱さい樋、水平ゾンデ、配管及び配線類のそれぞれ部分的取替え又は補修で、炉体れんがの取替えとともに必ず行われるもの

(2)  銑鉄製造用の熱風炉 当該炉体のれんが、モルタル、れんが受金物、熱風炉鉄皮、弁類、配管及び配線類の取替え又は補修
(3)  ガラス製造用の連続式溶解炉 当該炉体(蓄熱室を含む。)のれんが及びモルタルの取替え並びに原料投入機、バックステー、各種締金物及び支持金物類、ガス及び空気交換機、送風機、計測器、自動調節器類、電極装置、熱風発生装置、配管及び配線類のそれぞれ部分的取替え又は補修で、炉体れんがの取替えとともに必ず行われるもの
(4)  フロート方式による連続式板ガラス製造用のフロートバス 当該炉体(ボトム、ルーフ、サイドシール)、ヒータ、ラジエーションゲート、エッジロールマシン、出入口シール及びデ・ドロッサーの取替え又は補修並びにバスケース(ボトム、ルーフ、サイドシール)、リニヤモーター、送風機器、計測器、雰囲気ガス供給装置、配管及び配線類のそれぞれ部分的取替え又は補修で、炉材の取替えとともに必ず行われるもの
(5)  球形のガスホルダー 当該ガスホルダー本体、階段類、支持構造部、弁類、配管、ドレン抜き設備、伸縮管継手及び制振装置のそれぞれ部分的取替え又は補修で、社団法人日本ガス協会の定める指針に基づいて行われる検査を受けるために必ず行われるもの
(6)  貯油槽 当該貯油槽本体、泡消火装置、液面計、配管及び弁類等のそれぞれ部分的取替え又は補修で、危険物の規制に関する規則第62条の5の規定により行われる内部点検を受けるために必ず行われるもの
(注)
 (1)、(3)、(4)及び(6)に掲げる修繕のために要する費用には、炉又は槽の内容物の排出のための費用が含まれる。
 

(特別修繕完了の日及び築造の完了の日)
68の58-4 措置法第65条の58第5項及び措置法令第39条の85第1項、第6項若しくは第14項の特別の修繕の完了の日とは、次に掲げる資産の区分に応じ、それぞれ次に掲げる日をいう。
 措置法令第39条の85第1項第2号の築造の完了の日についても、同様とする。

  (1)
 船舶 定期検査の行われた船舶についての新たな船舶検査証書の交付の日

(2)  溶鉱炉、熱風炉又は連続式溶解炉 特別修繕の行われた炉に対して修繕後最初に火入れをした日
(3)  球形のガスホルダー 特別修繕の行われた球形ガスホルダーに対して修繕後最初に供給用ガスを封入した日
(4)  貯油槽 内部点検の行われた貯油槽についての新たな完成検査済証の交付の日  

(溶鉱炉等の長期稼動休止期間中における特別修繕準備金の積立て停止)
68の58-5 措置法第68条の58第1項第2号に掲げる溶鉱炉等が長期にわたり稼動を休止している場合には、その稼動休止期間中は当該溶鉱炉等につき特別修繕準備金勘定への積立てを行うことができないものとする。

  (注)
 措置法令第39条の85第1項第2号に規定する期間のうちに長期にわたる稼動休止期間がある場合には、当該稼動休止期間を除いたところにより同号に規定する期間を計算することができる。
 

(準備金設定資産を賃貸した場合の取崩し)
68の58-6 連結法人が特別修繕準備金勘定(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた特別修繕準備金勘定を含む。以下同じ。)を設けている資産を賃貸した場合において、その契約により賃借人が当該資産の特別の修繕のために要する費用を負担することを定めているときは、準備金設定資産について特別の修繕を行わないこととなったものとして措置法第68条の58第5項第2号の規定により当該資産に係る特別修繕準備金勘定の金額を取り崩すものとする。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の58-7 措置法第68条の58第7項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。  

(適格合併等により引継ぎを受けた特別修繕準備金の均分取崩し)
68の58-8 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により引継ぎを受けた特別修繕準備金の措置法第68条の58第4項の規定による均分取崩しについては、68の43-8の取扱いに準じて取り扱うものとする。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の58-9 特別修繕準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の59 《中小連結法人等の貸倒引当金の特例》関係

(実質的に債権とみられないもの)
68の59-1 措置法令第39条の86第1項に規定する「その債務者から受け入れた金額があるためその全部又は一部が実質的に債権とみられない金銭債権」には、債務者から受け入れた金額がその債務者に対し有する金銭債権と相殺適状にあるものだけでなく、金銭債権と相殺的な性格をもつもの及びその債務者と相互に融資しているもの等である場合のその債務者から受け入れた金額に相当する金銭債権も含まれるのであるから、次に掲げるような金額はこれに該当する。

  (1)
 同一人に対する売掛金又は受取手形と買掛金又は支払手形がある場合のその売掛金又は受取手形の金額のうち買掛金又は支払手形の金額に相当する金額

(2)  同一人に対する売掛金又は受取手形と買掛金がある場合において、当該買掛金の支払のために他から取得した受取手形を裏書譲渡したときのその売掛金又は受取手形の金額のうち当該裏書譲渡した手形(支払期日の到来していないものに限る。)の金額に相当する金額
(3)  同一人に対する売掛金とその者から受け入れた営業に係る保証金がある場合のその売掛金の額のうち保証金の額に相当する金額
(4)  同一人に対する売掛金とその者から受け入れた借入金がある場合のその売掛金の額のうち借入金の額に相当する金額
(5)  同一人に対する完成工事の未収金とその者から受け入れた未成工事に対する受入金がある場合のその未収金の額のうち受入金の額に相当する金額
(6)  同一人に対する貸付金と買掛金がある場合のその貸付金の額のうち買掛金の額に相当する金額
(7)  使用人に対する貸付金とその使用人から受け入れた預り金がある場合のその貸付金の額のうち預り金の額に相当する金額
(8)  専ら融資を受ける手段として他から受取手形を取得し、その見合いとして借入金を計上した場合又は支払手形を振り出した場合のその受取手形の金額のうち借入金又は支払手形の金額に相当する金額
(9)  同一人に対する未収地代家賃とその者から受け入れた敷金がある場合のその未収地代家賃の額のうち敷金の額に相当する金額  

(実質的に債権とみられないものの簡便計算)
68の59-2 措置法令第39条の86第2項の規定は、平成10年4月1日から平成12年3月31日までの期間内に開始した各事業年度において貸倒引当金を設けていたかどうかに関係なく適用があることに留意する。  

(適用事業区分)
68の59-3 連結法人の営む事業が措置法令第39条の86第3項に掲げる事業のうちいずれの事業に該当するかは、別に定めるものを除き、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。

  (注)1
 自動車販売業において、業務用に主として使用される自動車の販売は原則的には卸売業に該当するが、この自動車の販売であっても1取引が少量又は少額である場合には、その販売の事業は小売業に分類しても差し支えない。

2  木材市場を営む連結法人で実質的に買取販売を行っていると認められるものは、「卸売業及び小売業」を営んでいるものとして判定する。  

(主たる事業の判定基準)
68の59-4 連結法人が措置法令第39条の86第3項に掲げる事業の2以上を兼営している場合における貸倒引当金勘定への繰入限度額は、主たる事業について定められている割合により計算し、それぞれの事業ごとに区分して計算するのではないことに留意する。この場合において、いずれの事業が主たる事業であるかは、それぞれの事業に属する収入金額又は所得金額の状況、使用人の数等事業の規模を表わす事実、経常的な金銭債権の多寡等を総合的に勘案して判定する。

  (注)
 連結法人が2以上の事業を兼営している場合に、当該2以上の事業のうち一の事業を主たる事業として判定したときは、その判定の基礎となった事実に著しい変動がない限り、継続して当該一の事業を主たる事業とすることができる。
 

(いわゆる製造問屋の繰入率)
68の59-5 自己の計算において原材料等を購入し、これをあらかじめ指示した条件に従って下請加工させて完成品として販売するいわゆる製造問屋の事業は、措置法令第39条の86第3項の製造業に該当する。


第4章  連結法人の技術等海外取引に係る課税の特例


第68条の60 《技術等海外取引に係る連結所得の特別控除》関係

(不動産取引等の所得の金額が当該連結事業年度の個別連結所得金額の1割に満たないかどうかの判定)
68の60-1 措置法令第39条の87第3項各号に掲げる不動産取引等に係る所得又は損失の金額が当該連結事業年度の個別連結所得金額(措置法令第39条の87第2項に規定する「個別連結所得金額」をいう。以下同じ。)の 100分の10に相当する金額に満たないかどうかは、これらの取引に係る所得の金額又は損失の金額をすべて通算して判定するものとする。この場合において、法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第47条若しくは第50条又は措置法第68条の70、第68条の72若しくは第68条の78の規定に係る取引については、当該取引に係る所得及び当該連結事業年度の個別連結所得金額のいずれについても、圧縮記帳、特別勘定の経理、収用等の場合等の連結所得の特別控除の適用をしないで計算した金額によるものとする。  

(不動産所得がある場合の所得の計算の特例)
68の60-2 措置法令第39条の87第3項ただし書の規定に該当する場合において、連結法人が同項第2号及び第3号に掲げる不動産取引等に係る収入金額、所得又は損失の金額を個別連結所得金額又は総収入金額に算入しないで計算しているときは、その方法で計算することを継続して行っている場合に限り、これを認めるものとする。

  (注)
 この計算の特例は、連結法人ごとに適用することができる。
 

(特別の技術による生産方式及びこれに準ずるものの意義)
68の60-3 措置法令第39条の87第4項に規定する「特別の技術による生産方式及びこれに準ずるもの」とは、特許権、実用新案権及び意匠権の目的にはなっていないが、生産その他事業に関し繰り返し使用し得るまでに形成された技術的又は美術的思想の創作、すなわち特別の原料、処方、機械、器具、工程による等独自の考案又は方法を用いた生産についての方式及びこれらの生産方式に至らない程度の秘けつ、秘伝その他特別に技術的価値を有する知識及び意匠等をいう。したがって、通常ノウ・ハウと呼ばれるものはもちろん、機械等の設計及び図面等に化体された生産方式、デザインもこれに含まれるものであるが、海外における技術の動向、製品の販路、特定の品目の生産高等の情報又は機械、装置、原材料等の材質等の鑑定若しくは性能の調査、検査等は、これに該当しないことに留意する。  

(第三者を通ずる取引)
68の60-4 措置法第68条の60第2項のかっこ書の第三者を通じて行った技術役務の提供は、その取引を行った者の技術等海外取引に該当するのであるから、当該第三者については技術等海外取引に該当しないことに留意する。

  (注)
 連結法人が技術役務の提供を貿易商社等の第三者を介して行う場合であっても、当該貿易商社等が自己の計算において行うものは、当該かっこ書に規定する第三者を通ずる取引には該当しない。
 

(生産設備の建設等に関する技術役務の提供)
68の60-5 措置法第68条の60第2項第1号に規定する「調査、企画、立案、助言、設計、監督又は検査に係る役務の提供で生産設備及びこれに準ずるものの建設又は製造に関するもの」とは、連結法人が専門的な科学技術に関する知識として一般的に認識される程度の知識に基づき、相手方の注文に応じ現地のそれぞれの具体的な事情に適応する生産設備等の建設又は製造に関する調査、企画、立案、助言、設計、監督又は検査(以下「調査、企画等」という。)に係る役務の提供で通常生産設備等の建設又は製造自体とは区分して独立の価値があるものとされるもののうち、措置法令第39条の87第4項第1号から第4号までに掲げる要件のすべてに該当するものをいうことに留意する。  

(建設等と併せて行った場合の技術役務の提供)
68の60-6 連結法人が一定の科学技術に関する知識に基づいて調査、企画等を行い、併せて自ら当該調査、企画等の結果に基づき現地において生産設備等の建設等をした場合において、連結法人が当該調査、企画等に係る役務だけを提供することとした場合に、その提供が68の60-5に定める技術役務の提供に該当すると認められるものであるときは、当該調査、企画等に係る役務の提供を独立して技術役務の提供として取り扱うことができるものとする。  

(技術役務の提供と工業所有権等の提供との関係)
68の60-7 措置法第68条の60第2項に規定する技術役務の提供には、措置法令第39条の87第4項本文かっこ書の工業所有権等の提供は含まれないのであるが、その取引が技術役務の提供に該当するかどうかは、次に掲げる両者の差異、提供された役務又は権利の実態、契約の内容等を勘案して個々に判定することに留意する。
技術役務の提供 工業所有権等の提供
サービスの性格から一身専属的であり、一般に流通性がない。 取引の対象となる物件そのものが客観的に独立した価値があり、一般に流通性が認められる。


(アメリカ合衆国及びその属地の意義)
68の60-8 措置法第68条の60第2項の新開発地域に該当しない措置法令第34条第5項に規定する「アメリカ合衆国及びその属地」には、アメリカ合衆国の各州(コロンビア特別区を含む。)並びにウェーク島、グアム島、ジョンストン島、ナバッサ島、ベーカー島、米領ヴァージン諸島、米領サモア及びミッドウェー諸島のほか、プエルト・リコ及び北マリアナ諸島(グアム島を除く。)が含まれることに留意する。  

(発行済株式)
68の60-9 措置法第68条の60第2項の「発行済株式」には、その株式の発行価額の全部又は一部について払込みが行われていないものも含まれることに留意する。  

(直接又は間接保有の株式)
68の60-10 連結法人が技術役務の提供の相手方である外国法人との間に措置法第68条の60第2項に定める発行済株式又は出資(当該他方の法人が有する自己の株式又は出資を除く。)の総数の 100分の25以上の数の株式又は出資を直接又は間接に保有する関係その他の特殊の関係にあるかどうかを判定する場合において、措置法令第39条の87第5項第1号に規定するいずれか一方の法人又は同項第2号に規定する同一の者が直接又は間接に保有する株式には、その発行価額の全部又は一部について払込みが行われていないものも含まれるものとする。

  (注)
 名義株は、その実際の権利者が所有するものとして判定を行うことに留意する。
 

(技術等海外取引のあった日)
68の60-11 措置法第68条の60第1項に規定する技術等海外取引がいつ行われたかは、当該連結法人が税務計算上認められて継続して採用している経理方法により収益として計上すべき日により判定するものとする。  

(延払基準を適用した場合の技術等海外取引による収入金額)
68の60-12 連結法人が、技術等海外取引について、法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額又は個別損金額を計算する場合の法第63条第1項に規定する延払基準の方法を適用している場合は、その延払基準の方法により計算した収益の額を計上した日を含む連結事業年度の技術等海外取引による収入金額とするものとする。  

(利子等の収入金額)
68の60-13 連結法人が、技術等海外取引に係る対価の額につき賦払の方法によりその支払を受けることとしているため、その代金のほかに利子等の収受をすることとしている場合においても、当該利子等は技術等海外取引に係る収入金額には算入しないことに留意する。  

(値引き等があった場合の収入金額等の計算)
68の60-14 技術等海外取引について、値引き、割戻し等(以下「値引き等」という。)があった場合には、当該技術等海外取引のあった連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の技術等海外取引の収入金額から当該値引き等のあった金額に相当する金額を減額するものとする。ただし、連結法人が値引き等のあった連結事業年度の技術等海外取引の収入金額から減額する方法により継続して経理しているときは、これを認めるものとする。
 技術等海外取引に対する代金の授受をした後相手方とコミッション、手数料等の名目で代金の一部を授受する場合についても、同様とする。

  (注)
 上記の継続経理が行われているかどうかの判定は、連結法人ごとに行うこととなる。
 

(収入金額から控除すべき支出金額の範囲)
68の60-15 措置法第68条の60第4項に規定する「役務の提供を行った地域内において支出したもの」には、測量に係る役務の提供に要する資材、人夫等を現地で調達したためこれに対して支払うものその他当該役務の提供のために要する費用として役務提供を行った地域内において支出した一切のものを含むことに留意する。  

(技術等海外取引の証明)
68の60-16 措置法規則第22条の59第3項に定める技術等海外取引に係る証明は、現在のところ経済産業大臣が行うことになっており、その事務は貿易経済協力局貿易振興課が所管していることに留意する。  

(連結所得の特別控除とみなし外国税額控除との選択適用)
68の60-17 技術等海外取引による収入金額に課される外国法人税の額につき、租税条約の規定によるみなし外国税額控除(相手国で軽減又は免除された税額を納付したものとみなして外国税額控除を適用するいわゆるタックス・スペアリング・クレジットをいう。以下68の60-17において同じ。)の適用を受けることができる場合には、当該外国法人税の額が軽減又は免除された収入金額につき措置法第68条の60第1項に規定する連結所得の特別控除とみなし外国税額控除とのいずれかを選択適用することになるのであるから、同項の規定の適用を受けた収入金額に係る外国法人税の額については、みなし外国税額控除の適用を受けることはできないことに留意する。

  (注)
 みなし外国税額控除の適用を受ける連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下「連結事業年度等」という。)が、当該技術等海外取引に係る収入金額を益金の額に算入すべき日を含む連結事業年度(以下「収益計上連結事業年度」という。)後の連結事業年度等となる場合には、当該収益計上連結事業年度において、当該益金の額に算入すべき技術等海外取引に係る収入金額につき同項に規定する連結所得の特別控除とみなし外国税額控除とのいずれを適用するか選択することとなる。
 

(申告に係る損金の額に算入されるべき金額の意義)
68の60-18 措置法第68条の60第6項に規定する「申告に係るその損金の額に算入されるべき金額」とは、連結確定申告書等に記載された損金算入額そのものではなく、当該連結確定申告書等に記載された事項を基礎として計算する場合に損金の額に算入することができる正当額をいうものとする。したがって、連結所得金額等の更正の結果、損金の額に算入することができる金額が当該正当額を超えても、損金の額に算入すべき金額には影響を及ぼさないことに留意する。


第5章  連結法人の鉱業所得の課税の特例


第68条の61 《探鉱準備金又は海外探鉱準備金》関係

(鉱業を営む連結法人の範囲)
68の61-1 措置法第68条の61第1項に規定する「連結親法人又は当該連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人で鉱業を営むもの」には、鉱業法による鉱業権者又は租鉱権者として鉱業を営む連結法人のほか、鉱業権者又は租鉱権者として登録は受けていないが、鉱業権者又は租鉱権者である者との契約に基づいて鉱業経営に関する費用及び損失を負担し、採掘された鉱物(当該鉱物に係る収益を含む。)の配分を受けることとしているため、実質的に自ら鉱業を営んでいると認められる連結法人が含まれるものとする。  

(鉱物の販売による収入金額)
68の61-2 石灰石等鉱業法第3条第1項の非金属法定鉱物の採掘を業とする連結法人が、その採掘した石灰石等の相当部分を砕石等の土建用として販売している場合においても、当該連結法人は砕石業を営む者ではないから、措置法第68条の61の規定の適用に当たっては、砕石等として販売した額についても、同条第1項第1号の鉱物の販売による収入金額に含まれることに留意する。  

(鉱物を原材料として製造した物品の範囲)
68の61-3 措置法令第39条の88第1項第3号又は第9項第3号の「当該鉱物を原材料として製造した物品」は、連結法人が採掘した鉱物を原材料として製造し販売する最終製品をいうのであるが、銅鉱、鉛鉱、亜鉛鉱等の鉱物を原材料として一貫工程により銅製品、鉛製品、亜鉛製品等を製造する場合には、当該鉱物を原材料として製錬工程(地金の改造等を含む。)において製造された中間製品(例えば、地金、硫酸、焼鉱等)を当該物品として取り扱うことができるものとする。したがって、この場合には、販売された最終製品の原材料とされた中間製品に係る収入金額がこれらの号の「当該鉱物を原材料として製造した物品の販売による収入金額」に該当するものとする。  

(鉱物を原材料として製造された中間製品の販売による収入金額等)
68の61-4 68の61-3により製錬工程において製造された中間製品を措置法令第39条の88第1項第3号又は第9項第3号に定める物品としている場合には、当該中間製品に係るこれらの号の収入金額は、他に販売された中間製品の販売価額(他に販売された中間製品が少量で、かつ、その販売が継続して行われているものでないためその販売価額が適正でないと認められる場合には、中間製品の建値)を基礎として計算するものとする。
 当該中間製品の措置法規則第22条の60第1項第2号又は第4項第2号の原材料費等の原価の額の計算についても、これに準ずる。  

(原材料として購入した鉱物)
68の61-5 措置法規則第22条の60第1項の「当該物品の原材料として購入した鉱物」とは、連結法人が製造した物品の原材料(その原材料が製錬加工等を通じて当該物品に直接化体される場合のその原材料とする。)として購入した鉱業法第3条第1項に規定する鉱物をいうものとする。したがって、原材料として購入したものであっても、燃料として使用されるようなものは、これに該当しないことに留意する。
 措置法規則第22条の60第4項の場合も同様とする。  

(鉱物の販売対価として通常受けるべき金額)
68の61-6 措置法規則第22条の60第1項かっこ書に規定する「当該物品の原材料である選鉱後の当該連結親法人又はその連結子法人の採掘した鉱物を販売するとした場合にその対価として通常受けるべき金額」は、連結法人がその採掘した鉱物の一部を販売している場合にはその販売価額により、採掘した鉱物を販売していない場合には建値を基礎として計算した金額によるものとする。ただし、販売された鉱物が少量で、かつ、その販売が継続して行われているものでないためその販売価額が適正でないと認められる場合には、建値を基礎として計算した金額による。
 同条第4項かっこ書に規定する「当該物品の原材料である選鉱後の自主開発鉱物を販売するとした場合にその対価として通常受けるべき金額」についても、同様とする。  

(採掘所得金額に係る益金の額)
68の61-7 採掘所得金額を計算する場合の益金の額は、措置法令第39条の88第1項又は第9項に定める収入金額の合計額によるから、次に掲げるような金額はこれに含まれないことに留意する。ただし、貸倒引当金、海外投資等損失準備金等の引当金、準備金の益金算入額のうちこれらの引当金、準備金を繰り入れた連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において採掘所得金額の計算上損金の額に算入された繰入金額に相当する金額は当該益金の額に算入する。

  (1)
 国庫補助金、補償金、保険金その他これらに準ずるものの収入による益金の額

(2)  固定資産又は有価証券の譲渡又は評価に係る益金の額
(3)  受取配当金、受取利子、固定資産の賃貸料等営業外収益の額  

(採掘所得金額に係る損金の額)
68の61-8 採掘所得金額を計算する場合の損金の額は、連結法人が採掘した鉱物に係る収入金額に対応する売上原価の額並びに販売費、一般管理費その他の費用及び損失の額のうち鉱業に係る金額によるのであるから、次に掲げる金額はこれに含まれることに留意する。

  (1)
 鉱業に属する棚御資産の評価換えによる損失の額

(2)  鉱業に専属して使用される減価償却資産又は繰延資産の償却費の額
(3)  鉱業と鉱業以外の業とに共用される減価償却資産又は繰延資産の償却費の額で鉱業に係るもの
(4)  鉱業に専属して使用される減価償却資産の除却、滅失、評価換え又は譲渡による損失の額(保険金、補償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。以下(5)において同じ。)
(5)  鉱業と鉱業以外の業とに共用される減価償却資産の除却、滅失、評価換え又は譲渡による損失の額で鉱業に係るもの  

(鉱業に係る損金の額の区分)
68の61-9 採掘所得金額を計算する場合の損金の額(支払利子を除く。)で鉱業に係るものの区分は、鉱業に係ることが明らかであるものについてはその区分によるが、鉱業と鉱業以外の業とに共通するもの又はその区分が明らかでないものについては、その損金の性質に応じ、収入金額、売上原価その他合理的と認められるものの割合によって区分する。  

(災害損失の区分の特例)
68の61-10 鉱業に専属して使用される減価償却資産の滅失損その他の鉱業に係る損失の額で災害その他やむを得ない事由により生じた臨時巨額なものについては、鉱業と鉱業以外の業の収入金額、所得金額その他合理的と認められる割合により区分した金額を鉱業に係る損金の額として計算することができるものとする。  

(支払利子の区分の特例)
68の61-11 支払利子の額で鉱業に係るものの金額は、各連結事業年度における支払利子の額を基礎として鉱業と鉱業以外の業との収入金額、売上原価その他合理的と認められる割合により計算する。この場合において、各連結事業年度における支払利子の額のうちに次に掲げる金額があるときは、当該金額は支払利子の額に含めないことができるものとする。

  (1)
 受取配当金の益金不算入額の計算上株式等に係る部分の金額として益金不算入額から控除した金額に相当する金額

(2)  子会社等のために借り入れて子会社等へひも付融資をしている負債の支払利子の額で子会社等からの受取利子の額に相当する金額  

(共通損金の区分基準の継続)
68の61-12 鉱業と鉱業以外の業とに共通する損金の額又はその区分が明らかでない損金の額の区分計算について適用した基準は、その後の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においても継続して適用しなければならないものとする。

  (注)
 この区分基準の継続が行われているかどうかの判定は、連結法人ごとに行うものとする。
 

(金属鉱業における新鉱床探鉱費の範囲)
68の61-13 金属鉱業における措置法令第39条の88第11項の新鉱床探鉱費に該当する措置法令第34条の2第11項各号に掲げるものの費用の範囲については、次により取り扱う。

  (1)
 探鉱のための地質調査の費用
 地表の踏査、地質調査及び坑内の地質調査に要する費用をいい、地質調査のための測量、製図、航空写真図化、トレンチング、旧坑取明け、サンプリング、分析、借地、地荒補償等の附帯費用を含む。

(2)  地震探鉱、重力探鉱その他これらに類する探鉱の費用
 地震探鉱、重力探鉱、磁力探鉱、電気探鉱、放射能探鉱等の物理探鉱及び化学探鉱に要する費用をいい、測量、解析、図化、伐採、地荒補償、器材の運搬等の附帯費用を含む。
(3)  探鉱のためのボーリングの費用
 探鉱目的のボーリングに要する費用をいい、ボーリングのための道路開設、整地、坑内試すい(錐)室作成、機械器材の運搬、電気工事、借地、地荒補償、岩しん(芯)整備、分析等の附帯費用を含む。
(4)  鉱量が推定されていない鉱床につき鉱量を推定するための坑道の掘削(当該推定に必要な範囲内のものに限る。)の費用
  (イ)
 鉱量が推定されていない鉱床とは、日本工業規格(以下「JIS」という。)-M1001号「鉱量計算基準」に基づく鉱量の分類の確定鉱量、推定鉱量以外の区域の鉱床をいい、鉱量を推定するための坑道とは、前記区域の探鉱を目的とした坑道(探鉱目的と共に運搬目的等を兼ねる坑道については、その鉱山の探鉱のみを目的として掘削された坑道の範囲内に限る。)をいう。

(ロ)  当該坑道の掘削の費用とは、当該坑道の掘削に要する費用をいい、軌道、圧気、揚水、排水、照明、通気等の附帯費用を含む。   (
参考) 確定鉱量、推定鉱量の解釈

  1
 脈状及び層状鉱床の場合

  (1)
 確定鉱量とは適当な鉱画により容積及び品位が確認された鉱量をいう。

  イ
 適当な鉱画とは原則的には三側面以上(脈状)又は上下二断面(層状)で囲まれた部分を標準とする。

ロ  三側面とは上下のつち(鎚)押水平坑道及びつち(鎚)押の堀上り、堀下り坑道のうち3坑道をいう。上下の水平坑道の間隔は30m以内、堀上り、堀下り坑道の間隔は60m以内とする。
  (注)
 上下の坑道の間隔は鉱床の性質により上下の連続性が確実に認められる場合には30m以上、不安定要素の多い鉱山ではその性質に応じ30m以下とすることができる。
(2)  推定鉱量とは確定されてはいないが、探鉱の結果及び鉱床の性質により容積及び品位が推定される適切な鉱画内の鉱量をいう。
  イ
 適切な鉱画とは二側面で囲まれた部分及び鉱床範囲、品位が確認された一側面(脈状)又は一断面(層状)に接する部分をいう。
 ただし、一坑準の間隔をもつ上下の坑道は推定鉱画外とみなす。

ロ  鉱床の上下の連続性が推定される上下の高さの限界は当該鉱山の一坑準を超えないものとする。
ハ  鉱床の水平方向の連続性が推定される水平方向の延長の限界は当該隣接確定鉱画の水平間隔以内とする。 2  塊状鉱床の場合
  (1)
 確定鉱量とは適当な鉱画により容積及び品位が確認された鉱量をいう。

  イ
 適当な鉱画とはほぼ平行な二断面で囲まれた部分をいう。

ロ  平行な二断面とは、ほぼ平行な二つの平面又は曲面上にある坑道に現われた鉱床断面をいい二つの平面又は曲面の間隔は鉱床断面の直径を超えず又は当該鉱山の一坑準を超えないものとする。
ハ  鉱床断面の直径とは最大径と最小径の算術平均をいう。
  (注)
 大きな鉱床では(直径 100mを超えるような場合)地質鉱床並びに品位的な連続性に不安があり、径をそのまま採用出来ない場合があるので、二断面の間隔の最大は50mとする。
(2)  推定鉱量とは確定されてはいないが、探鉱の結果及び鉱床の性質により容積及び品位が確定される適切な鉱画内の鉱量をいう。
  イ
 適切な鉱画とは鉱床範囲及び品位が確認された一断面に接する部分をいう。
 ただし、一坑準の間隔をもつ上下の坑道は推定鉱画外とみなす。

ロ  鉱床の上下の連続性が推定される上下の高さの限界は、鉱床断面の直径を超えず当該鉱山の一坑準を超えないものとする。
ハ  鉱床の水平方向の連続性が推定される水平方向の延長の限界は、当該隣接確定鉱画の鉱床範囲以内とする。  

(石炭鉱業における新鉱床探鉱費の範囲)
68の61-14 石炭鉱業における措置法令第39条の88第11項の新鉱床探鉱費に該当する措置法令第34条の2第11項第3号及び第4号に掲げるものの費用の範囲については、次により取り扱う。

  (1)
 探鉱のためのボーリングの費用
 この費用には、海上から行うボーリングに要する次の費用を含む。

  イ
 海上に作業場を設定するための準備、機材の運搬、作業場の設置、漁業補償等の費用

ロ  試すい(錐)船により行うボーリングの費用

(2)  鉱量が推定されていない鉱床につき鉱量を推定するための坑道の掘削費用(新鉱床探炭坑道掘削費)
 この坑道の掘削費は、JIS-M1002号「炭量計算基準」に示す炭量の分類の確定炭量甲区域以外の区域における坑道の掘削のうち、次に掲げるものを除いた坑道の掘削部分に要する費用とする。
  イ
 片ばん(磐)坑道に直接附属する坑道(以下「巻卸坑道」という。)の掘削のうち、採掘の進行に伴い、次の採掘準備のため通常必要と認められる掘削部分として、その巻卸坑道に附属する片ばん(磐)によって新たに確認された線(JIS-M1002号「炭量計算基準」に示す確認線をいう。)より、当該切羽の面の長さ(その巻卸坑道においてまだ切羽が設定されていない場合は 100mを基準とする。)に相当する距離に達するまでの巻卸坑道の延長の掘削部分

ロ  運搬、通気、排水系統等に使用することを目的とする坑道の掘削、又はこれらの目的を兼ねるための坑道の掘削のうち、その目的のために付加した掘削部分
 

(石油及び可燃性天然ガス鉱業における新鉱床探鉱費の範囲)
68の61-15 石油及び可燃性天然ガス鉱業における措置法令第39条の88第11項の新鉱床探鉱費に該当する措置法令第34条の2第11項第1号から第3号までに掲げるものの費用の範囲については、次により取り扱う。

  (1)
 探鉱のための地質の調査の費用
 地表の踏査、地質調査に要する費用をいい、地質調査のための測量、製図、航空写真図化、トレンチング、サンプリング、分析、借地、地荒補償等の附帯費用を含む。

(2)  地震探鉱、重力探鉱その他これらに類する探鉱の費用
 地震、重力、磁気、電気、音波、放射能、地化学等による探鉱に要する費用をいい、これらの探鉱のための測量、解析、図化、伐採、借地、地荒補償、器材の整備、修理、運搬等の附帯費用を含む。
(3)  探鉱のためのボーリングの費用
  イ
 探鉱のためのボーリングとは、石油及び可燃性天然ガスの賦存が期待される地域において、地質層序及び集積構造を解明する目的をもって行う試すい(錐)(ボーリング)及び次の(イ)又は(ロ)に定める区域において油層・ガス層の存否を確認するために行う坑井の掘削をいう。

  (イ)
 JIS-M1006号「原油及び天然ガス-鉱量計算基準」に規定する確認地域外の地域

  (注)
 連結法人が、(イ)に定める地域において石油及び可燃性天然ガスの集積構造が明確な地域として確認した場合は、その地域を確認地域とする。 (ロ)  確認地域内における既知の油層・ガス層以外の部分

ロ  探鉱のためのボーリングの費用は、イの試すい(錐)及び坑井の掘削に要する費用をいい、試すい(錐)及び坑井の掘削のための機械、器材の整備、修理、運搬、運搬のための道路開設及び補修、整地、電気工事、借地、地荒補償、岩しん(芯)整理、検層、分析等の附帯費用を含む。

(参考)  JIS-M1006号「原油及び天然ガス-鉱量計算基準」に規定する確認地域

  1
 水溶形ガス層
 確認地域とは、同一ガス層について、次の(1)及び(2)に定める各区域を加えた全域から、地質学的にガス層が存在しないと認められる区域を除いた区域をいう。

  (1)
 産出井を中心とする半径 1,000mの円内

(2)  2坑以上の産出井があって、そのうちの2坑の間隔が 2,000m以内である場合、その2坑を中心としてそれぞれ描いた半径 1,000mの円に外接する平行な2直線及びそれらの円の弧で囲まれた区域

2  遊離形ガス層
 確認地域とは、一つの集ガス構造に属する一つのガス層について、次の(1)、(2)及び(3)に定める各区域を加えた全域から、その中心における地質学的にガス層が存在しないと認められる区域を除いた区域をいう
  (1)
 ガスの産出井を中心とする半径250 mの円内の区域

(2)  2坑以上の産出井があって、そのうち2坑の間隔が 1,000m以内である場合、その2坑を中心としてそれぞれ描いた半径 250mの円に外接する平行な2直線及びそれらの円の弧で囲まれた区域
(3)  3坑以上の産出井があって、そのうちのいずれかの1坑に対して他の2坑がそれぞれ1,000m以内に位置する場合、その3坑を中心としてそれぞれ描いた半径 250mの円の外縁を包絡する直線及びそれらの円の弧で囲まれた区域
(注)
 確認地域には、上記(1)、(2)又は(3)の外側に接する幅 250m以内の区域であって、坑井資料に基づく地質学的根拠によってガス層の存在することが認められる区域を含めることができる。 3  油層
確認地域とは、一つの集油構造に属する一つの油層について、次の(1)、(2)及び(3)に定める各地域を合せた全域から、その中における地質学的に油層が存在しないと認められる地域を除いた地域をいう。
  (1)
 原油の産出井を中心とする半径 100mの円内の地域

(2)  2坑以上の産出井があって、そのうちの2坑の間隔が 600m以内である場合、その2坑を中心として、それぞれ描いた半径 100mの円に外接する平行な2直線及びそれらの円の弧で囲まれた地域
(3)  3坑以上の産出井があって、そのうちの3坑のいずれかの1坑に対して他の2坑がそれぞれ 600m以内に位置する場合、その3坑を中心としてそれぞれ描いた半径 100mの円の外縁を包絡する直線及びそれらの円の弧で囲まれた地域

  (注)
 確認地域には、上記(1)、(2)又は(3)の外側に接する幅 100m以内の区域であって、坑井資料に基づく地質学的根拠によって油層の存在することが認められる区域を含めることができる。
 

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の61-16 措置法第68条の61第6項の規定により同条第1項又は第2項の規定の適用がない連結法人は、これらの規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、これらの規定の適用を受けることができる。  

(適格合併等により引継ぎを受けた探鉱準備金等の取崩し)
68の61-17 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により引継ぎを受けた探鉱準備金又は海外探鉱準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた探鉱準備金又は海外探鉱準備金を含む。以下同じ。)の措置法第68条の61第4項の規定による取崩しについては、68の43-8の取扱いに準じて取り扱うものとする。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の61-18 探鉱準備金又は海外探鉱準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。


第6章  連結法人である沖縄の認定法人の課税の特例

第68条の63 《沖縄の認定法人の連結所得の特別控除》関係

(実質的に同一であると認められる者の意義)
68の63-1 措置法規則第22条の61第1項第2号に規定する「連結親法人又はその連結子法人と実質的に同一であると認められる者」とは、例えば、支店形態で営業開始の後に別法人を設立した場合の当該支店や個人事業者がいわゆる法人成りをした場合の当該個人事業者をいう  

(軽減対象所得金額に係る益金の額)
68の63-2 措置法令第39条の90第4項に規定する軽減対象連結所得金額(以下「軽減対象連結所得金額」という。)を計算する場合の益金の額は、同項に規定する特定事業(以下68の63-5までにおいて「特定事業」という。)に係る収入金額の合計額によるから、次に掲げるような金額はこれに含まれないことに留意する。ただし、貸倒引当金、特別修繕準備金等の引当金、準備金の益金算入額のうちこれらの引当金、準備金を繰り入れた連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において軽減対象連結所得金額(措置法令第35条第4項に規定する軽減対象所得金額を含む。)の計算上損金の額に算入された繰入金額に相当する金額は当該益金の額に算入する

  (1)
 国庫補助金、補償金、保険金その他これらに準ずるものの収入による益金の額

(2)  固定資産又は有価証券の譲渡又は評価に係る益金の額
(3)  受取配当金、受取利子、固定資産の賃貸料等営業外収益の額  

(軽減対象所得金額に係る損金の額)
68の63-3 軽減対象連結所得金額を計算する場合の損金の額は、特定事業に係る収入金額に対応する売上原価の額並びに販売費、一般管理費その他の費用及び損失の額のうち特定事業に係る金額によるのであるから、次に掲げる金額はこれに含まれることに留意する。

  (1)
 特定事業に属する棚卸資産の評価換えによる損失の額

(2)  特定事業に専属して使用される減価償却資産又は繰延資産の償却費の額
(3)  特定事業と特定事業以外の業とに共用される減価償却資産又は繰延資産の償却費の額で特定事業に係るもの
(4)  特定事業に専属して使用される減価償却資産の除却、滅失、評価換え又は譲渡による損失の額(保険金、補償金その他これらに類するものにより補てんされる部分の金額を除く。以下(5)において同じ。)
(5)  特定事業と特定事業以外の業とに共用される減価償却資産の除却、滅失、評価換え又は譲渡による損失の額で特定事業に係るもの  

(災害損失の区分の特例)
68の63-4 特定事業に専属して使用される減価償却資産の滅失損その他の特定事業に係る損失の額で災害その他やむを得ない事由により生じた臨時巨額なものについては、特定事業と特定事業以外の事業の収入金額、所得金額その他合理的と認められる割合により区分した金額を特定事業に係る損金の額として計算することができるものとする。  

(支払利子の区分の特例)
68の63-5 支払利子の額で特定事業に係るものの金額は、措置法令第39条の90第7項の規定により合理的と認められる基準により配分するのであるが、各連結事業年度における支払利子の額のうちに次に掲げる金額があるときは、当該金額は支払利子の額に含めないことができるものとする。

  (1)
 受取配当金の益金不算入額の計算上株式等に係る部分の金額として益金不算入額から控除した金額に相当する金額

(2)  子会社等のために借り入れて子会社等へひも付融資をしている負債の支払利子の額で子会社等からの受取利子の額に相当する金額  

(共通費用の額の配分基準の継続)
68の63-6 措置法令第39条の90第7項に規定する共通費用の額について適用した同項に規定する合理的と認められる基準は、その後の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においても継続して適用しなければならないものとする。

  (注)
 この配分基準の継続が行われているかどうかの判定は、連結法人ごとに行うものとする。
 

(常時使用する従業員の範囲)
68の63-7 措置法令第39条の90第8項に規定する「常時使用する従業員」は、常用であると日々雇い入れるものであるとを問わず、事務所又は事業所に常時就労している職員、事務員等(役員を除く。)によって判定することに留意する。  

(申告に係る損金の額に算入されるべき金額の意義)
68の63-8 措置法第68条の63第2項に規定する「申告に係るその損金の額に算入されるべき金額」とは、連結確定申告書等に記載された損金算入額そのものをいうのではなく、当該連結確定申告書等に記載された事項を基礎として計算する場合に損金の額に算入することができる正当額をいうものとする。したがって、連結所得金額等の更正の結果、損金の額に算入することができる金額が当該正当額を超えても、損金の額に算入すべき金額には影響を及ぼさないことに留意する。



第7章  連結法人である農業生産法人の課税の特例


第68条の64 《農用地利用集積準備金》関係

(農畜産物の範囲)
68の64-1 措置法令第39条の91第1項第1号に規定する農畜産物(以下「農畜産物」という。)につき、次のことについてはそれぞれ次によることに留意する。

  (1)
 連結法人が、自ら農用地(措置法第68条の64第1項に規定する農用地をいう。以下同じ。)において成育又は成熟させた米、麦その他の穀物、馬鈴しょ、甘しょ、たばこ、野菜、花、種苗その他のほ場作物(飼料作物を含む。)又は果樹若しくは樹園の生産物及び農用地において成育又は成熟した飼料作物は、農畜産物に該当するが、当該連結法人が、農用地を直接利用しない水耕栽培等の方法により成育又は成熟させたものは農畜産物に該当しない。

(2)  連結法人が自ら農用地において成育又は成熟させた生物をその飼料の全部又は一部として、又は農用地に放牧させて成育又は成熟させた繭、蚕種、家畜(牛、馬(競走用馬を除く。)、めん羊及び山羊に限る。)若しくはその肉又は生乳は農畜産物に該当する。  

(農畜産物の販売に係る収入金額の意義)
68の64-2 措置法令第39条の91第1項第1号に規定する農畜産物の販売に係る収入金額には、出荷のために最小限必要とされる簡易な加工を加えた農畜産物の販売に係る収入金額を含むものとする。  

(農畜産物につき製造等をした物品の意義)
68の64-3 措置法令第39条の91第1項第2号に規定する「農畜産物の全部又は一部を原材料として製造又は加工した物品」は、農業として行われる農畜産物の製造又は加工に係る物品をいうのであるから、例えば、日本標準商品分類(総務省)の「中分類72農産加工食品」及び「中分類73畜産加工食品」のうち主として農畜産物を原材料として製造又は加工した物品の販売に係る収入金額が同号に規定する収入金額に含まれる。

  (注)
 当該連結法人が自ら経営する料理飲食店において供する農畜産物に係る収入は同号に規定する収入金額に含まれないことに留意する。
 

(適格合併により引継ぎを受けた農用地利用集積準備金の取崩し)
68の64-4 適格合併により引継ぎを受けた農用地利用集積準備金(連結事業年度に該当しない事業年度において積み立てた農用地利用集積準備金を含む。以下同じ。)の措置法第68条の64第2項の規定による取崩しについては、68の43-8の取扱いに準じて取り扱うものとする。  

(解散の日を含む連結事業年度の意義)
68の64-5 措置法第68条の64第4項の規定により同条第1項の規定の適用がない連結法人は、同項の規定を適用しようとする連結事業年度において合併以外の事由により解散した連結親法人及び合併以外の事由により連結事業年度終了の日に解散した連結子法人に限られることに留意する。したがって、連結子法人の解散(合併による解散を除く。)の日を含む連結事業年度においては、当該連結子法人以外の連結法人は、同項の規定の適用を受けることができる。  

(金属鉱業等鉱害防止準備金の取扱いの準用)
68の64-6 農用地利用集積準備金の積立額に係る積立限度超過額については、68の44-2の取扱いに準じて取り扱うものとする。

第68条の65 《農用地等を取得した場合の課税の特例》関係


(贈与による取得があったものとされる場合の適用除外)
68の65-1 農用地(措置法第68条の64第1項に規定する農用地をいう。以下同じ。)の贈与による取得は、措置法第68条の65第1項の規定により同条の取得に該当しないのであるが、次に掲げる場合は、次によることに留意する。

  (1)
 農用地につき著しく低い価額で譲渡を受けた場合において、その譲受価額と譲受の時における当該農用地の価額との差額に相当する金額について贈与を受けたものと認められるときは、同条の規定の適用に当たっては、当該譲受価額による取得があったものとする。

(2)  農用地につき著しく高い価額で譲渡を受けた場合において、その譲受価額と譲受の時における当該農用地の価額との差額に相当する金額の贈与をしたものと認められるときは、同条の規定の運用に当たっては、当該農用地の価額による取得があったものとする。  

(農業用の機械及び装置)
68の65-2 農業用の減価償却資産が機械及び装置に該当するかどうかは個々の減価償却資産の属性に基づき判定するのであるが、措置法第68条の65の規定の適用上、耐用年数省令別表第七(以下68の65-2において「別表第七」という。)に掲げる減価償却資産のうち次の表に掲げるものは機械及び装置に該当するものとする
別表第七の種類 左のうち機械及び装置に該当するもの
電動機
内燃機関、ボイラー及びポンプ
トラクター
全  部
耕うん整地用機具
耕土造成改良用機具
栽培管理用機具
防除用機具
穀類収穫調整用機具
飼料作物収穫調整用機具
果樹、野菜又は花き収穫調整用機具
その他の農作物収穫調整用機具 
動力により作動するもの及びトラクターに装着し又はけん引させて作業をするもの
農作物処理加工用機具(精米又は精麦機を除く。)
家畜飼養管理用機具
養蚕用機具
動力により作動するもの
その他の機具 精米機及び精麦機
 

(特定農業用機械等の取得等の時期)
68の65-3 措置法第68条の65第1項に規定する農業用の機械その他の減価償却資産に係る圧縮記帳の規定は、措置法令第39条の92第2項に規定する有効期間内で利用権設定等農用地の合計面積の集積目標面積に対する割合が 100分の20以上となっている期間内に、取得又は製作若しくは建設をして、当該連結親法人又はその連結子法人の農業の用に供した同項に規定する機械その他の減価償却資産に係る措置法令第37条の3第2項各号に掲げる減価償却資産について適用されるのであるから、当該連結事業年度末において当該割合が 100分の20以上となっていることを要しないことに留意する。

  (注)
 農用地については、当該連結事業年度において取得したものについて措置法第68条の65第1項の規定が適用される。
 

(事業の判定)
68の65-4 連結法人の営む事業が措置法第68条の65第1項に規定する農業に該当するかどうかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。  

(貸付けの用に供されているものに該当しない機械及び装置の貸与)
68の65-5 連結法人がその有する機械その他の減価償却資産を他に貸し付けている場合には、当該機械その他の減価償却資産について措置法第68条の65第1項の規定の適用はないのであるが、例えば農業用の機械及び装置を他の者に貸与した場合において、当該農業用の機械及び装置が専ら当該連結法人のためにする農畜産物の生産の用に供されているなど連結法人自らが使用しているものと同様の事情にあると認められる場合には、その貸し付けている農業用の機械及び装置は、当該連結法人の農業の用に供したものとして取り扱う。  

(利用権設定等農用地における機械及び装置等の意義)
68の65-6 連結法人が取得等をして農業の用に供する減価償却資産のうち措置法令第39条の92第2項に規定する機械その他の減価償却資産に係る措置法令第37条の3第2項第1号に規定する機械及び装置又は同項第2号に規定する構築物並びに車両及び運搬具について措置法第68条の65第1項が適用されるのであるから、同項に規定する特定農用地利用規程の定めるところに従い同項に規定する利用権の設定等又は農作業の委託を受けた農用地以外の農用地において専ら農業の用に供するものは含まれないことに留意する。  

(減価償却資産を収容するための建物及びその附属設備の意義)
68の65-7 措置法令第39条の92第2項に規定する機械その他の減価償却資産に係る措置法令第37条の3第2項第3号に規定する「減価償却資産を収容するための建物及びその附属設備」とは、同項第1号又は第2号に掲げる減価償却資産を収容するための建物(以下「格納用建物」という。)及びその附属設備をいうのであるから、当該減価償却資産につき措置法第68条の65第1項の圧縮記帳の規定の適用を受けているかどうかを問わないことに留意する。  

(格納用とその他の用に共用されている建物の判定)
68の65-8 一の格納用建物及びその附属設備が措置法令第39条の92第2項に規定する機械その他の減価償却資産に係る措置法令第37条の3第3項第1号又は第2号に掲げる減価償却資産を収容するための用(以下68の65-8において「格納用」という。)とその他の用に共用されている場合には、床面積の比等の合理的な基準によってその用途の異なるごとに区分し、格納用に供されている部分について、措置法第68条の65第1項の規定を適用するものとする。

  (注)
 その他の用に供されている部分が極めて小部分であるときは、その全部が格納用に供されているものとすることができる。
 

(農用地等の圧縮限度額の計算)
68の65-9 措置法第68条の65第1項に規定する農用地等が2以上ある場合において、同項に規定する圧縮限度額がいずれの農用地又は特定農業用機械等からまず充てられたものとするかは、連結法人の計算によるものとする。

  (注)
 農用地等の取得価額が圧縮限度額を超える場合には、その超える部分に相当する金額につき当該連結事業年度後の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)に繰越しをすることができないことに留意する。

第8章  連結法人の交際費等の課税の特例


第68条の66 《交際費等の損金不算入》関係

第1款  交際費等の範囲

 

(交際費等の意義)
68の66(1)-1 措置法第68条の66第3項に規定する「交際費等」とは、交際費、接待費、機密費、その他の費用で連結法人がその得意先、仕入先その他事業に関係ある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいうのであるが、主として次に掲げるような性質を有するものは交際費等には含まれないものとする。
(1) 寄附金
(2)  値引き及び割戻し
(3)  広告宣伝費
(4)  福利厚生費
(5)  給与等  

(寄附金と交際費等との区分)
68の66(1)-2 事業に直接関係のない者に対して金銭、物品等の贈与をした場合において、それが寄附金であるか交際費等であるかは個々の実態により判定すべきであるが、金銭でした贈与は原則として寄附金とするものとし、次のようなものは交際費等に含まれないものとする。
(1)社会事業団体、政治団体に対する拠金
(2)  神社の祭礼等の寄贈金  

(売上割戻し等と交際費等との区分)
68の66(1)-3 連結法人がその得意先である事業者に対し、売上高若しくは売掛金の回収高に比例して、又は売上高の一定額ごとに金銭で支出する売上割戻しの費用及びこれらの基準のほかに得意先の営業地域の特殊事情、協力度合い等を勘案して金銭で支出する費用は、交際費等に該当しないものとする。

  (注)
 「得意先である事業者に対し金銭を支出する」とは、得意先である企業自体に対して金銭を支出することをいうのであるから、その金額は当該事業者の収益に計上されるものである。
 

(売上割戻し等と同一の基準により物品を交付し又は旅行、観劇等に招待する費用)
68の66(1)-4 連結法人がその得意先に対して物品を交付する場合又は得意先を旅行、観劇等に招待する場合には、たとえその物品の交付又は旅行、観劇等への招待が売上割戻し等と同様の基準で行われるものであっても、その物品の交付のために要する費用又は旅行、観劇等に招待するために要する費用は交際費等に該当するものとする。ただし、物品を交付する場合であっても、その物品が得意先である事業者において棚卸資産若しくは固定資産として販売し若しくは使用することが明らかな物品(以下「事業用資産」という。)又はその購入単価が少額(おおむね3,000 円以下)である物品(以下68の66(1)-5において「少額物品」という。)であり、かつ、その交付の基準が68の66(1)-3の売上割戻し等の算定基準と同一であるときは、これらの物品を交付するために要する費用は、交際費等に該当しないものとすることができる。  

(景品引換券付販売等により得意先に対して交付する景品の費用)
68の66(1)-5 製造業者又は卸売業者が得意先に対しいわゆる景品引換券付販売又は景品付販売により交付する景品については、その景品(引換券により引き換えられるものについては、その引き換えられる物品をいう。)が少額物品であり、かつ、その種類及び金額が当該製造業者又は卸売業者で確認できるものである場合には、その景品の交付のために要する費用は交際費等に該当しないものとすることができる。

  (注)
 景品引換券付販売に係る景品の交付に要する費用を連結基本通達8-8-3により未払金に計上している場合においても、当該費用が交際費等に該当するかどうかは、実際に景品を交付した連結事業年度においてこの通達を適用して判定することとし、交際費等に該当するものは当該連結事業年度の交際費等の額に含めて損金不算入額を計算する。
 

(売上割戻し等の支払に代えてする旅行、観劇等の費用)
68の66(1)-6 連結法人が、その得意先に対して支出する68の66(1)-3に該当する売上割戻し等の費用であっても、一定額に達するまでは現実に支払をしないで預り金等として積み立て、一定額に達した場合に、その積立額によりその得意先を旅行、観劇等に招待することとしているときは、その預り金等として積み立てた金額は、その積み立てた日を含む連結事業年度の連結所得の金額(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度の所得の金額)の計算上損金の額に算入しないで、旅行、観劇等に招待した日を含む連結事業年度において交際費等として支出したものとする。

  (注)
 この場合に、たまたまその旅行、観劇等に参加しなかった得意先に対し、その預り金等として積み立てた金額の全部又は一部に相当する金額を支払ったとしても、その支払った金額は交際費等に該当する。
 

(事業者に金銭等で支出する販売奨励金等の費用)
68の66(1)-7 連結法人が販売促進の目的で特定の地域の得意先である事業者に対して販売奨励金等として金銭又は事業用資産を交付する場合のその費用は、交際費等に該当しない。ただし、その販売奨励金等として交付する金銭の全部又は一部が68の66(1)-18の(5)に掲げる交際費等の負担額として交付されるものである場合には、その負担額に相当する部分の金額についてはこの限りでない。

  (注)
 連結法人が特約店等の従業員(役員及び使用人をいう。以下68の66(1)-21までにおいて同じ。)を被保険者とするいわゆる掛捨ての生命保険又は損害保険(役員、部課長その他特定の従業員のみを被保険者とするものを除く。)の保険料を負担した場合のその負担した金額は、販売奨励金等に該当する。
 

(情報提供料等と交際費等との区分)
68の66(1)-8 連結法人が取引に関する情報の提供又は取引の媒介、代理、あっせん等の役務の提供(以下68の66(1)-8において「情報提供等」という。)を行うことを業としていない者(当該取引に係る相手方の従業員を除く。)に対して情報提供等の対価として金品を交付した場合であっても、その金品の交付につき例えば次の要件のすべてを満たしている等その金品の交付が正当な対価の支払であると認められるときは、その交付に要した費用は交際費等に該当しない。

  (1)
 その金品の交付があらかじめ締結された契約に基づくものであること。

(2)  提供を受ける役務の内容が当該契約において具体的に明らかにされており、かつ、これに基づいて実際に役務の提供を受けていること。
(3)  その交付した金品の価額がその提供を受けた役務の内容に照らし相当と認められること。

  (注)
 この取扱いは、その情報提供等を行う者が非居住者又は外国法人である場合にも適用があるが、その場合には、その受ける金品に係る所得が所得税法第161条各号又は法第138条各号に掲げる国内源泉所得のいずれかに該当するときは、これにつき相手方において所得税又は法人税の納税義務が生ずることがあることに留意する。
 

(広告宣伝費と交際費等との区分)
68の66(1)-9 不特定多数の者に対する宣伝的効果を意図するものは広告宣伝費の性質を有するものとし、次のようなものは交際費等に含まれないものとする。

  (1)
 製造業者又は卸売業者が、抽選により、一般消費者に対し金品を交付するために要する費用又は一般消費者を旅行、観劇等に招待するために要する費用

(2)  製造業者又は卸売業者が、金品引換券付販売に伴い、一般消費者に対し金品を交付するために要する費用
(3)  製造業者又は販売業者が、一定の商品等を購入する一般消費者を旅行、観劇等に招待することをあらかじめ広告宣伝し、その購入した者を旅行、観劇等に招待する場合のその招待のために要する費用
(4)  小売業者が商品の購入をした一般消費者に対し景品を交付するために要する費用
(5)  一般の工場見学者等に製品の試飲、試食をさせる費用(これらの者に対する通常の茶菓等の接待に要する費用を含む。)
(6)  得意先等に対する見本品、試用品の供与に通常要する費用
(7)  製造業者又は卸売業者が、自己の製品又はその取扱商品に関し、これらの者の依頼に基づき、継続的に試用を行った一般消費者又は消費動向調査に協力した一般消費者に対しその謝礼として金品を交付するために通常要する費用

  (注)
 例えば、医薬品の製造業者(販売業者を含む。以下68の66(1)-9において同じ。)における医師又は病院、化粧品の製造業者における美容業者又は理容業者、建築材料の製造業者における大工、左官等の建築業者、飼料、肥料等の農業用資材の製造業者における農家、機械又は工具の製造業者における鉄工業者等は、いずれもこれらの製造業者にとって一般消費者には当たらない。
 

(福利厚生費と交際費等との区分)
68の66(1)-10 社内の行事に際して支出される金額等で次のようなものは交際費等に含まれないものとする。

  (1)
 創立記念日、国民祝日、新社屋落成式等に際し従業員におおむね一律に社内において供与される通常の飲食に要する費用

(2)  従業員(従業員であった者を含む。)又はその親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って支給される金品に要する費用  

(災害の場合の取引先に対する売掛債権の免除等)
68の66(1)-11 連結法人が、災害を受けた得意先等の取引先(以下68の66(1)-12までにおいて「取引先」という。)に対してその復旧を支援することを目的として災害発生後相当の期間(災害を受けた取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいう。以下68の66(1)-12において同じ。)内に売掛金、未収請負金、貸付金その他これらに準ずる債権の全部又は一部を免除した場合には、その免除したことによる損失は、交際費等に該当しないものとする。
 既に契約で定められたリース料、貸付利息、割賦販売に係る賦払金等で災害発生後に授受するものの全部又は一部の免除を行うなど契約で定められた従前の取引条件を変更する場合及び災害発生後に新たに行う取引につき従前の取引条件を変更する場合も、同様とする。

  (注)
 「得意先等の取引先」には、得意先、仕入先、下請工場、特約店、代理店等のほか、商社等を通じた取引であっても価格交渉等を直接行っている場合の商品納入先など、実質的な取引関係にあると認められる者が含まれる。
 

(取引先に対する災害見舞金等)
68の66(1)-12 連結法人が、被災前の取引関係の維持、回復を目的として災害発生後相当の期間内にその取引先に対して行った災害見舞金の支出又は事業用資産の供与若しくは役務の提供のために要した費用は、交際費等に該当しないものとする。

  (注)1
 自社の製品等を取り扱う小売業者等に対して災害により滅失又は損壊した商品と同種の商品を交換又は無償で補てんした場合も、同様とする。

2  事業用資産には、当該連結法人が製造した製品及び他の者から購入した物品で、当該取引先の事業の用に供されるもののほか、当該取引先の福利厚生の一環として被災した従業員に供与されるものを含むものとする。
3  取引先は、その受領した災害見舞金及び事業用資産の価額に相当する金額を益金の額に算入することに留意する。ただし、受領後直ちに福利厚生の一環として被災した従業員に供与する物品並びに令第 133条に規定する使用可能期間が1年未満であるもの及び取得価額が10万円未満のものについては、この限りでない。  

(自社製品等の被災者に対する提供)
68の66(1)-13 連結法人が不特定又は多数の被災者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、交際費等に該当しないものとする。  

(協同組合等が支出する災害見舞金等)
68の66(1)-14 連結親法人である協同組合等がその福利厚生事業の一環として一定の基準に従って組合員その他直接又は間接の構成員を対象にして支出する災害見舞金等は、協同組合等の性格にかえりみ、交際費等に該当しないものとする。  

(給与等と交際費等との区分)
68の66(1)-15 従業員に対して支給される次のようなものは、給与の性質を有するものとして交際費等に含まれないものとする。

  (1)
 常時給与される昼食等の費用

(2)  自社の製品、商品等を原価以下で従業員に販売した場合の原価に達するまでの費用
(3)  機密費、接待費、交際費、旅費等の名義で支給したもののうち、その連結法人の業務のために使用したことが明らかでないもの  

(特約店等のセールスマンのために支出する費用)
68の66(1)-16 製造業者又は卸売業者が自己又はその特約店等に専属するセールスマン(その報酬につき所得税法第 204条の規定の適用を受ける者に限る。)のために支出する次の費用は、交際費等に該当しない。
(1) セールスマンに対し、その取扱数量又は取扱金額に応じてあらかじめ定められているところにより交付する金品の費用
(2)  セールスマンの慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用
(3)  セールスマン又はその親族等の慶弔、禍福に際し一定の基準に従って交付する金品の費用
(注)
 (1)に定める金品の交付に当たっては、同条第1項の規定により所得税の源泉徴収をしなければならないことに留意する。
 

(特約店等の従業員を対象として支出する報奨金品)
68の66(1)-17 製造業者又は卸売業者が専ら自己の製品等を取り扱う特約店等の従業員に対し、その者の外交販売に係る当該製品等の取扱数量又は取扱金額に応じてあらかじめ明らかにされているところにより交付する金品の費用については、68の66(1)-16の(1)に掲げる費用の取扱いの例による。  

(交際費等に含まれる費用の例示)
68の66(1)-18 次のような費用は、原則として交際費等の金額に含まれるものとする。

  (1)
 会社の何周年記念又は社屋新築記念における宴会費、交通費及び記念品代並びに新船建造又は土木建築等における進水式、起工式、落成式等におけるこれらの費用(これらの費用が主として68の66(1)-10に該当するものである場合の費用を除く。)

  (注)
 進水式、起工式、落成式等の式典の祭事のために通常要する費用は、交際費等に該当しない。 (2)  下請工場、特約店、代理店等となるため、又はするための運動費等の費用
  (注)
 これらの取引関係を結ぶために相手方である事業者に対して金銭又は事業用資産を交付する場合のその費用は、交際費等に該当しない。 (3)  得意先、仕入先等社外の者の慶弔、禍福に際し支出する金品等の費用(68の66(1)-11から68の66(1)-14まで、68の66(1)-16の(3)及び68の66(1)-21の(1)に該当する費用を除く。)
(4)  得意先、仕入先その他事業に関係のある者(製造業者又はその卸売業者と直接関係のないその製造業者の製品又はその卸売業者の扱う商品を取り扱う販売業者を含む。)等を旅行、観劇等に招待する費用(卸売業者が製造業者又は他の卸売業者から受け入れる(5)の負担額に相当する金額を除く。)
(5)  製造業者又は卸売業者がその製品又は商品の卸売業者に対し、当該卸売業者が小売業者等を旅行、観劇等に招待する費用の全部又は一部を負担した場合のその負担額
(6)  いわゆる総会対策等のために支出する費用で総会屋等に対して会費、賛助金、寄附金、広告料、購読料等の名目で支出する金品に係るもの
(7)  建設業者等が高層ビル、マンション等の建設に当たり、周辺の住民の同意を得るために、当該住民又はその関係者を旅行、観劇等に招待し、又はこれらの者に酒食を提供した場合におけるこれらの行為のために要した費用
  (注)
 周辺の住民が受ける日照妨害、風害、電波障害等による損害を補償するために当該住民に交付する金品は、交際費等に該当しない。 (8)  スーパーマーケット業、百貨店業等を営む連結法人が既存の商店街等に進出するに当たり、周辺の商店等の同意を得るために支出する運動費等(営業補償等の名目で支出するものを含む。)の費用
  (注)
 その進出に関連して支出するものであっても、主として地方公共団体等に対する寄附金の性質を有するもの及び令第14条第1項第9号イに掲げる費用の性質を有するものは、交際費等に該当しない。 (9)  得意先、仕入先等の従業員に対して取引の謝礼等として支出する金品の費用(68の66(1)-17に該当する費用を除く。)

  (10)  建設業者等が工事の入札等に際して支出するいわゆる談合金その他これに類する費用
(11)  (1)から(10)までに掲げるもののほか、得意先、仕入先等社外の者に対する接待、供応に要した費用で68の66(1)-1の(1)から(5)までに該当しないすべての費用  

(旅行等に招待し、併せて会議を行った場合の会議費用)
68の66(1)-19 製造業者又は卸売業者が特約店その他の販売業者を旅行、観劇等に招待し、併せて新製品の説明、販売技術の研究等の会議を開催した場合において、その会議が会議としての実体を備えていると認められるときは、会議に通常要すると認められる費用の金額は、交際費等の金額に含めないことに取り扱う。  

(現地案内等に要する費用)
68の66(1)-20 次に掲げる費用は、販売のために直接要する費用として交際費等に該当しないものとする。

  (1)
 不動産販売業を営む連結法人が、土地の販売に当たり一般の顧客を現地に案内する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用

(2)  旅行あっせん業を営む連結法人が、団体旅行のあっせんをするに当たって、旅行先の決定等の必要上その団体の責任者等特定の者を事前にその旅行予定地に案内する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用(旅行先の旅館業者等がこれらの費用を負担した場合におけるその負担した金額を含む。)
(3)  新製品、季節商品等の展示会等に得意先等を招待する場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用
(4)  自社製品又は取扱商品に関する商品知識の普及等のため得意先等に当該製品又は商品の製造工場等を見学させる場合の交通費又は食事若しくは宿泊のために通常要する費用  

(下請企業の従業員のために支出する費用)
68の66(1)-21 次に掲げる費用は、業務委託のために要する費用等として交際費等に該当しないものとする。

  (1)
 連結法人の工場内、工事現場等において、下請企業の従業員がその業務の遂行に関連して災害を受けたことに伴い、その災害を受けた下請企業の従業員に対し自己の従業員に準じて見舞金品を支出するために要する費用

(2)  連結法人の工場内、工事現場等において、無事故等の記録が達成されたことに伴い、その工場内、工事現場等において経常的に業務に従事している下請企業の従業員に対し、自己の従業員とおおむね同一の基準により表彰金品を支給するために要する費用
(3)  連結法人が自己の業務の特定部分を継続的に請け負っている企業の従業員で専属的に当該業務に従事している者(例えば、検針員、集金員等)の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用を負担する場合のその負担額
(4)  連結法人が自己の従業員と同等の事情にある専属下請先の従業員又はその親族等の慶弔、禍福に際し、一定の基準に従って支給する金品の費用  

(商慣行として交付する模型のための費用)
68の66(1)-22 建物、プラント、船舶等の建設請負等をした建設業者又は製造業者が、その発注者に対して商慣行として当該建設請負等の目的物の模型を交付するために通常要する費用は、交際費等に含まれないものとする。  

(カレンダー、手帳等に類する物品の範囲)
68の66(1)-23 措置法令第39条の94に規定する「交際費等から除かれる費用」に該当する措置法令第37条の5第1号の「これらに類する物品」とは、多数の者に配付することを目的とし主として広告宣伝的効果を意図する物品でその価額が少額であるものとする。  

(会議に関連して通常要する費用の例示)
68の66(1)-24 会議に際して社内又は通常会議を行う場所において通常供与される昼食の程度を超えない飲食物等の接待に要する費用は、原則として措置法令第39条の94に規定する「交際費等から除かれる費用」に該当する措置法令第37条の5第2号の「会議に関連して、茶菓、弁当その他これらに類する飲食物を供与するために通常要する費用」に該当するものとする。

  (注)
 会議には、来客との商談、打合せ等が含まれる。
 

(交際費等の支出の相手方の範囲)
68の66(1)-25 措置法第68条の66第3項に規定する「得意先、仕入先その他事業に関係のある者等」には、直接当該連結法人の営む事業に取引関係のある者だけでなく間接に当該連結法人の利害に関係ある者及び当該連結法人の役員、従業員、株主等も含むことに留意する。  

(交際費等の支出の方法)
68の66(1)-26 連結法人が支出する措置法第68条の66第3項に規定する交際費等は、当該連結法人が直接支出した交際費等であると間接支出した交際費等であるとを問わないから、次の点に留意する。

  (1)
 当該連結法人を含む2以上の法人が共同して接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為をして、その費用を分担した場合においても交際費等の支出があったものとする。

(2)  同業者の団体等が接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為をしてその費用を連結法人が負担した場合においても、交際費等の支出があったものとする。
(3)  連結法人が団体等に対する会費その他の経費を負担した場合においても、当該団体が専ら団体相互間の懇親のための会合を催す等のために組織されたと認められるものであるときは、その会費等の負担は交際費等の支出があったものとする。  

(交際費等の支出の意義)
68の66(1)-27 措置法第68条の66第1項に規定する各連結事業年度において支出した交際費等とは、交際費等の支出の事実があったものをいうのであるから、次の点に留意する。

  (1)
 取得価額に含まれている交際費等で当該連結事業年度の損金の額に算入されていないものであっても、支出の事実があった連結事業年度の交際費等に算入するものとする。

(2)  交際費等の支出の事実のあったときとは、接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のあったときをいうのであるから、これらに要した費用につき仮払又は未払等の経理をしているといないとを問わないものとする。

第2款  損金不算入額の計算

(交際費等の損金不算入額を計算する場合の連結親法人の資本又は出資の金額等)
68の66(2)-1 措置法第68条の66第1項に規定する「連結親法人の資本又は出資の金額」は、税務計算上の金額によるのであるから、例えば連結親法人の資本又は出資の金額に税務計算上の払込否認金額がある場合には、当該払込否認金額を控除した金額によることに留意する。  

(交際費等の損金不算入額を計算する場合の連結親法人の総資産の帳簿価額等)
68の66(2)-2 措置法令第39条の93に規定する「総資産の帳簿価額」、「総負債の帳簿価額」、「利益の額」又は「欠損金の額」は、連結親法人のその連結親法人事業年度(同項に規定する連結親法人事業年度をいう。以下68の66(2)-4において同じ。)終了の日における貸借対照表に計上されているこれらの金額によるのであるから、税務計算上の否認金があっても、当該否認金の額は、これらの額に関係させないことに留意する。  

(連結親法人の総負債の範囲)
68の66(2)-3 措置法令第39条の93に規定する総負債とは、外部負債たると内部負債たるとを問わないのであるから、貸倒引当金等だけではなく、税務計算上損金の額に算入されないものであっても、連結親法人が損金経理により計上した税金未払金、各種引当金等も含むことに留意する。  

(連結親法人の税金引当金の区分)
68の66(2)-4 措置法令第39条の93に規定する総負債の額を計算する場合において、連結親法人の各連結親法人事業年度終了の日における貸借対照表に計上されている税金引当金の額のうち利益処分により積み立てられたものと損金経理により積み立てられたものとの区分が明らかでないときは、当該税金引当金の額は、同日に最も近い時において積み立てられたものから順次成るものとして計算し、その計算により損金経理により積み立てられた部分とされる金額を総負債の額に含めるものとする。  

(連結親法人である保険会社の総負債)
68の66(2)-5 連結親法人である保険会社に係る措置法令第39条の93に規定する総負債の額には、支払備金、責任準備金及び社員配当準備金の額は含まれるが、価格変動準備金は含まれないものとする。  

(原価に算入された交際費等の調整)
68の66(2)-6 各連結法人が支出した交際費等の金額のうちに棚卸資産若しくは固定資産の取得価額又は繰延資産の金額(以下68の66(2)-6において「棚卸資産の取得価額等」という。)に含めたため直接当該連結事業年度の損金の額に算入されていない部分の金額(以下68の66(2)-6において「原価算入額」という。)がある場合において、当該交際費等の金額のうちに措置法第68条の66第1項の規定により損金の額に算入されないこととなった金額(以下68の66(2)-6において「損金不算入額」という。)があるときは、当該連結事業年度の連結確定申告書において、当該原価算入額のうち各連結法人ごとに次の算式により計算される金額の合計額を限度として、当該連結事業年度終了の時における当該棚卸資産の取得価額等を減額することができるものとする。

(注)
 この取扱いの適用を受けた連結法人は、その減額した金額につき翌連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、翌事業年度)において決算上調整するものとする。


第9章  連結法人の土地の譲渡等がある場合の特別税率


第68条の68 《土地の譲渡等がある場合の特別税率》関係

第1款  課税対象の範囲等

(譲渡損失がある場合の譲渡利益金額の合計額)
68の68(1)-1 連結法人が措置法第68条の68第1項に規定する「土地の譲渡等に係る譲渡利益金額の合計額」を計算する場合において、当該連結法人が当該連結事業年度に譲渡(適格現物出資又は適格事後設立による移転を除くものとし、 同条第2項第1号イに規定する「第62条の3第2項第1号イ」の(1)から(3)までに掲げる行為を含む。68の68(2)-8、68の68(2)-9、68の68(3)-2及び68の68(3)-3を除き、以下同じ。)した土地又は土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)のうちに措置法第68条の68第2項第2号に規定する譲渡利益金額がマイナスとなるものがあるときは、そのマイナスの金額は当該連結法人の譲渡利益金額の合計額の計算上通算することに留意する。

  (注)
 同条第1項に規定する「土地の譲渡等に係る譲渡利益金額の合計額」がマイナスとなる場合であっても、当該マイナスの金額は、同条第8項に規定する「土地等の譲渡に係る譲渡利益金額の合計額」又は措置法第68条の69第1項に規定する「短期所有に係る土地の譲渡等に係る譲渡利益金額の合計額」の計算上通算することができないことに留意する。
 

(措置法第29条の適用がある場合の譲渡利益金額の通算の特例)
68の68(1)-2 連結法人がその使用人に譲渡した土地等のうちに措置法第29条第3項の規定の適用を受けたものがある場合において、68の68(2)-2により当該譲渡に係る経済的利益の額をその土地等の譲渡による収益の額に加算しなかったため譲渡利益金額がマイナスとなるものがあるときは、そのマイナスの金額は、68の68(1)-1にかかわらず、当該譲渡の日を含む連結事業年度における譲渡利益金額の合計額の計算上、同項の規定の適用がない土地等の譲渡に係る譲渡利益金額と通算することはできないものとする。  

(土地等の取得の時期の判定)
68の68(1)-3 措置法第68条の68の規定を適用する場合において、連結法人の有する土地等を取得した日とは、当該土地等の引渡しを受けた日をいうものとする。ただし、引渡しの日に関し特約がある場合を除き、当該土地等の売買代金の支払額(手付金を含む。)の合計額がその売買代金の30%以上になった日(その日が売買契約締結の日前である場合には、その締結の日)以後引渡しまでの間の一定の日をもって連結法人がその取得の日としているときは、これを認める。

  (注)1
 土地等の売買代金の支払のため手形の振出し(裏書譲渡を含む。以下同じ。)をした場合には、当該手形が次のすべての要件を備えているものであるときに限り、その振出しの日において土地等の売買代金の支払があったものとして取り扱う。

  (1)
 当該手形の期日において券面額の支払を現に行っていること。

(2)  当該手形の振出しの日(裏書譲渡の場合には、その裏書の日)から手形の期日までの期間が 120日を超えないこと。

2  土地の上に存する権利の引渡しを受けた日とは、その土地につき当該権利に基づき使用収益等を行うことができることとなった日をいう。  

(土地等の引渡しの日に関し特約がある場合)
68の68(1)-4 68の68(1)-3において「引渡しの日に関し特約がある場合」とは、例えば、地方公共団体と公有水面の埋立地を分譲する契約を締結した場合に埋立て後その土地の引渡しを受けることとしているとき、土地付マンションの分譲契約を締結した場合にマンションしゅん(竣)工後建物と合わせてその土地等の引渡しを受けることとしているとき、建物の取壊し、撤去を条件として土地等の引渡しを受けることとしている場合等をいうものとし、単に代金完済後所有権の移転又は引渡しを行う旨の条件が付されていてもここにいう特約がある場合には該当しないものとする。  

(一団の宅地につき取得時期の異なるものが多数含まれている場合)
68の68(1)-5 連結法人が一団の宅地に属する土地等の譲渡をした場合において、当該一団の宅地に属する土地等のうちにその取得時期の異なるものが多数あるため、当該譲渡をした土地等の取得時期を明らかにすることが困難であるときは、当該譲渡をした土地等は、取得時期の異なるものがその面積の比に応じて平均的に含まれている等合理的な方法により区分するものとする。この場合において、その区分につき、連結法人の採用している方法が合理的でないと認められるとき又はその区分をしていないときは、当該譲渡に係る土地等は、取得時期の異なるものがその面積の比に応じて平均的に含まれているものとして取り扱う。

  (注)1
 連結法人がその区分につき、先入先出又は後入先出の基準により、継続して、かつ、その一団の宅地に係るすべての譲渡についてその区分をしている場合には、その先入先出又は後入先出の基準による区分は、合理的な方法による区分に該当するものとする。

2  異なる取得価額の土地から成る一団の宅地の一部を譲渡した場合の原価の額の計算については、68の68(3)-4を参照する。  

(転用未許可農地に係る権利)
68の68(1)-6 措置法第68条の68第2項第1号イに係る措置法第62条の3第2項第1号イに規定する土地の上に存する権利には、地上権、土地の賃借権及び地役権のほか、転用未許可農地の価値が反映している契約上の権利で現実に取引の対象とされているものを含むものとする。この場合において、当該転用未許可農地の権利に係る土地を取得するに至ったときは、当該土地は、当該権利の取得の日から引き続き有していたものとして取り扱う。  

(自ら公有水面の埋立てにより取得した土地)
68の68(1)-7 措置法第68条の68第2項第1号イに規定する土地等(以下「一般土地等」という。)は、他の者から取得したものに限らないのであるから、連結法人が自ら公有水面の埋立てにより取得した土地はこれに含まれることに留意する。

  (注)
 「自ら公有水面の埋立てにより取得した土地」とは、連結法人が公有水面埋立法第2条の免許を受け、自ら埋立工事又は干拓工事を行って取得した土地(埋立免許権の譲渡が形式的であり、当該埋立免許権の譲渡を受けた者の名義により埋立てをしたことについて相当の理由がある場合又は国若しくは地方公共団体が同法の規定により行う公有水面の埋立てについて、連結法人が国若しくは地方公共団体の委託を受けて埋立てを行った場合において、その費用を負担してその埋立てに係る工事を行い、又は管理し、かつ、自ら埋立てをしたことと同様の実質を有していると認められるときにおける当該埋立てに基づき取得した土地を含む。)をいう。
 

(仲介行為者が2以上である場合の仲介行為の判定)
68の68(1)-8 土地等の売買又は交換の代理又は媒介に関し報酬を受ける行為につきその行為をした者が2以上である場合において、これらの者のいずれにもその依頼者から当該行為に係る報酬が支払われているときは、その行為が措置法第68条の68第2項第1号イに係る措置法令第38条の4第1項に規定する仲介行為(以下「仲介行為」という。)に該当するかどうかは、その報酬の額の合計額により判定するものとする。

  (注)1
 土地等の売買又は交換の代理又は媒介に関し報酬を受ける行為に関し、その行為をした者が情報提供者に対し支払う金額は、依頼者からの支払ではないから、その行為をした者がその依頼者から代理受領をしたと認められる場合を除き、当該行為に係る報酬の額には該当しない。

2  仲介行為に該当する場合の原価の額の計算については、68の68(3)-5を参照する。  

(売主及び買主の双方から報酬を収受する場合の仲介行為の判定)
68の68(1)-9 連結法人が土地等の売買又は交換の媒介の行為をし、その当事者の双方から報酬を受けた場合において、当該報酬を受ける行為が仲介行為に該当するかどうかは、その報酬の支払者の異なるごとに判定する。

  (注)
 概算法による経費の額の計算については、68の68(4)-7を参照する。
 

(宅地建物取引業法に規定する報酬の額の範囲)
68の68(1)-10 連結法人が土地等の売買又は交換の代理又は媒介の行為をした場合において、当該行為につき受ける収入金額を対価の部分と当該行為に通常要する費用の額に対応する部分とに区分しているときであっても、次に掲げるものを除き、その行為に係る報酬の額は、当該収入金額によることに留意する。

  (1)
 昭和45年10月23日付建設省告示第1552号「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額を定める件」第6ただし書に規定する広告の料金相当額

(2)  依頼者の特別の依頼により行う遠隔地における現地調査に要する費用で事前に依頼者の承諾があるものにつき別途に受領した金額  

(山林原野の仲介行為)
68の68(1)-11 連結法人が山林原野等宅地以外の土地等の売買又は交換の代理又は媒介の行為をした場合において、当該行為につき宅地建物取引業法第46条第1項に規定する報酬の額を超える報酬を受けるときは、当該行為は、仲介行為に該当することに留意する。  

(仲介行為と土地等の取得時期との関係)
68の68(1)-12 仲介行為については、当該仲介行為に係る土地等の譲渡をする者の当該土地等の取得の日いかんにかかわらず、措置法第68条の68第2項第1号に規定する土地の譲渡等に該当することに留意する。  

(仲介報酬の分割払を受ける場合の重課の計算)
68の68(1)-13 土地等の売買又は交換の代理又は媒介に関し受ける報酬が、仲介行為に関し受ける報酬(以下「一般重課対象報酬」という。)に該当するかどうかは、その報酬が連結事業年度を異にして分割払されるときにおいてもその全額により判定するのであるが、この場合における措置法第68条の68の規定の適用については、次による。

  (1)
 その分割払を受ける金額のみで既に一般重課対象報酬に該当する場合のその支払を受ける連結事業年度 当該連結事業年度においてその支払を受ける金額を基として措置法第68条の68の規定を適用するが、その報酬に係る譲渡利益金額がマイナスとなる場合であっても、他の土地の譲渡等に係る譲渡利益金額との通算は行わない。

(2)  (1)の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)後に残金の支払を受ける連結事業年度 その残金の支払を受ける日を含む連結事業年度においてその報酬の全額の支払を受けるものとして計算した譲渡利益金額から当該(1)の連結事業年度において既に一般重課対象報酬に該当するため課税された譲渡利益金額(連結事業年度に該当しない事業年度において措置法第62条の3の規定により課税された譲渡利益金額を含む。)に相当する金額を控除した残額を当該連結事業年度における当該報酬に係る譲渡利益金額とする。
(3)  その分割払を受ける金額のみでは一般重課対象報酬には該当しないが残金の支払額とを合計すれば一般重課対象報酬に該当する場合のその残金の支払を受ける連結事業年度 その残金の支払を受ける日を含む連結事業年度においてその報酬の全額の支払を受けるものとして計算した譲渡利益金額を当該連結事業年度における当該報酬に係る譲渡利益金額とする。  

(土地等の譲渡-借地権が消滅した場合)
68の68(1)-14 令第 137条に規定する借地権又は地役権(以下「借地権」という。)を有する連結法人が、当該借地権の消滅に際して立退料その他その消滅の対価の支払を受けた場合(当該対価の支払を受けるべき場合においてその全部又は一部の支払を受けなかったときを含む。)には、当該借地権の譲渡があったものとする。この場合において、措置法第68条の68の規定の適用については、その土地を所有していた者は、その支払った立退料その他その消滅の対価の額に対応する部分の土地をその借地権の消滅の時に取得したものとして取り扱う。

  (注)
 借地権を消滅させた場合の譲渡対価の額については、68の68(2)-7を参照する。
 

(土地等の取得-借地権者が底地を取得した場合)
68の68(1)-15 借地権を有する連結法人が当該借地権に係る土地を取得したことによりその借地権が消滅した場合には、その消滅後の土地については、消滅した借地権に対応する部分の土地は当該借地権の取得の日に取得し、当該借地権に対応する部分以外の部分の土地(以下「底地」という。)は、その借地権が消滅した日に取得したものとして取り扱う。  

(借地権割合が2分の1未満である土地に係る借地権の譲渡)
68の68(1)-16 借地権の設定につき法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の令第 138条第1項の規定の適用がない場合であっても、借地権者が当該借地権を譲渡したときは、その譲渡の行為は、措置法第68条の68第2項第1号イに係る措置法第62条の3第2項第1号イに掲げる行為に該当することに留意する。  

(造成工事の対価として土地を交付する場合)
68の68(1)-17 土地の所有者が他の者にその土地の造成工事を請け負わせた場合において、その契約に基づき対価の支払に代えて造成後の土地の一部を交付したときは、その造成完了時に、土地の所有者にあっては当該交付に係る土地の譲渡をしたものとし、造成工事を請け負った者にあってはその取得をしたものとする。この場合において、当該交付に係る土地の譲渡価額は、当該造成工事に係る契約において造成工事の対価の額が定められているときはその金額により、その定めがないときはその造成完了時の価額による。

  (注)
 契約によりその造成工事に係る対価の額が定められていない場合において、譲渡対価の額及び取得価額とすべき価額を当該造成工事を請け負った者が支出した当該造成工事の原価の額と請負工事に係る通常の利益の額との合計額によっているときは、これを認める。
 

(土地類似株式等の判定)
68の68(1)-18 措置法令第39条の97第1項第1号イに掲げる株式等(以下「土地類似株式等」という。)に該当するかどうかは、連結法人が株式(出資を含む。以下「株式等」という。)を同号ロの規定に該当して譲渡をした時の現況により判定し、同号イに規定する特殊関係株主等の有する株式等の割合が当該株式等の発行法人の発行済株式又は出資(当該発行法人が有する自己の株式等を除く。以下「発行済株式等」という。)の総数の100分の30以上である時において土地類似株式等に該当するかどうかは問わないものとする。この場合において、同一発行法人の株式等につき同一連結事業年度において譲渡が2回以上行われているとき(当該連結事業年度において譲渡をした株式等の数の合計が、当該発行法人の発行済株式等の総数の100分の5に当該連結事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算した数以上である場合に限る。)は、そのいずれかの譲渡の日の現況において、土地類似株式等に該当するかどうかにより判定するものとする。

  (注)
 同項第2号イに掲げる特定信託の受益権に該当するかどうかの判定についても、同様とする。
 

(総資産の価額の総額の算定が困難な場合の簡便計算)
68の68(1)-19 連結法人が譲渡をした株式等に係る発行法人の土地保有割合を計算する場合において、当該譲渡の時の現況における当該発行法人の有する資産の価額の総額の算定が困難と認められるときは、当該資産の価額は、次の算式により計算した金額によるものとする。
 

(譲渡直前に借入れ等を行った場合の土地類似株式等の判定)
68の68(1)-20 土地類似株式等を判定する場合において、その判定しようとする株式等の発行法人の有する借入金等の債務のうちに、その債務の発生の理由に合理性がなく、その判定を免れるためのものと認められるものがあるときは、その債務に見合う資産はないものとして当該判定を行うものとする。

第2款  収益の額

(無償又は低い価額により譲渡をした場合の収益の額)
68の68(2)-1 連結法人が無償で土地等の譲渡をした場合には、当該土地等の譲渡の時の価額により当該土地等の譲渡があったものとする。連結法人がその土地等の譲渡の時の価額に比して低い価額で当該土地等の譲渡をした場合において、当該土地等の譲渡の時の価額と当該低い価額との差額につきその相手方に贈与したものと認められるときも、同様とする。  

(措置法第29条の適用がある場合の収益の額)
68の68(2)-2 連結法人がその使用人に譲渡の時の価額に比して低い価額で土地等を譲渡した場合において、その使用人が受ける経済的利益について措置法第29条第3項の規定の適用を受けたときは、これらの規定により非課税とされる経済的利益の額は、68の68(2)-1にかかわらず、当該土地等の譲渡による収益の額に加算しない。

  (注)1
 連結法人が勤労者財産形成促進法第9条の融資を受けて取得した土地等をその使用人兼務役員に対し譲渡の時の価額に比して低い価額で譲渡した場合には、68の68(2)-1の取扱いの適用があるのであるが、この場合における当該土地等の譲渡の時の価額については、勤労者財産形成促進法施行規則第16条の規定により計算した金額によることができる。

2  使用人及び使用人兼務役員に対し土地等を譲渡の時の価額に比して低い価額で譲渡した場合において、本文及び注書1の取扱いの適用がないときにおける当該土地等の譲渡の時の価額の判定については、所得税基本通達36-23及び36-39を準用することができる。  

(建物、土地等を同時に譲渡した場合における土地等の対価の計算)
68の68(2)-3 連結法人が建物及び土地等を同時に譲渡した場合において、当該土地等の譲渡対価の額が、次による等合理的に算定されており、かつ、当該譲渡に係る契約書において明らかにされているとき(建物の譲渡対価の額から明らかにすることができるときを含む。)は、これを認める。

  (1)
 建物の譲渡対価の額として相当と認められる価額を建物及び土地等の譲渡対価の額の合計額から控除した金額を土地等の譲渡対価の額としていること。

  (注)
 例えば、建物の建築費の額又は購入価額(当該建物の建築又は購入後に要した施設費その他の付随費用の額を含む。)に通常の利益の額を加算した金額を建物の譲渡対価の額としているときは、相当と認められる価額とする。 (2)  土地等の譲渡対価の額として相当と認められる価額を土地等の譲渡対価の額としていること。ただし、建物及び土地等の譲渡対価の額の合計額から当該土地等の譲渡対価の額を控除した金額が建物の譲渡対価の額として相当と認められる場合に限る。  

(新築した建物を土地等と同時に譲渡した場合の対価の計算)
68の68(2)-4 連結法人が、自己の有する土地等に建物(建物に付帯する門、塀、駐車場等の構築物を含む。以下68の68(2)-5までにおいて同じ。)を建設し、これらを同時に譲渡した場合において、当該土地等の譲渡対価の額が、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定めるところにより算定されており、かつ、当該土地等の譲渡対価の額とした金額が当該譲渡に係る契約書において明らかにされているとき(建物の譲渡対価の額から明らかにすることができるときを含む。)は、68の68(2)-3にかかわらず、これを認める。

  (1)
 土地等と建物の譲渡対価の合計額(以下68の68(2)-4において「譲渡対価の合計額」という。)が、土地等の取得価額(支払利子の額が含まれている場合には、当該支払利子の額を控除した金額。以下68の68(2)-4において同じ。)と建物の取得価額との合計額(以下68の68(2)-4において「譲渡原価の合計額」という。)を超える場合 建物の取得価額に142%(建物の建築期間が1年を超える場合には、その超える期間の月数(1月未満の端数があるときは1月とする。)に1%を乗じた割合を加算した割合とし、その加算した割合が154%を超えるときは154%とする。)を乗じて計算した額と譲渡対価の合計額から土地等の取得価額を控除した残額とのいずれか少ない金額に相当する金額以下の金額を建物の譲渡対価の額とし、残余を土地等の譲渡対価の額とする。

(2)  (1)以外の場合 譲渡対価の合計額に譲渡原価の合計額のうちに建物の取得価額の占める割合を乗じて計算した額に相当する金額を建物の譲渡対価の額とし、残余を土地等の譲渡対価の額とする。

  (注)1
 庭石、芝生、樹木等のうち通常土地の価格に含めて取引されるものは、建物の取得価額には含めない。

2  建築期間とは、建築着工の日から譲渡の日までの期間をいう。
3  当該土地等の譲渡対価の額が、当該土地等の譲渡につき措置法規則第22条の63第1項第4号ロ(1)から(4)までに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ同号ロ(1)から(4)までに定める予定対価の額又は譲渡予定価額を超える場合において、当該予定対価の額又は譲渡予定価額をもって土地等の譲渡対価の額としているときは、これを認める。  

(同時に取得した新築の建物と土地等を同時に譲渡した場合の対価の計算)
68の68(2)-5 連結法人が販売の目的をもって土地等と建物(建築後使用されたことのないものに限る。)とを同時に購入し、その後これらを同時に譲渡した場合における土地等の譲渡対価の額については、68の68(2)-4に準じて取り扱う。この場合において、68の68(2)-4の(1)の142%に係るかっこ書は適用しない。  

(温泉利用権等のある土地等の収益の計算)
68の68(2)-6 温泉をゆう出する土地等又は温泉を利用する権利がある土地等を譲渡した場合において、その土地等の対価の額のうちに温泉利用権の価額を含んでいることが契約書等により明らかにされているときは、その対価の額から当該温泉利用権の価額を控除した金額をもって、その土地等の収益の額とする。岩石が埋蔵されている土地等を譲渡した場合(当該岩石が当該土地を取得した者において採掘される場合に限る。)又は立木等(相当の価額を有し、かつ、独立して取引されることに合理性が認められるものに限る。)がある土地等を譲渡した場合においても、同様とする。  

(借地権を消滅させた場合の譲渡対価の額)
68の68(2)-7 借地権を有する連結法人が、当該借地権の消滅に際して立退料その他借地権の消滅の対価の支払を受けた場合における当該借地権に係る措置法令第39条の97第2項第1号に定める譲渡の対価の額は、その受けた立退料その他借地権の消滅の対価の額によるが、当該対価の支払を受けるべき場合において、当該対価の額の全部又は一部の支払を受けなかったときは、その支払を受けるべきであったと認められる立退料その他借地権の消滅の対価の額をもって同号に定める譲渡の対価の額とする。  

(借地権を消滅させた後土地等の譲渡をした場合の譲渡対価の区分)
68の68(2)-8 地主たる連結法人が、その土地に係る借地権を消滅させた後に当該土地を譲渡し、又は当該土地に新たな借地権を設定した場合には、68の68(1)-14により借地権の消滅時に取得したものとされる部分の土地(連結事業年度に該当しない事業年度において措置法通達62の3(1)-15により取得したものとされる部分の土地を含む。以下68の68(2)-8において「旧借地権部分」という。)及びその他の部分の土地(以下68の68(2)-8において「旧底地部分」という。)をそれぞれ譲渡し又はそれぞれの部分について借地権を設定したものとして取り扱うものとするが、この場合における旧借地権部分及び旧底地部分に係る措置法令第39条の97第2項第1号に掲げる譲渡の対価の額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める算式により計算した金額によるものとする。

  (1)
 当該土地を譲渡した場合

イ 旧借地権部分に係る対価の額  
   
ロ  旧底地部分に係る対価の額
   
  当該土地の譲渡対価の額-イの金額

(2)  当該土地につき新たに借地権を設定した場合
イ 旧借地権部分に係る対価の額  
   
ロ  旧底地部分に係る対価の額
   
  当該新たに設定した借地権の対価の額-イの金額
  (注)
 借地権を消滅させた後土地等の譲渡をした場合の原価の額の区分については、68の68(3)-2を参照する。
 

(底地を取得した後土地等の譲渡をした場合の譲渡対価の区分)
68の68(2)-9 借地権を有する連結法人が、当該借地権に係る底地を取得した後に当該土地を譲渡し、又は当該土地に新たな借地権を設定した場合には、68の68(1)-15により取得したものとされる底地(連結事業年度に該当しない事業年度において措置法通達62の3(1)-16により取得したものとされる部分の土地を含む。以下68の68(2)-9において「旧底地部分」という。)及び借地権に対応する部分の土地(以下68の68(2)-9において「旧借地権部分」という。)に係る措置法令第39条の97第2項第1号に掲げる譲渡の対価の額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める算式により計算した金額によるものとする。

  (1)
 当該土地を譲渡した場合

イ 旧底地部分に係る対価の額  
   
  (注)
 「旧底地部分の取得のために要した金額」には、購入手数料その他の付随費用の額を含めない(以下(2)のイにおいて同じ。)。    
ロ  旧借地権部分に係る対価の額
   
  当該土地の譲渡対価の額-イの金額

(2)  当該土地につき新たに借地権を設定した場合

イ 旧底地部分に係る対価の額  
   
ロ  旧借地権部分に係る対価の額
   
  当該新たに設定した借地権の対価の額-イの金額
  (注)
 底地を取得した後土地等の譲渡をした場合の原価の額の区分については、68の68(3)-3を参照する。    

 

(延払基準を適用した場合の利息相当額等の収入金額からの除外)
68の68(2)-10 連結法人が土地等の譲渡につき法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額又は個別損金額を計算する場合の法第63条第1項に規定する延払基準の方法(以下「延払基準の方法」という。)を適用している場合において、当該土地等の譲渡に係る対価の額のうちに賦払に係る利息相当額又は代金回収のための費用(以下68の68(2)-10において「利息相当額等」という。)が含まれているときは、当該土地等の譲渡に係る譲渡の対価の額は、次のすべての要件に該当するときに限り、その利息相当額等を控除した金額によることができる。

  (1)
 当該土地等の譲渡に関する契約において、土地等の譲渡に係る譲渡の対価の額と利息相当額等とが明確に区分して定められていること。

(2)  賦払に係る利息相当額が通常の利率により計算され、かつ、代金回収のための費用が合理的に計算されていること。
(3)  土地等の譲渡をした連結法人が、譲渡の対価の額と利息相当額等とを区分して経理していること。  

(延払基準を適用した場合の譲渡利益金額の計算)
68の68(2)-11 連結法人が、土地等の譲渡につき当該土地等の譲渡のあった日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において延払基準の方法による経理をしている場合には、当該連結事業年度以後の各連結事業年度における当該土地等の譲渡に係る措置法第68条の68第2項第2号に規定する譲渡利益金額は、次の算式により計算した金額となることに留意する。  
   
  (注)
 その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度とする。

第3款  原価の額

(圧縮記帳に係る引当金等がある土地等の帳簿価額)
68の68(3)-1 連結法人が譲渡した土地等について圧縮記帳に係る引当金又は積立金を有している場合には、当該譲渡をした土地等に係る措置法令第39条の97第4項第1号イに掲げる譲渡直前の帳簿価額は、その土地等の帳簿価額として記帳されている金額から当該引当金又は積立金の額を控除した後の金額によるものとする。

  (注)
 この取扱いにより譲渡直前の帳簿価額から控除する引当金又は積立金の額は、その繰入れ又は積立てをした連結事業年度の連結所得の金額(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度の所得の金額)の計算上損金の額に算入された金額によるものとし、その後の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においてこれらの金額を取り崩して連結基本通達4-1-2の(2)又は基本通達4-1-2の(2)の取扱いにより益金の額に算入している場合においても、その取崩しはなかったものとした金額によることに留意する。
 

(借地権を消滅させた後土地等の譲渡をした場合の原価の額の区分)
68の68(3)-2 地主たる連結法人が、その土地に係る借地権を消滅させた後に当該土地を譲渡し、又は当該土地に新たな借地権を設定した場合には、68の68(2)-8に定める旧借地権部分及び旧底地部分(措置法通達62の3(2)-8に定める旧借地権部分及び旧底地部分を含む。以下68の68(3)-2において同じ。)に係る措置法令第39条の97第4項第1号イからニまでに掲げる金額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める算式により計算した金額によるものとする。
(1) 当該土地を譲渡した場合
イ 旧借地権部分に係る原価の額  
   
ロ  旧底地部分に係る原価の額    

(2)  当該土地につき新たに借地権を設定した場合
イ 旧借地権部分に係る原価の額  
   
ロ  旧底地部分に係る原価の額  


(底地を取得した後土地等の譲渡をした場合の原価の額の区分)
68の68(3)-3 借地権を有する連結法人が、当該借地権に係る底地を取得した後に当該土地を譲渡し、又は当該土地に新たな借地権を設定した場合には、68の68(2)-9に定める旧底地部分及び旧借地権部分(措置法通達62の3(2)-9に定める旧底地部分及び旧借地権部分を含む。以下68の68(3)-3において同じ。)に係る措置法令第39条の97第4項第1号イからニまでに掲げる金額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める算式により計算した金額によるものとする。

(1)当該土地を譲渡した場合
イ 旧底地部分に係る原価の額  
   
ロ  旧借地権部分に係る原価の額    

(2)  当該土地につき新たに借地権を設定した場合
イ 旧底地部分に係る原価の額  
   
ロ  旧借地権部分に係る原価の額  


(異なる取得価額の土地から成る一団の宅地の一部を譲渡した場合の原価の額の計算)
68の68(3)-4 連結法人が、一団の宅地に属する土地等の譲渡をした場合において、当該譲渡に係る措置法令第39条の97第4項第1号イの譲渡直前の帳簿価額又は同号ハの当該賃借権の設定等直前の帳簿価額については、連結基本通達2-2-2に定めるところによる。この場合において、これらの帳簿価額の計算の基礎となる「工事原価の見積額」のうち各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)に支出した利子の額が含まれている場合には、その額を控除して計算することに留意する。

  (注)1
 譲渡した一団の宅地に属する土地等のうちに一般土地等に該当するものとこれに該当しないものとがある場合には、一般土地等の帳簿価額と当該一般土地等以外の土地等の帳簿価額との区分ごとに連結基本通達2-2-2を適用することができる。

2  一団の宅地につき取得時期の異なるものが多数含まれている場合における譲渡した土地の取得時期の判定については68の68(1)-5を、期末帳簿価額の見積りについては68の68(4)-2を参照する。  

(仲介行為者が2以上である場合の原価の額の計算)
68の68(3)-5 68の68(1)-8に該当する場合において、その行為が仲介行為に該当するときは、その仲介行為をした2以上の者における原価の額は、措置法令第39条の97第4項第1号ホに規定する仲介取引額をこれらの者がその仲介行為により受けた報酬の額の比によりあん分した金額とする。

第4款  直接又は間接に要した経費の額等

(造成費の支出がある場合の譲渡土地等の帳簿価額の累計額の計算)
68の68(4)-1 措置法令第39条の97第5項第1号イ、ロ又はハに定める金額(以下「帳簿価額の累計額」という。)については、同号に規定する保有期間の中途にその土地等につき造成費等の支出があった場合においても、その支出の日にかかわらず、同号イ(1)に規定する10年前の連結事業年度等の開始の日の前日、同号イ(2)若しくはロ(1)に規定する各連結事業年度の終了の日又は当該土地等の譲渡の日における当該土地等の帳簿価額に基づいて計算することに留意する。  

(期末帳簿価額についての見積計算の不適用)
68の68(4)-2 措置法令第39条の97第5項第1号イ(1)若しくは(2)又はロ(1)の金額の計算の基礎となる保有期間内に終了した同号イ(1)に規定する10年前の連結事業年度等の開始の日の前日又は同号イ(2)若しくはロ(1)に規定する各連結事業年度の終了の日の原価の額として計算されることとなる金額は、当該土地等につき各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)に支出した利子の額以外の金額で土地等の取得価額に算入すべき金額によるものとする。

  (注)1
 発生した費用につき、連結法人が未払金として経理した金額及び手形による支払額も支出した金額に含まれる。

2  一団の宅地に属する土地等を譲渡した場合において、当該譲渡をした連結事業年度における同号イ(3)、ロ(2)又はハの原価の額は、68の68(3)-4により計算した金額による。  

(土地等の帳簿価額の累計額の計算の特例)
68の68(4)-3 一の事業計画に係る一団の宅地に属する土地等の取得又は譲渡がおおむね当該連結事業年度に含まれる各月にわたって行われており、かつ、その取得又は譲渡が相当数に上る場合には、当該連結事業年度中に取得し又は譲渡した当該土地等のすべてについて、当該連結事業年度の期央に取得し又は譲渡があったものとして帳簿価額の累計額を計算することができるものとする。  

(一団の宅地に属する土地等についての帳簿価額の累計額の計算)
68の68(4)-4 連結法人が一団の宅地に属する土地等の一部の譲渡をした場合における帳簿価額の累計額は、当該譲渡をした土地等につきその取得時期の異なるものごとに計算するのであるが、例えば、次の(1)に掲げる金額に(2)に掲げる割合を乗じて計算した金額と(3)に掲げる金額との合計額によることでも差し支えない。

  (1)
 当該譲渡をした日を含む連結事業年度の直前の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)終了の日までの期間につき計算されるその一団の宅地に属する土地等のすべてに係る帳簿価額の累計額(既に譲渡された土地等に係る部分の金額を除く。)

(2)  分譲総予定面積(既に譲渡された土地等の面積を除く。)のうちに占める当該譲渡をした土地等の面積の割合
(3)  当該譲渡をした土地等につき68の68(3)-4により計算される譲渡原価の額に当該譲渡をした日を含む連結事業年度の保有期間の月数を乗じてこれを12で除して計算した金額

  (注)
 (2)の割合は、分譲(予定)価額を基礎として計算することができる。
 

(概算法による場合の譲渡経費)
68の68(4)-5 連結法人が販売費及び一般管理費の額の計算につき概算法(措置法令第39条の97第5項の規定の適用を受ける場合におけるその計算方法をいう。以下同じ。)による場合には、たとえその土地等の譲渡のために直接要した仲介手数料、広告費等の額が明らかであっても、概算法により計算した金額以外にこれらの金額を別途に控除することはできないことに留意する。  

(仲介行為の場合における保有期間)
68の68(4)-6 連結法人が仲介行為をした場合における当該土地等の措置法令第39条の97第5項第1号に規定する保有期間は、1日として取り扱う。  

(売主及び買主の双方から報酬を受ける場合の概算法による経費の計算)
68の68(4)-7 連結法人が、土地等の売買又は交換の媒介の行為をし、その当事者の双方から報酬を受けた場合において、そのいずれもが一般重課対象報酬に該当するときは、当該報酬の合計額から控除される概算法による経費の額は、一の仲介行為があったものとして措置法令第39条の97第2項第1号に規定する仲介取引額に同条第5項各号に規定する割合を乗じて計算した金額とする。
 当事者の一方から受ける報酬だけが一般重課対象報酬に該当する場合も同様とする。  

(実額配賦法による場合の経費の範囲)
68の68(4)-8 連結法人が、措置法令第39条の97第5項第2号に掲げる金額に係る経費の額の計算につき実額配賦法(同条第7項の規定の適用を受ける場合におけるその計算方法をいう。以下同じ。)を選定する場合において、当該経費の額は、販売費及び一般管理費に限られるのであるから、企業会計上営業外費用又は損失とされるものの額は、これに含まれないことに留意する。ただし、一般土地等の譲渡に係る未収金の貸倒損、当該一般土地等の災害等による異常損失で原価外で処理したもの等当該一般土地等に係る損失の額は、その発生した連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)における販売費及び一般管理費とする。  

(譲渡に伴う建物等の取壊損失)
68の68(4)-9 土地等の上にある建物その他の資産について、当該土地等の譲渡のため又は当該譲渡に関する契約の一環として取壊し又は除去を要する場合には、当該取壊し又は除去により生ずる損失の額は、販売費及び一般管理費とする。  

(引当金)
68の68(4)-10 法の規定による引当金の繰入額に係る実額配賦法の計算の基礎となる金額は、当該連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入される金額から益金の額に算入すべき金額を控除した金額(当該金額がマイナスとなる場合には、ゼロとする。)によるものとする。

  (注)
 当該連結事業年度において支出した退職給与の額は、法人税法等の一部を改正する法律(平成14年法律第79号)附則第8条第2項から第4項までの規定による当該連結事業年度の退職給与引当金勘定の取崩しに係る益金算入額を控除した金額(当該金額がマイナスとなる場合には、ゼロとする。)による。
 

(原価算入について弾力的処理ができる費用を原価外で処理している場合)
68の68(4)-11 連結法人が原価性を有する費用で連結所得の金額の計算上土地等の原価の額に含めないことができることとされているものを原価外で処理している場合には、当該土地等の帳簿価額につきその費用の額を加算する修正はできないものとするが、当該費用の額は、実額配賦法の計算の基礎となる支払利子又は販売費及び一般管理費の額に含めることができるものとする。  

(所得計算上損金の額に算入されない費用)
68の68(4)-12 法及び措置法の規定により連結法人の連結所得の金額の計算上損金の額に算入されない金額は、措置法令第39条の97第7項の規定により、実額配賦法の計算の基礎となる販売費及び一般管理費の額に含まれないのであるが、当該損金の額に算入されない金額のうちに土地等の帳簿価額に含まれているものがあるときは、その含まれている金額は、当該土地等の帳簿価額から控除する。

  (注)
 当該連結法人に係る交際費等の損金不算入額又は寄附金の損金算入限度超過額のうち土地等の帳簿価額に含まれている金額は、当該連結事業年度において支出した交際費等の金額又は寄附金の金額のうちに占める当該土地等の帳簿価額に含まれているこれらの経費の金額の割合により計算することができる。
 

(土地等の贈与による寄附金)
68の68(4)-13 連結法人が支出する土地等の贈与による寄附金の額(損金の額に算入されない金額を除く。以下同じ。)については、資産の取得価額に算入されるものを除き一般管理費に該当するから、その土地の譲渡等に直接配賦するのではなく、一般の寄附金の額に含めて土地の譲渡等に係る部分の額を配賦することに留意する。  

(売上割引)
68の68(4)-14 連結法人が土地等の譲渡をした日を含む連結事業年度において支出した当該土地等の譲渡に係る売上割引の額は、実額配賦法の計算の基礎となる販売費及び一般管理費の額に含めることができるものとする。  

(圧縮記帳による圧縮額等)
68の68(4)-15 圧縮記帳による圧縮額及び措置法の規定による準備金(措置法第68条の41に規定する特別償却準備金を含む。)の積立額は、実額配賦法の計算の基礎となる販売費及び一般管理費には含まれず、営業外費用に該当するものとする。  

(実額配賦法による場合の販売費及び一般管理費の計算方法)
68の68(4)-16 連結法人が販売費及び一般管理費を実額配賦法により計算する場合における配賦基準は、原則として個々の費用ごとにその性質、態様等に応じて合理的に定めるものとするが、費用の性質、態様等がおおむね類似するものは、一括して同様の配賦基準によることとしても差し支えないものとする。その具体的な計算に当たっては、次のことに留意する。

  (1)
 土地の譲渡等に係る部門において発生した費用のうち、個々の土地の譲渡等に直接要した費用の額は当該土地の譲渡等に係る経費の額として直接配賦し、共通的に要した費用の額は合理的な基準により当該土地の譲渡等に係る部分を配賦すること。

(2)  連結法人の各部門に共通的に要した費用の額は、まず当該費用の額のうち土地の譲渡等に係る部門に対応する部分の金額を合理的な基準により当該部門に配賦し、次に当該対応する部分の金額を(1)の共通的に要した費用の額として配賦すること。

  (注)
 固定資産である土地等(賃貸資産を除く。)については維持管理に直接要した費用だけを配賦し、その他の一般管理費は配賦しないことができる。
 

(実額配賦法による場合の支払利子の計算方法)
68の68(4)-17 連結法人が支払利子(手形の割引料を含む。以下68の68(4)-17において同じ。)を実額配賦法により計算する場合における配賦基準は、いわゆる総資産あん分の方法によるのであるが、この場合の総資産あん分の方法は、例えば、各連結事業年度ごとに次の算式により計算した金額を当該連結事業年度の土地等に係る支払利子の額として配賦することとする方法によることができる。  
   
A=当該連結事業年度の直前連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の終了の日における総資産の帳簿価額から同日における土地等の帳簿価額を控除した金額
B= 当該連結事業年度終了の日における総資産の帳簿価額から同日における土地等の帳簿価額を控除した金額
C= 当該連結事業年度中に譲渡した個々の土地等の譲渡原価に当該個々の土地等の当該連結事業年度における保有期間の月数を乗じ、これを当該連結事業年度の月数で除して得た金額
D= 当該連結事業年度終了の日において有する個々の土地等の同日における帳簿価額に当該個々の土地等の当該連結事業年度における保有期間の月数を乗じ、これを当該連結事業年度の月数で除して得た金額
 

(仲介行為に係る経費の額)
68の68(4)-18 仲介行為に係る経費の額の計算につき実額配賦法による場合には、当該仲介行為前にその仲介のために直接要した費用の額については、当該仲介行為前に支出したものであっても保有期間に関係なく当該仲介行為に係る経費の額に含まれることに留意する。  

(更正決定の場合の経費の計算方法)
68の68(4)-19 措置法第68条の68第1項又は第8項の適用につき税務署長が決定又は更正(以下68の68(4)-19において「決定等」という。)をする場合には、同条第2項第2号に規定する経費の額(以下68の68(4)-19において「経費の額」という。)は、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次によることに留意する。   (1)
 措置法第68条の68第1項の適用につき税務署長が決定等をする場合

  イ
 決定の場合(同条第10項に規定する法人税申告書(以下「法人税申告書」という。)の提出はしているが、同条第1項に関する事項について申告をしていない場合を含む。) 概算法により計算する。

ロ  更正の場合 連結法人が実額配賦法によっているときは、実額配賦法により計算する。ただし、連結法人の計算が著しく合理性を欠くと認められるときは、概算法により計算する。

(2)  措置法第68条の68第8項の適用につき税務署長が決定等をする場合
  イ
 決定の場合(法人税申告書の提出はしているが、同項に関する事項について申告をしていない場合を含む。) 概算法により計算する。ただし、連結法人が、同条第10項に規定する「土地等の譲渡に係る譲渡利益金額として政令で定める金額」に係る経費の額につき、実額配賦法によっているときは、連結法人の計算が著しく合理性を欠くと認められるときを除き、実額配賦法により計算する。

ロ  更正の場合 (1)のロと同様とする。

  (注)1
 連結法人の各連結事業年度の連結所得の金額(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度の所得の金額)の計算の基礎となった費用の額に係る否認金額が多いため、実額配賦法の計算の全体に著しく影響を与えると認められる場合は、著しく合理性を欠く場合に該当する。

2  計算方法の変更は、通則法第23条に規定する更正の請求の対象とはならない。

第5款  適用除外関係

(宅地建物取引業者の有する土地等)
68の68(5)-1 宅地建物取引業者(宅地建物取引業法第2条第3号に規定する宅地建物取引業者をいう。以下同じ。)である連結法人の有する土地等で、当該法人が使用し、若しくは他に貸し付けているもの(措置法令第39条の97第8項に規定する当該連結法人が建設した居住用家屋の譲渡に伴い貸し付けたその敷地につき、当該譲渡に係る契約書にその譲受人の買取りの申出に応じ当該連結法人がこれを譲渡する旨の定めがある場合の当該貸付け(以下68の68(5)-1において「特定貸付け」という。)の用に供されているもの及び販売の目的で所有しているもので、一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該連結法人が具体的な使用計画に基づいて使用することを予定し相当の期間所有していることが明らかであるものは、法第2条第20号に規定する棚卸資産(以下「棚卸資産」という。)には該当しないことに留意する。

  (注)
 宅地建物取引業者である連結法人が有する棚卸資産である土地等のうち、当該連結法人がその取得をした日から譲渡をした日までの間において当該連結法人の事業の用に供したことがあるもの(特定貸付けの用に供したことがあるもの及び一時的に使用し又は他に貸し付けたことがあるものを除く。)は、措置法第68条の68第3項に規定する棚卸資産(以下「特定棚卸資産」という。)に該当しない。
 

(固定資産として使用していた土地の分譲)
68の68(5)-2 宅地建物取引業者である連結法人が従来固定資産として使用していた土地を譲渡するに当たり、当該土地に集合住宅等を建築し、又は当該土地の区画形質の変更等を行って分譲した場合における当該土地の分譲は、特定棚卸資産の譲渡に該当しないものとして取り扱う。ただし、その分譲に当たり、その土地について宅地造成を行った場合におけるその造成により付加された価値に対応する部分の譲渡については、特定棚卸資産の譲渡に該当するものとして取り扱う。  

(居住用家屋の判定)
68の68(5)-3 措置法令第39条の97第8項に規定する「居住用家屋」であるかどうかは、当該家屋が専用の台所、浴室、便所、洗面設備等を備え、居住の用に供されることが明らかであるかどうかにより判定する。  

(土地区画整理事業の換地処分により取得した土地等を譲渡した場合の除外規定の適用)

68の68(5)-4 宅地建物取引業者である連結法人が土地区画整理事業の換地処分により取得した土地等(仮換地の指定を受けた土地等で、既に造成を完了し、そのまま換地処分に至ることが確実と認められるものを含む。)については、当該連結法人が自ら造成したものとして措置法令第39条の97第9項第1号ロの規定を適用する。この場合において、同号ロに規定する「造成のために要した費用の額」は、次の算式により計算した金額とする。
 

(造成工事の対価として取得した土地等を譲渡した場合の除外規定の適用)

68の68(5)-5 68の68(1)-17の場合において、造成工事を請け負った宅地建物取引業者である連結法人がその造成工事の対価として造成後の土地等の一部を取得したときは、当該土地等は、当該連結法人が自ら造成したものとして措置法令第39条の97第9項第1号ロの規定を適用する。この場合において、同号ロに規定する「造成のために要した費用の額」は、次の算式により計算した金額とする。
 

(いわゆる売建方式による場合の除外規定の適用)

68の68(5)-6 宅地建物取引業者である連結法人が請負の方法により新築する住宅の敷地の用に供する土地等を譲渡した場合には、当該土地等の譲渡について措置法令第39条の97第9項第1号イの規定の適用がないことに留意する。  

(構築物の耐用年数の判定)

68の68(5)-7 措置法令第39条の97第9項第1号イに係る措置法令第38条の4第11項第1号イに規定する「構築物」に該当する耐用年数が10年以下のものに該当するかどうかは、耐用年数省令別表第一に掲げる耐用年数により判定する。  

(造成費用の範囲)

68の68(5)-8 措置法令第39条の97第9項第1号ロに規定する「造成のために要した費用」は、土地等の取得価額に算入されるべき費用に限られるものとする。  

(土地等の譲渡の日の前日における価額)

68の68(5)-9 措置法令第39条の97第9項第1号ロに規定する「土地等の譲渡の日の前日における価額」とは、当該譲渡の日の前日における当該土地等の通常の取引価額をいうのであるが、宅地建物取引業者である連結法人が当該連結事業年度において譲渡した土地等のすべてにつき、その譲渡価額をもって当該譲渡の日の前日における価額としているときはこれを認める。ただし、当該譲渡価額が当該譲渡の日における通常の取引価額でないときは、この限りでない。  

(棚卸資産に該当する土地等を譲渡した場合の取扱い)

68の68(5)-10 措置法第68条の68第4項の規定は、棚卸資産である土地等を譲渡した場合には適用がないのであるから、例えば、国又は地方公共団体に対して棚卸資産である土地等を譲渡し、法人税申告書に措置法規則第22条の62第1項に係る措置法規則第21条の19第2項第1号イに掲げる書類を添付している場合であっても、当該土地等の譲渡については措置法第68条の68第4項の規定の適用がないことに留意する。

  (注)
 土地等の譲渡のうち、特定棚卸資産の譲渡で措置法令第39条の97第9項の規定に該当するものについては、措置法第68条の68第3項の規定の適用があることに留意する。
 

(代行買収により代替地が買い取られる場合の除外規定の不適用)

68の68(5)-11 措置法第68条の70第1項に係る措置法第64条第1項第1号に規定する土地収用法等に基づく収用(同項第2号の買取り及び同条第2項第1号の使用を含む。以下68の68(5)-12までにおいて同じ。)の対償に充てられることとなる土地等(以下68の68(5)-12までにおいて「代替地」という。)が、収用に係る事業の施行者に代わり、措置法第68条の68第4項に係る措置法令第38条の4第12項第2号に掲げる法人(以下68の68(5)-12において「特定法人」という。)に買い取られる場合には、当該代替地の譲渡は措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第1号に掲げる土地等の譲渡に該当しないことに留意する。  

(収用対償地の買取りに係る契約方式)

68の68(5)-12 次に掲げる方式による契約に基づき、代替地が特定法人に買い取られる場合は、措置法第68条の68第4項に係る措置法令第38条の4第12項第2号に規定する「収用の対償に充てられるもの」に該当するものとする。

  (1)
 特定法人、収用により譲渡する土地等(以下68の68(5)-12において「事業用地」という。)の所有者及び代替地の所有者の三者が次に掲げる事項を約して契約を締結する方式

  イ
 代替地の所有者は、特定法人に代替地を譲渡すること。

ロ  事業用地の所有者は、特定法人に事業用地を譲渡すること。
ハ  特定法人は、代替地の所有者に対価を支払い、事業用地の所有者には代替地を譲渡するとともに事業用地の所有者に支払うべき補償金等(事業用地の譲渡に係る補償金又は対価に限る。以下68の68(5)-12において同じ。)の額から代替地の所有者に支払う対価の額を控除した残額を支払うこと。

  (注)
 上記契約方式における代替地の譲渡のうち同号に規定する「収用の対償に充てられるもの」に該当するものは、当該代替地の譲渡のうち措置法第68条の70に係る措置法第64条第1項第1号、同項第2号又は同条第2項第1号に規定する収用、買取り又は使用の対価たる補償金又は対価につき金銭に代えて給付される代替地に係る部分の譲渡に限られるのであるから、当該代替地の譲渡のうち当該補償金又は対価以外の補償金につき金銭に代えて給付される代替地に係る部分の譲渡は、これに該当しないことに留意する。 (2)  特定法人と事業用地の所有者が次に掲げる事項を約して契約を締結する方式
  イ
 事業用地の所有者は、特定法人に事業用地を譲渡し、代替地の取得を希望する旨の申出をすること。

ロ  特定法人は、事業用地の所有者に代替地の譲渡を約すとともに、事業用地の所有者に補償金等を支払うこと。ただし、当該補償金等の額のうち代替地の価額に相当する金額については特定法人に留保し、代替地の譲渡の際にその対価に充てること。
 

(地方公共団体の出資又はきょ出により設立された法人の意義)

68の68(5)-13 措置法第68条の68第4項に係る措置法令第38条の4第13項第2号イに規定する「その出資金額又は拠出をされた金額の全額が地方公共団体により出資又は拠出をされていること」とは、外部から導入される資金(債務の額を除く。)のすべてが地方公共団体により出資又はきょ出をされることをいうのであるから、一の法人について出資金額ときょ出をされた金額とがある場合には、そのいずれについてもその金額が地方公共団体によって出資又はきょ出をされていなければならないことに留意する。  

(収用換地等による譲渡)

68の68(5)-14 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第3号に規定する「土地等の譲渡で第65条の2第1項に規定する収用換地等によるもの」については、当該収用換地等による譲渡につき措置法第68条の70又は第68条の72若しくは第68条の73の規定の適用を受けたかどうかにかかわらず、措置法第68条の68第4項の規定の適用があることに留意する。

  (注)
 当該収用換地等による譲渡が措置法第68条の73第3項各号に掲げる場合に該当する場合であっても、当該譲渡は措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第3号に規定する「土地等の譲渡で第65条の2第1項に規定する収用換地等によるもの」に該当する。
 

(建築面積等の意義)

68の68(5)-15 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第6号に規定する建築面積及び措置法令第38条の4第15項第2号ロに規定する敷地面積は、それぞれ建築基準法施行令第2条第1項第2号に規定する建築面積及び同項第1号に規定する敷地面積によるものとする。  

(建築物を2以上の者が建築する場合の取扱い)

68の68(5)-16 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第6号に規定する建築物の建築をする事業を行う者又は同項第13号に規定する住宅若しくは中高層の耐火共同住宅の建設を行う個人若しくは法人が2以上いる場合には、措置法第68条の68第4項の規定の適用については、次のことは次による。

  (1)
 措置法第62条の3第4項第6号に規定する建築物又は同項第13号に規定する住宅若しくは中高層の耐火共同住宅を2以上の者が共同で建築し区分所有又は共有する場合であっても、これらの者に対する土地等の譲渡については措置法第68条の68第4項の規定を適用することができるのであるが、これらの者に譲渡した土地等のうち連結基本通達16-1-6の注書の取扱いにより当該土地等につき借地権の設定等があったものとして取り扱われる部分に相当する土地等の譲渡については、同項の規定の適用はない。

(2)  措置法第62条の3第4項第6号に規定する建築物の建築面積要件及び施行地区の面積要件の判定は、当該事業により建築される建築物の建築面積及び当該事業の施行地区の面積の全体により行う。
(3)  同項第13号イに規定する住宅の床面積要件及び敷地面積要件の判定は、当該建設された住宅の床面積及び当該住宅の用に供される土地等の面積の全体により行う。  

(一団の宅地の面積の判定)

68の68(5)-17 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第8号イ、第10号イ又は第11号イに定める面積基準(以下68の68(5)-17において「面積基準」という。)の判定については、次のことに留意する。

  (1)
 一団の宅地の造成に関する事業(以下68の68(5)-17及び68の68(5)-21において「宅地造成事業」という。)がその施行者を異にして隣接する地域において施行される場合には、面積基準は、当該事業の施行者ごとに区分して判定すること。

(2)  宅地造成事業の用に供するため当該事業の施行者が取得した土地と当該事業の施行者が他の者から宅地の造成を請け負った土地について、自らの宅地造成事業と当該請負に係る工事とを一括して施行する場合には、面積基準は、当該事業の施行者が取得した一団の土地の面積のみに基づいて判定すること。
(3)  宅地造成事業の施行地域内に公共施設(道路、公園、下水道、広場、河川、運河、水路及び消防の用に供する貯水施設をいう。以下68の68(5)-17及び68の68(5)-20において同じ。)又は公益的施設(教育施設、医療施設、官公庁施設、購買施設その他の施設で、居住者の共同の福祉又は利便のために必要なものをいう。以下68の68(5)-17及び68の68(5)-20において同じ。)を設置する場合には、面積基準は、当該公共施設又は公益的施設の敷地の用に供する部分の土地を含めたところで判定すること。  

(宅地造成につき開発許可を受けた者が有する土地等を譲渡する場合の取扱い)

68の68(5)-18 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第8号、第9号及び第10号に規定する一団の宅地の造成を行う同項第8号ロに規定する開発許可(以下「開発許可」という。)を受けた個人又は法人につき、都市計画法第44条又は第45条に規定する開発許可に基づく地位の承継(以下68の68(5)-18において「開発許可に基づく地位の承継」という。)が行われた場合において、当該開発許可に基づく地位の承継に係る被承継人である連結法人が、当該開発許可に係る宅地造成の施行地区内に有する土地等を当該開発許可に基づく地位の承継をした個人又は法人に譲渡した場合における当該土地等の譲渡については、措置法第68条の68第4項の規定の適用はないことに留意する。  

(宅地の造成の意義)

68の68(5)-19 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第8号に規定する「一団の宅地の造成」には、住宅建設の用に供される一団の宅地の造成のほか、工業団地の用に供される一団の宅地の造成又は住宅、店舗、工業団地等の2以上の用途に供される一団の宅地の造成も含まれることに留意する。  

(住宅建設の用に供される一団の宅地の造成の意義)

68の68(5)-20 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第10号又は第11号に規定する「住宅建設の用に供される一団の宅地の造成」とは、公共施設及び公益的施設の敷地の用に供される部分の土地を除き、当該事業の施行地域内の土地の全部を住宅建設の用に供する目的で行う一団の宅地の造成をいう。

  (注)
 開発許可を受けて行われる宅地の造成であっても、その宅地の造成が、例えば、住宅地の造成と工業団地の造成とである場合の当該造成を行う者に対する土地等の譲渡は、同項第10号に掲げる土地等の譲渡に該当しないことに留意する。
 

(土地区画整理法に規定する組合員である個人又は法人の意義)

68の68(5)-21 措置法規則第22条の62第1項に係る措置法規則第21条の19第2項第8号又は第11号の土地区画整理法第2条第3項に規定する施行者又は同法第25条第1項に規定する組合員である個人又は法人(措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第8号又は第11号に規定する個人又は法人をいう。)には、土地区画整理法による土地区画整理事業の施行の認可や土地区画整理組合の設立の認可前において当該施行者又は当該組合員となることが確実と認められる個人又は法人(土地区画整理事業として行われる宅地造成事業につき、措置法第68条の68第5項に係る措置法規則第21条の19第8項第2号イ及びロに該当する旨の財団法人区画整理促進機構の証明を受けた者に限る。)が含まれるものとする。  

(土地区画整理事業等の施行地区内の土地等の譲渡)

68の68(5)-22 連結法人が、土地区画整理法による土地区画整理事業、新都市基盤整備法による土地整理又は大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法による住宅街区整備事業の施行地区内にある宅地(当該宅地の上に存する権利を含む。以下68の68(5)-22において「従前の宅地」という。)を次に掲げる者に譲渡した場合において、当該譲渡した従前の宅地に係る仮換地がそれぞれ次に掲げる用に供されるときは、当該従前の宅地の譲渡については、当該従前の宅地がこれらの用に供されるものとして措置法第68条の68第4項の規定を適用することができる。

  (1)
 同項に係る措置法第62条の3第4項第2号に掲げる法人 同号に規定する業務を行うために直接必要であると認められる用途

(2)  同項第6号に規定する建築物の建築をする事業を行う者 同号に規定する建築物の建築をする事業の用
(3)  同項第8号、第10号又は第11号に規定する個人又は法人 これらの号に規定する一団の宅地の用
(4)  同項第12号に規定する個人又は法人 同号に規定する一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅の用  

(住宅又は中高層の耐火共同住宅の建設を行う者)

68の68(5)-23 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第12号又は第13号に規定する「住宅又は中高層の耐火共同住宅」は、当該住宅又は中高層の耐火共同住宅を建設するために土地等を買い取った個人又は法人(同項第12号本文かっこ書に規定する個人又は法人を含む。)が建設する住宅又は中高層の耐火共同住宅に限られる。

  (注)
 同項第6号に規定する建築物及び当該建築物の建築をする事業を行う個人又は法人の範囲についても、同様に取り扱うことに留意する。
 

(中高層の耐火共同住宅の住居の用途に供する独立部分及び床面積の判定)

68の68(5)-24 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第12号ロに規定する「中高層の耐火共同住宅にあつては、住居の用途に供する独立部分が……15以上」又は「中高層の耐火共同住宅の床面積が 1,000平方メートル以上」であるかどうかは、当該中高層の耐火共同住宅の一棟ごとの住居の用途に供する独立部分の戸数又は一棟ごとの床面積により判定するものとする。  

(床面積の4分の3以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるものであるかどうかの判定)

68の68(5)-25 措置法第68条の68第4項に係る措置法令第38条の4第23項第3号に規定する「建築物の床面積の4分の3以上に相当する部分が専ら居住の用に供されるもの」であるかどうかは、当該建築物の床面積の4分の3以上に相当する部分が専ら居住の用に供される構造になっているかどうかにより判定する。  

(優良住宅の認定を受けた併用住宅の敷地)

68の68(5)-26 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第12号ニに規定する認定を受けて建設された一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅に係る建物の敷地の用に供された土地等は、当該建物が住居の用途に供される部分以外の部分を有するものであっても、その全部が同号に規定する建設された一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅の敷地の用に供されたものに該当することに留意する。  

(土地等の一部が住宅以外の施設の敷地の用に供される場合の除外規定の適用)

68の68(5)-27 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第12号の規定を適用する場合において、同号に規定する一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅の敷地の用に供される土地等には、当該一団の住宅又は中高層の耐火共同住宅に居住する者の生活条件等の整備上必要な施設の敷地の用に供される土地等を含むものとして取り扱う。  

(換地処分後の土地等の譲渡)

68の68(5)-28 土地区画整理法による土地区画整理事業の施行に伴い、同法第98条第1項の規定による仮換地の指定(仮に使用又は収益をすることができる権利の目的となるべき土地又はその部分の指定を含む。)があり、かつ、当該指定の効力発生の日(同法第99条第2項の規定により使用又は収益を開始することができる日が定められた場合には、その日)から3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に換地処分が行われた場合において、当該換地処分により取得した土地等をその取得の日から当該期間の末日までの間に措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第13号に規定する住宅又は中高層の耐火共同住宅の建設を行う同号に規定する個人又は法人に譲渡したとき(当該譲渡に係る土地等が当該住宅又は中高層の耐火共同住宅の用に供される場合に限る。)は、当該土地等の譲渡は、同号に掲げる土地等の譲渡に該当するものとして取り扱う。  

(一の住宅の意義等)

68の68(5)-29 措置法第68条の68第4項に係る措置法令第38条の4第25項に規定する「一の住宅」とは、一棟の家屋がその構造上区分された数個の部分を独立して住居の用途に供することができるものである場合にあっては、それぞれその区分された住居の用途に供することができる部分(以下68の68(5)-29において「独立住居部分」という。)をいうことに留意する。この場合において、当該一の住宅の床面積が同項第1号に規定する「200 平方メートル以下で、かつ、50平方メートル以上である」かどうかは、それぞれその区分された独立住居部分の床面積(共用部分の床面積を各独立住居部分の床面積に応じてあん分した面積を含む。)により判定する。
 同項第2号に定める一の住宅の用に供される土地等の面積基準の判定についても、同様とする。

  (注)
 一の独立住居部分が同項第1号の床面積基準又は同項第2号の土地等の面積基準に該当しない場合には、当該独立住居部分を含む一棟の家屋の敷地の用に供されるすべての土地等の譲渡は、措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第13号に掲げる土地等の譲渡に該当しないものとする。
 同号に規定する中高層の耐火共同住宅の一の独立住居部分が当該中高層の耐火共同住宅に係る床面積基準に該当しない場合における措置法第68条の68第4項の規定の適用についても、同様とする。
 

(併用住宅の場合)

68の68(5)-30 併用住宅(一戸の住宅のうちに、店舗、事務所等の住居の用途以外の用に供する部分を有するものをいう。以下68の68(5)-30において同じ。)のうち住居の用途に供する部分の床面積(建築基準法施行令第2条第1項第3号に規定する床面積をいう。)が延べ面積(同項第4号に規定する延べ面積をいう。以下68の68(5)-30において同じ。)の2分の1以上であるものは、措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第13号に規定する「住宅」に該当するものとする。

  (注)
 当該「住宅」に該当する併用住宅についての措置法第68条の68第4項に係る措置法令第38条の4第25項に規定する床面積基準及び土地等の面積基準の判定は、当該併用住宅の延べ面積及び当該併用住宅の用に供される土地等の面積により行う。
 

(床面積の意義)

68の68(5)-31 措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第12号ロ、措置法令第38条の4第23項第3号、同項第4号、同条第25項第1号及び措置法規則第22条の62第1項に係る措置法規則第21条の19第2項第13号に規定する床面積は、建築基準法施行令第2条第1項第3号に規定する床面積によるものとする。  

(国土利用計画法の許可を受けて買い取られる場合)

68の68(5)-32 措置法第68条の68第5項に係る措置法規則第21条の19第8項第1号イ(1)に規定する「国土利用計画法第14条第1項の規定による許可を受けて当該土地等が買い取られる場合」とは、同項の規定による許可を受けた後において当該許可に係る内容に従って締結した売買契約に基づいて買い取られる場合をいうのであるから、土地等の譲渡が当該許可の内容と異なる事項を約した売買契約(その買い取り価額が当該許可に係る予定対価の額未満である売買契約を除く。)に基づいて行われているときは、たとえ法人税申告書に措置法規則第21条の19第8項第1号イ(1)に掲げる書類を添付している場合であっても、当該売買契約に基づく土地等の譲渡は、措置法第68条の68第5項に掲げる土地等の譲渡に該当しないことに留意する。  

(国土利用計画法の届出をして買い取られる場合)

68の68(5)-33 措置法第68条の68第5項に係る措置法規則第21条の19第8項第1号イ(2)に規定する「国土利用計画法第27条の4第1項(同法第27条の7第1項において準用する場合を含む。)の規定による届出をして当該土地等が買い取られる場合」とは、同法第27条の4第1項(同法第27条の7第1項において準用する場合を含む。)の規定による届出をした日から起算して6週間を経過した日(同日前に都道府県知事から同法第27条の5第3項(同法第27条の8第2項において準用する場合を含む。)に規定する勧告をしない旨の通知を受けた場合には、当該通知を受けた日。以下(1)において同じ。)以後において当該届出に係る内容に従って締結した売買契約に基づいて買い取られる場合をいうのであるから、土地等の譲渡が次に掲げる売買契約に基づき行われているときは、たとえ法人税申告書に措置法規則第21条の19第8項第1号イ(2)に掲げる書類を添付している場合であっても、当該売買契約に基づく土地等の譲渡は、措置法第68条の68第5項に掲げる土地等の譲渡に該当しないことに留意する。

  (1)
 当該届出をした日から起算して6週間を経過した日の前日までの間に締結した売買契約

(2)  当該届出の内容と異なる事項を約した売買契約(その買取価格が当該届出に係る予定対価の額未満である売買契約を除く。)  

(確定優良住宅地等予定地のための譲渡が優良住宅地等のための譲渡に該当することとなった場合の証明書類)

68の68(5)-34 措置法第68条の68第5項に係る措置法第62条の3第5項に規定する確定優良住宅地等予定地のための譲渡に係る土地等の買取りをした個人又は法人(同条第4項第8号から第13号までに規定する個人又は法人をいう。)は、当該譲渡が措置法第68条の68第5項に規定する期間内に同条第4項に係る措置法第62条の3第4項第8号から第13号までに掲げる土地等の譲渡に該当することとなった場合には、措置法第68条の68第7項の規定により同条第5項の規定の適用を受けた者に対して、措置法規則第22条の62第2項に係る措置法規則第21条の19第2項第8号から第13号までに掲げる書類(当該書類で既に交付しているものを除く。)を交付しなければならないこととされているが、この場合には同条第3項の規定の適用はないことに留意する。

第6款  その他
(民法上の組合が行った土地等の譲渡)

68の68(6)-1 民法上の組合が土地等の譲渡をした場合には、当該土地等の譲渡に係る対価の額、原価の額及び経費の額は、各組合員の持分に応じ、それぞれ各組合員に対応する額を計算する。この場合において、各組合員のうち連結法人については、その計算による自らの持分に応じた金額をもって措置法第68条の68の規定を適用するものとする。

  (注)
 土地の所有者及び建築業者等が、それぞれ土地又は建築資金を出資して建物を建築し、これを共同で譲渡してその利益をそれぞれの持分に応じて分配する民法上の組合契約を締結している場合には、土地所有者が建築業者から取得する建物の持分及び建築業者等が土地所有者から取得する土地の持分は、当該建物を第三者に譲渡した時に、その持分の算定の基礎とした価額により、それぞれ譲渡及び取得があったものとした上、本文の取扱いを適用する。
 

(匿名組合等が行った土地等の譲渡)

68の68(6)-2 連結法人を営業者とする匿名組合が土地等を譲渡した場合における措置法第68条の68第1項又は第8項の規定の適用については、当該営業者である連結法人にその譲渡利益金額の全額が帰属するものとして計算するのであるが、この場合においてその匿名組合員に対する利益の配当は、当該譲渡利益金額の計算上直接又は間接に要した費用の額に算入しないものとする。
 連結法人が融資を受けて土地の購入、造成及び譲渡をしている場合(融資者と民法上の組合契約を締結している場合を除く。)において、当該融資をした者に対する支払額があらかじめ定められた融資期間に対応する利率を基に計算されていないため支払利子ではなく、譲渡利益金額の分配であると認められるときも同様とする。

  (注)
 匿名組合員が分配を受ける金額又は融資をした者が受ける分配額については、措置法第68条の68第1項又は第8項の規定は適用しない。
 

(縄伸び等により収益の額に異動が生じた場合の調整)

68の68(6)-3 連結法人が土地等の譲渡をし、後日実測面積によりその土地代金の精算をすることとしている場合において、その譲渡の日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下「譲渡連結事業年度」という。)後の連結事業年度においてその代金が確定したときは、当該土地等の譲渡につき譲渡連結事業年度にその確定金額で譲渡したものとして計算される譲渡利益金額に対する税額と譲渡連結事業年度の現況により申告した譲渡利益金額に対する税額との差額に相当する税額は、当該代金の確定があった日を含む連結事業年度の法人税額に加算し、又は減算するものとする。

  (注)
 当該確定のあった日を含む連結事業年度の翌連結事業年度において法第81条の19の規定による連結中間申告をする場合の連結中間納付額(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、法第71条の規定による中間申告をする場合の中間納付額)又は当該確定のあった日を含む連結事業年度を法第81条の31第1項に規定する還付所得連結事業年度として同項の規定による還付請求をする場合の還付請求金額は、本文の取扱いによる加算又は減算がなかったものとした場合の法人税額を基礎として計算することに留意する。
 

(見積った原価の額が増加した場合等の調整)

68の68(6)-4 連結法人が譲渡連結事業年度において土地等の原価の額が確定しないため原価の額を見積って譲渡利益金額の計算をした場合(当該譲渡連結事業年度が連結基本通達2-2-2の(1)に定める連結事業年度又は基本通達2-2-2の(1)に定める事業年度である場合を除く。)に、その後の連結事業年度(譲渡連結事業年度終了の日から3年以内に終了した連結事業年度に限る。)において見積った原価の額が確定し当該譲渡利益金額が減少したときは、連結法人の申告を条件に、68の68(6)-3に準じて当該原価の額が確定した連結事業年度の法人税の額を調整することができるものとする。
 譲渡連結事業年度後の連結事業年度において売上値引きをした場合も、同様とする。

  (注)
 当該譲渡利益金額が減少した場合においてこの取扱いによっていないとき及び譲渡連結事業年度終了の日から3年を経過した日以後に終了する連結事業年度においてその額が確定し当該譲渡利益金額が減少した場合には、増加した原価の額はその額が確定した連結事業年度の販売費及び一般管理費とする。
 

(契約の解除があった場合の更正の請求)

68の68(6)-5 譲渡利益金額につき特別税率が適用された土地等の譲渡について、その後の連結事業年度において契約が解除された場合(再売買と認められる場合を除く。)には、譲渡連結事業年度の当該譲渡に係る土地譲渡利益金額に対する税額について、通則法第23条第2項の規定による更正の請求をすることができる。  

(取得の日の引継ぎの特例の適用を受ける土地等の区分)

68の68(6)-6 連結法人の有する一筆の土地等のうちに、措置法令第39条の97第12項第1号から第5号までの規定(措置法令第38条の4第31項第1号に係るものを除く。)による取得の日の引継ぎの特例の適用を受ける部分とその適用を受けない部分とがある場合において、当該土地等の一部を譲渡したときは、当該規定の適用を受ける部分とその適用を受けない部分とが平均的に譲渡されたものとして取り扱う。  

(土地等以外の資産がある場合の取得日)

68の68(6)-7 連結法人の有する土地等が措置法令第39条の97第12項第1号及び第3号から第5号までの規定(措置法令第38条の4第31項第1号及び第2号に係るものを除く。)の適用を受けた代替資産又は交換取得資産(以下「代替資産等」という。)である場合において、当該代替資産等に係る譲渡資産のうちに土地等以外の資産があるときは、まず譲渡資産に含まれている土地等の取得の日をこれらの号に掲げる代替資産等の取得の日として取り扱う。  

(取得日の異なる土地等がある場合の区分)

68の68(6)-8 連結法人の有する土地等が措置法令第39条の97第12項第1号及び第3号から第5号までの規定(措置法令第38条の4第31項第1号及び第2号に係るものを除く。)の適用を受けた代替資産等である場合において、当該代替資産等に係る譲渡資産の取得の日が2以上あるときは、その取得の日の異なる譲渡資産が平均的に対応するものとして取り扱う。

  (注)
 この場合、平均的に対応する部分の計算は68の68(6)-7により、まず、譲渡資産に含まれる土地等の取得の日によるものとその他の譲渡資産の取得の日によるものとに区分し、その区分ごとに次による。    



(譲渡利益金額から控除する損金算入額)

68の68(6)-9 資産の譲渡につき措置法第68条の70から第68条の76までの規定の適用を受けた場合に、当該譲渡した資産が一般土地等と当該土地等以外の資産とであるとき(68の70(3)-1により差益割合を計算している場合に限る。)における措置法第68条の68第9項の規定により同項の土地等の譲渡利益金額から控除する損金算入額は、これらの規定による損金算入額のうち一般土地等の譲渡利益金額に達するまでの金額による。  

(開発許可等を受けることができると見込まれる日の認定)

68の68(6)-10 措置法第68条の68第5項に係る措置法令第38条の4第27項又は第28項に規定する「開発許可等を受けることができると見込まれる日」は、一の事業ごとに所轄税務署長が認定するのであるから、当該認定した日(以下68の68(6)-10において「認定日」という。)は、同条第26項に規定する確定優良住宅地造成等事業を行う個人又は法人に対する当該一の事業に係るすべての土地等の譲渡について同一となることに留意する。

  (注)
 当該認定日の属する年の12月31日において当該土地等の譲渡が措置法第68条の68第4項に係る措置法第62条の3第4項第8号から第13号までに掲げる土地等の譲渡に該当しないこととなったときは、措置法第68条の68第5項の規定の適用を受けた当該一の事業に係るすべての土地等の譲渡について、同条第8項の規定を適用することに留意する。
 

(予定期間内において優良住宅地等のための譲渡に該当しないこととなった場合の取扱い)

68の68(6)-11 措置法第68条の68第5項の規定(連結事業年度に該当しない事業年度における土地等の譲渡にあっては、措置法第62条の3第5項の規定)の適用を受けた土地等の譲渡の全部又は一部が措置法第68条の68第5項に係る措置法第62条の3第5項に規定する予定期間(以下68の68(6)-11において「予定期間」という。)の中途において措置法第68条の68第4項に係る措置法62条の3第4項第8号から第13号までに掲げる土地等の譲渡に該当しないこととなった場合においても、予定期間の末日を含む連結事業年度において措置法第68条の68第8項の規定を適用することに留意する。  

(証明書類の添付がなかったことについてやむを得ない事情がある場合の除外規定の適用)

68の68(6)-12 連結法人が、措置法第68条の68第4項又は第5項の規定の適用を受ける旨の法人税申告書に措置法規則第22条の62に係る措置法規則第21条の19第2項各号又は措置法第68条の68第5項に係る措置法規則第21条の19第8項各号に掲げる書類を添付していない場合であっても、当該法人税申告書の提出後にこれらの書類が提出され、かつ、その添付がなかったことについてやむを得ない事情があると認められるときは、措置法第68条の68第4項又は第5項の規定の適用を認めて差し支えない。

第68条の69 《短期所有に係る土地の譲渡等がある場合の特別税率》関係

第1款  課税対象の範囲等

 

(譲渡損失がある場合の譲渡利益金額の合計額)

68の69(1)-1 連結法人が措置法第68条の69第1項に規定する「短期所有に係る土地の譲渡等に係る譲渡利益金額の合計額」を計算する場合において、当該連結法人が当該連結事業年度に譲渡(適格現物出資又は適格事後設立による移転を除くものとし、措置法第68条の68第2項第1号イに係る措置法第62条の3第2項第1号イ(1)から(3)までに掲げる行為を含む。68の69(2)-8、68の69(2)-9、68の69(3)-2及び68の69(3)-3を除き、以下同じ。)した土地又は土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)のうちに措置法第68条の69第2項第2号に規定する譲渡利益金額がマイナスとなるものがあるときは、そのマイナスの金額は譲渡利益金額の合計額の計算上通算することに留意する。

  (注)
 措置法第68条の69第1項に規定する「短期所有に係る土地の譲渡等に係る譲渡利益金額の合計額」がマイナスとなる場合であっても、当該マイナスの金額は、措置法第68条の68第1項に規定する「土地の譲渡等に係る譲渡利益金額の合計額」又は同条第8項に規定する「土地等の譲渡に係る譲渡利益金額の合計額」の計算上通算することができないことに留意する。
 

(措置法第29条の適用がある場合の譲渡利益金額の通算の特例)

68の69(1)-2 連結法人がその使用人に譲渡した土地等のうちに措置法第29条第3項の規定の適用を受けたものがある場合において、68の69(2)-2により当該譲渡に係る経済的利益の額をその土地等の譲渡による収益の額に加算しなかったため譲渡利益金額がマイナスとなるものがあるときは、そのマイナスの金額は、68の69(1)-1にかかわらず、当該譲渡の日を含む連結事業年度における譲渡利益金額の合計額の計算上、同項の規定の適用がない短期所有土地等(措置法令第39条の98第1項第4号に規定する短期所有土地等をいう。以下同じ。)に係る土地等の譲渡に係る譲渡利益金額と通算することはできないものとする。  

(土地等の取得の時期の判定)

68の69(1)-3 措置法第68条の69の規定を適用する場合において、連結法人の有する土地等を取得した日とは、当該土地等の引渡しを受けた日をいうものとする。ただし、引渡しの日に関し特約がある場合を除き、当該土地等の売買代金の支払額(手付金を含む。)の合計額がその売買代金の30%以上になった日(その日が売買契約締結の日前である場合には、その締結の日)以後引渡しまでの間の一定の日をもって連結法人がその取得の日としているときは、これを認める。

  (注)1
 土地等の売買代金の支払のため手形の振出し(裏書譲渡を含む。以下同じ。)をした場合には、当該手形が次のすべての要件を備えているものであるときに限り、その振出しの日において土地等の売買代金の支払があったものとして取り扱う。

  (1)
 当該手形の期日において券面額の支払を現に行っていること。

(2)  当該手形の振出しの日(裏書譲渡の場合には、その裏書の日)から手形の期日までの期間が120 日を超えないこと。

2  土地の上に存する権利の引渡しを受けた日とは、その土地につき当該権利に基づき使用収益等を行うことができることとなった日をいう。  

(土地等の引渡しの日に関し特約がある場合)

68の69(1)-4 68の69(1)-3において「引渡しの日に関し特約がある場合」とは、例えば、地方公共団体と公有水面の埋立地を分譲する契約を締結した場合に埋立て後その土地の引渡しを受けることとしているとき、土地付マンションの分譲契約を締結した場合にマンションしゅん(竣)工後建物と合わせてその土地等の引渡しを受けることとしているとき、建物の取壊し、撤去を条件として土地等の引渡しを受けることとしている場合等をいうものとし、単に代金完済後所有権の移転又は引渡しを行う旨の条件が付されていてもここにいう特約がある場合には該当しないものとする。  

(一団の宅地につき取得時期の異なるものが多数含まれている場合)

68の69(1)-5 連結法人が一団の宅地に属する土地等の譲渡をした場合において、当該一団の宅地に属する土地等のうちにその取得時期の異なるものが多数あるため、当該譲渡をした土地等の取得時期を明らかにすることが困難であるときは、当該譲渡をした土地等は、取得時期の異なるものがその面積の比に応じて平均的に含まれている等合理的な方法により区分するものとする。この場合において、その区分につき、連結法人の採用している方法が合理的でないと認められるとき又はその区分をしていないときは、当該譲渡に係る土地等は、取得時期の異なるものがその面積の比に応じて平均的に含まれているものとして取り扱う。

  (注)1
 連結法人がその区分につき、先入先出又は後入先出の基準により、継続して、かつ、その一団の宅地に係るすべての譲渡についてその区分をしている場合には、その先入先出又は後入先出の基準による区分は、合理的な方法による区分に該当するものとする。

2  異なる取得価額の土地から成る一団の宅地の一部を譲渡した場合の原価の額の計算については、68の69(3)-4を参照する。  

(転用未許可農地に係る権利)

68の69(1)-6 措置法第68条の69第2項に係る措置法第62条の3第2項第1号イに規定する土地の上に存する権利には、地上権、土地の賃借権及び地役権のほか、転用未許可農地の価値が反映している契約上の権利で現実に取引の対象とされているものを含むものとする。この場合において、当該転用未許可農地の権利に係る土地を取得するに至ったときは、当該土地は、当該権利の取得の日から引き続き有していたものとして取り扱う。  

(他の者から取得をした土地等の意義)

68の69(1)-7 措置法第68条の69第2項第1号に規定する「土地等(他の者(当該連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を含む。)から取得をしたものに限る。)」とは、他の者が有していた土地等を売買、交換、贈与、代物弁済等により取得した場合の当該土地等又は他の者が有する土地等について土地の上に存する権利を設定した場合の当該土地の上に存する権利をいい、連結法人が自ら公有水面の埋立てにより取得した土地は、他の者から取得をした土地等には含まれないことに留意する。  

(自ら公有水面の埋立てにより取得した土地の意義)

68の69(1)-8 自ら公有水面の埋立てにより取得した土地とは、連結法人が公有水面埋立法第2条の免許を受け、自ら埋立工事又は干拓工事を行って取得した土地をいうが、埋立免許権の譲渡が形式的であり、当該埋立免許権の譲渡を受けた者の名義により埋立てをしたことについて相当の理由がある場合又は国若しくは地方公共団体が同法の規定により行う公有水面の埋立てについて、連結法人が国若しくは地方公共団体の委託を受けて埋立てを行った場合において、その費用を負担してその埋立てに係る工事を行い、又は管理し、かつ、自ら埋立てをしたことと同様の実質を有していると認められるときは、当該埋立てに基づき取得した土地は、他の者から取得をした土地等に該当しないものとして取り扱う。  

(仲介行為者が2以上である場合の仲介行為の判定)

68の69(1)-9 土地等の売買又は交換の代理又は媒介に関し報酬を受ける行為につきその行為をした者が2以上である場合において、これらの者のいずれにもその依頼者から当該行為に係る報酬が支払われているときは、その行為が措置法令第39条の98第1項第1号に規定する仲介行為(以下「仲介行為」という。)に該当するかどうかは、その報酬の額の合計額により判定するものとする。

  (注)1
 土地等の売買又は交換の代理又は媒介に関し報酬を受ける行為に関し、その行為をした者が情報提供者に対し支払う金額は、依頼者からの支払ではないから、その行為をした者がその依頼者から代理受領をしたと認められる場合を除き、当該行為に係る報酬の額には該当しない。

2  仲介行為に該当する場合の原価の額の計算については、68の69(3)-5を参照する。  

(売主及び買主の双方から報酬を収受する場合の仲介行為の判定)

68の69(1)-10 連結法人が土地等の売買又は交換の媒介の行為をし、その当事者の双方から報酬を受けた場合において、当該報酬を受ける行為が仲介行為に該当するかどうかは、その報酬の支払者の異なるごとに判定する。

  (注)
 概算法による経費の額の計算については、68の69(4)-7を参照する。
 

(宅地建物取引業法に規定する報酬の額の範囲)

68の69(1)-11 連結法人が土地等の売買又は交換の代理又は媒介の行為をした場合において、当該行為につき受ける収入金額を対価の部分と当該行為に通常要する費用の額に対応する部分とに区分しているときであっても、次に掲げるものを除き、その行為に係る報酬の額は、当該収入金額によることに留意する。

  (1)
 昭和45年10月23日付建設省告示第1552号「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額を定める件」第6ただし書に規定する広告の料金相当額

(2)  依頼者の特別の依頼により行う遠隔地における現地調査に要する費用で事前に依頼者の承諾があるものにつき別途に受領した金額  

(山林原野の仲介行為)

68の69(1)-12 連結法人が山林原野等宅地以外の土地等の売買又は交換の代理又は媒介の行為をした場合において、当該行為につき宅地建物取引業法第46条第1項に規定する報酬の額を超える報酬を受けるときは、当該行為は、仲介行為に該当することに留意する。  

(仲介行為と土地等の取得時期との関係)

68の69(1)-13 仲介行為については、当該仲介行為に係る土地等の譲渡をする者の当該土地等の取得の日いかんにかかわらず、措置法第68条の69第2項第1号に規定する短期所有に係る土地の譲渡等に該当することに留意する。  

(仲介報酬の分割払を受ける場合の重課の計算)

68の69(1)-14 土地等の売買又は交換の代理又は媒介に関し受ける報酬が、仲介行為に関し受ける報酬(以下「短期重課対象報酬」という。)に該当するかどうかは、その報酬が連結事業年度を異にして分割払されるときにおいてもその全額により判定するのであるが、この場合における措置法第68条の69の規定の適用については、次による。

  (1)
 その分割払を受ける金額のみで既に短期重課対象報酬に該当する場合のその支払を受ける連結事業年度 当該連結事業年度においてその支払を受ける金額を基として措置法第68条の69の規定を適用するが、その報酬に係る譲渡利益金額がマイナスとなる場合であっても、他の土地の譲渡等に係る譲渡利益金額との通算は行わない。

(2)  (1)の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)後に残金の支払を受ける連結事業年度 その残金の支払を受ける日を含む連結事業年度においてその報酬の全額の支払を受けるものとして計算した譲渡利益金額から当該(1)の連結事業年度において既に短期重課対象報酬に該当するため課税された譲渡利益金額(連結事業年度に該当しない事業年度において措置法第63条の規定により課税された譲渡利益金額を含む。)に相当する金額を控除した残額を当該連結事業年度における当該報酬に係る譲渡利益金額とする。
(3)  その分割払を受ける金額のみでは短期重課対象報酬には該当しないが残金の支払額とを合計すれば短期重課対象報酬に該当する場合のその残金の支払を受ける連結事業年度 その残金の支払を受ける日を含む連結事業年度においてその報酬の全額の支払を受けるものとして計算した譲渡利益金額を当該連結事業年度における当該報酬に係る譲渡利益金額とする。  

(土地等の譲渡-借地権が消滅した場合)

68の69(1)-15 令第 137条に規定する借地権又は地役権(以下「借地権」という。)を有する連結法人が、当該借地権の消滅に際して立退料その他その消滅の対価の支払を受けた場合(当該対価の支払を受けるべき場合においてその全部又は一部の支払を受けなかったときを含む。)には、当該借地権の譲渡があったものとする。この場合において、措置法第68条の69の規定の適用については、その土地を所有していた者は、その支払った立退料その他その消滅の対価の額に対応する部分の土地をその借地権の消滅の時に取得したものとして取り扱う。

  (注)
 借地権を消滅させた場合の譲渡対価の額については、68の69(2)-7を参照する。
 

(土地等の取得-借地権者が底地を取得した場合)

68の69(1)-16 借地権を有する連結法人が当該借地権に係る土地を取得したことによりその借地権が消滅した場合には、その消滅後の土地については、消滅した借地権に対応する部分の土地は当該借地権の取得の日に取得し、当該借地権に対応する部分以外の部分の土地(以下「底地」という。)は、その借地権が消滅した日に取得したものとして取り扱う。  

(借地権割合が2分の1未満である土地に係る借地権の譲渡)

68の69(1)-17 借地権の設定につき法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の令第 138条第1項の規定の適用がない場合であっても、借地権者が当該借地権を譲渡したときは、その譲渡の行為は、措置法第68条の69第2項第1号に規定する短期所有に係る土地の譲渡等に該当することに留意する。  

(造成工事の対価として土地を交付する場合)

68の69(1)-18 土地の所有者が他の者にその土地の造成工事を請け負わせた場合において、その契約に基づき対価の支払に代えて造成後の土地の一部を交付したときは、その造成完了時に、土地の所有者にあっては当該交付に係る土地の譲渡をしたものとし、造成工事を請け負った者にあってはその取得をしたものとする。この場合において、当該交付に係る土地の譲渡価額は、当該造成工事に係る契約において造成工事の対価の額が定められているときはその金額により、その定めがないときはその造成完了時の価額による。

  (注)
 契約によりその造成工事に係る対価の額が定められていない場合において、譲渡対価の額及び取得価額とすべき価額を当該造成工事を請け負った者が支出した当該造成工事の原価の額と請負工事に係る通常の利益の額との合計額によっているときは、これを認める。
 

(土地類似株式等の判定)

68の69(1)-19 措置法令第39条の98第1項第2号イ(1)及び(2)に掲げる株式等(以下「土地類似株式等」という。)に該当するかどうかは、法人が株式(出資を含む。以下「株式等」という。)を同号ロの規定に該当して譲渡をした時の現況により判定し、同号イ本文に規定する特殊関係株主等の有する株式等の割合が当該株式等の発行法人の発行済株式又は出資(当該発行法人が有する自己の株式等を除く。以下「発行済株式等」という。)の 100分の30以上である時において土地類似株式等に該当するかどうかは問わないものとする。この場合において、同一発行法人の株式等につき同一連結事業年度において譲渡が2回以上行われているとき(当該連結事業年度において譲渡をした株式等の数の合計が、当該発行法人の発行済株式等の総数の 100分の5に当該連結事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算した数以上である場合に限る。)は、そのいずれかの譲渡の日の現況において、土地類似株式等に該当するかどうかにより判定するものとする。

  (注)
 同項第3号イに規定する特定信託の受益権に該当するかどうかの判定についても、同様とする。
 

(総資産の価額の総額の算定が困難な場合の簡便計算)

68の69(1)-20 連結法人が譲渡をした株式等に係る発行法人の土地保有割合を計算する場合において、当該譲渡の時の現況における当該発行法人の有する資産の価額の総額の算定が困難と認められるときは、当該資産の価額は、次の算式により計算した金額によるものとする。

 

(譲渡直前に借入れ等を行った場合の土地類似株式等の判定)

68の69(1)-21 土地類似株式等を判定する場合において、その判定しようとする株式等の発行法人の有する借入金等の債務のうちに、その債務の発生の理由に合理性がなく、その判定を免れるためのものと認められるものがあるときは、その債務に見合う資産はないものとして当該判定を行うものとする。

第2款  収益の額

 

(無償又は低い価額により譲渡をした場合の収益の額)

68の69(2)-1 連結法人が無償で土地等の譲渡をした場合には、当該土地等の譲渡の時の価額により当該土地等の譲渡があったものとする。連結法人がその土地等の譲渡の時の価額に比して低い価額で当該土地等の譲渡をした場合において、当該土地等の譲渡の時の価額と当該低い価額との差額につきその相手方に贈与をしたと認められるときも、同様とする。  

(措置法第29条の適用がある場合の収益の額)

68の69(2)-2 連結法人がその使用人に譲渡の時の価額に比して低い価額で土地等を譲渡した場合において、その使用人が受ける経済的利益について措置法第29条第3項の規定の適用を受けたときは、これらの規定により非課税とされる経済的利益の額は、68の69(2)-1にかかわらず、当該土地等の譲渡による収益の額に加算しない。

  (注)1
 連結法人が勤労者財産形成促進法第9条の融資を受けて取得した土地等をその使用人兼務役員に対し譲渡の時の価額に比して低い価額で譲渡した場合には、68の69(2)-1の取扱いの適用があるのであるが、この場合における当該土地等の譲渡の時の価額については、勤労者財産形成促進法施行規則第16条の規定により計算した金額によることができる。

2  使用人及び使用人兼務役員に対し土地等を譲渡の時の価額に比して低い価額で譲渡した場合において、本文及び注書1の取扱いの適用がないときにおける当該土地等の譲渡の時の価額の判定については、所得税基本通達36-23及び36-39を準用することができる。
3  公募要件に該当するかどうかについては68の69(5)-11を参照する。  

(建物、土地等を同時に譲渡した場合における土地等の対価の計算)

68の69(2)-3 連結法人が建物及び土地等を同時に譲渡した場合において、当該土地等の譲渡対価の額が、次による等合理的に算定されており、かつ、当該譲渡に係る契約書において明らかにされているとき(建物の譲渡対価の額から明らかにすることができるときを含む。)は、これを認める。

  (1)
 建物の譲渡対価の額として相当と認められる価額を建物及び土地等の譲渡対価の額の合計額から控除した金額を土地等の譲渡対価の額としていること。

  (注)
 例えば、建物の建築費の額又は購入価額(当該建物の建築又は購入後に要した施設費その他の附随費用の額を含む。)に通常の利益の額を加算した金額を建物の譲渡対価の額としているときは、相当と認められる価額とする。 (2)  土地等の譲渡対価の額として相当と認められる価額を土地等の譲渡対価の額としていること。ただし、建物及び土地等の譲渡対価の額の合計額から当該土地等の譲渡対価の額を控除した金額が建物の譲渡対価の額として相当と認められる場合に限る。  

(新築した建物を土地等と同時に譲渡した場合の対価の計算)

68の69(2)-4 連結法人が、自己の有する土地等に建物(建物に附帯する門、塀、駐車場等の構築物を含む。以下68の69(2)-5までにおいて同じ。)を建設し、これらを同時に譲渡した場合において、当該土地等の譲渡対価の額が、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次に定めるところにより算定されており、かつ、当該土地等の譲渡対価の額とした金額が当該譲渡に係る契約書において明らかにされているとき(建物の譲渡対価の額から明らかにすることができるときを含む。)は、68の69(2)-3にかかわらず、これを認める。

  (1)
 土地等と建物の譲渡対価の額の合計額(以下68の69(2)-4において「譲渡対価の合計額」という。)が、土地等の取得価額(支払利子の額が含まれている場合には、当該支払利子の額を控除した金額。以下68の69(2)-4において同じ。)と建物の取得価額との合計額(以下68の69(2)-4において「譲渡原価の合計額」という。)を超える場合 建物の取得価額に142%(建物の建築期間が1年を超える場合には、その超える期間の月数(1月未満の端数があるときは1月とする。)に1%を乗じた割合を加算した割合とし、その加算した割合が154%を超えるときは 154%とする。)を乗じて計算した額と譲渡対価の合計額から土地等の取得価額を控除した残額とのいずれか少ない金額に相当する金額以下の金額を建物の譲渡対価の額とし、残余を土地等の譲渡対価の額とする。

(2)  (1)以外の場合 譲渡対価の合計額に譲渡原価の合計額のうちに建物の取得価額の占める割合を乗じて計算した額に相当する金額を建物の譲渡対価の額とし、残余を土地等の譲渡対価の額とする。

  (注)1
 庭石、芝生、樹木等のうち通常土地の価格に含めて取引されるものは、建物の取得価額には含めない。

2  建築期間とは、建築着工の日から譲渡の日までの期間をいう。
3  当該土地等の譲渡対価の額が、当該土地等の譲渡につき措置法規則第22条の63第1項第4号ロ(1)から(4)までに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ同号ロ(1)から(4)までに定める予定対価の額又は譲渡予定価額を超える場合において、当該予定対価の額又は譲渡予定価額をもって土地等の譲渡対価の額としているときは、これを認める。  

(同時に取得した新築の建物と土地等を同時に譲渡した場合の対価の計算)

68の69(2)-5 連結法人が販売の目的をもって土地等と建物(建築後使用されたことのないものに限る。)とを同時に購入し、その後これらを同時に譲渡した場合における土地等の譲渡対価の額については、68の69(2)-4に準じて取り扱う。この場合において、68の69(2)-4の(1)の 142%に係るかっこ書は適用しない。  

(温泉利用権等のある土地等の収益の計算)

68の69(2)-6 温泉をゆう出する土地等又は温泉を利用する権利がある土地等を譲渡した場合において、その土地等の対価の額のうちに温泉利用権の価額を含んでいることが契約書等により明らかにされているときは、その対価の額から当該温泉利用権の価額を控除した金額をもって、その土地等の収益の額とする。岩石が埋蔵されている土地等を譲渡した場合(当該岩石が当該土地等を取得した者において採掘される場合に限る。)又は立木等(相当の価額を有し、かつ、独立して取引されることに合理性が認められるものに限る。)がある土地等を譲渡した場合においても、同様とする。  

(借地権を消滅させた場合の譲渡対価の額)

68の69(2)-7 借地権を有する連結法人が、当該借地権の消滅に際して立退料その他借地権の消滅の対価の支払を受けた場合における当該借地権に係る措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第39条の97第2項第1号に定める譲渡の対価の額は、その受けた立退料その他借地権の消滅の対価の額によるが、当該対価の支払を受けるべき場合において、当該対価の額の全部又は一部の支払を受けなかったときは、その支払を受けるべきであったと認められる立退料その他借地権の消滅の対価の額をもって同号に定める譲渡の対価の額とする。  

(借地権を消滅させた後土地等の譲渡をした場合の譲渡対価の区分)

68の69(2)-8 地主たる連結法人が、その土地に係る借地権を消滅させた後に当該土地を譲渡し、又は当該土地に新たな借地権を設定した場合には、68の69(1)-15により借地権の消滅時に取得したものとされる部分の土地(連結事業年度に該当しない事業年度において措置法通達63(1)-16により取得したものとされる部分の土地を含む。以下68の69(2)-8において「旧借地権部分」という。)及びその他の部分の土地(以下68の69(2)-8において「旧底地部分」という。)をそれぞれ譲渡し又はそれぞれの部分について借地権を設定したものとして取り扱うものとするが、この場合における旧底地部分及び旧借地権部分に係る措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第39条の97第2項第1号に定める譲渡の対価の額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める算式により計算した金額によるものとする。
(1) 当該土地を譲渡した場合
イ 旧借地権部分に係る対価の額
   
ロ 旧底地部分に係る対価の額   当該土地の譲渡対価の額-イの金額
(2) 当該土地につき新たに借地権を設定した場合
イ 旧借地権部分に係る対価の額

ロ 旧底地部分に係る対価の額   当該新たに設定した借地権の対価の額-イの金額
  (注)
 借地権を消滅させた後土地等の譲渡をした場合の原価の額の区分については、68の69(3)-2を参照する。  

(底地を取得した後土地等の譲渡をした場合の譲渡対価の区分)

68の69(2)-9 借地権を有する連結法人が、当該借地権に係る底地を取得した後に当該土地を譲渡し、又は当該土地に新たな借地権を設定した場合には、68の69(1)-16により取得したものとされる底地(連結事業年度に該当しない事業年度において措置法通達63(1)-17により取得したものされる部分の土地を含む。以下68の69(2)-9において「旧底地部分」という。)及び借地権に対応する部分の土地(以下68の69(2)-9において「旧借地権部分」という。)に係る措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第39条の97第2項第1号に定める譲渡の対価の額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める算式により計算した金額によるものとする。

  (1)
 当該土地を譲渡した場合

  イ 旧底地部分に係る対価の額  
   
  (注)
 「旧底地部分の取得のために要した金額」には、購入手数料その他の付随費用の額を含めない(以下(2)のイにおいて同じ。)。
  ロ 旧借地権部分に係る対価の額   当該土地の譲渡対価の額-イの金額
  (2)
 当該土地につき新たに借地権を設定した場合

  イ 旧底地部分に係る対価の額  

  ロ 旧借地権部分に係る対価の額   当該新たに設定した借地権の対価の額-イの金額
  (注)
 底地を取得した後土地等の譲渡をした場合の原価の額の区分については、68の69(3)-3を参照する。

 

(延払基準を適用した場合の利息相当額等の収入金額からの除外)

68の69(2)-10 連結法人が土地等の譲渡につき法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額又は個別益金額を計算する場合の法第63条第1項に規定する延払基準の方法(以下「延払基準の方法」という。)を適用している場合において、当該土地等の譲渡に係る対価の額のうちに賦払に係る利息相当額又は代金回収のための費用(以下68の69(2)-10において「利息相当額等」という。)が含まれているときは、当該土地等の譲渡に係る譲渡の対価の額は、次のすべての要件に該当するときに限り、その利息相当額等を控除した金額によることができる。

  (1)
 当該土地等の譲渡に関する契約において、土地等の譲渡に係る譲渡の対価の額と利息相当額等とが明確に区分して定められていること。

(2)  賦払に係る利息相当額が通常の利率により計算され、かつ、代金回収のための費用が合理的に計算されていること。
(3)  土地等の譲渡をした連結法人が、譲渡の対価の額と利息相当額等とを区分して経理していること。  

(延払基準を適用した場合の譲渡利益金額の計算)

68の69(2)-11 連結法人が、土地等の譲渡につき当該土地等の譲渡のあった日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において延払基準の方法による経理をしている場合には、当該連結事業年度以後の各連結事業年度における当該土地等の譲渡に係る措置法第68条の69第2項第2号に規定する譲渡利益金額は、次の算式により計算した金額となることに留意する。

    (注)
 その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度とする。

第3款  原価の額

 

(圧縮記帳に係る引当金等がある土地等の帳簿価額)

68の69(3)-1 連結法人が譲渡した土地等について圧縮記帳に係る引当金又は積立金を有している場合には、当該譲渡をした土地等に係る措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第38条の97第4項第1号イに掲げる譲渡直前の帳簿価額は、その土地等の帳簿価額として記帳されている金額から当該引当金又は積立金の額を控除した後の金額によるものとする。

  (注)
 この取扱いにより譲渡直前の帳簿価額から控除する引当金又は積立金の額は、その繰入れ又は積立てをした連結事業年度の連結所得の金額(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度の所得の金額)の計算上損金の額に算入された金額によるものとし、その後の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)においてこれらの金額を取り崩して連結基本通達4-1-2の(2)又は基本通達4-1-2の(2)の取扱いにより益金の額に算入している場合においても、その取崩しはなかったものとした金額によることに留意する。
 

(借地権を消滅させた後土地等の譲渡をした場合の原価の額の区分)

68の69(3)-2 地主たる連結法人が、その土地に係る借地権を消滅させた後に当該土地を譲渡し、又は当該土地に新たな借地権を設定した場合には、68の69(2)-8に定める旧借地権部分及び旧底地部分(措置法通達63(2)-8に定める旧借地権部分及び旧底地部分を含む。以下68の69(3)-2において同じ。)に係る措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第39条の97第4項第1号イからニまでに掲げる金額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める算式により計算した金額によるものとする。
(1)当該土地を譲渡した場合

イ 旧借地権部分に係る原価の額  
   
ロ  旧底地部分に係る原価の額    
 
(2)  当該土地につき新たに借地権を設定した場合
イ 旧借地権部分に係る原価の額  
 
ロ  旧底地部分に係る原価の額  



(底地を取得した後土地等の譲渡をした場合の原価の額の区分)

68の69(3)-3 借地権を有する連結法人が、当該借地権に係る底地を取得した後に当該土地を譲渡し、又は当該土地に新たな借地権を設定した場合には、68の69(2)-9に定める旧底地部分及び旧借地権部分(措置法通達63(2)-9に定める旧底地部分及び旧借地権部分を含む。以下68の69(3)-3において同じ。)に係る措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第39条の97第4項第1号イからニまでに掲げる金額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれイ又はロに定める算式により計算した金額によるものとする。
(1)当該土地を譲渡した場合
イ 旧底地部分に係る原価の額  
   
ロ  旧借地権部分に係る原価の額    


(2)  当該土地につき新たに借地権を設定した場合
イ 旧底地部分に係る原価の額  
   
ロ  旧借地権部分に係る原価の額  



(異なる取得価額の土地から成る一団の宅地の一部を譲渡した場合の原価の額の計算)

68の69(3)-4 連結法人が、一団の宅地に属する土地等の譲渡をした場合において、当該譲渡に係る措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第39条の97第4項第1号イの譲渡直前の帳簿価額又は同号ハの賃借権の設定等直前の帳簿価額については、連結基本通達2-2-2に定めるところによる。この場合において、これらの帳簿価額の計算の基礎となる「工事原価の見積額」のうちに各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)に支出した利子の額が含まれている場合には、その額を控除して計算することに留意する。

  (注)1
 譲渡した一団の宅地に属する土地等のうちに短期所有土地等に該当するものとこれに該当しないものとがある場合には、短期所有土地等の帳簿価額と当該短期所有土地等以外の土地等の帳簿価額との区分ごとに連結基本通達2-2-2を適用することができる。

2  一団の宅地につき取得時期の異なるものが多数含まれている場合における譲渡した土地の取得時期の判定については68の69(1)-5を、期末帳簿価額の見積りについては68の69(4)-2を参照する。  

(仲介行為者が2以上である場合の原価の額の計算)

68の69(3)-5 68の69(1)-9に該当する場合において、その行為が仲介行為に該当するときは、その仲介行為をした2以上の者における原価の額は、措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第39条の97第4項第1号ホに規定する仲介取引額をこれらの者がその仲介行為により受けた報酬の額の比によりあん分した金額とする。

第4款  直接又は間接に要した経費の額等

 

(造成費の支出がある場合の譲渡土地等の帳簿価額の累計額の計算)

68の69(4)-1 措置法令第39条の98第4項の規定により読み替えて準用される措置法令第39条の97第5項第1号ロ又はハに定める金額(以下「帳簿価額の累計額」という。)については、同号に規定する保有期間の中途にその土地等につき造成費等の支出があった場合においても、その支出の日にかかわらず、同号ロ(1)に規定する各連結事業年度の終了の日又は当該土地等の譲渡の日における当該土地等の帳簿価額に基づいて計算することに留意する。  

(期末帳簿価額についての見積計算の不適用)

68の69(4)-2 措置法令第39条の98第4項の規定により読み替えて準用される措置法令第39条の97第5項第1号ロ(1)の金額の計算の基礎となる保有期間内に終了した各連結事業年度終了の日の原価の額として計算されることとなる金額は、当該土地等につき各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)に支出した利子の額以外の金額で土地等の取得価額に算入すべき金額によるものとする。

  (注)1
 発生した費用につき、連結法人が未払金として経理した金額及び手形による支払額も支出した金額に含まれる。

2  一団の宅地に属する土地等を譲渡した場合において、当該譲渡をした連結事業年度における同号ロ(2)又はハの原価の額は、68の69(3)-4により計算した金額による。  

(土地等の帳簿価額の累計額の計算の特例)

68の69(4)-3 一の事業計画に係る一団の宅地に属する土地等の取得又は譲渡がおおむね当該連結事業年度に含まれる各月にわたって行われており、かつ、その取得又は譲渡が相当数に上る場合には、当該連結事業年度中に取得し又は譲渡した当該土地等のすべてについて、当該連結事業年度の期央に取得し又は譲渡があったものとして帳簿価額の累計額を計算することができるものとする。  

(一団の宅地に属する土地等についての帳簿価額の累計額の計算)

68の69(4)-4 連結法人が一団の宅地に属する土地等の一部の譲渡をした場合における帳簿価額の累計額は、当該譲渡をした土地等につきその取得時期の異なるものごとに計算するのであるが、例えば、次の(1)に掲げる金額に(2)に掲げる割合を乗じて計算した金額と(3)に掲げる金額との合計額によることでも差し支えない。

  (1)
 当該譲渡をした日を含む連結事業年度の直前の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)終了の日までの期間につき計算されるその一団の宅地に属する土地等のすべてに係る帳簿価額の累計額(既に譲渡された土地等に係る部分の金額を除く。)

(2)  分譲総予定面積(既に譲渡された土地等の面積を除く。)のうちに占める当該譲渡をした土地等の面積の割合
(3)  当該譲渡をした土地等につき68の69(3)-4により計算される譲渡原価の額に当該譲渡をした日を含む連結事業年度の保有期間の月数を乗じてこれを12で除して計算した金額

  (注)
 (2)の割合は、分譲(予定)価額を基礎として計算することができる。
 

(概算法による場合の譲渡経費)

68の69(4)-5 連結法人が販売費及び一般管理費の額の計算につき概算法(措置法令第39条の98第4項の規定により読み替えて準用される措置法令第39条の97第5項の規定の適用を受ける場合におけるその計算方法をいう。以下同じ。)による場合には、たとえその土地等の譲渡のために直接要した仲介手数料、広告費等の額が明らかであっても、概算法により計算した金額以外にこれらの金額を別途に控除することはできないことに留意する  

(仲介行為の場合における保有期間)

68の69(4)-6 連結法人が仲介行為をした場合における当該土地等の措置法令第39条の98第4項の規定により読み替えて準用される措置法令第39条の97第5項第1号に規定する保有期間は、1日として取り扱う。  

(売主及び買主の双方から報酬を受ける場合の概算法による経費の計算)

68の69(4)-7 連結法人が、土地等の売買又は交換の媒介の行為をし、その当事者の双方から報酬を受けた場合において、そのいずれもが短期重課対象報酬に該当するときは、当該報酬の合計額から控除される概算法による経費の額は、一の仲介行為があったものとして措置法令第39条の98第3項の規定により準用される措置法令第39条の97第2項第1号に規定する仲介取引額に措置法令第39条の98第4項の規定により読み替えて準用される措置法令第39条の97第5項各号に規定する割合を乗じて計算した金額とする。
 当事者の一方から受ける報酬だけが短期重課対象報酬に該当する場合も同様とする。  

(実額配賦法による場合の経費の範囲)

68の69(4)-8 連結法人が、措置法令第39条の98第4項の規定により読み替えて準用される措置法令第39条の97第5項第2号に掲げる金額に係る経費の額の計算につき実額配賦法(措置法令第39条の98第4項の規定により準用される措置法令第39条の97第7項の規定の適用を受ける場合におけるその計算方法をいう。以下同じ。)を選定する場合において、当該経費の額は、販売費及び一般管理費に限られるのであるから、企業会計上営業外費用又は損失とされるものの額は、これに含まれないことに留意する。ただし、短期所有土地等の譲渡に係る未収金の貸倒損、当該短期所有土地等の災害等による異常損失で原価外で処理したもの等当該短期所有土地等に係る損失の額は、その発生した連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)における販売費及び一般管理費とする。  

(譲渡に伴う建物等の取壊損失)

68の69(4)-9 土地等の上にある建物その他の資産について、当該土地等の譲渡のため又は当該譲渡に関する契約の一環として取壊し又は除去を要する場合には、当該取壊し又は除去により生ずる損失の額は、販売費及び一般管理費とする。  

(引当金)

68の69(4)-10 法の規定による引当金の繰入額に係る実額配賦法の計算の基礎となる金額は、当該連結事業年度の連結所得の金額の計算上損金の額に算入される金額から益金の額に算入すべき金額を控除した金額(当該金額がマイナスとなる場合には、ゼロとする。)によるものとする。

  (注)
 当該連結事業年度において支出した退職給与の額は、法人税法等の一部を改正する法律(平成14年法律第79号)附則第8条第2項から第4項までの規定による当該連結事業年度の退職給与引当金勘定の取崩しに係る益金算入額を控除した金額(当該金額がマイナスとなる場合には、ゼロとする。)による。
 

(原価算入について弾力的処理ができる費用を原価外で処理している場合)

68の69(4)-11 連結法人が原価性を有する費用で連結所得の金額の計算上土地等の原価の額に含めないことができることとされているものを原価外で処理している場合には、当該土地等の帳簿価額につきその費用の額を加算する修正はできないものとするが、当該費用の額は、実額配賦法の計算の基礎となる支払利子又は販売費及び一般管理費の額に含めることができるものとする。  

(所得計算上損金の額に算入されない費用)

68の69(4)-12 法及び措置法の規定により連結法人の連結所得の金額の計算上損金の額に算入されない金額は、措置法令第39条の98第4項の規定により準用される措置法令第39条の97第7項の規定により、実額配賦法の計算の基礎となる販売費及び一般管理費の額に含まれないのであるが、当該損金の額に算入されない金額のうちに土地等の帳簿価額に含まれているものがあるときは、その含まれている金額は、当該土地等の帳簿価額から控除する。

  (注)
 当該連結法人に係る交際費等の損金不算入額又は寄附金の損金算入限度超過額のうち土地等の帳簿価額に含まれている金額は、当該連結事業年度において支出した交際費等の金額又は寄附金の金額のうちに占める当該土地等の帳簿価額に含まれているこれらの経費の金額の割合により計算することができる。
 

(土地等の贈与による寄附金)

68の69(4)-13 連結法人が支出する土地等の贈与による寄附金の額(損金の額に算入されない金額を除く。以下同じ。)については、資産の取得価額に算入されるものを除き一般管理費に該当するから、その土地の譲渡等に直接配賦するのではなく、一般の寄附金の額に含めて土地の譲渡等に係る部分の額を配賦することに留意する。  

(売上割引)

68の69(4)-14 連結法人が土地等の譲渡をした日を含む連結事業年度において支出した当該土地等の譲渡に係る売上割引の額は、実額配賦法の計算の基礎となる販売費及び一般管理費の額に含めることができるものとする。  

(圧縮記帳による圧縮額等)

68の69(4)-15 圧縮記帳による圧縮額及び措置法の規定による準備金(措置法第68条の41に規定する特別償却準備金を含む。)の積立額は、実額配賦法の計算の基礎となる販売費及び一般管理費には含まれず、営業外費用に該当するものとする。  

(実額配賦法による場合の販売費及び一般管理費の計算方法)

68の69(4)-16 連結法人が販売費及び一般管理費を実額配賦法により計算する場合における配賦基準は、原則として個々の費用ごとにその性質、態様等に応じて合理的に定めるものとするが、費用の性質、態様等がおおむね類似するものは、一括して同様の配賦基準によることとしても差し支えないものとする。その具体的な計算に当たっては、次のことに留意する。

  (1)
 土地の譲渡等に係る部門において発生した費用のうち、個々の土地の譲渡等に直接要した費用の額は当該土地の譲渡等に係る経費の額として直接配賦し、共通的に要した費用の額は合理的な基準により当該土地の譲渡等に係る部分を配賦すること。

(2)  連結法人の各部門に共通的に要した費用の額は、まず当該費用の額のうち土地の譲渡等に係る部門に対応する部分の金額を合理的な基準により当該部門に配賦し、次に当該対応する部分の金額を(1)の共通的に要した費用の額として配賦すること。

  (注)
 固定資産である土地等(賃貸資産を除く。)については維持管理に直接要した費用だけを配賦し、その他の一般管理費は配賦しないことができる。
 

(実額配賦法による場合の支払利子の計算方法)

68の69(4)-17 連結法人が支払利子(手形の割引料を含む。以下68の69(4)-17において同じ。)を実額配賦法により計算する場合における配賦基準は、いわゆる総資産あん分の方法によるのであるが、この場合の総資産あん分の方法は、例えば、各連結事業年度ごとに次の算式により計算した金額を当該連結事業年度の土地等に係る支払利子の額として配賦することとする方法によることができる。  

A=当該連結事業年度の直前連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の終了の日における総資産の帳簿価額から同日における土地等の帳簿価額を控除した金額
B= 当該連結事業年度終了の日における総資産の帳簿価額から同日における土地等の帳簿価額を控除した金額
C= 当該連結事業年度中に譲渡した個々の土地等の譲渡原価に当該個々の土地等の当該連結事業年度における保有期間の月数を乗じ、これを当該連結事業年度の月数で除して得た金額
D= 当該連結事業年度終了の日において有する個々の土地等の同日における帳簿価額に当該個々の土地等の当該連結事業年度における保有期間の月数を乗じ、これを当該連結事業年度の月数で除して得た金額  

(仲介行為に係る経費の額)

68の69(4)-18 仲介行為に係る経費の額の計算につき実額配賦法による場合には、当該仲介行為前にその仲介のために直接要した費用の額については、当該仲介行為前に支出したものであっても保有期間に関係なく当該仲介行為に係る経費の額に含まれることに留意する。  

(更正決定の場合の経費の計算方法)

68の69(4)-19 措置法第68条の69第1項の適用につき税務署長が決定又は更正をする場合には、同条第2項第2号に規定する経費の額は、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次によることに留意する。

  (1)
 決定の場合(措置法規則第22条の63第1項に規定する法人税申告書の提出はしているが、措置法第68条の69第1項に関する事項について申告をしていない場合を含む。) 概算法により計算する。

(2)  更正の場合 連結法人が実額配賦法によっているときは、実額配賦法により計算する。ただし、連結法人の計算が著しく合理性を欠くと認められるときは、概算法により計算する。

  (注)1
 連結法人の各連結事業年度の連結所得の金額(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度の所得の金額)の計算の基礎となった費用の額に係る否認金額が多いため、実額配賦法の計算の全体に著しく影響を与えると認められる場合は、著しく合理性を欠く場合に該当する。

2  計算方法の変更は、通則法第23条に規定する更正の請求の対象とはならない。

第5款  適用除外関係

 

(棚卸資産である土地等の収用換地等による譲渡)

68の69(5)-1 措置法第68条の69第3項第3号の規定は、棚卸資産である土地等の譲渡で措置法第65条の2第1項に規定する収用換地等によるものについても適用があることに留意する。  

(地方公共団体の出資又はきょ出により設立された法人の意義)

68の69(5)-2 措置法令第39条の98第6項に係る措置法令第38条の5第5項第2号イに規定する「その出資金額又は拠出をされた金額の全額が地方公共団体により出資又は拠出をされていること」とは、外部から導入される資金(債務の額を除く。)のすべてが地方公共団体により出資又はきょ出をされることをいうのであるから、一の法人について出資金額ときょ出をされた金額とがある場合には、そのいずれについてもその全額が地方公共団体によって出資又はきょ出をされていなければならないことに留意する。  

(土地区画整理事業の換地処分により取得した土地等を譲渡した場合の除外規定の適用)

68の69(5)-3 連結法人が土地区画整理事業の換地処分により取得した土地等(仮換地の指定を受けた土地等で、既に造成を完了し、そのまま換地処分に至ることが確実と認められるものを含む。)を譲渡した場合において、これらの土地等に係る一団の宅地の造成について措置法第68条の69第3項第5号又は第7号イに規定する認定を受けているときは、当該一団の宅地は、当該連結法人が自ら造成したものとして取り扱う。  

(優良宅地の造成の意義)

68の69(5)-4 措置法第68条の69第3項第4号、第5号及び第7号イの規定による特別税率の適用除外は、自己が造成した土地等の譲渡について適用されるのであるが、この場合の自己が造成した土地等とは、措置法規則第22条の63第1項第4号イ、第5号イ又は第7号イに掲げる書類により証明された土地等をいうものとする。  

(いわゆる売建方式による場合の土地の引渡しの時期)

68の69(5)-5 連結法人が請負の方法により新築する住宅の敷地の用に供する土地の譲渡につき措置法第68条の69第3項第6号又は第7号ロの規定の適用を受ける場合には、当該土地はその代金の相当部分(おおむね50%以上)を収受するに至った日と所有権移転登記の申請(その登記の申請に必要な書類の相手方への交付を含む。)をした日とのいずれか早い日に引渡しがあったものとして取り扱う。この場合において、そのいずれか早い日を含む連結事業年度の期間内に当該土地の上に請負の方法により新築した住宅の引渡しが行われたときは、当該住宅は、措置法令第39条の98第11項に規定する「当該住宅の敷地の用に供された土地と併せて引き渡したもの」に該当するものとする。  

(造成工事の対価として取得した土地を譲渡した場合の除外規定の適用)

68の69(5)-6 68の69(1)-18の場合において、造成工事を請け負った連結法人がその造成工事の対価として造成後の土地の一部を取得したときは、当該土地の譲渡に係る措置法第68条の69第3項の規定の適用については、次によるものとする。

  (1)
 当該土地は、当該連結法人が造成をした土地に該当する。

(2)  当該土地が措置法第68条の69第3項第4号、第5号又は第7号イのいずれに該当するかは、その造成された一団の宅地の全体により判定する。
(3)  措置法規則第22条の63第1項第4号イ、第5号イ又は第7号イに掲げる書類は、当該土地の従前の所有者の当該土地に係る当該書類の写しによることができる。  

(公募手続開始前の譲渡)

68の69(5)-7 公募手続開始前の土地等の譲渡は、たとえその譲渡が一般需要者に対するものであり、かつ、公募後の譲渡と同一条件により行われたものであっても、公募の方法による譲渡には該当しないものとする。  

(会員を対象とする土地等の譲渡)

68の69(5)-8 いわゆるハウジングメイト等会員を対象として土地等の譲受人を募集する場合であっても、その会員の募集が公募の方法により行われるときは、当該会員を対象とする譲受人の募集は、公募の方法に該当するものとする。

  (注)
 「会員の募集が公募の方法により行われているとき」には、一団の宅地の造成分譲を目的として、その分譲を希望する組合員、出資者等を募集する場合を含むものとするが、会員等となるに当たって縁故関係を必要とすること、入会資格に強い制約のある社交団体の会員資格を必要とすること等の場合は、これに含まれないものとする。
 

(一団の宅地の一部の譲渡が公募要件を欠く場合の除外規定の適用)

68の69(5)-9 一団の宅地の譲渡のうちに縁故募集等公募の方法によらない部分の譲渡と公募の方法による部分の譲渡とがある場合には、原則としてその公募の方法による部分の譲渡のみが措置法第68条の69第3項第4号ハに規定する要件(以下「公募要件」という。)に該当するのであるが、一団の宅地の相当部分を公募の方法により譲渡し、一部分を特別の事情により公募の方法によらないで譲渡した場合において、その特別の事情が同項第4号の開発許可又は同項第5号若しくは第6号の認定の要件となっていること、その一団の宅地の生活条件等の整備上必要であること等相当と認められるものであるときは、その一団の宅地の譲渡の全部が公募要件に該当するものとして取り扱う。  

(公募売れ残り品の譲渡)

68の69(5)-10 連結法人が一団の宅地の譲渡に際し、公募の方法により再三譲受人を募集したが、なお売れ残った土地等がある場合において、その後公募の際とおおむね同一の条件により当該土地等を譲渡したときは、譲受人が転売を目的として取得したと認められる場合(その譲渡が措置法令第39条の98第8項に定める要件に該当する場合を除く。)を除き、その売れ残った土地等の譲渡は公募の方法により行われたものとする。

  (注)
 土地等の譲渡が同項に定める要件に該当する場合には、措置法第68条の69第3項の規定の適用上公募要件を満たしている必要はない。
 

(連結法人の役員又は使用人に対する土地等の譲渡)

68の69(5)-11 連結法人(当該連結法人の属する企業グループの役員又は使用人を対象として土地等の譲渡を行う法人その他の団体を含む。)が、当該連結法人又は当該企業グループに属する法人の役員又は使用人のために措置法第68条の69第3項第4号の開発許可又は同項第5号若しくは第6号の認定を受けて宅地の造成又は住宅の新築をし、当該役員又は使用人のうちから譲受人を募集して譲渡をする場合(社内における地位により譲渡条件に区分を設けている場合を除く。)には、当該譲渡は、公募要件に該当するものとして取り扱う。  

(一団の宅地の一部が住宅以外の施設の敷地の用に供される場合の除外規定の適用)

68の69(5)-12 措置法第68条の69第3項第6号の規定を適用する場合において、同号に規定する新築された優良な住宅の敷地の用に供される一団の宅地には、当該住宅に居住する者の生活条件等の整備上必要な施設の敷地の用に供される土地等を含むものとして取り扱う。

  (注)
 住宅に居住する者の生活条件等の整備上必要な施設の敷地の用に供される土地等については、措置法規則第22条の63第1項第6号イの証明は要しないことに留意する。
 

(併用住宅の敷地)

68の69(5)-13 措置法第68条の69第3項第6号又は第7号ロに規定する認定を受けた新築された住宅に係る建物の敷地の用に供された土地等は、当該建物が住宅以外の部分を有するものであっても、その全部がこれらの号に規定する新築された住宅の敷地の用に供されたものに該当することに留意する。  

(公募要件に該当する事実を明らかにする書類の書式)

68の69(5)-14 措置法規則第22条の63第1項第4号ハに規定する「法第68条の69第3項第4号ハに掲げる要件」に該当する事実を明らかにする書類は、付表の書式(これに準ずる書式を含む。)による。



 

(1,000 平方メートル未満の優良宅地等の適正価格の判定)

68の69(5)-15 措置法第68条の69第3項第7号の規定を適用する場合における1,000平方メートル未満の優良宅地等の適正価格は、措置法令第39条の98第13項に定めるところによるのであるが、連結法人が次のいずれかの額をもってその譲渡に係る土地(国土利用計画法第14条第1項に規定する許可を受けて譲渡した土地を除く。)の適正価格として計算している場合には、その計算を認めるものとする。

  (1)
 公示価格等に係る土地の固定資産税評価額を知ることができる場合において、当該譲渡に係る土地の固定資産税評価額に、当該公示価格等を当該公示価格等に係る土地の固定資産税評価額で除して得た値を乗じて得た額

  (注)
 公示価格等とは、当該譲渡に係る土地の近傍類地の地価公示法第8条に規定する公示価格若しくは国土利用計画法施行令第9条第1項に規定する標準価格又は当該土地の近傍類地につき行われた譲渡で措置法令第39条の98第9項各号に掲げる場合に該当するもの(以下(2)において「適正譲渡事例」という。)に係る対価の額をいう。 (2)  適正譲渡事例に係る土地の面積、立地条件、譲渡時期等の諸条件と当該譲渡に係る土地についてのこれらの諸条件とを比較考量した場合に当該適正譲渡事例に係る対価の額を基礎として合理的に算定される当該譲渡に係る土地の価額
  (注)
 国土利用計画法第27条の3第1項に規定する注視区域内にある土地又は同法第27条の6第1項に規定する監視区域内にある土地について、同法第27条の4第1項(同法第27条の7第1項において準用する場合を含む。)に規定する届出をし、かつ、同法第27条の5第1項又は第27条の8第1項の規定による勧告を受けないで譲渡した場合における当該届出に係る予定対価の額は、適正対価の額とする。 (3)  当該譲渡に係る土地の取得価額(支払利子の額が含まれている場合には、当該支払利子の額を控除した金額)に142%(当該土地の保有期間が1年を超える場合には、その超える期間の月数(1月未満の端数があるときは1月とする。)に1%を乗じた割合を加算した割合とし、その加算した割合が154%を超えるときは154%とする。)を乗じて計算した額  

(災害により滅失した家屋の意義)

68の69(5)-16 措置法令第39条の98第15項に規定する「災害により滅失した当該家屋」とは、措置法第68条の69第3項第8号に規定する連結法人が個人から譲渡を受けた土地等の上に存していた家屋で、その譲渡の日前1年前の日から当該個人又は当該個人の親族が居住の用に供していたものが、その後当該譲渡の日までの間に災害により滅失した場合における当該家屋をいう。  

(主として居住の用に供していた家屋の意義)

68の69(5)-17 措置法令第39条の98第15項に規定する「主としてその居住の用に供していた家屋」とは、同項に規定する個人又は当該個人の親族が生活の本拠として使用していた家屋(当該家屋が居住の用と居住の用以外の用に供されていた場合には、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されていたものに限る。)をいう。したがって、いわゆる別荘の用に供されていた家屋は、これに該当しないのであるから留意する。

  (注)
 その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が専ら居住の用に供されていたかどうかは、当該家屋に係る廊下、階段その他その共用に供すべき部分の床面積を除いたところで判定する。
 

(措置法第68条の69の除外規定の適用と第68条の68の規定の適用との関係)

68の69(5)-18 連結法人が短期所有土地等を譲渡した場合において、当該譲渡が措置法第68条の69第3項各号のいずれかに該当するときは、当該譲渡につき同条第1項の規定の適用はないのであるが、当該譲渡は、措置法第68条の68第2項第1号イに規定する土地等の譲渡に該当するので、当該譲渡が同条第3項及び第4項(同条第5項において準用される場合を含む。)に該当する場合を除き、同条第1項の規定の適用があることに留意する。

第6款  その他


(民法上の組合が行った土地等の譲渡)

68の69(6)-1 民法上の組合が土地等の譲渡をした場合には、当該土地等の譲渡に係る対価の額、原価の額及び経費の額は、各組合員の持分に応じ、それぞれ各組合員に対応する額を計算する。この場合において、各組合員のうち連結法人については、その計算による自らの持分に応じた金額をもって措置法第68条の69の規定を適用するものとする。

  (注)
 土地の所有者及び建築業者等が、それぞれ土地又は建築資金を出資して建物を建築し、これを共同で譲渡してその利益をそれぞれの持分に応じて分配する民法上の組合契約を締結している場合には、土地所有者が建築業者から取得する建物の持分及び建築業者等が土地所有者から取得する土地の持分は、当該建物を第三者に譲渡した時に、その持分の算定の基礎とした価額により、それぞれ譲渡及び取得があったものとした上、本文の取扱いを適用する。
 

(匿名組合等が行った土地等の譲渡)

68の69(6)-2 連結法人を営業者とする匿名組合が土地等を譲渡した場合における措置法第68条の69第1項の規定の適用については、当該営業者である連結法人にその譲渡利益金額の全額が帰属するものとして計算するのであるが、この場合においてその匿名組合員に対する利益の配当は、当該譲渡利益金額の計算上直接又は間接に要した費用の額に算入しないものとする。
 連結法人が融資を受けて土地の購入、造成及び譲渡をしている場合(融資者と民法上の組合契約を締結している場合を除く。)において、当該融資をした者に対する支払額があらかじめ定められた融資期間に対応する利率を基に計算されていないため支払利子ではなく、譲渡利益金額の分配であると認められるときも同様とする。

  (注)
 匿名組合員が分配を受ける金額又は融資をした者が受ける分配額については、措置法第68条の69第1項の規定は適用しない。
 

(縄伸び等により収益の額に異動が生じた場合の調整)

68の69(6)-3 連結法人が土地等の譲渡をし、後日実測面積によりその土地代金の精算をすることとしている場合において、その譲渡の日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下「譲渡連結事業年度」という。)後の連結事業年度においてその代金が確定したときは、当該土地等の譲渡につき譲渡連結事業年度にその確定金額で譲渡したものとして計算される譲渡利益金額に対する税額と譲渡連結事業年度の現況により申告した譲渡利益金額に対する税額との差額に相当する税額は、当該代金の確定があった日を含む連結事業年度の法人税額に加算し、又は減算するものとする。

  (注)
 当該確定のあった日を含む連結事業年度の翌連結事業年度において法第81条の19の規定による連結中間申告をする場合の連結中間納付額(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、法第71条の規定による中間申告をする場合の中間納付額)又は当該確定のあった日を含む連結事業年度を法第81条の31第1項に規定する還付所得連結事業年度として同項の規定による還付請求をする場合の還付請求金額は、本文の取扱いによる加算又は減算がなかったものとした場合の法人税額を基礎として計算することに留意する。
 

(見積った原価の額が増加した場合等の調整)

68の69(6)-4 連結法人が譲渡連結事業年度において土地等の原価の額が確定しないため原価の額を見積って譲渡利益金額の計算をした場合(当該譲渡連結事業年度が連結基本通達2-2-2の(1)に定める連結事業年度又は基本通達2-2-2の(1)に定める事業年度である場合を除く。)において、その後の連結事業年度(譲渡連結事業年度終了の日から3年以内に終了した連結事業年度に限る。)において見積った原価の額が確定し当該譲渡利益金額が減少したときは、連結法人の申告を条件に、68の69(6)-3に準じて当該原価の額が確定した連結事業年度の法人税の額を調整することができるものとする。
 譲渡連結事業年度後の連結事業年度において売上値引きをした場合も、同様とする。

  (注)
 当該譲渡利益金額が減少した場合においてこの取扱いによっていないとき及び譲渡連結事業年度終了の日から3年を経過した日以後に終了する連結事業年度においてその額が確定し当該譲渡利益金額が減少した場合には、増加した原価の額はその額が確定した連結事業年度の販売費及び一般管理費とする。
 

(契約の解除があった場合の更正の請求)

68の69(6)-5 譲渡利益金額につき特別税率が適用された土地等の譲渡について、その後の連結事業年度において契約が解除された場合(再売買と認められる場合を除く。)には、譲渡連結事業年度の当該譲渡に係る土地譲渡利益金額に対する税額について、通則法第23条第2項の規定による更正の請求をすることができる。  

(取得の日の引継ぎの特例の適用を受ける土地等の区分)

68の69(6)-6 連結法人の有する一筆の土地等のうちに、措置法令第39条の98第23項の規定により準用される措置法令第39条の97第12項第1号から第5号までの規定(措置法令第38条の4第31項第1号に係るものを除く。)による取得の日の引継ぎの特例の適用を受ける部分とその適用を受けない部分とがある場合において、当該土地等の一部を譲渡したときは、当該規定の適用を受ける部分とその適用を受けない部分とが平均的に譲渡されたものとして取り扱う。  

(土地等以外の資産がある場合の取得日)

68の69(6)-7 連結法人の有する土地等が措置法令第39条の98第23項の規定により準用される措置法令第39条の97第12項第1号及び第3号から第5号までの規定(措置法令第38条の4第31項第1号及び第2号に係るものを除く。)の適用を受けた代替資産又は交換取得資産(以下「代替資産等」という。)である場合において、当該代替資産等に係る譲渡資産のうちに土地等以外の資産があるときは、まず譲渡資産に含まれている土地等の取得の日をこれらの号に掲げる代替資産等の取得の日として取り扱う。  

(取得日の異なる土地等がある場合の区分)

68の69(6)-8 連結法人の有する土地等が措置法令第39条の98第23項の規定により準用される措置法令第39条の97第12項第1号及び第3号から第5号までの規定(措置法令第38条の4第31項第1号及び第2号に係るものを除く。)の適用を受けた代替資産等である場合において、当該代替資産等に係る譲渡資産の取得の日が2以上あるときは、その取得の日の異なる譲渡資産が平均的に対応するものとして取り扱う。

  (注)
 この場合、平均的に対応する部分の計算は68の69(6)-7により、まず、譲渡資産に含まれる土地等の取得の日によるものとその他の譲渡資産の取得の日によるものとに区分し、その区分ごとに次による。    



(譲渡利益金額から控除する損金算入額)

68の69(6)-9 資産の譲渡につき措置法第68条の70から第68条の76までの規定の適用を受けた場合に、当該譲渡した資産が短期所有土地等と当該短期所有土地等以外の資産とであるとき(68の70(3)-1により差益割合を計算している場合に限る。)における措置法第68条の69第4項の規定により読み替えて準用される措置法第68条の68第9項の規定により同項の土地等の譲渡利益金額から控除する損金算入額は、これらの規定による損金算入額のうち短期所有土地等の譲渡利益金額に達するまでの金額によるものとする。




第10章  連結法人の資産の譲渡の場合の
課税の特例


第68条の70~第68条の85 《共通事項》関係

 

(特別勘定の経理等)

68の70~68の85(共)-1 連結基本通達9-1-1から9-1-4までの取扱いは、連結法人が資産の譲渡につき措置法第3章第19節の規定の適用を受ける場合について準用する。

第68条の70~第68条の73 《収用等の場合の課税の特例》関係

第1款  収用等の範囲

 

(収用又は使用の範囲)

68の70(1)-1 措置法第68条の70の規定の適用対象となる措置法第64条又は措置法第68条の72の規定の適用対象となる措置法第65条の「収用」又は「使用」には、土地収用法第16条に規定する当該事業(以下68の70(1)-2から68の70(1)-5までにおいて「本体事業」という。)の施行により必要を生じた同条に規定する関連事業のための収用又は使用が含まれることに留意する。  

(関連事業に該当する場合)

68の70(1)-2 本体事業の施行により必要を生じた事業が、関連事業としての土地収用法第3章の規定による事業の認定(以下「関連事業としての事業認定」という。)を受けていない場合においても、その事業が次の要件のすべてに該当するときは、収用等の場合の課税の特例(措置法第3章第19節第1款の規定をいう。以下同じ。)の適用上は、関連事業に該当するものとする。

  (1)
 土地収用法第3条各号の一に該当するものに関する事業であること。

(2)  本体事業の施行によって撤去変改を被る既存の同条各号の一に掲げる施設(以下「既存の公的施設」という。)の機能復旧のため本体事業と併せて施行する必要がある事業であること。
(3)  本体事業の施行者が自ら施行することが収用経済等の公益上の要請に合致すると認められる事業であること。
(4)  その他四囲の状況から関連事業としての事業認定を受け得る条件を具備していると認められる事業であること。

  (注)
 措置法規則第22条の64第3項の規定は、本体事業と関連事業とについてそれぞれ別個に適用されることに留意する。
 

(既存の公的施設の機能復旧に該当するための要件)

68の70(1)-3 本体事業の施行により必要を生じた事業が、68の70(1)-2の(2)の既存の公的施設の機能復旧のために施行されるものに該当するための要件については、次に留意する。

  (1)
 その事業は、既存の公的施設の機能復旧の限度で行われるものであることを要し、従来当該施設が当該地域において果たしてきた機能がその事業の施行によって改良されることとなるものは、これに該当しないこと。ただし、当該施設の設置に関する最低基準が法令上具体的に規制されている場合における当該基準に達するまでの改良は、この限りでないものとすること。

  (注)
 ただし書に該当する事例としては、道路の幅員を道路構造令第7条に規定する幅員まで拡張する場合がある。 (2)  その事業は、本体事業の起業地内に所在して撤去変改を被る既存の公的施設の移転(道路等にあっては、そのかさ上げを含む。)のために行われるものであることを要し、本体事業の施行に伴う当該地域の環境の変化に起因して行う移転、新設等の事業は、これに該当しないこと。ただし、既存の公的施設が当該起業地の内外にわたって所在する場合において、当該施設の全部を移転しなければ従来利用していた目的に供することが著しく困難となるときにおける当該起業地外に所在する部分の移転は、この限りでないものとすること。
(3)  既存の公的施設の移転先として関連事業のための収用又は使用の対象となる場所は、当該施設の従来の機能を維持するために必要欠くべからざる場所であることを要し、他の場所をもって代替することができるような場所はこれに該当しないから、起業地と即地的一帯性を欠く場所は、その対象に含まれないこと。ただし、起業地の地形及び当該施設の立地条件に特殊な制約があって、起業地と即地的に一帯をなす場所から移転先を選定することが著しく困難な場合には、当該特殊な制約が解消することとなる至近の場所については、この限りでないものとすること。  

(関連事業の関連事業)

68の70(1)-4 関連事業に関連して施行する事業については、当該関連事業を本体事業とみなした場合に、その関連して施行する事業が68の70(1)-2の要件に適合する限りにおいて、収用等の場合の課税の特例の適用上は、関連事業に該当するものとする。  

(関連事業に該当しない場合)

68の70(1)-5 起業者が本体事業の施行の必要上これに関連して土地等の買収をした場合において、当該買収をされた土地等が68の70(1)-2の要件に適合する事業の用に供されるものでないときは、当該買収をされた土地等については、収用等の場合の課税の特例の適用はないが、代替資産を取得したときに限り、その態様に応じ、措置法第68条の78の規定の適用があることに留意する。  

(収用等に伴う課税の特例を受ける権利の範囲)

68の70(1)-6 措置法第68条の70第1項の規定の適用対象となる措置法第64条第1項第6号の「当該資産に関して有する所有権以外の権利が消滅し、補償金又は対価を取得するとき」とは、例えば、土地の収用等に伴い、当該土地にある鉱区について設定されていた租鉱権、当該土地について設定されていた採石権等が消滅し、補償金の交付を受けるとき等をいうことに留意する。  

(権利変換により新たな権利に交換することがないものの意義)

68の70(1)-7 措置法第68条の70第1項の規定の適用対象となる措置法第64条第1項第6号の2に規定する「都市再開発法に規定する権利変換により新たな権利に交換をすることのないもの」とは、例えば、地役権、工作物所有のための地上権又は賃借権をいうことに留意する。  

(借地権等の価額が10分の5以上となるかどうかの判定)

68の70(1)-8 措置法第68条の70第2項の規定に係る措置法第64条第2項第1号の土地等が土地収用法等の規定に基づいて使用され、補償金を取得する場合において、当該使用に伴い当該土地等の価値が著しく減少するかどうかは、起業者から交付を受けた対価補償金の額が借地権の設定等の直前における土地等の価額に比して10分の5以上であるかどうかにより判定しても差し支えないものとする。

第2款  補償金の範囲等

 

(対価補償金とその他の補償金との区分)

68の70(2)-1 措置法第68条の70第1項又は第68条の72第1項に規定する補償金、対価又は清算金の額(措置法第68条の70第2項の規定により、同条第1項に規定する補償金又は対価の額とみなされるものを含む。)とは、名義のいかんを問わず、収用等による譲渡(措置法第68条の70第2項の規定により収用等による譲渡とみなされるものを含む。以下同じ。)の目的となった資産の収用等の対価たる金額(以下「対価補償金」という。)をいうのであるから、次の(1)から(4)までに掲げる補償金は、別に定める場合を除き、対価補償金に該当しないことに留意する。

(1) 事業について減少することとなる収益又は生ずることとなる損失の補てんに充てるものとして交付を受ける補償金(以下「収益補償金」という。)
(2)  休廃業等により生ずる事業上の費用の補てん又は収用等による譲渡の目的となった資産以外の資産(棚卸資産を除く。)について実現した損失の補てんに充てるものとして交付を受ける補償金(以下「経費補償金」という。)
(3)  資産(棚卸資産を含む。)の移転に要する費用の補てんに充てるものとして交付を受ける補償金(以下「移転補償金」という。)
(4)  その他対価補償金たる実質を有しない補償金  

(補償金の課税上の取扱い)

68の70(2)-2 68の70(2)-1によって分類される補償金の課税上の取扱いは、次のとおりとなることに留意する。

補償金の種類 課税上の取扱い

対価補償金
収用等の場合の課税の特例の適用がある。

収益補償金
収用等の場合の課税の特例の適用はない。ただし、68の70(2)-5 により、収益補償金として交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。

経費補償金
収用等の場合の課税の特例の適用はない。ただし、68の70(2)-7 により、経費補償金として交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。

移転補償金
収用等の場合の課税の特例の適用はない。ただし、68の70(2)-8 又は68の70(2)-9により、ひき (曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金又は移設困難な機械装置の補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合がある。
 また、68の70(2)-24により、借家人補償金は、対価補償金とみなして取り扱う。
その他対価補償金たる実質を有しない補償金
収用等の場合の課税の特例の適用はない。
 

(対価補償金等の判定)

68の70(2)-3 連結法人が交付を受けた補償金等のうちにその交付の目的が明らかでないものがある場合には、当該連結法人が交付を受ける他の補償金等の内容及びその算定の内訳、同一事業につき起業者が他の収用等をされた者に対してした補償の内容等を勘案して、それぞれ対価補償金、収益補償金、経費補償金、移転補償金又はその他対価補償金たる実質を有しない補償金のいずれに属するかを判定するのであるが、その判定が困難なときは、課税上弊害がない限り、起業者が証明するところによることができるものとする。

  (注)
 収用等の補償の実施状況によれば、建物の所有者に対して特別措置の名義で建物の対価補償金たる実質を有する補償金が交付され、借家人に対して同じ名義で借家人補償金たる実質を有する補償金が交付される実例がある。
 

(2以上の資産について収用等が行われた場合の補償金)

68の70(2)-4 2以上の資産を同時に収用等をされた場合において、個々の資産ごとの対価補償金の額が明らかでないときは、当該収用等をされた個々の資産に係る対価補償金の額は、当該資産の収用等があった日における価額の比又は起業者が補償金等の算定の基礎とした当該資産の評価額の比その他適正な基準により区分する。  

(収益補償金名義で交付を受ける補償金を対価補償金として取り扱うことができる場合)

68の70(2)-5 連結法人の有する建物の収用等に伴い収益補償金名義で補償金の交付を受けた場合において、当該建物の対価補償金として交付を受けた金額(建物の譲渡に要した経費の額を控除する前の額とし、特別措置等の名義で交付を受けた補償金で68の70(2)-3により対価補償金と判定する金額があるときは、当該金額を含む額とする。)が、当該収用等をされた建物の再取得価額に満たないときは、当分の間、連結法人が、当該収益補償金の名義で交付を受けた補償金のうち当該満たない金額に達するまでの金額を、当該建物の対価補償金として計算したときに限り、これを認める。この場合における当該建物の再取得価額は次による。

  (1)
 建物の買取契約の場合は、起業者が買取対価の算定基礎とした当該建物の再取得価額によるものとし、その額が明らかでないときは、当該建物について適正に算定した再取得価額による。

(2)  建物の取壊契約の場合は次による。
  イ
 起業者が補償金の算定基礎とした当該建物の再取得価額が明らかであるときは、その再取得価額による。

ロ  イ以外のときは、当該建物の対価補償金として交付を受けた金額(建物の譲渡に要した経費の額を控除する前の額とし、特別措置等の名義で交付を受けた補償金の額を含めない額とする。)に、当該建物の構造が木造又は木骨モルタル造であるときは65分の100 を、その他の構造のものであるときは95分の100 を、それぞれ乗じた金額による。   (注)1
 再取得価額とは、収用等をされた建物と同一の建物を新築するものと仮定した場合の取得価額をいう。

2  収益補償金名義で交付を受ける補償金を、借家人補償金に振り替えて計算することはできないことに留意する。  

(収益補償金名義で交付を受ける補償金を2以上の建物の対価補償金とする場合の計算)

68の70(2)-6 68の70(2)-5の場合において、収用等をされた建物が2以上あり、かつ、収益補償金名義で交付を受けた金額及び建物の対価補償金として交付を受けた金額の合計額が当該建物の再取得価額の合計額に満たないときは、68の70(2)-5により対価補償金と判定する金額をその個々の建物のいずれの対価補償金として計算するかは、個々の建物の再取得価額を限度として、連結法人が計算したところによる。  

(事業廃止の場合の機械装置等の売却損の補償金)

68の70(2)-7 土地、建物、漁業権その他の資産の収用等に伴い、機械装置等の売却を要することとなった場合において、その売却による損失の補償として交付を受ける補償金は、経費補償金に該当する(68の70(2)-1の(2)参照)のであるが、当該収用等に伴い事業のすべてを廃止した場合又は従来営んできた業種の事業を廃止し、かつ、当該機械装置等を他に転用することができない場合に交付を受ける当該機械装置等の売却損の補償金は、対価補償金として取り扱う。この場合において、当該機械装置等の帳簿価額のうち当該対価補償金に対応する部分の金額は、次の算式により計算した金額によるものとする。ただし、当該収用等をされた者が当該機械装置等の帳簿価額のうち、その処分価額又は処分見込価額を超える部分の金額を当該対価補償金に対応する部分の帳簿価額として経理している場合には、これを認めるものとする。  
   
  (注) 
 機械装置等の売却損の補償金は、一般には、次の1から2を控除して計算される。

  1
 当該機械装置等と同種の機械装置等の再取得価額から、当該再取得価額を基として計算した償却費の額の累積額に相当する金額を控除した残額

2  当該機械装置等を現実に売却し得る価額
 

(ひき(曳)家補償等の名義で交付を受ける補償金)

68の70(2)-8 土地等の収用等に伴い、起業者から当該土地等の上にある建物又は構築物をひき(曳)家し又は移築するために要する費用として交付を受ける補償金であっても、その交付を受ける者が実際に当該建物又は構築物を取り壊したときは、当該補償金(当該建物又は構築物の一部を構成していた資産で、そのもの自体としてそのまま又は修繕若しくは改良を加えた上他の建物又は構築物の一部を構成することができると認められるものに係る部分を除く。)は、当該建物又は構築物の対価補償金に当たるものとして取り扱う。  

(移設困難な機械装置の補償金)

68の70(2)-9 土地等又は建物等の収用等に伴い、機械又は装置の移設を要することとなった場合において、その移設に要する経費の補償として交付を受ける補償金は、対価補償金には該当しないのであるが、機械装置の移設補償名義のものであっても、例えば、製錬設備の溶鉱炉、公衆浴場設備の浴槽のように、その物自体を移設することが著しく困難であると認められる資産について交付を受ける取壊し等の補償金は、対価補償金として取り扱う。
 なお、これに該当しない場合であっても、機械装置の移設のための補償金の額が当該機械装置の新設のための補償金の額を超えること等の事情により、移設経費の補償に代えて当該機械装置の新設費の補償を受けた場合には、その事情が起業者の算定基礎等に照らして実質的に対価補償金の交付に代えてなされたものであることが明確であるとともに、連結法人が現にその補償の目的に適合した資産を取得し、かつ、旧資産の全部又は大部分を廃棄又はスクラップ化しているものであるときに限り、当該補償金は対価補償金に該当するものとして取り扱うことができる。  

(除却損等がある場合の譲渡経費の額)

68の70(2)-10 連結法人が、68の70(2)-7から68の70(2)-9までに規定する補償金の交付を受けた場合において、当該補償金に係る資産を売却し又は取り壊したことにより生じた損失の額が当該補償金の額を超えるときは、当該補償金については68の70(2)-7から68の70(2)-9までの取扱いを適用しない。

  (注)
 当該損失の額は、収用等をされた資産の譲渡に要した経費の額に該当する。
 

(残地補償金)

68の70(2)-11 連結法人の有する土地等の一部について収用等があった場合において、土地収用法第74条の規定によりその残地の損失について補償金の交付を受けたときは、当該補償金を当該収用等のあった日を含む連結事業年度の当該収用等をされた部分の土地等の対価補償金とみなして取り扱うことができる。この場合において、当該収用等をされた部分の土地等の収用等の直前の帳簿価額は、次の算式により計算した金額による。    



(残地買収の対価)

68の70(2)-12 連結法人の有する土地の一部について収用等があったことに伴い、残地が従来利用されていた目的に供することが著しく困難となり、その残地について収用の請求をすれば収用されることとなる事情があるため(土地収用法第76条第1項参照)、残地を起業者に買い取られた場合には、その残地の買取りの対価は、当該収用等があった日を含む連結事業年度の対価補償金として取り扱うことができる。

  (注)
 本文の取扱いを適用しない残地の買取りの対価については、措置法第68条の78の規定の適用があることに留意する。
 

(残地保全経費の補償金)

68の70(2)-13 連結法人の有する土地等の一部又は当該土地等の隣接地について収用等があったことにより、残地に通路、みぞ、かき、さくその他の工作物の新築、改築、増築若しくは修繕又は盛土若しくは切土(以下「工作物の新築等」という。)をするためのものとして交付を受ける補償金は対価補償金には該当しないのであるが、当該工作物の新築等が残地の従来の機能を保全するために必要なものであると認められる場合に限り、当該工作物の新築等に要した金額が資本的支出と認められるものであっても、連結法人が、当該要した金額のうち当該補償金の額に相当する金額までの金額を修繕費として損金に経理したときは、その計算を認めても差し支えないことに取り扱う。  

(地域外の既存設備の付替え等に要する経費の補償金)

68の70(2)-14 連結法人の有する土地等又は当該土地等の隣接地について収用等があったことに伴い、当該連結法人の有する建物、構築物、機械及び装置その他の工作物で収用等に係る土地以外の土地の上に存するもの(以下「地域外の既存設備」という。)を従来どおり事業の用に供することが著しく困難となったため、これに代えて資産の取得をし、又は資産の改良を行うための経費に充てるものとして交付を受ける補償金は対価補償金には該当しないのであるが、当該連結法人が当該補償金の全部又は一部をもって補償の目的に適合した同種の資産の取得又は資産の改良を行った場合には、次の場合に応じ、それぞれ次により取り扱うことができるものとする。
 起業者から金銭以外の資産の交付を受け、又は起業者によって当該連結法人の有する資産について改良が行われた場合も、同様とする。

  (1)
 当該地域外の既存設備について修理又は改良を行った場合 当該修理又は改良に要した金額が資本的支出と認められるものであっても、連結法人が当該要した金額のうち当該補償金の額に相当する金額以下の金額を修繕費として損金経理をしたときは、その計算を認める。

(2)  当該地域外の既存設備に代えて同種の資産を取得した場合 連結法人が当該補償金の額のうち当該資産の取得に充てた部分の金額に次の算式の割合を乗じて計算した金額以下の金額をその取得価額に算入しないで損金経理をしたときは、これを認める。

   (注)  当該地域外の既存設備の取壊し等に要する費用の額が、当該費用に充てるために交付を受ける金額を超える場合には、上記の算式中の「当該補償金の額」は、その「当該補償金の額」からその超える部分の金額を控除したところによる。
 

(原木販売業者等の有する立竹木の補償金)

68の70(2)-15 土地等の収用等に伴い、その土地等の上にある立竹木が水没し、又は伐採しなければならないこととなった場合においても、原木販売業、製材業、製紙業、パルプ製造業等を営む連結法人が有する立竹木で当該収用等のあった日前1年以内に他から購入したもの(当該収用等のあった時において通常の伐期に達していないものを除く。)に係る補償金については、当該連結法人が当該立竹木を棚卸資産として経理していたかどうかにかかわらず、措置法第68条の70から第68条の73までの規定の適用はないものとする。  

(伐採立竹木の損失補償金と売却代金とがある場合の損失補償金に係る帳簿価額の計算)

68の70(2)-16 措置法第68条の70第2項に係る措置法第64条第2項第2号に規定する補償金を取得して伐採した立竹木を他に売却した場合には、当該立竹木の帳簿価額のうち補償金に係る部分の金額は、当該帳簿価額(当該売却のために要した経費の額を含む。)から当該立竹木の売却代金に相当する金額を控除した金額(当該金額がマイナスとなる場合には、ゼロとする。)とする。  

(権利変換による補償金の範囲)

68の70(2)-17 措置法第68条の70第1項に係る措置法第64条第1項第3号の2に規定する補償金には、都市再開発法第91条第1項の規定により補償として支払われる利息相当額は含まれるが、同条第2項の規定により支払われる過怠金の額及び同法第 118条の15第1項の規定により支払われる利息相当額は含まれないことに留意する。  

(土地等の使用に伴う損失の補償金等を対価補償金とみなす場合)

68の70(2)-18 土地等が土地収用法等の規定により使用されたこと(土地等について使用の申出を拒むときは土地収用法等の規定に基づいて使用されることとなる場合を含む。)に伴い、当該使用に係る土地の上にある資産につき、土地収用法等の規定により収用をし又は取壊し若しくは除去をしなければならなくなった場合において交付を受ける当該資産の対価又は損失に対する補償金(措置法第68条の70第2項の補償金に係る措置法令第39条第13項に規定するものに限る。)は、当該土地等を使用させることが措置法第68の70第2項に係る措置法第64条第2項第1号に規定する要件を満たさないときにおいても、対価補償金とみなして取り扱うことができるものとする。  

(逆収用の請求ができる場合に買い取られた資産の対価)

68の70(2)-19 措置法第68条の70第2項に係る措置法第64条第2項第2号の収用等をされた土地の上にある資産につき土地収用法等に基づく収用をしなければならなくなった場合において、当該資産の対価で政令で定めるものを取得するときとは、収用等をされた土地の上にある資産が、次の(1)又は(2)に掲げるようなものであるため、その所有者たる連結法人が収用の請求をすれば収用されることとなる場合(いわゆる逆収用の請求ができる場合)において、現実に収用の請求又は収用の裁決の手続を経ないで買い取られ、その対価を取得するときをいうことに留意する。

  (1)
 移転が著しく困難であるか、又は移転によって従来利用していた目的に供することが著しく困難となる資産(土地収用法第78条参照)

(2)  公共用地の取得に関する特別措置法第2条各号に掲げる事業の用に供するために収用等をされた土地の上にある資産(同法第22条参照)

  (注)
 これらの資産の存する土地等の収用等につき事業認定若しくは特定公共事業の認定があったかどうか、又は特定公共事業の起業者が緊急裁決の申立てをしたかどうかにかかわらない。
 

(取壊し又は除去をしなければならない資産の損失に対する補償金)

68の70(2)-20 措置法第68条の70第2項に係る措置法第64条第2項第2号の収用等をされた土地の上にある資産につき、取壊し又は除去をしなければならなくなった場合において、当該資産の損失に対する補償金で政令で定めるものを取得するときとは、収用等をされた土地の上にある資産につき、取壊し又は除去をしなければならなくなった場合において、当該資産自体について生ずる損失に対する補償金で措置法第68条の70第2項の補償金に係る措置法令第39条第13項第2号に掲げるものの交付を受けるときに限られることに留意する。  

(仮換地の指定により交付を受ける仮清算金)

68の70(2)-21 連結法人の有する土地について土地区画整理法等による仮換地の指定があった場合に交付を受ける仮清算金の額については、換地処分があるまでは益金の額に算入されないことに留意する。  

(換地処分等に伴う損失補償金)

68の70(2)-22 土地等が措置法第68条の72第1項に係る措置法第65条第1項第1号に掲げる場合に該当することとなったことに伴い、当該土地等の上にある資産につき土地収用法等の規定に基づく収用をし、又は取壊し若しくは除去をしなければならなくなった場合において、当該資産の対価又は損失に対する補償金(措置法第68条の70第2項に係る措置法令第39条第13項に規定するものに限る。)を取得するときは、措置法第68条の70第2項に準じて取り扱うことができるものとする。  

(発生資材等の売却代金)

68の70(2)-23 土地等の収用等に伴い、当該土地等の上にある建物、構築物、立竹木等を取壊し又は除去をしなければならないこととなった場合において、起業者が当該資産の損失に対する補償金の算定に当たり発生資材(資産の取壊し又は除去に伴って生ずる資材をいう。以下同じ。)又は伐採立竹木の評価額を控除していないときにおいても、これらの資材又は伐採立竹木の価額又はその売却代金の額は、措置法第68条の70第2項に係る措置法令第39条第13項第2号に規定する補償金の額には該当しないことに留意する。  

(借家人補償金)

68の70(2)-24 他人の建物を使用している連結法人が、当該建物が収用等をされたことに伴いその使用を継続することが困難となったため、転居先の建物の賃借に要する権利金に充てられるものとして交付を受ける補償金(従来の家賃と転居先の家賃との差額に充てられるものとして交付を受ける補償金を含む。以下「借家人補償金」という。)については、措置法第68条の70第2項に係る措置法第64条第2項第2号の場合の対価補償金とみなして取り扱う。この場合において、連結法人が借家人補償金をもって転居先の建物の賃借に要する権利金に充てたときは、当該権利金に充てた金額を代替資産の取得に充てた金額とみなして取り扱うことができる。

  (注)
 借家人補償金をもって土地又は建物の取得に充てた場合には、措置法令第39条の99第4項の規定による代替資産の特例の適用があるものについてはこれによる。
 

(権利変換により借家権を取得しない場合の補償金)

68の70(2)-25 第一種市街地再開発事業の施行地区内の建築物に借家権を有する連結法人が都市再開発法の規定による権利変換により借家権を取得しなかった場合に同法第91条第1項の規定により支払を受ける補償金で次に掲げるものについては、措置法第68条の70第2項に係る措置法第64条第2項第2号の補償金に該当するものとして取り扱う。この場合には、第一種市街地再開発事業の施行者のその旨を証する書類を当該連結事業年度の連結確定申告書等に添付しなければならないものとする。

  (1)
 都市再開発法第79条第3項又は同法第 118条の10の規定により読み替えられた同法第79条第3項の規定により権利変換計画において借家権が与えられないように定められたことにより受ける補償金

(2)  都市再開発法第71条第3項の規定による申出の理由が措置法第68条の70第1項に係る措置法令第39条第6項各号に掲げる場合に準ずるものであることにつき、第一種市街地再開発事業の施行者が審査委員の過半数の同意を得て、又は市街地再開発審査会の議決を経てこれに該当するものと認めた場合に受ける補償金  

(借地人が交付を受けるべき借地権の対価補償金の代理受領とみなす場合)

68の70(2)-26 連結法人が使用している他人の土地について収用等があった場合において、当該土地に係る対価補償金と当該借地権に係る対価補償金とが一括して当該土地の所有者に交付され、その一部を当該借地人たる連結法人が当該土地の所有者から支払を受けたときは、その支払が立退料等の名義でされたものであっても、当該支払を受けた金額は、当該借地人たる連結法人に交付されるべき借地権の対価補償金が代理受領されたものとみなして、当該借地人たる連結法人について措置法第68条の70から第68条の73までの規定を適用することができる。この場合において、連結確定申告書等に添付する措置法規則第22条の64第3項に規定する書類は、当該土地の所有者から支払を受けた金額の計算に関する明細書及び収用等をされた土地に係る同項に規定する「第22条の2第4項各号に掲げる資産の区分に応じ、当該各号に定める書類」として当該土地の所有者が交付を受けたものの写しとする。  

(借地権の対価補償金の全部又は一部を土地所有者が取得した場合)

68の70(2)-27 連結法人が使用している他人の土地について収用等があった場合において、当該借地人たる連結法人が起業者から通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金(その一部を当該借地人たる連結法人が起業者から交付を受けているときにおける当該交付を受けた部分を除く。以下68の70(2)-27において同じ。)が当該土地の所有者に交付されたときは、当該借地人たる連結法人が通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金に相当する金額(68の70(2)-26により代理受領されたとみなされる金額の支払を受けたときにおける当該支払を受けた金額を控除した金額)については、当該借地人たる連結法人がいったん起業者から交付を受け、これを当該土地の所有者に贈与(当該所有者が当該連結法人の代表者等であるときは給与として支給)したものとして取り扱うことに留意する。この場合において、当該借地人たる連結法人が通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金の額は、原則として同一の事業について起業者が他の借地人に対してした補償の状況等を基礎として算定するが、その額が明らかでないときは当該土地の存する地域における借地権割合によっても差し支えない。
 なお、この取扱いにより贈与等をしたものと認定するに当たり、当該交付を受けたものとされた借地権の対価補償金について、当該借地人たる連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が措置法第68条の73の規定による 5,000万円の損金算入の特例(以下「 5,000万円損金算入の特例」という。)の適用を受けたい旨を申し出たときは、その損金算入の申告書及び収用等をされた土地に係る措置法規則第22条の64第3項に規定する「第22条の2第4項各号に掲げる資産の区分に応じ、当該各号に定める書類」として当該土地の所有者が交付を受けたものの写しを提出した場合に限り、これを認める。

  (注)1
 この取扱いによるのは、例えば連結法人が借地の上にある建物等を有している場合において、当該土地の所有者が当該連結法人の同族関係者である等のため、当該土地の所有者が借地権の対価補償金も一括して取得し、当該連結法人が建物等の補償金だけの交付を受けたような場合である。

2  土地所有者がこの取扱いにより贈与等を受けたものとされる額は対価補償金にはならないから、当該土地所有者については、圧縮記帳又は 5,000万円損金算入の特例の適用がない。
3  当該借地人たる連結法人に対しては、土地所有者から立退料等の支払を受けることとすれば、68の70(2)-26の取扱いによることができるものであることを十分に指導する。  

(借地権の対価補償金の交付を受けなかったことについて相当の理由がある場合)

68の70(2)-28 連結法人が使用している他人の土地について収用等があった場合において、当該借地人たる連結法人が起業者から借地権の対価補償金の交付を受けなかったとき又は当該土地の所有者から立退料等の支払を受けなかったときにおいても、例えば、土地の一時使用に該当するものであること等その交付又は支払を受けなかったことについて相当の理由があると認められるときは、68の70(2)-27にかかわらず、これを認める。  

(借地権の対価補償金の交付を受けることに代えて新たに借地権を取得する場合)

68の70(2)-29 連結法人が使用している他人の土地について収用等があった場合において、当該借地人たる連結法人が起業者から借地権の対価補償金の交付を受けなかったとき又は当該土地の所有者から立退料等の支払を受けなかったときにおいても、当該交付又は支払を受けることに代えて、当該土地の所有者の有する他の土地について新たに借地権を取得したときは、当該借地人たる連結法人が起業者から通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金の交付を受け、これを新たに取得した借地権の取得に充てたものとして、措置法第68条の70から第68条の73までの規定を適用することができる。この場合において、連結確定申告書等に添付する措置法規則第22条の64第3項に規定する書類については、68の70(2)-26の後段に準ずるものとする。
 なお、この取扱いによる場合において、当該借地人たる連結法人が新たに取得した借地権の価額が当該通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金の額に比して著しく差異があるときを除き、当該通常交付を受けるべきであった借地権の対価補償金は当該取得した借地権の価額と同額であるものとみなし、土地所有者との間に贈与等の事実がなかったものとすることができる。

  (注)
 土地所有者が起業者から交付を受けた対価補償金のうち借地人たる連結法人が通常交付を受けるべきであったと認められる金額は、借地権の設定の対価の収入(新たに設定した借地権の価額が借地人たる連結法人が通常交付を受けるべきであったと認められる借地権の対価補償金の額に満たないときのその差額については贈与等の収入)とされるのであるから、圧縮記帳等の特例の適用がない。
 

(借家人が交付を受けるべき補償金についての準用)

68の70(2)-30 連結法人が使用している他人の建物について収用等があった場合において、当該借家人たる連結法人が通常交付を受けるべきであったと認められる借家人補償金について、次に該当するときは、それぞれ次による。

  (1)
 当該建物に係る対価補償金が、当該建物の所有者に一括して交付され、その一部を当該借家人たる連結法人が当該建物の所有者から立退料等の名義で支払を受けたときは、68の70(2)-27に準ずる。

(2)  当該借家人たる連結法人が起業者から通常交付を受けるべきであったと認められる借家人補償金(その一部を当該借家人たる連結法人が起業者から交付を受けているときにおける当該交付を受けた部分を除く。)が当該建物の所有者に交付されたときは、68の70(2)-27に準ずる。
 この場合において、当該借家人たる連結法人が起業者から通常交付を受けるべきであったと認められる借家人補償金の金額は、同一の事業につき起業者が他の借家人に対してした補償の状況等を基礎として算定する。
(3)  当該借家人たる連結法人が起業者から借家人補償金の交付を受けなかったとき又は当該建物の所有者から立退料等の支払を受けなかったときにおいても、例えば建物の一時使用に該当するものである等、その交付又は支払を受けなかったことについて相当の理由があると認められるときは、(2)にかかわらず、これを認める。
(4)  当該借家人たる連結法人が起業者から借家人補償金の交付を受けなかったとき又は当該建物の所有者から立退料等の支払を受けなかったときにおいても、当該交付又は支払を受けることに代えて、当該建物の所有者の有する他の建物を使用することになったときは、68の70(2)-29に準ずる。  

(連結法人が交付を受けるべき収益補償金等を他の者が取得した場合)

68の70(2)-31 連結法人が使用している他人の土地又は建物等について収用等があった場合において、当該連結法人が営業の休廃止又は移転により、交付を受けるべきであった収益補償金、経費補償金、移転補償金等を当該資産の所有者等当該連結法人以外の者が取得しているときは、当該連結法人がこれらの補償金に相当する金額を当該者に対して贈与(当該者が当該連結法人の代表者等であるときは給与として支給)したものとして取り扱うことに留意する。

  (注)
 この取扱いにより建物の所有者が贈与等を受けたものとされる収益補償金については、当該所有者及び借家人たる連結法人のいずれについても、68の70(2)-5の取扱いによることはできないことに留意する。
 

(共同漁業権等の消滅等による補償金の仮勘定経理)

68の70(2)-32 連結親法人である漁業協同組合又は漁業協同組合連合会(以下68の70(2)-32において「組合等」という。)が、その有する共同漁業権、特定区画漁業権又は入漁権(以下68の70(2)-32において「共同漁業権等」という。)の消滅又はその価値の減少(以下68の70(2)-32において「消滅等」という。)により措置法第68条の70第1項に係る措置法第64条第1項第7号に掲げる補償金又は対価(以下68の70(2)-32において「補償金等」という。)を取得した場合において、当該補償金等の額の全部又は一部を当該共同漁業権等の範囲内において漁業を営む権利を有する組合員に対して当該権利の消滅等による補償として配分することとしているため、その配分することが予定されている部分の金額につきその配分をする日と当該補償金等の交付を受けた日から3年を経過する日とのいずれか早い日まで仮受金として経理しているときは、これを認める。この場合において、当該補償金等の交付を受けた日から3年を経過した日において配分が確定していない金額があるときは、当該金額については、同日において組合等が収用等により取得した補償金等であるものとして措置法第68条の70から第68条の73までの規定を適用する。

  (注)
 後段の場合において、その後組合員に対する配分が確定したときは、その配分が確定した部分の補償金等の額に係る税額について通則法第23条第2項の規定による更正の請求ができるものとする。
 

(収用等をされた資産の譲渡に要した経費の範囲)

68の70(2)-33 収用等をされた資産の譲渡に要した経費がある場合には、措置法第68条の70第1項の規定により、当該経費の額が当該経費に充てるべきものとして交付を受けた金額を超えるときのその超える金額(交付を受けた金額が明らかでないときは、当該経費の額)を、当該譲渡をした資産に係る対価補償金の額から控除することとなるのであるが、次に掲げる経費は、この場合の譲渡に要した経費に該当することに留意する。

  (1)
 譲渡に要したあっ旋手数料、謝礼

(2)  譲渡をした資産の借地人又は借家人等に対して支払った立退料(68の70(2)-26又は68の70(2)-30の(1)により代理受領とみなされる場合の立退料を除く。)
(3)  資産が取壊し又は除去を要するものである場合における取壊し又は除去の費用(発生資材の評価額を68の70(3)-8により処分可能価額によっている場合には、その評価額に相当する金額を控除した金額とし、控除しきれない場合には、当該費用はないものとする。)
(4)  当該資産の譲渡に伴って支出しなければならないこととなった次に掲げる費用
  イ
 建物等の移転費用

ロ  動産の移転費用
ハ  仮住居の使用に要する費用
ニ  立木の伐採又は移植に要する費用

(5)  (1)から(4)までに掲げる経費に準ずるもの  

(2以上の資産について収用等をされた場合の資産の譲渡に要した経費の計算)

68の70(2)-34 措置法第68条の70第1項の規定により対価補償金の額から控除すべき資産の譲渡に要した経費の額を計算する場合において、同時に収用等をされた資産が2以上あるときは、資産の対価補償金の額から控除することとなる資産の譲渡に要した経費の額は、措置法規則第22条の64第1項の規定により、個々の資産の譲渡に要した経費の額の比によりあん分して計算した金額によるのであるが、その計算が困難であるときは、収用等をされた資産に係る対価補償金のうちに占める個々の資産に係る対価補償金の額の比によりあん分して計算した金額によることができる。

第3款  圧縮記帳等の計算

 

(種類を同じくする2以上の資産について収用等をされた場合等の差益割合)

68の70(3)-1 種類を同じくする2以上の資産について同時に収用等をされた場合又は代替資産につき措置法令第39条の99第3項若しくは第4項の規定の適用を受ける場合の措置法第68条の70第1項に規定する差益割合は、その収用等に係る対価補償金の額(その額から控除することとなる譲渡経費の額がある場合には、当該金額を控除した金額。以下同じ。)の合計額に対する当該合計額から収用等により譲渡した資産の譲渡直前の帳簿価額の合計額を控除した金額の割合による。  

(使用させる土地等の差益割合)

68の70(3)-2 措置法第68条の70第2項の規定の適用対象となる措置法第64条第2項第1号に定める土地等について交付を受けた補償金等により取得した代替資産の圧縮限度額の計算の基礎となる差益割合は、次の算式により計算した割合とする。  
   
  (注)1
 「使用させる時の直前の土地等の帳簿価額」に「使用させる時の直前の土地等の価額」のうちに占める「使用させた時の借地権の価額」の占める割合を乗じた金額は、法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の令第 138条第1項の規定により、その使用させることとした日を含む連結事業年度の損金の額に算入される。

2  上記算式において、「使用させた時の借地権の価額」は「土地等の使用に係る対価補償金の額」と同額であるものとして計算することができる。  

(代替資産とすることができる事業用固定資産の判定)

68の70(3)-3 措置法令第39条の99第4項の規定により、取得資産を代替資産とすることができるかどうかは、その取得資産の改修その他の手入れの要否等の具体的事情に応じ、相当の期間内に事業の用に供したかどうかによって判定するのであるが、当該取得資産をその取得の日以後1年を経過した日(当該取得の日を含む連結事業年度分の確定申告期限がこれより後に到来する場合には、当該期限)までにその事業の用に供しているときは、相当の期間内に事業の用に供したものとして取り扱う。  

(資本的支出)

68の70(3)-4 連結法人が、資産の収用等に伴い、その代替資産となるべき資産の改良をした場合には、その改良のための費用の支出は、措置法第68条の70第1項の規定の適用上、代替資産の取得に当たるものとして取り扱う。  

(2以上の代替資産を取得した場合の対価補償金から成る金額の計算)

68の70(3)-5 収用等をされた資産の対価補償金をもってその代替資産として2以上の資産を取得した場合(対価補償金以外の資金とを併せて取得した場合を含む。)において、当該対価補償金がそのいずれの代替資産の取得に充てられたものとするかは連結法人の計算によるものとする。  

(2以上の収用等をされた資産の対価補償金をもって代替資産を取得した場合の対価補償金から成る金額の計算)

68の70(3)-6 種類を同じくする2以上の資産について時期を異にして収用等をされ対価補償金の交付を受けた場合において、これらの対価補償金がそのいずれの代替資産の取得に充てられたものとするかは連結法人の計算によるものとする。  

(代替資産の先行取得期間)

68の70(3)-7 土地収用法第16条の規定による事業認定又は起業者からの買取りの申出があったこと等により連結法人の有する資産(棚卸資産を除く。)について収用等をされることが明らかであるため、当該連結法人が当該事業認定又は買取りの申出等があった日以後にその代替資産となるべき資産をあらかじめ取得した場合において、当該取得した資産が収用等のあった日を含む連結事業年度開始の日前1年(収用等をされることに伴い、工場、事務所、その他の建物、構築物又は機械及び装置(以下「工場等」という。)の建設又は移転を要することとなる場合において、当該工場等の敷地の用に供するための宅地の造成並びに当該工場等の建設及び移転に要する期間が通常1年を超えると認められる事情その他これに準ずる事情がある場合には、収用等があった日を含む連結事業年度の開始の日前3年)以内に取得したものであるときは、その収用等があった日を含む連結事業年度において、当該取得した資産(措置法に規定する特別償却(措置法第46条、第46条の2第1項、第68条の30及び第68条の31第1項の規定によるものを除く。)の規定、これらの規定に係る特別償却準備金の規定及び特別税額控除の規定の適用を受けた資産を除く。)を代替資産として、措置法第68条の70第1項又は第7項の規定の適用を受けることができることに取り扱う。この場合において、当該代替資産について既に減価償却をしているときは、当該代替資産の帳簿価額として付けることができる金額は、次の算式により計算した金額を下らない金額とする。  
   
  (注)
 その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度とする。
 

(発生資材が生ずる場合の圧縮記帳等の計算)

68の70(3)-8 取壊し等をする資産について発生資材が生ずる場合の圧縮記帳等の計算は、次の(1)又は(2)のいずれかの方法による。

  (1)
 発生資材の帳簿価額をその処分可能価額によるとともに、取壊し等をする資産に係る差益割合を次の算式により計算した割合による方法  
   
  (注)
 この方法によるときは、発生資材の評価額に相当する金額を資産の譲渡に要した経費の額から控除する。(68の70(2)-33参照)
(2)  発生資材の帳簿価額を次のイの算式により計算した金額によるとともに、取壊し等をする資産に係る差益割合を次のロの算式により計算した割合による方法
   
   なお、上の(1)又は(2)のいずれの方法による場合であっても、発生資材を代替資産の製作、建築等に使用したときは、それぞれ(1)又は(2)による発生資材の帳簿価額のうちその使用した発生資材に対応する部分の金額を代替資産の取得価額に算入し、当該算入した金額に相当する部分は、対価補償金以外の資金から充てられたものとすることに留意する。

 

(取壊し等が遅れる場合の圧縮記帳の計算の調整)

68の70(3)-9 連結法人が収用等をされた資産の全部又は一部を当該収用等があった日を含む連結事業年度後の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度。以下68の70(3)-9において「連結事業年度等」という。)において取壊し等をすることとしている場合における措置法第68条の70若しくは第68条の72の規定による圧縮記帳又は措置法第68条の73の規定による 5,000万円損金算入の特例の適用については、当該収用等があった日を含む連結事業年度終了の日における現況により、資産の譲渡に要する経費の額で対価補償金の額から控除すべき金額及び発生資材に付ける帳簿価額等の適正な見積額を基礎として計算する。この場合においてその確定額が見積額と異なることとなったときは、その確定した日を含む連結事業年度等において、次により調整する。

  (1)
 圧縮記帳をした資産については、当該確定した日における帳簿価額が次の算式により計算した金額に満たないときは、当該満たない金額に相当する金額の帳簿価額の増額をして益金の額に算入しなければならないものとし、当該帳簿価額が当該計算した金額を超えるときは当該超える金額に相当する金額の帳簿価額の減額をして損金の額に算入することができる。  
   
(2)  5,000 万円損金算入の特例の適用を受けた補償金については、当初の見積額を基礎として計算した損金算入額が確定額を基礎として計算した損金算入額を超えるときは、当該超える金額に相当する金額を益金の額に算入しなければならないものとし、当初の見積額を基礎として計算した損金算入額が確定額を基礎として計算した損金算入額に満たないときは当該満たない金額に相当する金額を損金の額に算入することができる。  

(圧縮記帳をしない代替資産に係る特別勘定の経理)

68の70(3)-10 対価補償金をもって代替資産を取得したにもかかわらず、当該代替資産について措置法第68条の70第1項又は第7項の規定の適用を受けない場合には、当該対価補償金について措置法第68条の71第1項又は第3項の規定の適用を受けることはできないのであるが、措置法第68条の73の規定の適用を受けることはできることに留意する。
 なお、この場合において連結法人が取得した資産が代替資産に該当するかどうかは、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が代替資産として申告したものの内容を基礎として判定することに取り扱う。  

(やむを得ない事情がある場合の長期特別勘定の流用)

68の70(3)-11 連結法人が、長期特別勘定の金額を有している場合において、やむを得ない事情により、当該長期特別勘定に係る指定期間内にその取得をする見込みでいた資産(以下68の70(3)-11において「取得見込資産」という。)の全部又は一部を取得することが困難となったため、当該取得見込資産以外の資産を代替資産とすることにつき当該連結事業年度終了の日又は適格分社型分割等の日の前日までに当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が所轄税務署長に申し出て、その確認を受けたときは、当該資産を当該長期特別勘定に係る代替資産として措置法第68条の71第8項又は第9項の規定を適用することができるものとする。

  (注)1
 本文の長期特別勘定とは、次に掲げるものをいう(以下68の70(3)-18において同じ。)。

  (1)
 措置法令第39条第15項各号に規定する日を末日とする指定期間内に代替資産を取得する見込みであるとして措置法第64条の2第1項の規定により設けている特別勘定(同条第6項の規定により合併法人等が設けているとみなされたものを含む。)

(2)  措置法令第39条の99第5項各号に規定する日を末日とする指定期間内に代替資産を取得する見込みであるとして措置法第68条の71第1項の規定により設けている特別勘定(同条第7項の規定により合併法人等が設けているとみなされたものを含む。)

2  この申出は、連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が国税局の調査課所管法人である場合にあっては、所轄国税局長に対して行うこととなる。  

(取壊し等が遅れる場合の特別勘定の計算)

68の70(3)-12 連結法人が収用等をされた資産の全部又は一部を当該収用等があった日を含む連結事業年度後の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において取壊し等をすることとしている場合における措置法第68条の71の規定による特別勘定に経理することができる金額は、68の70(3)-9の前段に準じて計算する。ただし、連結法人がこの計算に代えて取壊し等をしていない資産に係る対価補償金で代替資産の取得に充てようとするものについて、その全額を特別勘定として計算したときは、これを認める。  

(特別勘定に経理した後に資産の取壊し等をした場合の調整)

68の70(3)-13 資産の対価補償金について措置法第68条の71第1項の規定により特別勘定に経理した連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、措置法第64条の2第1項の規定により特別勘定に経理した当該事業年度)後の連結事業年度において、次の事実があった場合の特別勘定の計算は次によるものとする。

  (1)
 資産の取壊し等をする前に代替資産を取得したときは、特別勘定の金額のうち代替資産の取得価額に特別勘定の計算の基礎とした差益割合を乗じて計算した金額(68の70(3)-12のただし書によっているものについては、代替資産の取得価額に相当する金額)を益金の額に算入する。
 なお、この場合における代替資産の圧縮記帳の計算については68の70(3)-9に準ずる。

(2)  代替資産を取得する前に資産の取壊し等をしたときは、その都度差益割合を改訂し、特別勘定のうち過大となる部分の金額が生ずるときは、当該過大となる金額を益金の額に算入する。ただし、68の70(3)-12のただし書によったものについては、資産の取壊損失又は譲渡に要する経費の全額を仮勘定として経理したときは、措置法第68条の71第11項各号に規定する場合に該当することとなった日までは、特別勘定の金額を益金の額に算入しないことができる。
(3)  資産の取壊し等をした後に代替資産を取得したときは、特別勘定の金額のうち代替資産の取得価額に(2)により改訂した差益割合を乗じて計算した金額((2)のただし書によっているものについては代替資産の取得価額に相当する金額)を益金の額に算入する。  

(棚卸資産の圧縮記帳等)

68の70(3)-14 法第2条第20号に規定する棚卸資産について収用等により交付を受けた補償金、対価又は清算金については、措置法第68条の70、第68条の71、第68条の72第3項又は第68条の73の適用はないが、当該棚卸資産について換地処分等により取得した換地等については措置法第68条の72(同条第3項を除く。)の規定の適用があることに留意する。
 なお、不動産売買業を営む連結法人の有する土地又は建物であっても、当該連結法人が使用し若しくは他に貸し付けているもの(販売の目的で所有しているもので一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該連結法人が使用することを予定して長期間にわたり所有していることが明らかなものは、棚卸資産には該当しないことに留意する。  

(換地処分により2以上の交換取得資産を取得した場合の帳簿価額)

68の70(3)-15 換地処分等により一の資産について2以上の資産を取得した場合における当該交換取得資産の個々の資産に付けるべき帳簿価額は、換地処分等により譲渡した資産の譲渡直前の帳簿価額に当該交換取得資産の価額の合計額のうちに占める個々の交換取得資産の価額の割合を乗じて計算した金額による。  

(内水面漁業補償金で有価証券を取得した場合)

68の70(3)-16 連結親法人である漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が、その有する内水面に係る漁業権の消滅又はその価値の減少により取得した措置法第68条の70第1項に係る措置法第64条第1項第7号に掲げる補償金又は対価につき措置法令第39条の99第2項に係る措置法令第39条第2項第3号かっこ書に掲げる有価証券を代替資産として措置法第68条の70第1項又は第7項の規定の適用を受けた場合には、その後当該有価証券について償還を受け、又はこれを譲渡したときにおいても、その償還を受けた金額又はその譲渡の対価をもって再び同号かっこ書に規定する有価証券を取得したときは、当該有価証券が引き続き同号かっこ書に規定する基金の運用資産として保有されるものである限り、当該有価証券については、次の算式により計算した金額を下らない金額をその取得価額とすることができるものとする。  

 

(圧縮記帳をした資産についての特別償却等の不適用)

68の70(3)-17 収用等をされた資産に係る対価補償金をもって取得した代替資産につき措置法第68条の70第1項(同法第68条の71第8項において準用する場合を含む。)又は第68条の70第7項(同法第68条の71第9項において準用する場合を含む。)の規定による圧縮記帳の適用を受けた場合には、当該代替資産の取得価額の一部が対価補償金以外の資金から成るときであっても、当該代替資産については、措置法に規定する特別償却(措置法第68条の30及び第68条の31第1項の規定によるものを除く。)の規定、これらの規定に係る特別償却準備金の規定及び特別税額控除の規定を適用することができないことに留意する。  

(経費補償金等の仮勘定経理の特例)

68の70(3)-18 収用等により交付を受ける補償金等のうち対価補償金以外の金額は、その収用等があった日を含む連結事業年度の益金の額に算入するのであるが、経費補償金若しくは移転補償金(68の70(2)-7から68の70(2)-9まで及び68の70(2)-24により、対価補償金として取り扱うものを除く。)、68の70(2)-13に定める残地保全経費の補償金又は68の70(2)-14に定める地域外の既存設備の付替え等に要する経費の補償金(以下これらを「経費補償金」という。)については、収用等があった日から2年を経過した日の前日(長期特別勘定の設定をする場合には、当該長期特別勘定に係る指定期間を経過した日の前日)まで仮勘定として経理することができるものとする。

  (注)1
 この取扱いにより経費補償金につき仮勘定として経理する場合において、当該経費補償金に見合う経費の支出をし、又は資産の取得等をしたときは、その支出をした経費の額又は取得等をした資産に係る取得価額等についても仮勘定として経理するものとする。

2  連結法人が経費補償金の交付を受けた場合において、その補償の目的に適合する経費の支出又は同種の資産の取得若しくは資産の改良をすることが明らかでないときは、当該経費補償金の額のうち、その明らかでない部分の金額については、その収用等があった日を含む連結事業年度の益金の額に算入することに留意する。  

(収益補償金の仮勘定経理等の特例)

68の70(3)-19 収用等に伴い交付を受ける収益補償金のうち68の70(2)-5の取扱いによらない部分の金額については、連結法人が、その収用等があった日を含む連結事業年度の益金の額に計上しないで、収用等をされた土地又は建物から立退くべき日として定められている日(その日前に立退いたときは、その立退いた日)まで仮受金として経理しているときは、これを認める。

  (注)
 収用等があった日を含む連結事業年度の終了の日までに支払われないものについても、未収金と仮受金とを両建経理するよう指導する。
 

(換地処分等により取得した資産の圧縮記帳の経理の特例)

68の70(3)-20 措置法第68条の72第1項の規定を適用する場合において、連結法人が同項に規定する換地処分等により取得した土地等につき、その帳簿価額を損金経理により減額しないで、換地処分等により譲渡した資産の同条第2項に規定する譲渡直前の帳簿価額とその土地等の取得のために要した経費との合計額に相当する金額を下らない金額をその取得価額としたときは、これを認める。この場合においても、措置法第68条の72第4項の規定の適用があることに留意する。  

(適格合併等があった場合における圧縮記帳等の計算)

68の70(3)-21 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下「適格合併等」という。)により代替資産の移転、特別勘定の引継ぎ等があった場合には、68の70(3)-3、68の70(3)-7、68の70(3)-9、68の70(3)-11、68の70(3)-12、68の70(3)-13、68の70(3)-18及び68の70(3)-19による圧縮記帳等の計算については、次によるものとする。

  (1)
 68の70(3)-3及び68の70(3)-7は、当該適格合併等に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。以下同じ。)と合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。)とは同一の法人であるものとして適用する。

(2)  68の70(3)-9、68の70(3)-11、68の70(3)-12、68の70(3)-13、68の70(3)-18及び68の70(3)-19は、当該適格合併等に係る被合併法人等がこれらの取扱いによっている場合には、当該適格合併等に係る合併法人等においては引き続きこれらの取扱いによる。

第4款  収用証明書等

 

(収用証明書の区分一覧表)

68の70(4)-1 措置法第68条の70から第68条の73までの規定は、それぞれ次の表に掲げる資産が同表に掲げる場合に該当し、原則としてその適用を受けようとする連結事業年度分の連結確定申告書等に措置法規則第22条の64第3項に規定する「第22条の2第4項各号に掲げる資産の区分に応じ、当該各号に定める書類」の添付をした場合に限りその適用があるのであるが、この場合の添付すべき書類の内容は措置法通達64(4)-1に係る別表1と同様となる。
規 定 資 産 場   合
措置法第68条の70 措置法第64条第1項各号に規定するもの 当該各号に掲げる場合に該当することとなった場合(措置法第68条の72第1項の規定に該当する場合を除く。)
措置法第68条の71 措置法第64条第1項各号に規定するもの 当該各号に掲げる場合に該当することとなった場合(措置法第68条の70第2項の規定により措置法第64条第2項第1号に規定する土地等又は同項第2号に規定する土地の上にある資産につき収用等による譲渡があったものとみなされた場合を含むものとし、措置法第68条の72第1項の規定に該当する場合を除く。)
措置法第68条の72 措置法第65条第1項各号に規定するもの 当該各号に掲げる場合に該当することとなった場合(当該各号に規定する資産とともに補償金、対価若しくは清算金又は保留地の対価(措置法第65条第1項に規定する保留地の対価をいう。)を取得した場合を含む。) 
措置法第68条の73 措置法第64条第1項各号又は第65条第1項第1号から第3号までに規定するもの これらの規定に該当することとなった場合(措置法第68条の70第2項の規定により措置法第64条第2項第1号に規定する土地等又は同項第2号に規定する土地の上にある資産につき収用等による譲渡があったものとみなされた場合及び措置法第68条の72第7項に規定する譲受け希望の申出の撤回があったときにおいて、同項の規定により措置法第65条第1項第5号に規定する建築施設の部分の給付を受ける権利につき収用等による譲渡があったものとみなされる場合を含む。)
 

(代行買収の要件)

68の70(4)-2 措置法第68条の70第1項の規定の適用に当たって、措置法規則第14条第7項第2号から第4号の3まで又は第4号の5から第5号までの規定により、これらの規定に規定する事業の施行者に代り当該事業の施行者以外の者でこれらの規定に規定するものの買い取った資産がこれらの規定に規定する資産に該当するかどうかは、次に掲げる要件のすべてを満たしているかどうかにより判定するものとする。

  (1)
 買取りをした資産は、最終的に事業の施行者に帰属するものであること。

(2)  買取りをする者の買取りの申出を拒む者がある場合には、事業の施行者が収用するものであること。
(3)  資産の買取契約書には、資産の買取りをする者が事業の施行者が施行する○○事業のために買取りをするものである旨が明記されているものであること。
(4)  (1)及び(2)の事項については、事業の施行者と資産の買取りをする者との間の契約書又は覚書により相互に明確に確認されているものであること。  

(事業施行者以外の者が支払う漁業補償等)

68の70(4)-3 措置法第68条の70第1項に係る措置法第64条第1項第7号に規定する事業の施行者でない地方公共団体又は地方公共団体が財産を提供して設立した団体の支払った補償金又は対価が措置法第68条の70第1項の適用対象となる措置法規則第14条第7項第8号に規定する補償金又は対価に該当するかどうかは、次に掲げる要件のすべてを満たしているかどうかにより判定するものとする。

  (1)
 措置法規則第14条第7項第8号に規定する権利の消滅(価値の減少を含む。以下68の70(4)-3において同じ。)に関する契約書には、補償金又は対価の支払をする者が同号に規定する事業の施行者が施行する○○事業のために消滅する当該権利に関して支払うものである旨が明記されているものであること。

(2)  (1)の事項については、当該事業の施行者と補償金又は対価の支払をする者との間の契約書又は覚書により相互に明確に確認されているものであること。  

(証明の対象となる資産の範囲)

68の70(4)-4 買取りの対象となった資産が措置法第68条の70第1項の適用対象となる措置法規則第14条第7項第3号イに規定する「事業に必要なものとして収用又は使用することができる資産」に該当するかどうかは、当該買取りの時において、当該事業の施行場所、施行内容等が具体的に確定し、当該資産について事業認定が行われ得る状況にあるかどうかによって判定することに留意する。
 買取りの対象となった資産が措置法第68条の70第1項の適用対象となる措置法規則第14条第7項第5号に規定する「土地収用法第3条各号の一に該当するもの……に関する事業」に必要な資産であり、かつ、当該買取りについて措置法第68条の70第1項に係る措置法第64条第1項第2号に規定する事由があるどうかを判定する場合についても同様とする。  

(関連事業に係る収用証明書の記載事項)

68の70(4)-5 収用等の場合の課税の特例は、収用等のあった日を含む連結事業年度分の連結確定申告書等に、当該収用等が、収用等を行うことについて正当な権限を有する者(以下「収用権者」という。)によって行われたものであることを一覧的に表示した収用証明書(措置法規則第22条の64第3項に規定する「第22条の2第4項各号に掲げる資産の区分に応じ、当該各号に定める書類」をいう。以下同じ。)を添付することを要件として適用されるのであるから、収用等の基因となった事業が収用権者と当該事業に係る施設の管理者とを異にする場合、すなわち、関連事業に該当する場合には、当該関連事業に係る収用証明書には、当該事業が関連事業であることを表示されていることが要件となってくることに留意する。

第68条の73 《収用換地等の場合の連結所得の特別控除》関係


 

(収用等の場合の課税の特例相互間の適用関係)

68の73-1 措置法の規定による収用等の場合の課税の特例には、圧縮記帳等の特例(措置法第68条の70から第68条の72まで)及び 5,000万円損金算入の特例(措置法第68の73の規定による5,000万円の損金算入の特例をいう。以下同じ。)があるが、これらの特例相互間の適用関係は次のとおりである。  


(5,000万円損金算入の特例と圧縮記帳等の特例との適用関係)

68の73-2 連結親法人又は当該連結親法人による連結完全支配関係にある連結子法人が、同一連結事業年度のうち同一の年に属する期間中に収用換地等により譲渡した資産のうちに、例えば最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までに譲渡した資産と同日後に譲渡した資産とがあるなど、5,000万円損金算入の特例の適用が受けられる資産と受けられない資産とがある場合において、その受けられる資産につき5,000万円損金算入の特例の適用を受けたときは、5,000万円損金算入の特例の適用が受けられない資産については、圧縮記帳又は特別勘定経理の特例の適用はないことに留意する。

  (注)1
 措置法第68条の72第1項に係る措置法第65条第1項第4号から第6号までに掲げる場合に該当する資産の譲渡をした場合において、換地処分等により取得したこれらの号に規定する資産については、他の収用換地等された資産についての 5,000万円損金算入の特例の適用の有無に関係なく、圧縮記帳の特例だけが適用される。

2  連結法人が連結事業年度内において譲渡をした資産については、当該連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人が当該譲渡をした日と同一年中の日に他の譲渡をした資産について当該他の譲渡をした日を含む連結事業年度の連結所得の金額の計算において措置法第68条の70から第68条の72までの規定(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度の所得の金額の計算において措置法第64条から第65条までの規定)の適用を受けた又は受けるかどうかにかかわらず、圧縮記帳等の特例と5,000 万円の損金算入の特例とのいずれかを選択をすることができる。  

(年又は連結事業年度を異にする2以上の譲渡等があった場合)

68の73-3 措置法第68条の73第1項に規定する 5,000万円の額は、連結法人ごとの年を通ずる損金算入限度額であるから、次の場合における損金算入額の計算は、それぞれ次によることに留意する。

  (1)
  5,000万円損金算入の特例の適用を受けることができる譲渡等が1連結事業年度中に2以上あり、かつ、これらの譲渡等が年を異にして行われたときは、各年に行われた譲渡等についてそれぞれ 5,000万円を限度として同条第1項の規定により損金の額に算入することができる。

(2)   5,000万円損金算入の特例の適用を受けることができる譲渡等が同一年中に2以上あり、かつ、これらの譲渡等が連結事業年度を異にして行われたときは、当該連結事業年度において損金の額に算入することができる金額は、 5,000万円から当該連結事業年度前の各連結事業年度(当該年において終了したものに限る。)において措置法第68条の73第1項の規定により損金の額に算入した金額の合計額(当該年中における譲渡等に係る部分の金額に限る。)を控除した金額を基礎として計算する。
(例)


 

(適格合併等により引継ぎを受けた特別勘定に係る圧縮記帳と 5,000万円損金算入との適用関係)

68の73-4 措置法第68条の71第5項の規定に基づき引継ぎを受けた特別勘定を設けている合併法人等(同項に規定する合併法人等をいう。以下同じ。)が、当該特別勘定につき同条第8項又は第9項の規定により圧縮記帳を行う場合であっても、当該特別勘定の基礎となった収用換地等による譲渡は被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。)が行ったものであることから、当該被合併法人等が行った当該譲渡と同一の年に属する期間中に合併法人等が自ら行った収用換地等による譲渡については措置法第68条の73第1項の規定による 5,000万円損金算入の特例の適用を受けることができることに留意する。  

(他の連結法人が 5,000万円損金算入の特例を受けた場合の適用関係)

68の73-5 措置法第68条の73第1項に規定する 5,000万円の額は、連結法人ごとの年を通ずる損金算入限度額であるから、仮に、当該連結法人と連結完全支配関係を有する他の連結法人が同項の規定の適用対象となる収用換地等による譲渡を行ったことにより、連結所得の金額の計算上、同項の規定による 5,000万円損金算入の特例の適用を受けている場合であっても、当該連結法人が当該他の連結法人が行った譲渡等の日と同一年中の日に同項の規定の適用の対象となる収用換地等による譲渡を行ったときには、同項に規定する 5,000万円を限度として同項の規定の適用があることに留意する。
 同条第2項又は第7項の 5,000万円損金算入の特例についても、同様とする。

  (注)1
 当該連結法人及び当該他の連結法人が適用を受けた、又は適用を受ける 5,000万円損金算入の特例に係る損金算入額の合計額については、措置法第68条の77の規定の適用がある。

2  5,000万円損金算入の特例による損金算入限度額の計算上 5,000万円から控除することとなる金額は、同一の年に属する期間中の収用換地等につき措置法第68条の77の規定(同法第65条の6の規定を含む。)の適用を受けたかどうかにかかわらず、当該収用換地等につき既に措置法第68条の73の規定(同法第65条の2の規定を含む。)により計算した損金算入額となる。  

(補償金の支払請求等の時期)

68の73-6 資産の収用換地等による譲渡につき土地収用法の規定による仲裁の申請に基づき仲裁判断があった場合若しくは補償金の支払の請求があった場合又は農地法の規定による転用等の許可を受けなければならない場合若しくは同法第5条第1項第3号の規定による届出をする場合には、その譲渡が最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までにされないときであっても、 5,000万円損金算入の特例の適用があるが、この特例は、仲裁の申請若しくは補償金の支払請求又は農地の転用等の許可申請若しくは届出書の提出が最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までにされなかった場合には適用がないことに留意する。  

(補償金の支払請求があった土地の上にある建物等の譲渡期間)

68の73-7 土地収用法の規定により補償金の支払の請求ができる資産は、土地及び土地に関する所有権以外の権利に限られているが、これらの資産につき最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までに補償金の支払の請求があった場合には、これらの資産の上にある建物等の収用換地等による譲渡についても措置法第68条の73第3項第1号かっこ書に規定する「土地収用法第46条の2第1項の規定による補償金の支払の請求があった場合」に準じて取り扱う。  

(共同漁業権等の消滅等があった場合の譲渡期間)

68の73-8 連結親法人である漁業協同組合又は漁業協同組合連合会(以下68の73-8において「組合等」という。)が有する共同漁業権、特定区画漁業権又は入漁権(以下68の73-8において「共同漁業権等」という。)の消滅又は価値の減少(以下68の73-8において「消滅等」という。)により組合等の組合員が措置法第68条の73第1項に係る措置法第64条第1項第7号に掲げる補償金又は対価(以下68の73-8において「補償金等」という。)を取得する場合における措置法第68条の73第3項第1号の規定の適用については、共同漁業権等につき同号に規定する公共事業施行者から組合等に対して最初に買取り等の申出があった日から6月を経過した日後において当該組合員の漁業を営む権利(当該買取り等の申出の対象となった共同漁業権等に係るものに限る。以下68の73-8において同じ。)の消滅等に伴う補償金等の額が確定した場合であっても、当該公共事業施行者と当該組合等の間で締結された当該共同漁業権等の消滅等に関する契約の効力が最初に買取り等の申出があった日から6月を経過した日までに生じているときは、当該組合員の漁業を営む権利の収用換地等による譲渡は、最初に買取り等の申出のあった日から6月を経過した日までにされているものとして取り扱う。

  (注)
 組合等が有する共同漁業権等の消滅等により、当該組合等の組合員がその漁業を営む権利の消滅等に伴って取得する補償金等については、当該組合員に対する配分額が確定した日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の益金の額に算入することに留意する。
 

(許可を要しないこととなった日の意義)

68の73-9 措置法令第39条の101 第4項第3号の場合において、農地又は採草放牧地(以下68の73-11までにおいて「農地等」という。)の譲渡につき農地法第5条第1項の規定による許可の申請をした日後に当該許可を要しないこととなったときにおける同号に規定する「その要しないこととなった日」とは、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる日によるものとする。

  (1)
 当該許可前に当該農地等の所在する地域が都市計画法第7条第1項に規定する市街化区域に該当することになったことに伴い農地法第5条第1項第3号の規定による届出をし、当該届出が受理されたこと 当該受理の日

(2)  農地法施行規則第7条第14号に掲げる都道府県以外の地方公共団体、都市基盤整備公団、地方住宅供給公社、土地開発公社、地域振興整備公団又は同規則第5条第20号の規定により農林水産大臣が指定する法人(以下「指定法人」という。)が当該農地等を買い取る場合において、当該許可前に当該農地等の所在する地域が都市計画法第7条第1項に規定する市街化区域(指定法人にあっては同号に規定する指定計画に係る市街化区域)に該当することとなったこと 当該市街化区域に関する都市計画の決定に係る告示があった日  

(最初に買取り等の申出を受けた者以外の連結法人による譲渡)

68の73-10 現物出資法人又は事後設立法人が最初に買取り等の申出を受けた場合において、現物出資又は事後設立によりその資産の移転を受けた連結法人である被現物出資法人又は被事後設立法人が収用換地等による譲渡をしたときは、当該譲渡は、最初に買取り等の申出を受けた者以外の連結法人による譲渡に該当することから、当該現物出資又は事後設立が適格現物出資又は適格事後設立に該当するかどうかにかかわらず、当該譲渡につき措置法第68条の73第1項の規定の適用はないことに留意する。

  (注)
 適格合併又は適格分割があった場合の同項の規定の適用については、同条第3項第3号の規定によるのであるから留意する。
 

(一の収用換地等に係る事業につき譲渡した資産のうちに農地等とその他の資産がある場合の譲渡の時期の特例)

68の73-11 一の収用換地等に係る事業につき譲渡した資産のうちに農地法の規定による転用等の許可を受けなければならない農地等とその他の資産とがあり、これらの資産の収用換地等による譲渡が2以上の年にわたって行われた場合において、その他の資産の収用換地等による譲渡が行われた年にその農地等につき譲渡に関する契約が締結されており、かつ、その年にその農地等の収用換地等による譲渡があったものとして申告したときは、その農地等はその年において収用換地等による譲渡があったものとして取り扱う。  

(一の収用換地等に係る事業につき譲渡した資産のうちに権利取得裁決による譲渡資産と明渡裁決による譲渡資産とがある場合の譲渡の時期の特例)

68の73-12 一の収用換地等に係る事業につき譲渡した資産のうちに土地(土地に関する所有権以外の権利を含む。以下68の73-12において同じ。)とその土地の上にある建物等とがあり、その土地の譲渡は権利取得裁決により、その建物等の譲渡は明渡裁決により行われたため、これらの資産の譲渡が2以上の年にわたった場合において、その建物等につき権利取得裁決前に明渡裁決の申立てをしており、かつ、その土地の譲渡があった年にその建物等の譲渡があったものとして申告したときは、その建物等はその年において収用等による譲渡があったものとして取り扱う。  

(関連事業)

68の73-13 土地収用法第16条に規定する関連事業は、本体事業から独立した別個の事業ではなく、本体事業に付随する事業として、本体事業とともに措置法第68条の73第3項第2号に規定する「一の収用換地等に係る事業」に該当することに留意する。  

(事業計画の変更等があった場合の一の収用換地等に係る事業の判定)

68の73-14 一の収用換地等に係る事業が次に掲げる場合に該当する場合において、その事業の施行につき合理的と認められる事情があるときは、次に掲げる地域ごとにそれぞれ別個の事業として措置法第68条の73第3項第2号の規定を適用するものとする。

  (1)
 事業の施行地について計画変更があり、当該変更に伴い拡張された部分の地域について事業を施行する場合 当該変更前の地域と当該変更に伴い拡張された部分の地域

  (注)
 この取扱いは、一の収用換地等に係る事業の施行地の変更前において当該変更前の地域にある資産を当該事業のために譲渡した連結法人が、当該変更後において当該変更に伴い拡張された部分の地域にある資産を当該事業のために譲渡する場合に限って適用があることに留意する。 (2)  事業を施行する営業所、事務所その他の事業場が2以上あり、当該事業場ごとに地域を区分して事業を施行する場合 当該区分された地域
(3)  事業が1期工事、2期工事等と地域を区分して計画されており、当該計画に従って当該地域ごとに時期を異にして事業を施行する場合 当該区分された地域  

(買取り等の申出証明書の発行者)

68の73-15 公共事業施行者の買取り等の申出に関する事務に従事した者がその公共事業施行者の本店又は主たる事務所以外の営業所、事務所その他の事業場に勤務するものである場合には、連結確定申告書等に添付する「買取り等の申出があったことを証する書類」は、当該営業所、事務所その他の事業場の長が発行したものによることができるものとする。  

(代行買収における証明書の発行者)

68の73-16 措置法第68条の73第1項の規定の適用に当たって、措置法規則第14条第7項第2号から第4号の3まで、第4号の5から第5号まで、第8号又は第11号の規定により、事業の施行者に代わり、事業の施行者以外の者(以下「代行買収者」という。)が資産の買取り等をする場合には、措置法規則第22条の65第3項第1号又は第2号に規定する「買取り等の申出があったことを証する書類」又は「買取り等があったことを証する書類」は当該資産の買取り等の申出又は買取り等をした代行買収者が発行するのであるが、措置法規則第14条第7項第2号から第4号の3まで、第4号の5から第5号まで、第8号又は第11号に規定する証明書は、これらの規定に規定する者が発行することに留意する。  

(仲裁判断等があった場合の証明書類)

68の73-17 措置法規則第22条の65第3項第2号に規定する「当該買取り等につき施行令第39条の101 第4項各号に掲げるいずれかに該当する場合」の「その旨を証する書類」とは、例えば、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次のものをいうのであるが、措置法規則第22条の65第3項第2号に規定する「公共事業施行者の買取り等の年月日及び当該買取り等に係る資産の明細を記載した買取り等があったことを証する書類」にそれぞれ次の(1)から(4)までのかっこ書の日が記載されている場合には、「その旨を証する書類」の提出を省略して差し支えないものとする。

  (1)
 土地収用法の規定による仲裁判断があった場合 仲裁判断書の写し(仲裁の申請をした日及び仲裁判断のあった日)

(2)  補償金の支払請求があった場合 収用裁決書の写し(補償金の支払の請求をした日)
(3)  農地法の規定による許可を受けなければならない場合 許可申請書の写し(申請をした日及び許可があった日又は許可を要しなくなった日)
(4)  農地法の規定による届出をする場合 受理通知書の写し(届出書を提出した日及び受理した日)

第68条の74 《特定土地区画整理事業等のために土地等を譲渡した場合の連結所得の特別控除》関係


 

(特定土地区画整理事業の施行者とその買取りをする者との関係)

68の74-1 措置法第68条の74第1項に係る措置法第65条の3第1項第1号に規定する事業の施行者が、国、地方公共団体、都市基盤整備公団、地方住宅供給公社又は地域振興整備公団であり、かつ、当該事業の用に供される土地等の買取りをする者がこれらの者(措置法第68条の74第1項に係る措置法令第39条の4第2項に規定する団体を含む。)である場合には、当該事業の施行者と当該買取りをする者が異なっても、措置法第68条の74第1項の適用があることに留意する。  

(宅地の造成を主たる目的とするものかどうかの判定)

68の74-2 地方公共団体が財産を提供して設立した団体(当該地方公共団体とともに国、地方公共団体及び都市基盤整備公団以外の者が財産を提供して設立した団体を除く。)が措置法第68条の74第1項に係る措置法令第39条の4第2項に規定する都市計画その他市街地の整備の計画に従って宅地の造成を行うことを主たる目的とするものに該当するかどうかは、当該宅地の造成を行うことがその団体の定款に定められている目的及び業務の範囲内であるかどうかにより判定する。この場合において、当該宅地の造成を行うことがその団体の主たる業務に附帯する業務にすぎないときは、その団体は同条に規定する団体に該当しないことに留意する。  

(代行買収の要件)

68の74-3 措置法第68条の74第1項に係る措置法第65条の3第1項第1号に規定する事業の施行者と同号に規定する土地等の買取りをする者が異なる場合におけるその買い取った土地等が当該事業の用に供するため買い取った土地等に該当するかどうかは、次に掲げる要件のすべてを満たしているかどうかにより判定するものとする。

  (1)
 買取りをした土地等に相当する換地処分又は権利変換後の交換取得資産(措置法第68条の72第1項に規定する交換取得資産をいう。)は、最終的に同号の事業の施行者に帰属するものであること。

(2)  当該土地等の買取契約書には、当該土地等の買取りをする者が同号の事業の施行者が行う当該事業の用に供するために買取りをするものである旨が明記されているものであること。
(3)  上記(1)の事項については、当該事業の施行者と当該土地等の買取りをする者との間の契約書又は覚書により相互に明確に確認されているものであること。  

(事業計画の変更等があった場合の一の特定土地区画整理事業等の判定)

68の74-4 一の特定土地区画整理事業等について事業計画等の変更等があった場合の一の事業の判定については、68の73-14に準じて取り扱うものとする。  

(他の連結法人が 2,000万円損金算入の特例を受けた場合の適用関係)

68の74-5 措置法第68条の74第1項に規定する 2,000万円の額は、連結法人ごとの年を通ずる損金算入限度額であるから、仮に、当該連結法人と連結完全支配関係を有する他の連結法人が同項の規定の適用対象となる特定土地区画整理事業等のための譲渡を行ったことにより、連結所得の金額の計算上、同項の規定による 2,000万円の損金算入の特例(以下「 2,000万円損金算入の特例」という。)の適用を受けている場合であっても、当該連結法人が当該他の連結法人が行った譲渡等の日と同一年中の日に同項の規定の適用の対象となる特定土地区画整理事業等のための譲渡を行ったときには、同項に規定する 2,000万円を限度として同項の規定の適用があることに留意する。

  (注)1
 当該連結法人及び当該他の連結法人が適用を受けた、又は適用を受ける 2,000万円損金算入の特例に係る損金算入額の合計額については、措置法第68条の77の規定の適用がある。

2   2,000万円損金算入の特例による損金算入限度額の計算上 2,000万円から控除することとなる金額は、同一の年に属する期間中の特定土地区画整理事業等のための譲渡につき措置法第68条の77の規定(同法第65条の6の規定を含む。)の適用を受けたかどうかにかかわらず、当該特定土地区画整理事業等のための譲渡につき既に措置法第68条の74の規定(同法第65条の3の規定を含む。)により計算した損金算入額となる。  

(特定土地区画整理事業等の証明書の区分一覧表)

68の74-6 措置法第68条の74の規定は、連結法人の有する同条第1項に規定する土地等が同項に規定する「第65条の3第1項各号に掲げる場合(第68条の70第1項(第64条第1項第2号、第3号の3又は第3号の4に係る部分に限る。)の規定の適用がある場合を除く。)に該当することとなった場合」に、原則としてその適用を受けようとする連結事業年度分の連結確定申告書等に措置法規則第22条の66第1項に規定する「第22条の4第1項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類」の添付をした場合に限りその適用があるのであるが、この場合の添付すべき書類の内容は措置法通達65の3-4に係る別表2のとおりである。

第68条の75 《特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の連結所得の特別控除》関係


 

(地方公共団体等が行う住宅の建設又は宅地の造成事業の施行者と買取りをする者との関係)

68の75-1 措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第1号に規定する住宅の建設又は宅地の造成を行う者が同号に掲げる者であり、かつ、当該住宅の建設又は宅地の造成のために土地等の買取りをする者が同号に掲げる者である場合には、当該住宅の建設又は宅地の造成の事業施行者と当該買取りをする者とが異なっていても、措置法第68条の75第1項の適用があることに留意する。  

(代行買収の要件)

68の75-2 措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第1号に規定する住宅の建設又は宅地の造成の事業施行者と同号に規定する土地等の買取りをする者が異なる場合におけるその買い取った土地等が当該住宅の建設又は宅地の造成のため買い取った土地等に該当するかどうかは、次に掲げる要件のすべてを満たしているかどうかにより判定するものとする。

  (1)
 買取りをした土地等は、最終的に同号の事業の施行者に帰属するものであること。

(2)  当該土地等の買取契約書には、当該土地等の買取りをする者が同号の事業の施行者が行う当該住宅の建設又は宅地の造成のために買取りをするものである旨が明記されているものであること。
(3)  上記(1)の事項については、当該事業の施行者と当該土地等の買取りをする者との間の契約書又は覚書により相互に明確に確認されているものであること。  

(収用対償地の買取りに係る契約方式)

68の75-3 次に掲げる方式による契約に基づき、収用の対償に充てられることとなる土地等(以下68の75-3において「代替地」という。)が公共事業施行者(措置法第68条の70第1項に係る措置法第64条第1項第1号に規定する土地収用法等に基づく収用(同項第2号の買取り及び同条第2項第1号の使用を含む。以下68の75-3において同じ。)を行う者をいう。以下68の75-3において同じ。)に買い取られる場合は、措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第2号に規定する「収用の対償に充てるため買い取られる場合」に該当するものとする

  (1)
 公共事業施行者、収用により譲渡する土地等(以下68の75-3において「事業用地」という。)の所有者及び代替地の所有者の三者が次に掲げる事項を約して契約を締結する方式

  イ
 代替地の所有者は公共事業施行者に代替地を譲渡すること。

ロ  事業用地の所有者は公共事業施行者に事業用地を譲渡すること。
ハ  公共事業施行者は代替地の所有者に対価を支払い、事業用地の所有者には代替地を譲渡するとともに事業用地の所有者に支払うべき補償金等(事業用地の譲渡に係る補償金又は対価に限る。以下68の75-3において同じ。)の額から代替地の所有者に支払う対価の額を控除した残額を支払うこと。
(注)
 上記契約方式における代替地の譲渡のうち同号に規定する「収用の対償に充てるため買い取られる場合」の土地等の譲渡に該当するものは、当該代替地の譲渡のうち措置法第68条の70第1項又は第2項の規定の適用対象となる措置法第64条第1項第1号、同項第2号又は同条第2項第1号に規定する収用、買取り又は使用の対価たる補償金又は対価につき金銭に代えて給付される代替地に係る部分の譲渡に限られるのであるから、当該代替地の譲渡のうち当該補償金又は対価以外の補償金につき金銭に代えて給付される代替地に係る部分の譲渡は、これに該当しないことに留意する。 (2)  公共事業施行者と事業用地の所有者が次に掲げる事項を約して契約を締結する方式
  イ
 事業用地の所有者は公共事業施行者に事業用地を譲渡し、代替地の取得を希望する旨の申出をすること。

ロ  公共事業施行者は事業用地の所有者に代替地の譲渡を約すとともに、事業用地の所有者に補償金等を支払うこと。ただし、当該補償金等の額のうち代替地の価額に相当する金額については公共事業施行者に留保し、代替地の譲渡の際にその対価に充てること。
 

(一団地の公営住宅の買取りが行われた場合の措置法第68条の70等との適用関係)

68の75-4 措置法第68条の75の規定の適用がある措置法第65条の4第1項第2号の「公営住宅法第2条第4号に規定する公営住宅の買取り」は、当該公営住宅の買取りが一団地の住宅経営に係る事業として行われる場合には、当該一団地の住宅戸数が50戸未満であるときに限られるのであるが、その住宅戸数が50戸以上であるときは、措置法第68条の70、第68条の72又は第68条の73のいずれかの規定の適用があることに留意する。  

(公営住宅の買取りが行われた場合における特例の適用対象となる土地等の範囲)

68の75-5 措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第2号に規定する公営住宅の買取りにおける土地等の買取りとは、地方公共団体が公営住宅法第2条第4号の規定により公営住宅として住宅(同号に規定する附帯施設を含む。以下68の75-5において同じ。)を買い取るために必要な土地の所有権、地上権、賃借権を取得することをいい、当該住宅の買取りに付随しない土地等の買取りは、これには該当しない。したがって、例えば、地方公共団体が公営住宅として住宅とその敷地である借地権を買い取り、当該借地権の設定されていた土地の所有者と当該土地に係る賃貸借契約を締結した場合において、その後に当該土地の所有者から底地を買い取った場合には、当該底地の譲渡については措置法第68条の75第1項の規定の適用はないことに留意する。

  (注)1
 公営住宅法第2条第4号に規定する附帯施設とは、給水施設、排水施設、電気施設等のほか自転車置場、物置等の施設をいい、同条第9号に規定する児童遊園、共同浴場、集会場等の共同施設は同条第4号の公営住宅の買取りには含まれていないのであるから留意する。

2  借地権を有する者が、当該借地権に係る底地を取得した後、公営住宅として買い取られる住宅に付随して旧借地権部分と旧底地部分が買い取られる場合には、そのいずれの部分についても、措置法第68条の75第1項の適用対象となる。  

(宅地造成契約に基づく土地の交換等との関係)

68の75-6 措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第3号イに規定する一団の宅地の造成に関する事業の施行に伴って、当該事業と一体として法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合又は宅地造成契約に基づく土地の交換等が行われた場合において、その一団の土地のうちに連結基本通達2-1-20又は所得税基本通達33-6の6若しくは33-6の7により譲渡がなかったものとして取り扱う部分の土地があるときは、当該土地は同号イに規定する優先分譲宅地に該当しないものとし、同号イに規定する「一団の土地の面積が5ヘクタール以上」であるかどうかについても当該土地を除いたところで判定するものとする。  

(仮換地の指定が行われないで換地処分が行われた場合の取扱い)

68の75-7 一団の宅地の造成が措置法第68条の75第1項の規定に係る措置法第65条の4第1項第3号ロに規定する土地区画整理事業として行われ、かつ、当該土地区画整理事業に係る施行地区内の土地等につき換地が行われる場合には、当該事業に係る土地区画整理法第4条第1項又は第14条第1項に規定する認可の申請があった日の属する年の1月1日以後その最初に行われた仮換地の指定(措置法第68条の75第1項に係る措置法令第39条の5第8項に規定する仮換地の指定をいう。以下68の75-7において同じ。)の効力発生の日の前日までの間に当該事業の用に供するために買い取られることとなった土地等の譲渡について措置法第68条の75第1項の規定の適用があるのであるから、当該事業の施行地区内の土地等につき当該仮換地の指定が行われないで土地区画整理法第 103条の規定による換地処分が行われた場合には、当該認可の申請があった日の属する年の1月1日以後同条第4項の規定による換地処分の公告のあった日の前日までの間に買い取られることとなった当該土地等の譲渡について、措置法第68条の75第1項の規定の適用があることに留意する。  

(公募手続開始前の譲渡)

68の75-8 68の69(5)-7の取扱いは、公募手続開始前に土地等の譲渡をする場合における措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第3号ニの規定の適用について準用する。  

(会員を対象とする土地等の譲渡)

68の75-9 68の69(5)-8の取扱いは、いわゆるハウジングメイト等の会員を対象として土地等の譲受人を募集する場合における措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第3号ニの規定の適用について準用する。  

(2以上の措置法第65条の4第1項第3号該当土地等の譲渡がある場合の取扱い)

68の75-10 連結法人の有する土地等が措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第3号に掲げる場合に該当することとなった場合において、当該土地等につき措置法第68条の75第1項の規定の適用を受けるときは、同一の連結事業年度において譲渡した同号に掲げる場合に該当することとなった土地等のすべてについて、措置法第68条の75第1項の規定を適用することに留意する。

  (注)
 同一の連結事業年度において行われた土地等の譲渡のうち同条第2項の規定により同条第1項の規定を適用しないこととされる買取りに係るものについては、措置法第68条の68第4項の規定を適用できることに留意する。
 

(2以上の年にわたり買取りが行われた場合の措置法第68条の68との適用関係)

68の75-11 連結法人の有する土地等が、措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第3号に掲げる場合に該当することとなった場合において、当該土地等につき同号に規定する買取りが2以上行われ、かつ、これらの買取りが2以上の年にわたって行われたときは、最初に買取りが行われた年において譲渡した土地等につき措置法第68条の75第1項の規定の適用を受けている場合であっても、当該最初に買取りが行われた年以外の年において行われた買取りに係る当該土地等の譲渡については、措置法第68条の68第4項の規定を適用できることに留意する。  

(2以上の年にわたり買取りが行われた場合の措置法第68条の74との適用関係)

68の75-12 措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第1号、第4号及び第6号から第9号までに掲げる場合に該当する買取りが行われた場合において、当該買取りが措置法第68条の74第1項に係る措置法第65条の3第1項第1号に掲げる場合にも該当するときは、当該買取りについては措置法第68条の74第1項の規定が適用され、措置法第68条の75第1項の規定の適用はないこととされているのであるから、措置法第68条の74第1項に係る措置法第65条の3第1項に該当する買取りが一の事業のために2以上の年にわたって行われたときは、最初に買取りが行われた年以外の年において行われた買取りに係る譲渡については、措置法第68条の74第1項のみならず措置法第68条の75第1項の規定の適用もないことに留意する。  

(他の連結法人が 1,500万円損金算入の特例を受けた場合の適用関係)

68の75-13 措置法第68条の75第1項に規定する 1,500万円の額は、連結法人ごとの年を通ずる損金算入限度額であるから、仮に、当該連結法人と連結完全支配関係を有する他の連結法人が同項の規定の適用対象となる特定住宅地造成事業等のための譲渡を行ったことにより、連結所得の金額の計算上、同項の規定による 1,500万円の損金算入の特例(以下「 1,500万円損金算入の特例」という。)の適用を受けている場合であっても、当該連結法人が当該他の連結法人が行った譲渡等の日と同一年中の日に同項の規定の適用の対象となる特定住宅地造成事業等のための譲渡を行ったときには、同項に規定する 1,500万円を限度として同項の規定の適用があることに留意する。

  (注)1
 当該連結法人及び当該他の連結法人が適用を受けた、又は適用を受ける 1,500万円損金算入の特例に係る損金算入額の合計額については、措置法第68条の77の規定の適用がある。

2  1,500万円損金算入の特例による損金算入限度額の計算上 1,500万円から控除することとなる金額は、同一の年に属する期間中の特定住宅地造成事業等のための譲渡につき措置法第68条の77の規定(同法第65条の6の規定を含む。)の適用を受けたかどうかにかかわらず、当該特定住宅地造成事業等のための譲渡につき既に措置法第68条の75の規定(同法第65条の4の規定を含む。)により計算した損金算入額となる。  

(休憩所等に類する施設の範囲)

68の75-14 措置法第68条の75第1項に係る措置法規則第22条の5第8項に規定する休憩所、集会場、駐車場、アーケードその他これらに類する施設の「これらに類する施設」とは、例えば小公園、カラー舗装、街路灯などのように主として顧客その他の地域住民の利用に供される施設をいうのであるから、事業協同組合等の組合事務所及び事業協同組合等の組合員等が共同で使用する店舗、倉庫等のような施設はこれに含まれないことに留意する。  

(事業の区域の面積判定)

68の75-15 措置法第68条の75第1項に係る措置法規則第22条の5第9項第1号又は第3号に定める区域の面積が 1,000㎡又は 500㎡以上であるかどうかを判定する場合において、例えば店舗併用住宅などのように同項第1号又は第3号に規定するものの事業の用に供される部分と当該事業以外の用に供される部分からなる建物の用に供される土地については、その土地の全部が当該事業の区域の面積に該当するものとして取り扱う。  

(特定商業集積を構成する施設を設置する事業の範囲)

68の75-16 措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第11号ロに規定する事業が措置法令第39条の5第20項第2号ロ又はハに規定する要件に該当するかどうかの判定については、次のことは次による。

  (1)
 同号ロに規定する土地の面積の合計が1ヘクタール以上であるかどうかは、一の同意基本構想(措置法第65条の4第1項第11号ロに規定する同意基本構想をいう。以下同じ。)において特定施設とともに特定商業集積を構成する施設を設置する事業が2以上あるときは、その全部の事業により設置される特定商業集積(特定商業集積の整備の促進に関する特別措置法第3条第1項に規定する特定商業集積をいう。)を構成する施設の用に供される土地の面積の合計による。

(2)  措置法令第39条の5第20項第2号ハに規定する同意基本構想に係る事業が高度化事業資金の貸付けを受けて行われるものであるかどうかは、一の同意基本構想において特定施設とともに特定商業集積を構成する施設を設置する事業が2以上あるときは、当該事業の全部又は当該事業のうちいずれかの事業が中小企業総合事業団法第21条第1項第2号又は第3号に掲げる業務(同項第2号イ又はハに掲げる事業又は業務に係るものに限る。)に係る資金の貸付けを受けて行われるものであるかどうかによる。  

(事業計画の変更等があった場合の一の特定住宅地造成事業等の判定)

68の75-17 一の特定住宅地造成事業等について事業計画等の変更等があった場合の一の事業の判定については、68の73-14に準じて取り扱うものとする。  

(2以上の年にわたり収用対償地の買取りが行われた場合の適用)

68の75-18 連結法人の所有する土地等が措置法第68条の75第1項に係る措置法第65条の4第1項第2号に掲げる収用の対償に充てるために買い取られた場合(当該土地等について区画形質の変更又は宅地の造成を行った上で事業用地の所有者(収用により譲渡する土地等の所有者をいう。)に譲渡するために買い取られた場合を除く。)の当該買取りについては、措置法第68条の75第2項の規定の適用はないことに留意する。  

(特定住宅地造成事業等の証明書の区分一覧表)

68の75-19 措置法第68条の75の規定は、連結法人の有する同条第1項に規定する土地等が同項に規定する「第65条の4第1項各号に掲げる場合に該当することとなった場合」に、原則としてその適用を受けようとする連結事業年度分の連結確定申告書等に措置法規則第22条の67に規定する「第22条の5第1項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類」の添付をした場合に限りその適用があるのであるが、この場合の添付すべき書類の内容は措置法通達65の4-17に係る別表3のとおりである。


第68条の76 《農地保有の合理化のために農地等を譲渡した場合の連結所得の特別控除》関係


 

(他の連結法人が 800万円損金算入の特例を受けた場合の適用関係)

68の76-1 措置法第68条の76第1項に規定する 800万円の額は、連結法人ごとの年を通ずる損金算入限度額であるから、仮に、当該連結法人と連結完全支配関係を有する他の連結法人が同項の規定の適用対象となる農地保有の合理化のための農地等の譲渡を行ったことにより、連結所得の金額の計算上、同項の規定による 800万円の損金算入の特例(以下「 800万円損金算入の特例」という。)の適用を受けている場合であっても、当該連結法人が当該他の連結法人が行った譲渡等の日と同一年中の日に同項の規定の適用の対象となる農地保有の合理化のための農地等の譲渡を行ったときには、同項に規定する 800万円を限度として同項の規定の適用があることに留意する。

  (注)1
 当該連結法人及び当該他の連結法人が適用を受けた、又は適用を受ける 800万円損金算入の特例に係る損金算入額の合計額については、措置法第68条の77の規定の適用がある。

2   800万円損金算入の特例による損金算入限度額の計算上 800万円から控除することとなる金額は、同一の年に属する期間中の農地保有の合理化のための農地等の譲渡につき措置法第68条の77の規定(同法第65条の6の規定を含む。)の適用を受けたかどうかにかかわらず、当該農地保有の合理化のための農地等の譲渡につき既に措置法第68条の76の規定(同法第65条の5の規定を含む。)により計算した損金算入額となる。  

(農地保有の合理化等の証明書の区分一覧表)

68の76-2 措置法第68条の76の規定は、連結法人である農地法第2条第7項に規定する農業生産法人の有する土地等が「第65条の5第1項各号に掲げる場合(前条第1項(第65条の4第1項第1号又は第26号に係る部分に限る。)の規定の適用がある場合を除く。)に該当することとなった場合」に、原則としてその適用を受けようとする連結事業年度分の連結確定申告書等に措置法規則第22条の68に係る措置法規則第22条の6第4項各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類の添付をした場合に限りその適用があるのであるが、この場合の添付すべき書類の内容は措置法通達65の5-2に係る別表4のとおりである。


第68条の77 《資産の譲渡に係る特別控除額の特例》関係


 

(損金算入限度額の意義)

68の77-1 措置法第68条の77第1項に規定する 5,000万円の額は、連結親法人及びその連結子法人を一体とした年を通ずる損金算入限度額であるから、仮に、個々の連結子法人の同項の適用対象となる措置法第68条の73第1項、第2項若しくは第7項、第68条の74第1項、第68条の75第1項又は第68条の76第1項の損金算入限度額の合計額が 5,000万円を超えない場合であっても、当該連結親法人及びその連結子法人の損金算入限度額の合計額の総額が 5,000万円を超えているときには、当該超える部分の金額は措置法第68条の77第1項の規定の適用があることに留意する。


第68条の78~第68条の80 《特定の資産の買換えの場合等の課税の特例》関係


第1款 対象資産の範囲等  

(不動産売買業者の有する土地等)

68の78(1)-1 措置法第68条の78から第68条の80までの規定は、法第2条第20号に規定する棚卸資産については適用がないのであるが、不動産売買業を営む連結法人の有する土地又は建物で、当該連結法人が使用し、若しくは他に貸し付けているもの(販売の目的で所有しているもので、一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該連結法人が具体的な使用計画に基づいて使用することを予定し相当の期間所有していることが明らかであるものは、棚卸資産には該当しないことに留意する。  

(固定資産として使用していた土地の分譲)

68の78(1)-2 連結法人が従来固定資産として使用していた土地を譲渡するに当たり、当該土地に集合住宅等を建築し、又は当該土地の区画形質の変更等を行って分譲した場合における当該土地の分譲は、棚卸資産の譲渡に該当しないものとして取り扱う。ただし、その分譲に当たり、その土地について宅地造成を行った場合におけるその造成により付加された価値に対応する部分の譲渡については、この限りでない。  

(収用等をされた資産についての適用除外)

68の78(1)-3 譲渡資産について措置法第68条の70から第68条の73までの規定の適用を受けることができる場合には、連結法人がこれらの規定の適用を受けないときにおいても、措置法第68条の78から第68条の80までの規定の適用はないことに留意する。  

(贈与による譲渡等があったものとされる場合の適用除外)

68の78(1)-4 資産の贈与による譲渡又は取得は、措置法第68条の78第15項の規定により同条の譲渡又は取得に該当しないのであるから、譲渡法人である連結法人又は譲受法人である連結法人が次に掲げる場合に該当するときは、それぞれ次の金額により譲渡又は取得があったことになるのであるから留意する。

  (1)
 譲渡法人である連結法人

  イ
 資産の譲渡価額が著しく低い価額であり、その譲渡価額と譲渡の時における当該資産の価額との差額に相当する金額について贈与し又は給与として支給したものと認められる場合 当該譲渡価額

ロ  資産の譲渡価額が著しく高い価額であり、その譲渡価額と譲渡の時における当該資産の価額との差額に相当する金額の贈与を受けたものと認められる場合 当該譲渡資産の譲渡時の価額に相当する金額

(2)  譲受法人である連結法人
  イ
 (1)のイの場合 (1)のイの譲渡価額

ロ  (1)のロの場合 (1)のロの譲渡資産の譲渡時における価額に相当する金額   (注)
 (1)のイの取扱いによる場合において、譲渡法人である連結法人の当該譲渡資産の帳簿価額のうち同条に規定する譲渡があったものとされる部分に対応する金額は、当該譲渡資産の帳簿価額に当該譲渡資産の価額のうちに占める当該譲渡価額の割合を乗じて計算した金額による。
 

(特例の適用を受ける資産についての延払基準の不適用)

68の78(1)-5 連結法人が、資産の譲渡を行い、当該譲渡について措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受ける場合には、仮にその譲渡が法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額又は個別損金額を計算する場合の法第63条第1項に規定する長期割賦販売等に該当しても同項の規定を適用することはできないものとする。  

(土地の上に存する権利)

68の78(1)-6 措置法第68条の78第1項に規定する土地の上に存する権利とは、地上権、永小作権、地役権又は土地の賃借権をいい、租鉱権、採石権等のように土地に附帯するものであっても土地そのものを利用することを目的としない権利は含まれないことに留意する。  

(借地権の返還により支払を受けた借地権の対価に対する特例の適用)

68の78(1)-7 他人の土地を使用している連結法人が、当該土地の上に存する借地権をその土地の所有者に返還し、その土地の所有者から立退料等の支払を受けた場合には、当該支払を受けた金額のうち借地権の価額に相当する金額については、措置法第68条の78第1項に規定する土地の上に存する権利の譲渡による対価として取り扱う。  

(借地権の譲渡対価の全部又は一部を土地所有者が取得した場合の特例の適用)

68の78(1)-8 他人の土地の上に存する建物等が土地とともに譲渡された場合において、当該建物等を有する連結法人が当該土地の上に存する借地権の譲渡対価の額に相当する金額の全部又は一部を取得せず、当該土地の所有者がこれを取得したため、当該金額を当該土地の所有者に贈与(当該土地の所有者が当該連結法人の代表者等であるときは、給与として支給)したものと認められるときは、当該連結法人については、当該借地権の価額に相当する金額は措置法第68条の78第1項に規定する土地の上に存する権利の譲渡による対価の額として取り扱う。

  (注)
 土地の所有者がこの取扱いにより贈与等を受けたものとされる金額は、当該土地の所有者については、圧縮記帳の特例の適用がない。
 

(借地権の譲渡対価に代えて新たに借地権を取得する場合の特例の適用)

68の78(1)-9 他人の土地の上に存する建物等が土地とともに譲渡された場合において、当該建物等を有する連結法人が当該土地の上に存する借地権の譲渡対価の額に相当する金額の全部又は一部を取得しなかったときにおいても、当該土地の所有者の有する他の土地について新たに借地権を取得したときは、措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、当該連結法人が借地権の譲渡対価を取得し、これを新たに取得した借地権の取得の対価に充てたものとして取り扱う。この場合において、当該連結法人が新たに取得した借地権の価額と譲渡した借地権の価額との間に著しい差異があるときを除き、その譲渡した借地権の価額と取得した借地権の価額とは同額であるものとすることができる。  

(借地権の無償返還に代えて新たに借地権を取得する場合の特例の適用)

68の78(1)-10 68の78(1)-9の取扱いは、連結法人の有する借地権を土地の所有者に返還した場合において、当該土地の所有者から立退料等の支払を受けないで、その土地の所有者の有する他の土地について新たに借地権を取得した場合について準用する。この場合において、当該土地の所有者については、返還を受けた借地権の価額に相当する立退料等の支払をしたものとして連結基本通達16-1-16の取扱いを適用する。  

(土地等が買換資産に該当するかどうかの判定)

68の78(1)-11 連結法人の取得した土地等が措置法第68条の78第1項の表の各号の下欄に規定する買換資産に該当するかどうかを判定する場合において、その取得した土地等が当該各号に規定する地域又は区域にあるかどうかは、その土地等を取得した時の現況による。  

(資本的支出)

68の78(1)-12 連結法人がその有する資産の改良、改造等を行った場合においても、当該改良、改造等は、原則として措置法第68条の78第1項に規定する買換資産の取得に当たらないのであるが、次に掲げる場合に該当する場合におけるその改良、改造等については、買換資産の取得に当たるものとして同項又は同条第9項の規定を適用することができるものとする。

  (1)
 新たに取得した買換資産について事業の用に供するために改良、改造等を行った場合(その取得の日から1年以内に行った場合に限る。)

(2)  (1)の場合のほか、例えば建物の増築、構築物の拡張又は延長等をした場合のように、その改良、改造等により実質的に新たな資産を取得したと認められる場合  

(土地造成費等)

68の78(1)-13 連結法人が、次に掲げるような宅地等の造成のための費用を支出した場合において、その金額が相当の額に上り、実質的に新たに土地を取得したことと同様の事情があるものと認められるときは、当該造成についてはその完成の時に新たな土地の取得があったものとし、当該費用の額をその取得価額として措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用があるものとする。

  (1)
 自己の有する水田、池沼の土盛り等をして宅地等の造成をするための費用

(2)  自己の有するいわゆるがけ地の切土をして宅地等の造成をするための費用  

(貸地の返還を受けた場合に支払った立退料等)

68の78(1)-14 土地を他人に使用させていた連結法人が、借地人を立退かせるために立退料等を支払った場合には、措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、土地の取得があったものとし、当該支払った金額(その金額のうちに当該借地人から取得した建物、構築物の対価に相当する金額があるときは、当該金額を除く。)は、当該土地の取得価額とする。  

(公有水面の埋立てをした場合の土地の取得の時期)

68の78(1)-15 連結法人が公有水面の埋立てにより取得した土地の取得の日は、原則として公有水面埋立法第22条第2項の規定による竣功認可の告示のあった日によるのであるが、連結法人が同日前に当該土地の全部又は一部につき使用を開始したときは、その使用を開始した部分については、その使用開始の日をもって取得の日とすることができる。  

(建物が譲渡資産に該当するかどうかの判定)

68の78(1)-16 連結法人の有する建物が措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に規定する譲渡資産に該当するかどうかは、当該建物を譲渡する時の現況によって判定する。ただし、使用を休止している建物でその休止期間中必要な維持補修が行われておりいつでも使用し得る状態にあるものについては、その休止直前の状況によって判定するものとする。  

(事務所等の建物及びその附属設備の範囲)

68の78(1)-17 措置法第68条の78第1項の表の第1号の譲渡資産に係る措置法令第39条の7第3項に規定する事務所、工場、作業場、研究所、営業所、店舗、倉庫その他これらに類する施設(福利厚生施設を除く。以下「事務所等」という。)及びその附属設備には、事務所等の構内にある守衛所、詰所、自転車置場、浴場その他これらに類するもの及びこれらの建物の附属設備並びに事務所等において使用する電力に係る発電所又は変電所の用に供する建物及びこれらの建物の附属設備のように事務所等の維持又はその効用を果たすために必要と認められる建物又はその附属設備が含まれる。  

(福利厚生施設の範囲)

68の78(1)-18 措置法第68条の78第1項の表の第1号の譲渡資産に係る措置法令第39条の7第3項に規定する「福利厚生施設」には、社宅、寮、宿泊所、集会所、診療所、保養所、体育館その他のスポーツ施設、食堂その他これらに類する施設が含まれる。  

(事務所等の建物の敷地の用に供されている土地等の意義)

68の78(1)-19 措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に規定する「その敷地の用に供されている土地等」とは、連結法人が事務所等として使用されている建物を有し、かつ、当該連結法人が当該建物の敷地の用に供されている土地又は土地の上に存する権利を有している場合における当該土地又は当該土地の上に存する権利をいう。  

(事務所等の建物の敷地の用に供されている土地等の範囲)

68の78(1)-20 措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に規定する建物の敷地の用に供されている土地等は、当該建物の維持又はその効用を果たすために必要と認められる部分に限られ、当該敷地の用に供されている土地等に含まれるかどうかは、建ぺい率、容積率、土地の利用状況等を総合的に勘案して判定するものとする。  

(事務所等の用とその他の用に共用されている建物の判定)

68の78(1)-21 一の建物が事務所等の用とその他の用に共用されている場合には、床面積の比等の合理的な基準によってその用途の異なるごとに区分し、事務所等の用に供されている部分について、措置法第68条の78第1項又は第9項の規定を適用するものとする。

  (注)1
 一の建物につき事務所等の用に供されている部分とその他の用に供されている部分とに区分する場合において、廊下、階段、機械室その他共用されるべき部分(専らその他の用に供されている部分に係る廊下、階段等を除く。)は、事務所等の用に供されている部分に含めることができる。

2  建物について事務所等の用に供されている部分とその他の用に供されている部分とに区分する場合には、その敷地の用に供されている土地等についても、建物を区分した基準等の合理的な基準により区分する。  

(所有期間が10年を超える土地等についての買換えの適用)

68の78(1)-22 連結法人により取得がされた日から引き続き所有されていた土地等でその所有期間(措置法第68条の78第1項第1号に規定する所有期間をいう。以下同じ。)が10年を超えるものとともに、当該土地等の上に建設した建物で所有期間が10年を超えないものの譲渡をした場合には、当該建物は措置法第68条の78第1項の表の第1号の上欄に規定する譲渡資産に該当しないが、当該土地等は同欄に規定する他の要件を満たすものであれば、当該譲渡資産に該当することに留意する。
 同表の第18号の上欄及び第19号の上欄に規定する譲渡資産についても、これに準じて取り扱う。

  (注)
 譲渡をした資産の所有期間が10年を超えるものであるかどうかの判定に当たり、当該資産が措置法令第39条の 106第27項各号に掲げる資産に該当する場合には、同項の規定によりいわゆる取得日の引継ぎが認められているのであるから留意する。
 

(既成市街地等に含まれない埋立地の範囲)

68の78(1)-23 措置法第68条の78第1項の表の第1号の既成市街地等に該当しない区域である措置法令第39条の7第3項に規定する「同項の譲渡があった日の属する年の10年前の年の翌年1月1日以後に公有水面埋立法の規定による竣功認可のあった埋立地の区域」とは、当該譲渡のあった日の属する年の12月31日以前10年以内に当該竣功認可のあった埋立地の区域をいうことに留意する。  

(公害発生施設の移転等に伴い譲渡される資産の範囲)

68の78(1)-24 措置法第68条の78第1項の表の第2号から第4号までの譲渡資産に係る措置法第65条の7第1項の表の第2号から第4号までに規定するばい煙発生施設、騒音発生施設又は特定施設、指定地域特定施設、湖沼特定施設若しくは指定施設の移転又は廃棄に伴い譲渡されるものには、これらの施設の移転又は廃棄に伴い工場を移転するに当たり当該工場に勤務する従業員の宿舎等の施設を譲渡した場合のその譲渡した施設も含まれるものとする。  

(市街地整備計画を有している地域)

68の78(1)-25 措置法第68条の78第1項の表の第7号の譲渡資産に係る措置法令第39条の7第6項第3号に規定する「地方公共団体が都市計画その他市街地の整備の見地から同号に規定する用途地域に係る用途の区分により市街地を整備する計画を有している地域」とは、地方公共団体が市街地整備計画を決定している地域とし、当該市街地整備計画とは、都市計画法第8条第1項第1号に規定する用途地域の区分の例により区分された土地の利用に関する計画をいい、市町村が決定するものにあっては、都道府県知事との協議を了しているものとする。  

(建築面積等の意義)

68の78(1)-26 措置法第68条の78第1項の表の第11号の譲渡資産に係る措置法第65条の7第1項の表の第13号の上欄に規定する建築面積及び措置法令第39条の7第9項第3号に規定する床面積は、建築基準法施行令第2条第1項第2号に規定する建築面積及び同項第3号に規定する床面積によるものとする。  

(床面積の5分の3以上に相当する部分が専ら住居の用途に供されているかどうかの判定)

68の78(1)-27 措置法第68条の78第1項の表の第11号の譲渡資産に係る措置法令第39条の7第9項第3号に規定する共同住宅の床面積の5分の3以上に相当する部分が専ら住居の用途に供されているかどうかは、当該共同住宅の床面積の5分の3以上に相当する部分が専ら住居の用途に供される構造になっているかどうかにより判定する。  

(土地の有効利用のための買換え)

68の78(1)-28 措置法第68条の78第1項の表の第11号に係る措置法第65条の7第1項の表の第13号の買換えは、市街化区域又は既成市街地等の地域内にある土地の上に建築面積が 150平方メートル以上で、かつ、地上階数が4(措置法令第39条の7第9項に規定する共同住宅にあっては、3)以上の建物(以下68の78(1)-28において「特定建物」という。)を建築するためにその土地を譲渡し、その土地の上に建築された特定建物の一部及び当該特定建物の敷地の用に供されている土地の共有持分を取得するような場合をいう。したがって、譲渡した土地と異なる土地にある特定建物を取得しても、その取得した特定建物は措置法第68条の78第1項の表の第11号の買換資産には該当しないことに留意する。

  (注)
 市街化区域又は既成市街地等の地域内に土地を有する連結法人が、当該土地の一部を他に譲渡し、その譲受人とともに当該土地の上に共同して特定建物を建築する場合における当該土地の一部の譲渡と当該特定建物の一部の取得は、同号の買換えに当たる。
 

(交換による譲渡又は取得に伴い譲渡又は取得される果樹)

68の78(1)-29 措置法第68条の78第1項の表の第14号に係る措置法第65条の7第1項の表の第16号の上欄に規定する「当該土地等の譲渡」又は同号の下欄に規定する「当該土地等の当該取得」には、交換による譲渡(措置法第65条第1項第2号に規定する交換による譲渡を含む。)又は交換による取得を含むものとする。

  (注)
 同号に規定する交換による土地等の譲渡に伴い当該土地等に生立する果樹を譲渡した場合には、当該果樹に係る譲渡についてのみ措置法第68条の78の規定の適用があり、当該土地等に係る譲渡については、たとえ、措置法第68条の72又は第68条の73の規定の適用を受けないときにおいても、措置法第68条の78の規定の適用はないことに留意する。
 

(「土地等の譲渡に伴い譲渡をされる果樹」等の意義)

68の78(1)-30 措置法第68条の78第1項の表の第14号に係る措置法第65条の7第1項の表の第16号の上欄に規定する「当該土地等の譲渡に伴い譲渡をされる果樹で当該土地等に生立するもの」又は同号の下欄に規定する「当該土地等の当該取得若しくは第65条第1項第2号に規定する交換による取得に伴い……取得をされる果樹で当該土地等に生立するもの」とは、当該土地等に現に生立する果樹を当該土地等の譲渡又は取得に伴い譲渡し又は取得する場合における当該果樹をいうのであるから留意する。  

(船舶の範囲)

68の78(1)-31 措置法第68条の78第1項の表の第21号に掲げる船舶には、サルベージ船、工作船、起重機船その他の作業船にあっては、自力で水上を航行しないものも含まれるが、いわゆるかき船、海上ホテル等のようにその形状及び構造が船舶に類似していても主として建物又は構築物として用いることを目的として建造(改造を含む。)されたものは含まれないことに留意する。  

(日本船舶の意義)

68の78(1)-32 措置法第68条の78第1項の表の第21号の下欄に規定する船舶は日本船舶に限られるのであるが、当該日本船舶には、外国船籍であった船舶を取得し、これを日本船舶として登録した上運航の用に供した場合の当該船舶が含まれる。  

(土地造成費についての面積制限)

68の78(1)-33 連結法人が、その有する土地について造成等を行った場合において、68の78(1)-13により当該造成等を買換資産の取得として措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受けようとするときは、当該土地が譲渡資産の譲渡の日前おおむね10年以内に取得されたものであるときを除き、これにつき同条第2項(同条第10項において準用する場合を含む。以下68の78(1)-36までにおいて同じ。)の規定の適用はないものとする。  

(共有地に係る面積制限)

68の78(1)-34 連結法人が土地に係る共有持分(借地権に係る準共有持分を含む。以下68の78(1)-34において同じ。)を譲渡し、又は買換資産として取得した場合における措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、当該土地の面積にその譲渡又は取得をした共有持分の割合を乗じて計算した面積を基礎として同条第2項の規定を適用する。  

(仮換地に係る面積制限)

68の78(1)-35 連結法人が土地区画整理法等により仮換地の指定を受けた土地を譲渡し、又は買換資産として取得した場合における措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、当該仮換地の面積を基礎として同条第2項の規定を適用する。  

(借地権又は底地に係る面積制限)

68の78(1)-36 連結法人が借地権等(借地権その他の土地の上に存する権利をいう。以下68の78(1)-36において同じ。)又は借地権等の設定されている土地(底地)を譲渡し、又は買換資産として取得した場合における措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用については、当該借地権等の目的となっている土地又は当該借地権等の設定されている土地の面積を基礎として同条第2項の規定を適用する。  

(長期先行取得が認められるやむを得ない事情)

68の78(1)-37 買換資産の取得につき措置法第68条の78第3項(同条第10項において準用する場合を含む。)の規定を適用する場合における措置法令第39条の 106第11項に定める「その他これに準ずる事情がある場合」には、譲渡資産について次に掲げるような事情があるためやむを得ずその譲渡が遅延した場合が含まれるものとする。

  (1)
 借地人又は借家人が容易に立退きに応じないため譲渡ができなかったこと。

(2)  譲渡するために必要な広告その他の行為をしたにもかかわらず容易に買手がつかなかったこと。
(3)  (1)又は(2)に準ずる特別な事情があったこと。  

(買換取得資産等の取得の日)

68の78(1)-38 措置法第68条の78第1項の表の第1号、 第18号又は第19号の上欄に規定する取得の日につき特例が認められる譲渡資産は、 措置法令第39条の106 第27項各号に掲げる資産に限られるから、 例えば、 措置法第68条の78第1項の規定により圧縮記帳の規定の適用を受けている資産を譲渡しても、その資産の取得の日は、 連結法人が実際にその資産を取得した日によることに留意する。  

(借地権者が土地を取得した場合等の土地等の取得の時期)

68の78(1)-39 措置法第68条の78第1項の表の第1号、 第18号又は第19号の規定を適用する場合において、 その譲渡資産が次に掲げるものに該当するときは、 それぞれ次に定めるところによる。

  (1)
 借地権を有する連結法人が当該借地権に係る土地を取得したことにより借地権が消滅した土地 消滅した借地権に対応する部分の土地はその借地権の取得の日に取得し、 当該借地権に対応する部分以外の部分の土地は、その土地の取得の日に取得したものとする。

(2)  借地権の返還を受けた土地 返還に際して支払った立退料等の額に対応する部分の土地は、 その返還を受けた日に取得し、 それ以外の部分の土地は、 その土地の取得の日に取得したものとする。  

(市街地再開発事業の施行に伴う権利変換等により取得した建物等の取得の時期等)

68の78(1)-40 連結法人が、 措置法第68条の72第1項又は第5項の規定の適用を受けた同条第1項に係る措置法第65条第1項第5号又は第6号に規定する権利又は当該権利に基づき取得した建物で措置法第68条の72第7項又は第8項の規定の適用を受けたものを譲渡した場合における措置法第68条の78第1項の表の第1号、 第18号又は第19号の規定の適用については、次によることに留意する。

  (1)
 当該権利を譲渡した場合において、 当該権利の取得の基因となった譲渡資産の所有期間が10年を超えるときは、 当該権利は同項の表の第1号、 第18号又は第19号の上欄に掲げる資産に該当する。

(2)  当該権利に基づき取得した建物で措置法第68条の72第7項又は第8項の規定の適用を受けたものを譲渡した場合には、 当該権利の取得の基因となった譲渡資産の取得の日に当該建物を取得したものとする。  

(借地権を消滅させた後土地の譲渡をした場合等の譲渡対価の区分)

68の78(1)-41 連結法人が68の78(1)-39に該当する土地の譲渡(当該土地に係る借地権の設定を含む。)をした場合(その土地の一部が措置法第68条の78第1項の表の第1号、 第18号又は第19号の上欄に掲げる土地に該当しないものとされる場合に限る。)において、これらの号の規定の適用を受けるときは、 当該各号の上欄に掲げる土地に該当するものとされる部分の土地の譲渡について当該各号の規定を適用する。この場合におけるその譲渡対価の額及び譲渡直前の帳簿価額の区分は、68の68(2)-8、68の68(2)-9、68の68(3)-2及び68の68(3)-3の取扱いに準ずるものとする。  

(交換の場合の買換資産)

68の78(1)-42 連結法人が、措置法第68条の78第1項の表の各号の上欄に掲げる資産と当該各号の下欄に掲げる資産とを交換し、当該交換について措置法第68条の80の規定を適用する場合には、同条の交換取得資産をもって交換譲渡資産の買換資産とする。したがって、当該交換に係る譲渡対価の額については、当該交換に伴い交換譲渡資産の価額と交換取得資産の価額との差額を補うために金銭を取得した場合における当該金銭の額に係る部分を除き、措置法第68条の79の規定の適用はないことに留意する。  

(支払った交換差金についての買換えの適用)

68の78(1)-43 連結法人が資産の交換をした場合(措置法第68条の80及び法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第50条の規定の適用を受ける場合を除く。)において、当該交換に伴い交換差金を支払ったときは、当該交換により取得した資産のうち当該交換差金に対応する部分については、買換えにより取得した資産として取り扱うことができるものとする。したがって、当該資産が措置法第68条の78第1項の表の各号の下欄に掲げる買換資産のいずれかに該当する場合において、連結法人がその該当する号の上欄に該当する譲渡資産を有するときは、これらの資産の譲渡及び取得については措置法第68条の78の規定の適用がある。



第2款 事業の用に供したことの意義等  

(買換資産を当該連結法人の事業の用に供したことの意義)

68の78(2)-1 連結法人が、その取得した買換資産について措置法第68条の78第1項の規定の適用を受けることができるのは、当該買換資産をその取得の日から1年以内に当該連結法人の事業の用に供した場合又は供する見込みである場合に限られるのであるが、この場合において当該連結法人の事業の用に供したかどうかの判定は、次による。
 同条第9項の規定の適用を受ける場合における分割法人等又は分割承継法人等の事業の用に供したかどうかの判定についても同様とする。

  (1)
 土地の上に当該連結法人の建物、構築物等の建設等をする場合においても、当該建物、構築物等が当該連結法人の事業の用に供されないときにおける当該土地は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。

(2)  空閑地(運動場、物品置場、駐車場等として利用している土地であっても、特別の施設を設けていないものを含む。)である土地、空屋である建物等は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。ただし、特別の施設は設けていないが、物品置場、駐車場等として常時使用している土地で当該連結法人の事業の遂行上通常必要なものとして合理的であると認められる程度のものは、この限りでない。
(3)  工場等の用地としている土地であっても、当該工場等の生産方式、生産規模等の状況からみて必要なものとして合理的であると認められる部分以外の部分の土地は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。
(4)  農場又は牧場等としている土地であっても、当該農場又は牧場等で行っている耕作、牧畜等の行為が社会通念上農業、牧畜業等に至らない程度のものであると認められる場合における当該土地又は耕作能力、牧畜能力等から推定して必要以上に保有されていると認められる場合における当該必要以上に保有されている土地は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。
(5)  植林されている山林を相当の面積にわたって取得し、社会通念上林業と認められる程度に至る場合における当該土地は当該連結法人の事業の用に供したものに該当するが、例えば、雑木林を取得して保有するにすぎず、林業と認められるに至らない場合における当該土地は、当該連結法人の事業の用に供したものに該当しない。
(6)  他に貸し付けている資産は、その貸付けが相当の対価を得て継続的に行われるものに限り、当該連結法人の事業の用に供したものに該当する。ただし、その貸付けを受けた者が正当な理由なく当該資産をその貸付けの目的に応じて使用していないこと、その貸付けを受けた者における当該資産の使用の状況が(1)、(2)の本文、(3)、(4)及び(5)の後段に該当すること等の事情があるため、その貸付けが専ら圧縮記帳の適用を受けることを目的として行われたと認められる場合は、この限りでない。
(7)  次に掲げるものは、相当の対価を得ていないものであっても、継続的に行われるものである限り、(6)にかかわらず、当該連結法人の事業の用に供したものに該当する。
  イ
 自己の商品等の下請工場、販売特約店等に対し、それらが商品等について加工、販売等をするために必要な施設として貸し付けるもの(その貸付けを受けた者がその貸付けの目的に応じて使用しているものに限る。)

ロ  工場、事業所等の従業員社宅(役員に貸与しているものを除く。)、売店等として貸し付けているもの
  (注)
 役員に貸与している社宅は、(6)の取扱いを適用することになる。  

(買換資産を当該連結法人の事業の用に供した時期の判定)

68の78(2)-2 連結法人が、買換資産を当該連結法人の事業の用に供した日は、次に掲げるものは次により判定する。

  (1)
 土地等については、その使用の状況に応じ、それぞれ次に定める日による。

  イ
 新たに建物、構築物等の敷地の用に供するものは、当該建物、構築物等を当該連結法人の事業の用に供した日(当該建物、構築物等の建設等に着手した日から3年以内に建設等を完了して当該連結法人の事業の用に供することが確実であると認められる場合には、その建設等に着手した日)

ロ  既に建物、構築物等の存するものは、当該建物、構築物等を当該連結法人の事業の用に供した日(当該建物、構築物等が当該土地等の取得の日前から当該連結法人の事業の用に供されており、かつ、引き続きその用に供されるものであるときは、当該土地等の取得の日)
ハ  建物、構築物等の施設を要しないものは、当該土地等をそのものの本来の目的のために使用を開始した日(当該土地等がその取得の日前から当該連結法人において使用されているものであるときは、その取得の日)

(2)  建物、構築物並びに機械及び装置については、そのものの本来の目的のために使用を開始した日(当該資産がその取得の日前から当該連結法人において使用されているものであるときは、その取得の日)による。  

(適格合併等に係る合併法人等における供用事業)

68の78(2)-3 措置法第68条の78第1項又は第9項の規定は、同条第1項に規定する買換資産をその取得の日から1年以内に事業の用に供した場合又は供する見込みである場合に限り適用があるのであるが、適格合併等(適格合併、 適格分割、適格現物出資又は適格事後設立をいう。以下同じ。)に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。以下同じ。)が、当該買換資産を当該適格合併等により合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。以下同じ。)に移転する場合において、当該合併法人等が当該適格合併等により移転を受ける事業以外の事業の用に供する見込みであるときは、同条第1項又は第9項の規定の適用はないことに留意する。
 措置法第68条の79第1項又は第3項の規定の適用についても同様とする。

  (注)
 適格合併等により措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受けた買換資産の移転を受けた合併法人等が、当該適格合併等に係る被合併法人等が当該買換資産を取得した日から1年以内に、当該買換資産を当該合併法人等が当該適格合併等により移転を受けた事業の用に供しない場合又は供しなくなった場合には、合併法人等において同条第12項の規定に基づく取戻し課税の適用があるのであるから、 留意する。
第3款 圧縮限度額の計算等  

(差益割合の計算)

68の78(3)-1 措置法第68条の78第15項第4号に規定する差益割合は、原則として譲渡した資産のそれぞれごとに計算するのであるが、次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げる資産ごとに一括してその計算をすることができる。

  (1)
 土地等と当該土地等の上に存する建物又は構築物を同時に譲渡した場合 その同時に譲渡した土地等及び建物又は構築物

(2)  同一連結事業年度中に同条第1項の表の各号の上欄の区分を同じくする2以上の資産を譲渡した場合 当該区分を同じくする2以上の資産
(3)  譲渡した一団の土地にその取得時期又は取得価額の異なるものが含まれている場合 当該一団の土地

  (注)
 (2)に掲げる区分を同じくする2以上の資産の譲渡につき本文によりその差益割合を一括して計算して特別勘定を設定した場合には、その後当該2以上の資産の一部につき措置法令第39条の 106第32項において準用する同条第25項の規定により他の区分に係る買換えに変更するときにおいても、その圧縮限度額の計算の基礎となる差益割合は、当該特別勘定の設定に際してその基礎とした差益割合による。
 

(損金算入の特例を適用した場合の特定資産の譲渡からの除外)

68の78(3)-2 連結法人の当該連結事業年度のうち同一の年に属する期間に譲渡した措置法第68条の78第1項の表の第1号から第19号までに掲げる譲渡資産のうちに、措置法第68条の74の規定の適用がある土地等が2以上ある場合において、当該連結法人が当該土地等の一部につき同条の規定による特別控除の適用を受けたときは、その適用を受けなかった土地等についても、措置法第68条の78の規定の適用がないことに留意する。
 措置法第68条の75又は第68条の76の規定の適用についても同様とする。  

(買換資産が2以上ある場合のその取得に充てた対価の額)

68の78(3)-3 同一連結事業年度において措置法第68条の78第1項の表のいずれか一の号の規定の適用を受ける買換資産が2以上ある場合には、譲渡資産の対価の額は、それらの買換資産のうち一の買換資産の取得価額に達するまでその取得に充てられたものとし、次にその残額について他の買換資産の取得価額に達するまで順次に充てられたものとして計算することに留意する。この場合において、当該対価の額がいずれの買換資産からまず充てられたものとするかは、連結法人の計算によるものとする。  

(譲渡連結事業年度前の連結事業年度において取得した資産の圧縮記帳)

68の78(3)-4 譲渡資産の譲渡の日を含む連結事業年度開始の日前に取得した資産について措置法第68条の78第3項の規定により当該譲渡資産に係る買換資産とみなす場合において、当該買換資産の取得価額が当該譲渡資産の対価の額を超えるときは、当該超える金額に相当する部分の資産については、当該連結事業年度後の連結事業年度における同項の規定による買換資産(当該連結事業年度後の事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度における措置法第65条の7第3項の規定による買換資産)とみなすことができるものとする。  

(譲渡資産の譲渡に要する経費の範囲)

68の78(3)-5 措置法第68条の78第15項第4号に規定する譲渡資産の譲渡に要した経費には、例えば、次に掲げるようなものが含まれることに留意する。

  (1)
 譲渡に要したあっ旋手数料、謝礼

(2)  譲渡資産が建物である場合の借家人に対して支払った立退料
(3)  譲渡資産の測量、所有権移転に伴う諸手続、運搬、修繕等の費用で譲渡資産を相手方に引き渡すために支出したもの  

(譲渡に伴う取壊し損失)

68の78(3)-6 土地等の上にある資産又は建物内に施設されている資産について、当該土地等又は建物の譲渡に関する契約の一環として若しくは当該譲渡のために取壊し又は除去を要する場合には、当該取壊し又は除去により生ずる損失の額(これらの資産を移設する場合において、その取得価額に算入すべきものを除く。)は、措置法第68条の78第15項第4号に規定する譲渡資産の譲渡に要した経費の額に含まれるものとする。  

(譲渡対価の額等の計算に誤りがあった場合の損金算入額)

68の78(3)-7 措置法第68条の78第1項又は第9項の規定を適用する場合において、同条第15項第3号又は第4号に規定する圧縮基礎取得価額又は差益割合が、連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人。以下68の78(3)-7において同じ。)の申告に係る価額又は割合と異なることとなったときにおいても、買換資産に係る損金算入額は、連結法人が提出した同条第5項に規定する連結確定申告書等又は同条第11項に規定する書類に記載のある買換資産につき損金の額に算入した金額を限度とすることに留意する。  

(譲渡経費の支出が遅れる場合の圧縮記帳等の計算の調整)

68の78(3)-8 連結法人が、譲渡資産の譲渡に要する経費を支出することとなる場合における措置法第68条の78から第68条の80までの規定による圧縮記帳又は特別勘定の計算については、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次の取扱いに準ずるものとする。

  (1)
 当該譲渡があった日を含む連結事業年度において、翌連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)以後に当該譲渡に要する経費の全部又は一部を支出することが予定されている場合 68の70(3)-9及び68の70(3)-12の取扱い

  (注)
 これらの取扱いに準じて譲渡資産の譲渡に要する経費の額の見積りをする場合におけるその見積額については、当該譲渡があった日を含む連結事業年度において未払金に計上することができる。 (2)  当該譲渡資産の譲渡に伴い当該特別勘定を設けた連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、措置法第65条の8の規定により特別勘定を設けた当該事業年度)後の連結事業年度において当該譲渡に要する経費を支出した場合 68の70(3)-13の取扱い  

(買換資産を当該連結法人の事業の用に供しなくなったかどうかの判定)

68の78(3)-9 連結法人の有する買換資産について措置法第68条の78第4項又は第12項に規定する事実が生じた場合においても、それが収用、災害その他連結法人の責に帰せられないやむを得ない事情に基づき生じたものであるときは、これらの規定を適用しないことができる。  

(建物、構築物等の建設等が遅れる場合の土地等の圧縮額の益金算入)

68の78(3)-10 連結法人が、取得した買換資産たる土地等で68の78(2)-2(1)イのかっこ書(措置法通達65の7(2)-2(1)イのかっこ書を含む。)に定めるものについて、当該建物、構築物等がその建設等に着手した日から3年以内に当該連結法人の事業の用に供されない場合には、当該土地等については、当該3年を経過する日を含む連結事業年度において措置法第68条の78第4項の規定の適用をするのではなく、その取得の日から1年を経過する日を含む連結事業年度において同項の規定(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、措置法第65条の7第4項の規定)の適用があることに留意する。

  (注)
 当該3年を経過する日を含む連結事業年度における措置法第68条の78第12項の規定の適用についても同様とする。
 

(圧縮記帳をした資産についての特別償却等の不適用)

68の78(3)-11 措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受けた買換資産については、その取得価額の一部が資産の譲渡対価以外の資金から成るときであっても、当該買換資産については、措置法に規定する特別償却(措置法第68条の30及び第68条の31第1項の規定によるものを除く。)の規定、これらの規定に係る特別償却準備金の規定及び特別税額控除の規定を適用することができないことに留意する。  

(事業の用に供しなかった買換資産に係る特別償却等)

68の78(3)-12 連結法人が買換資産につき措置法第68条の78第4項又は第12項の規定の適用を受けた場合には、当該適用を受ける連結事業年度以後の連結事業年度(措置法第65条の7第4項又は第12項の規定の適用を受けた事業年度後の連結事業年度を含む。)においては、当該買換資産について措置法第68条の10から第68条の37まで(同法第68条の30及び第68条の31第1項を除く。)の規定並びにこれらの規定に係る措置法第68条の40及び第68条の41の規定による特別償却等をすることができる。この場合において、次に定めることについては、次によることに留意する。

  (1)
 これらの条に規定する取得の日は、当該資産の措置法第68条の78第1項又は第9項に規定する取得の日による。

(2)  措置法第68条の29第2項及び第68条の32から第68条の36までの規定の適用を受けることができる期間は、当該益金の額に算入されることとなった日からこれらの条に規定する期間の末日までの間に限られる。
  (注)1
 措置法第68条の16第1項に規定する特定設備等につき措置法第68条の78第1項の規定の適用を受けた場合において、それがいったん当該連結法人の事業の用に供した後その取得の日から1年以内に当該連結法人の事業の用に供さなくなったため同条第4項の規定により益金の額に算入されたときは、その後においても当該特定設備等について措置法第68条の16第1項の規定の適用を受けることはできない。しかし、特定設備等をその取得の日から1年を経過する日まで引き続き当該連結法人の事業の用に供さなかったため措置法第68条の78第4項の規定により益金の額に算入されたときは、その後当該特定設備等を当該連結法人の事業の用に供した日(適用期間内の日に限る。)を含む連結事業年度において措置法第68条の16第1項の規定の適用を受けることができる。
 適格合併等により措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受けた買換資産の移転を受けた合併法人等が同条第12項の適用を受ける場合も同様とする。

2  措置法第68条の34第1項又は第3項に規定する優良賃貸住宅等又は高齢者向け優良賃貸住宅について措置法第68条の78第1項の規定の適用を受けた場合において、それがいったん当該連結法人の事業の用(措置法第68条の34第1項又は第3項に規定する優良賃貸住宅又は高齢者向け優良賃貸住宅については、貸家の用に限る。以下同じ。)に供した後その取得の日から1年以内に当該連結法人の事業の用に供さなくなったため措置法第68条の78第4項の規定により益金の額に算入されたときにおいても、その後優良賃貸住宅等又は高齢者向け優良賃貸住宅を事業の用に供したときは、当初に当該連結法人の事業の用に供した日以後5年以内の期間のうち、再び事業の用に供している期間については、措置法第68条の34第1項又は第3項の規定の適用を受けることができる。しかし、優良賃貸住宅等又は高齢者向け優良賃貸住宅をその取得の日から1年を経過する日まで引き続き当該連結法人の事業の用に供さなかったため措置法第68条の78第4項の規定により益金の額に算入されたときは、その後当該優良賃貸住宅等又は高齢者向け優良賃貸住宅を事業の用に供した日以後5年以内の期間のうち事業の用に供している期間については、措置法第68条の34第1項又は第3項の規定の適用を受けることができる。
 適格合併等により措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受けた買換資産の移転を受けた合併法人等が同条第12項の適用を受ける場合も同様とする。
 

(特別償却等を実施した先行取得資産についての圧縮記帳の不適用)

68の78(3)-13 譲渡資産の譲渡の日を含む連結事業年度開始の日前に取得した資産につき連結法人が措置法第68条の10から第68条の29まで及び第68条の32から第68条の37まで並びにこれらの規定に係る措置法第68条の41の規定の適用を受けている場合には、当該資産が措置法第68条の78第3項(同条第10項において準用する場合を含む。)の規定に該当するものであっても、同条第3項(同条第10項において準用する場合を含む。)の規定の適用がないものとする。

第4款 特別勘定  

(取得指定期間の認定)

68の78(4)-1 措置法第68条の79第1項かっこ書(同条第3項第1号かっこ書を含む。以下68の78(4)-5までにおいて同じ。)の取得指定期間の認定は、工場等を構成する買換資産の取得の事情に基づいて個々に行うのであるから、例えば工場建設に3年を要するときであっても、その敷地たる土地については、措置法令第39条の106 第11項に定めるやむを得ない事情がない限り、取得指定期間の延長は認められないことに留意する。  

(取得指定期間の認定を行う場合のやむを得ない事情)

68の78(4)-2 措置法第68条の79第1項かっこ書の取得指定期間の認定を行う場合における措置法令第39条の106 第11項に定める「その他これに準ずる事情がある場合」には、取得資産について次に掲げるような事情があるためやむを得ずその取得が遅延する場合が含まれるものとする。

  (1)
 法令の規制等によりその取得に関する計画の変更を余儀なくされたこと。

(2)  売主その他の関係者との交渉が長びき容易にその取得ができないこと。
(3)  (1)又は(2)に準ずる特別な事情があること。  

(取得指定期間の再延長)

68の78(4)-3 連結法人が措置法第68条の79第1項かっこ書の取得指定期間の延長の承認を受けている場合において、その承認後措置法令第39条の106 第11項に規定するやむを得ない事情が生じたため、その承認に係る取得指定期間内に買換資産を取得することが困難であると認められるときは、連結法人(その連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)の申請に基づきその取得指定期間を変更することができる。  

(取得指定期間の延長をした場合の特別勘定)

68の78(4)-4 同一連結事業年度分の譲渡対価に係る特別勘定(連結事業年度に該当しない事業年度において設けた特別勘定を含む。)について、措置法第68条の79第1項かっこ書の規定(同法第65条の8第1項かっこ書の規定を含む。)による取得指定期間の認定を受けたものに係る金額(以下「長期特別勘定の金額」という。)とその他の金額(以下「普通特別勘定の金額」という。)とがある場合には、長期特別勘定の金額(当該認定に係る申請が2以上あるときは、それぞれの申請書ごとの長期特別勘定の金額)と普通特別勘定の金額とを区分経理しなければならないものとし、かつ、長期特別勘定の金額は、当該認定に係る申請書に記載された買換資産(当該申請書が2以上あるときは、それぞれの長期特別勘定の金額についてそれぞれの申請書に記載された買換資産)の取得にのみ充てられるものとして計算する。したがって、原則として長期特別勘定の金額の剰余額を当該認定に係る申請書に記載された買換資産以外の買換資産に充てるものとして計算することはできないことに留意する。  

(やむを得ない事情がある場合の長期特別勘定の流用)

68の78(4)-5 連結法人が、長期特別勘定の金額を有している場合において、やむを得ない事情により当該長期特別勘定に係る取得指定期間内にその認定に係る買換資産の全部又は一部を取得することが困難となったため、当該買換資産以外の資産を買換資産とすることにつき当該連結事業年度終了の日までに当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が所轄税務署長に申し出て、その確認を受けたときは、当該資産を当該長期特別勘定に係る買換資産として措置法第68条の79第8項又は第9項の規定を適用することができるものとする。

  (注)
 この申出は、連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が国税局の調査課所管法人である場合にあっては、所轄国税局長に対して行うこととなる。
 

(前連結事業年度分以前の特別勘定の額と当該連結事業年度分の譲渡対価の額とをもって圧縮記帳をする場合の計算)

68の78(4)-6 連結法人が、その取得した買換資産について措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受ける場合において、当該買換資産の取得に充てられる金額としてその取得の日を含む連結事業年度における譲渡対価の額と当該連結事業年度前の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)における譲渡対価の額(特別勘定の経理の対象となった額)とがあるときは、そのいずれの額から充てたものとするかは連結法人の計算によるものとする。  

(特別勘定を設定した場合の取得資産)

68の78(4)-7 措置法第65条の8第1項又は第68条の79第1項の特別勘定(措置法第65条の8第6項又は第68条の79第7項の規定により合併法人等が設けているとみなされたものを含む。)を設けている連結法人が措置法第68条の79第8項に規定する取得指定期間内に取得する資産は、次の(1)又は(2)に掲げる資産(以下68の78(4)-7において「取得見込資産」という。)に限られることに留意する。ただし、連結法人が、取得見込資産に係る書類を確定申告書又は連結確定申告書に添付又は提出している場合において、やむを得ない事情により当該取得見込資産の全部又は一部を取得することが困難となったため、当該取得見込資産以外の資産を取得することにつき当該連結事業年度終了の日又は適格分社型分割等の日の前日までに当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が所轄税務署長に申し出て、その確認を受けたときは、当該資産を買換資産として措置法第68条の79第8項又は第9項の規定を適用することができるものとする。

  (1)
 措置法第65条の8第15項又は第68条の79第15項に規定する「取得をする見込みである資産につき財務省令で定める事項を記載した書類」に記載された資産

(2)  措置法第65条の8第3項若しくは第5項又は第68条の79第4項若しくは第6項に規定する「財務省令で定める事項を記載した書類」に記載された取得をする見込みである資産

  (注)
 この申出は、連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が国税局の調査課所管法人である場合にあっては、所轄国税局長に対して行うこととなる。
 

(取得をする見込みである資産に係る書類)

68の78(4)-8 措置法規則第22条の69第11項に規定する取得をする見込みである資産を明らかにする書類は、付表の書式(これに準ずる書式を含む。)による。



第5款 その他  

(法第50条との選択適用)

68の78(5)-1 連結法人が、資産の交換について法第81の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第50条の規定を適用した場合には、その交換に伴って取得した交換差額については、措置法第68条の80及び措置法令第39条の106 第47項の規定により、措置法第68条の78第1項又は第9項の規定の適用を受けることはできないことに留意する。  

(先行取得資産に関する届出及び特別勘定の引継ぎに関する書類の提出)

68の78(5)-2 連結親法人が法第81条の24第1項に規定する連結確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受けている場合であっても、措置法第68条の78第3項(同条第10項において準用する場合を含む。)に規定する届出は、同条第1項の表の各号の下欄に掲げる資産の取得等をした日を含む連結事業年度終了の日の翌日から2月以内に行わなければならないことに留意する。

  (注)
 連結法人が法第15条の2第1項に規定する連結親法人事業年度開始の日に当該連結法人を分割法人とする適格分割型分割を行った場合において、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が法第81条の24第1項の適用を受けている連結法人であっても、措置法第68条の79第5項の特別勘定の引継ぎの規定の適用を受けるときは、同条第6項に規定する書類の提出については、当該適格分割型分割の日以後2月以内に行わなければならないことに留意する。
 

(買換えの証明書の添付)

68の78(5)-3 措置法第68条の78から第68条の80までの規定の適用を受けようとする場合において、連結確定申告書等への書類の添付は、措置法規則第22条の69第3項、第5項及び第6項に掲げる資産について買換えをするときに限り必要とされるのであるから、これらの項に掲げる資産以外の資産について買換えの規定の適用を受けようとするときにはその添付を要しないことに留意する。



第68条の82 《大規模な住宅地等造成事業の施行区域内にある土地等の造成のための交換等の場合の課税の特例》関係


 

(主として住宅建設の用に供する目的で行われる宅地造成事業)

68の82-1 措置法第68条の82第1項に係る措置法第65条の11第1項第1号に規定する「主として住宅建設の用に供する宅地を造成する目的で行われる事業」とは、公共施設(道路、公園、広場、緑地、下水道その他の公共の用に供する施設をいう。以下68の82-2において同じ。)及び公益的施設(教育施設、医療施設、官公庁施設、購買施設その他の施設で、居住者の共同の福祉又は利便のため必要なものをいう。以下68の82-2において同じ。)の敷地の用に供される部分の土地を除き、当該事業の施行地域内の土地の全部を住宅建設の用に供する目的で行う一団の宅地の造成に関する事業をいうことに留意する。  

(大規模住宅地等造成事業の規模の判定)

68の82-2 措置法第68条の82第1項に係る措置法第65条の11第1項第1号に定める面積基準の判定については、次のことに留意する。

  (1)
 一団の宅地の造成に関する事業(以下68の82-2において「宅地造成事業」という。)がその施行者を異にして隣接する地域において施行される場合には、面積基準はその全体の土地を対象として判定するのではなく、当該事業の施行者ごとに区分して判定すること。

(2)  宅地造成事業の用に供するため当該事業の施行者が取得した土地と当該事業の施行者が他の者から宅地の造成を請け負った土地について、自らの宅地造成事業と当該請負に係る工事とを一括して施行する場合には、面積基準はその全体の土地を対象として判定するのではなく、当該事業の施行者が取得した一団の土地の面積のみに基づいて判定すること。
(3)  宅地造成事業により造成した宅地の分譲を開始した後において当該事業の計画を変更し、当該事業の施行地域を拡張した場合には、その拡張した部分に係る事業は、その拡張前の計画に係る宅地造成事業とは別個の事業として、面積基準の判定を行うこと。
(4)  宅地造成事業の施行地域内に公共施設又は公益的施設を設置する場合には、面積基準は当該公共施設又は公益的施設の敷地の用に供する部分の土地を含めたところで判定すること。  

(交換に伴い造成宅地とともに金銭以外の資産を取得した場合)

68の82-3 措置法第68条の82第1項に規定する交換により土地等を譲渡した場合において、その交換に伴い同項に規定する宅地とともに金銭以外の資産を取得したときは、当該資産は同項に規定する交換差金に該当するものとして取り扱う。  

(低額譲渡等)

68の82-4 措置法第68条の82第1項に規定する土地等につき譲渡が行われた場合において、その譲渡価額とその譲渡の時における当該土地等の価額との差額に相当する金額のうち実質的に贈与したと認められる金額があるときは、その贈与したと認められる金額については、同項の規定の適用がないことに留意する。この場合において、当該土地等の帳簿価額のうち同項に規定する譲渡があったものとされる部分に対応する金額は、当該土地等の帳簿価額に当該土地等の価額のうちに占める当該譲渡価額の割合を乗じて計算した金額による。
 同項に規定する土地等につき交換が行われた場合におけるその交換の時の交換取得資産の価額と交換譲渡資産の価額との差額に相当する金額のうち実質的に贈与したと認められる金額についても、同様とする。  

(1,500万円特別控除との関係)

68の82-5 措置法第68条の82の規定と措置法第68条の75の規定との適用関係は、次のとおりとなることに留意する。

  (1)
 措置法第65条の82第1項又は第4項の規定の適用がある土地等の譲渡は、その宅地の造成に関する事業により造成された宅地を譲り受ける旨の特約のあるものに限られ、措置法第68条の75第1項の規定の適用がある土地等の譲渡は、その特約のないものに限られるのであるから、その特約のない土地等の譲渡については、措置法第68条の82第1項又は第4項の規定の適用はない。

(2)  同条第8項及び第9項の規定は、連結法人が同一の宅地造成事業の用に供するために2以上の土地等の交換又は譲渡をした場合に適用があるのであるから、2以上の異なる宅地造成事業のために2以上の土地等の交換又は譲渡をした場合には、それぞれの宅地造成事業ごとにこれらの項の規定の適用があるかどうかを判定する。

  (注)
 連結法人が同一の宅地造成事業の用に供するために2以上の土地等の交換又は譲渡をした場合において、その最初の土地等の交換又は譲渡につき同条第1項又は第4項の規定の適用を受けたときは、じ後の土地等の交換又は譲渡が措置法第68条の75第1項に規定する土地等の譲渡に該当するときであっても、当該土地等の交換又は譲渡については同項の規定の適用はなく、また、その最初の土地等の交換又は譲渡につき同項の規定の適用を受けたときは、じ後の土地等の交換又は譲渡が措置法第68条の82第1項又は第4項に規定する土地等の交換又は譲渡に該当するときであっても、当該土地等の交換又は譲渡については、同条第1項又は第4項の規定の適用はない。
 

(不動産売買業者の有する土地等)

68の82-6 68の78(1)-1の取扱いは、措置法第68条の82第1項の規定を適用する場合について準用する。




第68条の84及び第68条の85 《認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内にある土地等の交換等の場合等の課税の特例》関係


 

(遊休資産の交換)

68の84-1 措置法第68条の84第1項又は第4項の規定は、現に事業の用に供していない固定資産について同条第1項各号に掲げる交換又は譲渡(同項に規定する認定計画に従ってするものに限る。以下「交換等」という。)をした場合にも適用があることに留意する。

  (注)
 措置法第68条の84及び第68条の85の規定は、法第2条第20号に規定する棚卸資産については適用がないのであるが、不動産売買業を営む連結法人の有する土地で、当該連結法人が使用し、 若しくは他に貸し付けているもの(販売の目的で所有しているもので、一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該連結法人が具体的な使用計画に基づいて使用することを予定し相当の期間所有していることが明らかなものは、棚卸資産に該当しない。
 

(交換等対象となる隣接土地の範囲)

68の84-2 措置法第68条の84第1項に規定する隣接土地には、立木その他独立して取引の対象となる土地の定着物は含まれないのであるが、その土地が宅地である場合には、庭木、石垣、庭園(庭園に附属する亭、庭内神し(祠)その他これらに類する附属設備を含む。)その他これらに類するもののうち宅地と一体として交換等がされるもの(建物及びこれに附属する設備並びに構築物に該当するものを除く。)は含まれる。  

(土地の上に存する権利)

68の84-3 措置法第68条の84第1項に規定する「隣接土地の上に存する権利」とは、地上権、永小作権、地役権又は土地の賃借権をいい、租鉱権、採石権等のように土地に附帯するものであっても土地そのものを利用することを目的としない権利は含まれないことに留意する。  

(交換に伴い認定事業用地の区域内の土地建物等を取得した場合)

68の84-4 一の所有隣接土地等(措置法第68条の84第1項に規定する所有隣接土地等をいう。以下同じ。)について同項第1号に規定する認定事業者(以下「認定事業者」という。)との交換により、同項に規定する認定事業用地(以下「認定事業用地」という。)の区域以外の地域内にある同号に規定する土地建物等(以下「土地建物等」という。)とともに当該認定事業用地の区域内にある土地建物等(以下「事業用地内土地建物等」という。)を取得したときは、当該事業用地内土地建物等の価額に相当する金額は、交換差金に該当するものとして同項又は同条第4項の規定を適用する。
 この場合において、当該交換について同条第1項又は第4項の規定の適用を受けるときには、当該事業用地内土地建物等を取得資産として法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第50条第1項若しくは第5項又は措置法第68条の80若しくは第68条の81の規定の適用を受けることはできないのであるから留意する。  

(所有隣接土地等とそれ以外の資産を交換等により譲渡した場合)

68の84-5 認定事業用地の区域内と区域外にまたがる一の土地等(土地又は土地の上に存する権利をいう。以下同じ。)について、交換等をした場合には当該交換等により譲渡した土地等のうち当該認定事業用地の区域内の土地等に係る部分についてのみ措置法第68条の84第1項又は第4項の規定の適用がある。
 この場合において、当該区域内の土地等についてこれらの規定の適用を受けるときの当該区域外の土地等の交換等については、法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第50条第1項若しくは第5項又は措置法第68条の73第1項、第68条の78第1項(同法第68条の79第8項において準用する場合を含む。)若しくは第68条の78第9項(同法第68条の79第9項において準用する場合を含む。)、第68条の80若しくは第68条の81の規定の適用を受けることはできないのであるから留意する。  

(民間都市開発推進機構からの譲受けの契約方式)

68の84-6 措置法第68条の84第1項第2号に規定する所有隣接土地等の譲渡及び民間都市開発推進機構からの土地建物等の譲受けの方法は、所有隣接土地等を有する連結法人、認定事業者及び民間都市開発推進機構の三者間において締結された、次に掲げる事項を定めた契約に従って行う方法をいうのであるから留意する。

  (1)
 所有隣接土地等を有する連結法人が認定事業者に対して所有隣接土地等を譲渡することと併せて、民間都市開発推進機構が所有隣接土地等を有する連結法人に対し、民間都市開発の推進に関する特別措置法附則第17条第3項に規定する事業見込地の一部(以下「譲受け事業見込地」という。)を譲渡すること。

(2)  次のイ又はロに掲げるいずれかの事項
  イ
 所有隣接土地等を有する連結法人が認定事業者に対して行う当該所有隣接土地等の譲渡の対価に相当する金額を、認定事業者が、民間都市開発推進機構に対して支払うこと並びに所有隣接土地等を有する連結法人と民間都市開発推進機構の間で、当該所有隣接土地等及び譲受け事業見込地の対価の差金を授受すること。

ロ  民間都市開発推進機構が所有隣接土地等を有する連結法人に対して行う譲受け事業見込地の譲渡の対価に相当する金額を、認定事業者が、民間都市開発推進機構に対して支払うこと並びに所有隣接土地等を有する連結法人と認定事業者が当該所有隣接土地等及び譲受け事業見込地の対価の差金を授受すること。

 

(土地建物等が交換取得資産等に該当するかどうかの判定)

68の84-7 連結法人の取得した土地建物等が措置法第68条の84第1項に規定する交換取得資産等(以下「交換取得資産等」という。)に該当するかどうかを判定する場合において、その取得した土地建物等が同項各号に規定する認定計画に係る認定事業用地の区域以外の地域内にあるかどうかは、その土地建物等を取得した時の現況による。  

(2以上の交換取得資産等を取得した場合における圧縮限度額の計算)

68の84-8 2以上の交換取得資産等を取得した場合における個々の交換取得資産等に係る措置法第68条の84第1項に規定する圧縮限度額は、同項に規定する交換譲渡資産等(以下「交換譲渡資産等」という。)の譲渡直前の帳簿価額に当該交換取得資産等の取得価額の合計額のうちに占める個々の交換取得資産等の取得価額の割合を乗じて計算した金額による。  

(前連結事業年度分以前の特別勘定の額と当該連結事業年度分の譲渡対価の額とをもって圧縮記帳をする場合の計算)

68の84-9 連結法人が、その取得した交換取得資産等について措置法第68条の84第1項又は第4項の規定の適用を受ける場合において、当該交換取得資産等の取得に充てられる金額としてその取得の日を含む連結事業年度における譲渡対価の額と当該連結事業年度前の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)における譲渡対価の額(特別勘定の経理の対象となった額)とがあるときは、そのいずれの額から充てたものとするかは連結法人の計算による。  

(交換譲渡資産等の交換又は譲渡に要した経費)

68の84-10 交換譲渡資産等に係る措置法第68条の84第2項第3号に規定する「交換又は譲渡に要した経費」には、交換等に当たり支出した当該交換譲渡資産等に係る仲介手数料その他その交換等に要した経費の額のほか、土地の交換等に関する契約の一環として、又は当該交換等のために当該土地の上に存する建物等につき取壊し、除去、移転等(以下「取壊し等」という。)をした場合におけるその取壊し等により生じた損失の額(当該取壊し等に伴って生ずる発生資材の処分価額を除く。)及びその取壊し等に伴い借家人に対して支払った立退料の額が含まれる。  

(2以上の資産の交換等をした場合の経費の額の計算)

68の84-11 措置法第68条の84第2項第3号の規定により交換譲渡資産等の帳簿価額に加算すべき交換等に要した経費の額を計算する場合において、同時に交換等をされた所有隣接土地等が2以上あるときは、当該交換等に要した経費の額は、原則として個々の所有隣接土地等につきその交換等に要した経費の額を区分して計算するのであるが、個々の所有隣接土地等ごとの区分計算が困難であるときは、個々の所有隣接土地等の価額の比等の合理的な基準によりあん分して計算した金額によることができる。  

(譲渡経費の支出が遅れる場合の圧縮記帳等の計算の調整)

68の84-12 連結法人が、交換譲渡資産等の交換等に要する経費を支出することとなる場合における措置法第68条の84及び第68条の85の規定による圧縮記帳又は特別勘定の計算については、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次の取扱いに準ずるものとする。

  (1)
 当該交換等があった日を含む連結事業年度において、翌連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)以後に当該交換等に要する経費の全部又は一部を支出することが予定されている場合 68の70(3)-9及び68の70(3)-12の取扱い

  (注)
 これらの取扱いに準じて交換譲渡資産等の交換等に要する経費の額の見積りをする場合におけるその見積額については、当該交換等があった日を含む連結事業年度において未払金に計上することができる。 (2)  当該交換譲渡資産等の交換等に伴い当該特別勘定を設けた連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、措置法第65条の14の規定により特別勘定を設けた当該事業年度)後の連結事業年度において当該交換等に要する経費を支出した場合 68の70(3)-13の取扱い  

(譲渡対価の額等の計算に誤りがあった場合の損金算入額)

68の84-13 措置法第68条の84第1項又は第4項の規定を適用する場合において、圧縮限度額が連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人。以下68の84-13において同じ。)の申告に係る金額と異なることとなったときにおいても、交換取得資産等に係る損金算入額は、連結法人が提出した連結確定申告書等又は同条第6項に規定する書類に記載のある交換取得資産等につき損金の額に算入した金額を限度とすることに留意する。  

(圧縮記帳をした資産についての特別償却等の不適用)

68の84-14 措置法第68条の84第1項(同法第68条の85第9項において準用する場合を含む。)又は措置法第68条の84第4項(同法第68条の85第10項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受けた交換取得資産等については、その取得価額の一部が交換差金又は交換譲渡資産等の譲渡対価以外の資金から成るときであっても、措置法第68条の84第3項又は第5項において準用する措置法第68条の78第7項に掲げる特別償却等をすることはできないことに留意する。  

(特別勘定の設定に関する承認申請書及び特別勘定の引継ぎに関する書類の提出)

68の84-15 連結親法人が法第81条の24第1項に規定する連結確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受けている場合であっても、措置法規則第22条の72第4項に規定する申請書の提出は、交換譲渡資産等を譲渡した日を含む連結事業年度終了の日の翌日から2月以内に行わなければならないことに留意する。

  (注)
 連結法人が法第15条の2第1項に規定する連結親法人事業年度開始の日に当該連結法人を分割法人とする適格分割型分割を行った場合において、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が法第81条の24第1項の適用を受けている連結法人であっても、措置法第68条の85第6項の特別勘定の引継ぎの規定の適用を受けるときは、同条第7項に規定する書類の提出については、当該適格分割型分割の日以後2月以内に行わなければならないことに留意する。



第11章  連結法人の現物出資の場合の
課税の特例


第68条の86 《共同で現物出資をした場合の課税の特例》関係

 

(借地権の設定)

68の86-1 措置法第68条の86第1項に規定する特定共同出資(以下「特定共同出資」という。)には、借地権の設定(法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の令第 138条第1項の規定の適用がある設定に限る。)の方法により当該借地権を出資の目的とするものが含まれる。

  (注)
 この場合における当該借地権に係る措置法令第39条の 110第1項第3号に規定する「出資の直前の帳簿価額」及び措置法令第39条の 110第2項に規定する「特定共同出資の直前の帳簿価額」は、当該借地権に係る土地につき法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の令第 138条第1項の規定により損金の額に算入される金額をいう。
 

(債務の引継ぎ)

68の86-2 連結法人が資産とともにその有する債務を特定共同出資の対象として引き継いだ場合には、これを認めるものとし、この場合における措置法令第39条の 110第2項の「特定共同出資に係る資産の当該特定共同出資の直前の帳簿価額の合計額」は、特定共同出資に係る資産の当該特定共同出資の直前の帳簿価額からその引き継いだ債務の額を控除した金額による。  

(返品債権特別勘定等の引継ぎ)

68の86-3 連結法人が特定共同出資に際して当該特定共同出資に係る資産とともに当該資産に係る次に掲げるような金額を措置法第68条の86第1項に規定する共同新設会社(以下「共同新設会社」という。)に引き継いだ場合には、その引継ぎを認める。この場合において、当該共同新設会社が引継ぎを受けたこれらの金額については、当該共同新設会社がその繰入れ等をしたものとして取り扱う。

  (1)
 返品債権特別勘定の金額

(2)  補修用部品在庫調整勘定の金額
(3)  単行本在庫調整勘定の金額
(4)  圧縮記帳に代えて繰入れ等をした引当金勘定の金額又は目的積立金の額

  (注)
 これらの金額の引継ぎをしなかった場合には、その引継ぎをしなかった金額は、特定共同出資をした連結法人において益金の額に算入する。
 

(引当金等の引継ぎ禁止)

68の86-4 次に掲げるような金額は、特定共同出資に際してこれを共同新設会社に引き継ぐことができないことに留意する。

  (1)
 貸倒引当金等の法に規定する引当金勘定の金額

(2)  海外投資等損失準備金等の措置法に規定する準備金(特別償却準備金を含む。)の額
(3)  保険差益特別勘定等の法又は措置法に規定する圧縮記帳のための特別勘定の金額
(4)  利益積立金額
(5)  資本積立金額  

(償却超過額がある場合等の処理)

68の86-5 連結法人が特定共同出資をした場合において、当該特定共同出資の対象となった資産の帳簿価額が税務上の帳簿価額に基づいていないときは、次に掲げる場合に応じ、次による。

  (1)
 連結法人が当該特定共同出資の対象となった資産に係る償却超過額等を含めないで当該資産の帳簿価額を計算した場合のように、税務計算上の帳簿価額に満たない金額を基礎として当該特定共同出資により取得した株式(出資を含む。以下同じ。)の帳簿価額を計算しているときは、当該株式についてその満たない部分に相当する金額を益金の額に算入するとともに、当該償却超過額等は連結法人の計算にかかわらず損金の額に算入する。

(2)  連結法人が当該特定共同出資の対象となった資産に係る評価益の否認金等の修正をしないで当該資産の帳簿価額を計算した場合のように、税務計算上の帳簿価額を超える金額を基礎として当該特定共同出資により取得した株式の圧縮記帳をしたときは、その否認金に相当する金額を当該連結法人の当該特定共同出資をした日を含む連結事業年度の益金の額に算入して当該否認金を消滅させる。  

(特定共同出資により取得した株式の圧縮記帳の経理の特例)

68の86-6 措置法第68条の86第1項の規定を適用する場合において、連結法人が特定共同出資により取得した株式につき、その帳簿価額を損金経理により減額しないで、措置法令第39条の 110第2項に規定する特定共同出資の直前の帳簿価額とその株式の取得のために要した経費との合計額に相当する金額を下らない金額をその取得価額としたときは、これを認める。この場合においても、措置法第68条の86第2項の規定の適用があることに留意する。  

(特定共同出資により受け入れた減価償却資産の耐用年数の見積り等)

68の86-7 連結法人である共同新設会社が特定共同出資により減価償却資産を受け入れた場合には、その資産につき耐用年数省令第3条第1項の規定を適用することができるのであるが、特定共同出資をした法人においてその資産につき適用を受けていた措置法第68条の29第2項又は第68条の34から第68条の36に規定する特別償却(同法第45条の3第2項又は第47条から第48条に規定する特別償却を含む。)については、たとえその適用期間が経過していない場合でも当該共同新設会社についてはその適用がないことに留意する。  

(国内にある事業所に属する資産の判定)

68の86-8 措置法令第39条の 110第1項第1号に定める要件の判定に当たり、その出資に係る資産が国内にある事業所に属する資産に該当するかどうかは、原則として、当該資産が国内にある事業所又は国外にある事業所のいずれの事業所の帳簿に記載されているかにより判定するものとする。
 ただし、国外にある事業所の帳簿に記帳されている資産であっても、実質的に国内にある事業所において経常的な資産管理が行われていたと認められる資産については、国内にある事業所に属する資産に該当することになるのであるから留意する。  

(持株割合が100%未満又は25%未満となることが見込まれていることの意義)

68の86-9 措置法令第39条の 110第1項第4号に規定する特定事業法人及び他の特定事業法人の有する当該共同新設会社の株式等の数が当該共同新設会社の発行済株式等の総数の 100分の 100未満となること又は当該特定事業法人の有する当該共同新設会社の株式等の数が当該共同新設会社の発行済株式等の総数の 100分の25未満となることが見込まれているものとは、例えば、共同新設会社の設立時において、他の法人に吸収合併されることをあらかじめ予定した当該共同新設会社の設立や他の法人の資本参加をあらかじめ予定した当該共同新設会社の設立がこれに該当する。



第12章  連結法人の国外関連者との取引に係る課税の特例


第68条の88 《連結法人の国外関連者との取引に係る課税の特例》関係

第1款 特殊の関係
 

(発行済株式)

68の88(1)-1 措置法第68条の88第1項の「発行済株式」には、その株式の発行価額の全部又は一部について払込みが行われていないものも含まれるものとする。  

(直接又は間接保有の株式)

68の88(1)-2 連結法人がその取引の相手方である外国法人との間に出資関係を通じて措置法第68条の88第1項に規定する特殊の関係(以下「特殊の関係」という。)にあるかどうかを判定する場合の当該連結法人又は当該外国法人が直接又は間接に保有する株式には、その発行価額の全部又は一部について払込みが行われていないものが含まれるものとする。

  (注)
 名義株は、その実際の権利者が所有するものとして特殊の関係の有無を判定することに留意する。
 

(実質的支配関係があるかどうかの判定)

68の88(1)-3 措置法令第39条の 112第1項第3号に規定する「その他これに類する事実」とは、例えば、次に掲げるような事実をいう。

  (1)
 一方の法人が他方の法人から提供される事業活動の基本となる著作権(出版権及び著作隣接権その他これに準ずるものを含む。以下同じ。)、工業所有権(特許権、実用新案権、意匠権及び商標権をいう。)、ノーハウ等に依存してその事業活動を行っていること。

(2)  一方の法人の役員の2分の1以上又は代表する権限を有する役員が他方の法人によって実質的に決定されていると認められる事実があること。

第2款 比較対象取引
 

(比較対象取引の意義)

68の88(2)-1 措置法第68条の88第1項に規定する独立企業間価格(以下「独立企業間価格」という。)の算定の基礎となる比準取引(以下「比較対象取引」という。)は、例えば、同条第2項第1号に規定する棚卸資産の販売又は購入の場合にあっては、同条第1項に規定する国外関連取引(以下「国外関連取引」という。)を行った連結法人が非関連者(同条第5項に規定する非関連者をいう。以下同じ。)との間で行う取引(同項の適用がある取引を除く。)又は非関連者が他の非関連者との間で行う取引(以下これらの取引を「非関連者間取引」という。)のうち、次に掲げる算定の方法の区分に応じ、それぞれ次に掲げる取引となることに留意する。

  (1)
 措置法第68条の88第2項第1号イに掲げる方法(以下「独立価格比準法」という。) 国外関連取引に係る棚卸資産と同種の棚卸資産を当該国外関連取引と同様の状況の下で売買した取引(当該取引と国外関連取引とにおいて取引段階、取引数量その他に差異のある状況の下で売買した場合には、その差異により生じる同号イに規定する対価の額の差を調整することができるものに限る。)

(2)  措置法第68条の88第2項第1号ロに掲げる方法(以下「再販売価格基準法」という。) 国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を、非関連者から購入した者が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(当該取引と国外関連取引とにおいて売手の果たす機能その他に差異がある場合には、その差異により生じる措置法令第39条の 112第5項に規定する割合の差につき必要な調整を加えることができるものに限る。)
(3)  措置法第68条の88第2項第1号ハに掲げる方法(以下「原価基準法」という。) 国外関連取引に係る棚卸資産と同種又は類似の棚卸資産を、購入(非関連者からの購入に限る。)、製造その他の行為により取得した者が当該同種又は類似の棚卸資産を非関連者に対して販売した取引(当該取引と国外関連取引とにおいて売手の果たす機能その他に差異がある場合には、その差異により生じる措置法令第39条の 112第6項に規定する割合の差につき必要な調整を加えることができるものに限る。)  

(同種又は類似の棚卸資産の意義)

68の88(2)-2 措置法第68条の88第2項第1号イに規定する「同種の棚卸資産」又は措置法令第39条の 112第5項及び第6項に規定する「同種又は類似の棚卸資産」とは、国外関連取引に係る棚卸資産と性状、構造、機能等の面において同種又は類似である棚卸資産をいう。
 ただし、これらの一部について差異がある場合であっても、その差異が措置法第68条の88第2項第1号イに規定する対価の額又は同号ロ及びハに規定する通常の利益率の算定に影響を与えないと認められるときは、同種又は類似の棚卸資産として取り扱うことができる。  

(比較対象取引の選定に当たって検討すべき諸要素)

68の88(2)-3 措置法第68条の88の規定の適用上、比較対象取引に該当するか否かについては、例えば、次に掲げる諸要素の類似性に基づき判断することに留意する。

  (1)  棚卸資産の種類、役務の内容等

(2)  取引段階(小売り又は卸売り、一次問屋又は二次問屋等の別をいう。)
(3)  取引数量
(4)  契約条件
(5)  取引時期
(6)  売手又は買手の果たす機能
(7)  売手又は買手の負担するリスク
(8)  売手又は買手の使用する無形資産(著作権、基本通達20-1-21に定める工業所有権等のほか、顧客リスト、販売網等の重要な価値のあるものをいう。以下同じ。)
(9)  売手又は買手の事業戦略
(10)  売手又は買手の市場参入時期
(11)  政府の規制
(12)  市場の状況

第3款 独立企業間価格の算定
 

(取引単位)

68の88(3)-1 独立企業間価格の算定は、原則として、個別の取引ごとに行うのであるが、例えば、次に掲げる場合には、これらの取引を一の取引として独立企業間価格を算定することができる。

  (1)
 国外関連取引について、同一の製品グループに属する取引、同一の事業セグメントに属する取引等を考慮して価格設定が行われており、独立企業間価格についてもこれらの単位で算定することが合理的であると認められる場合

(2)  国外関連取引について、生産用部品の販売取引と当該生産用部品に係る製造ノーハウの使用許諾取引等が一体として行われており、独立企業間価格についても一体として算定することが合理的であると認められる場合  

(相殺取引)

68の88(3)-2 措置法第68条の88の規定の適用上、一の取引に係る対価の額が独立企業間価格と異なる場合であっても、その対価の額と独立企業間価格との差額に相当する金額を同一の相手方との他の取引の対価の額に含め、又は当該対価の額から控除することにより調整していることが取引関係資料の記載その他の状況からみて客観的に明らかな場合には、それらの取引は、それぞれ独立企業間価格で行われたものとすることができる。  

(為替差損益)

68の88(3)-3 措置法第68条の88の規定の適用上、取引日の外国為替の売買相場と当該取引の決済日の外国為替の売買相場との差額により生じた為替差損益は、独立企業間価格には含まれないことに留意する。  

(値引き、割戻し等の取扱い)

68の88(3)-4 措置法第68条の88の規定の適用上、国外関連取引と比較対象取引との間で異なる条件の値引き、割戻し等が行われている場合には、当該値引き、割戻し等に係る条件の差異を調整したところにより同条第4項に規定する差額を算定することに留意する。  

(会計処理方法の差異の取扱い)

68の88(3)-5 措置法第68条の88の規定の適用上、国外関連取引と比較対象取引との間で用いられている会計処理方法(例えば、棚卸資産の評価方法、減価償却資産の償却方法)に差異があり、その差異が独立企業間価格の算定に影響を与える場合には、当該差異を調整したところにより同条第4項に規定する差額を算定することに留意する。  

(原価基準法における取得原価の額)

68の88(3)-6 原価基準法により独立企業間価格を算定する場合において、国外関連取引に係る棚卸資産をその売手が、例えば特殊の関係にある者から通常の取引価格に満たない価格で購入しているためその購入価格をその算定の基礎とすることが相当でないと認められるときは、その購入価格を通常の取引価格に引き直して当該国外関連取引に係る独立企業間価格を算定するものとする。

  (注)
 この取扱いを適用する場合の「通常の取引価格」は、措置法第68条の88第2項各号に掲げる方法に準じて計算する。

第4款 利益分割法の適用
 

(利益分割法の意義)

68の88(4)-1 措置法令第39条の 112第7項に規定する方法(以下「利益分割法」という。)は、原則として、国外関連取引に係る棚卸資産の販売等により連結法人及び措置法第68条の88第1項に規定する国外関連者(以下「国外関連者」という。)に生じた営業利益の合計額(以下「分割対象利益」という。)を措置法令第39条の 112第7項に規定する要因により分割する方法をいうことに留意する。  

(分割要因)

68の88(4)-2 利益分割法の適用に当たり、分割対象利益の配分に用いる要因は、国外関連取引の内容に応じ連結法人又は国外関連者が支出した人件費等の費用の額、投下資本の額等これらの者が当該分割対象利益の発生に寄与した程度を推測するにふさわしいものを用いることに留意する。
 なお、当該要因が複数ある場合には、それぞれの要因が分割対象利益の発生に寄与した程度に応じて、合理的に計算するものとする。  

(為替の換算)

68の88(4)-3 利益分割法の適用に当たり、国外関連者の国外関連取引に係る営業利益等を換算する際に用いる外国為替の売買相場については、連結基本通達17-1-8の取扱いを準用する。  

(比較利益分割法)

68の88(4)-4 利益分割法の適用に当たり、分割対象利益の配分を、国外関連取引と類似の状況の下で行われた非関連者間取引に係る非関連者間の分割対象利益に相当する利益の配分割合を用いて合理的に算定することができる場合には、当該方法により独立企業間価格を算定することができる。  

(残余利益分割法)

68の88(4)-5 利益分割法の適用に当たり、連結法人又は国外関連者が重要な無形資産を有する場合には、分割対象利益のうち重要な無形資産を有しない非関連者間取引において通常得られる利益に相当する金額を当該連結法人及び国外関連者それぞれに配分し、当該配分した金額の残額を当該連結法人又は国外関連者が有する当該重要な無形資産の価値に応じて、合理的に配分する方法により独立企業間価格を算定することができる。

  (注)
 当該重要な無形資産の価値による配分を当該重要な無形資産の開発のために支出した費用等の額により行っている場合には、合理的な配分として、これを認める。


第5款  棚卸資産の売買以外の取引における独立企業間価格算定方法の適用

 

(同等の方法の意義)

68の88(5)-1 措置法第68条の88第2項第2号イ及びロに規定する「同等の方法」とは、有形資産の貸借取引、金銭の貸借取引、役務提供取引、無形資産の使用許諾又は譲渡の取引等、棚卸資産の売買以外の取引において、それぞれの取引の類型に応じて同項第1号に掲げる方法に準じて独立企業間価格を算定する方法をいう。  

(有形資産の貸借の取扱い)

68の88(5)-2 有形資産の貸借取引について、独立価格比準法と同等の方法を適用する場合には、比較対象取引に係る資産が国外関連取引に係る資産と同種であり、かつ、比較対象取引に係る貸借時期、貸借期間、貸借期間中の資産の維持費用等の負担関係、転貸の可否等貸借の条件が国外関連取引と同様であることを要することに留意する。また、有形資産の貸借取引について、原価基準法と同等の方法を適用する場合には、比較対象取引に係る資産が国外関連取引に係る資産と同種又は類似であり、かつ、上記の貸借の条件と同様であることを要することに留意する。  

(委託製造先に対する機械設備等の貸与の取扱い)

68の88(5)-3 連結法人が製品等の製造を委託している国外関連者に対して機械設備等の資産を貸与している場合には、当該製品等の製造委託取引と当該資産の貸借取引が一の取引として行われているものとして独立企業間価格を算定することができる。  

(金銭の貸付け又は借入れの取扱い)

68の88(5)-4 金銭の貸借取引について独立価格比準法と同等の方法又は原価基準法と同等の方法を適用する場合には、比較対象取引に係る通貨が国外関連取引に係る通貨と同一であり、かつ、比較対象取引における貸借時期、貸借期間、金利の設定方式(固定又は変動、単利又は複利等の金利の設定方式をいう。)、利払方法(前払い、後払い等の利払方法をいう。)、借手の信用力、担保及び保証の有無その他の利率に影響を与える諸要因が国外関連取引と同様であることを要することに留意する。

  (注)
 独立価格比準法と同等の方法又は原価基準法と同等の方法が適用できない場合には、例えば、国外関連取引の借手が銀行等から当該国外関連取引と同様の条件の下で借り入れたとした場合に付されるであろう利率を比較対象取引における利率として、措置法第68条の88第2項第2号ロに掲げる方法により、独立企業間価格を算定することができる。
 

(役務提供の取扱い)

68の88(5)-5 役務提供取引について独立価格比準法と同等の方法を適用する場合には、比較対象取引に係る役務が国外関連取引に係る役務と同種であり、かつ、比較対象取引に係る役務提供の時期、役務提供の期間等の役務提供の条件が国外関連取引と同様であることを要することに留意する。また、役務提供取引について、原価基準法と同等の方法を適用する場合には、比較対象取引に係る役務が国外関連取引に係る役務と同種又は類似であり、かつ、上記の役務提供の条件と同様であることを要することに留意する。  

(無形資産の使用許諾等の取扱い)

68の88(5)-6 無形資産の使用許諾又は譲渡の取引について、独立価格比準法と同等の方法を適用する場合には、比較対象取引に係る無形資産が国外関連取引に係る無形資産と同種であり、かつ、比較対象取引に係る使用許諾又は譲渡の時期、使用許諾の期間等の使用許諾又は譲渡の条件が国外関連取引と同様であることを要することに留意する。また、無形資産の使用許諾又は譲渡の取引について、原価基準法と同等の方法を適用する場合には、比較対象取引に係る無形資産が国外関連取引に係る無形資産と同種又は類似であり、かつ、上記の無形資産の使用許諾又は譲渡の条件と同様であることを要することに留意する。

第6款  申告調整等
 

(独立企業間価格との差額の申告調整)

68の88(6)-1 措置法第68条の88第1項に規定する「当該国外関連取引は、独立企業間価格で行われたものとみなす」とは、連結法人が国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格に満たない場合又は連結法人が国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超える場合は、その差額を益金の額に算入し、又は損金の額に算入しないことをいうのであるから留意する。

  (注)
 この差額の調整が、寄附金の連結損金算入限度額、外国税額の連結控除限度額等に影響を及ぼす場合には、それらについても再計算することに留意する。
 

(独立企業間価格との差額の申告減算)

68の88(6)-2 国外関連取引につき、連結法人が国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格を超える場合又は国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格に満たない場合における独立企業間価格との差額については、連結所得の金額の計算上、連結確定申告書等において減額できないことに留意する。  

(高価買入れの場合の取得価額の調整)

68の88(6)-3 連結法人が国外関連取引につき国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超える場合において、その対価の額と独立企業間価格との差額の全部又は一部に相当する金額が当該連結事業年度終了の日において有する資産の取得価額に算入されているため当該連結事業年度の損金の額に算入されていないときは、その損金の額に算入されていない部分の金額に相当する金額を当該資産の取得価額から減額することができる。

  (注)
 この取扱いにより減価償却資産の取得価額を減額した場合には、その減額した後の金額を基礎として各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の償却限度額を計算することに留意する。
第6款  申告調整等

 

(独立企業間価格との差額の申告調整)

68の88(6)-1 措置法第68条の88第1項に規定する「当該国外関連取引は、独立企業間価格で行われたものとみなす」とは、連結法人が国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格に満たない場合又は連結法人が国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超える場合は、その差額を益金の額に算入し、又は損金の額に算入しないことをいうのであるから留意する。

  (注)
 この差額の調整が、寄附金の連結損金算入限度額、外国税額の連結控除限度額等に影響を及ぼす場合には、それらについても再計算することに留意する。
 

(独立企業間価格との差額の申告減算)

68の88(6)-2 国外関連取引につき、連結法人が国外関連者から支払を受ける対価の額が独立企業間価格を超える場合又は国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格に満たない場合における独立企業間価格との差額については、連結所得の金額の計算上、連結確定申告書等において減額できないことに留意する。  

(高価買入れの場合の取得価額の調整)

68の88(6)-3 連結法人が国外関連取引につき国外関連者に支払う対価の額が独立企業間価格を超える場合において、その対価の額と独立企業間価格との差額の全部又は一部に相当する金額が当該連結事業年度終了の日において有する資産の取得価額に算入されているため当該連結事業年度の損金の額に算入されていないときは、その損金の額に算入されていない部分の金額に相当する金額を当該資産の取得価額から減額することができる。

  (注)
 この取扱いにより減価償却資産の取得価額を減額した場合には、その減額した後の金額を基礎として各連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の償却限度額を計算することに留意する。
第7款  国外移転所得金額の取扱い等

 

(国外移転所得金額の取扱い)

68の88(7)-1 措置法第68条の88第4項に規定する国外関連取引の対価の額と当該国外関連取引に係る独立企業間価格との差額(以下「国外移転所得金額」という。)は、その全部又は一部を国外関連者から返還を受けるかどうかにかかわらず、利益の社外流出として取り扱う。  

(国外移転所得金額の返還を受ける場合の取扱い)

68の88(7)-2 連結法人が国外移転所得金額の全部又は一部を合理的な期間内に国外関連者から返還を受けることとし、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が次に掲げる事項を記載した書面を所轄税務署長に提出した場合において、当該書面に記載した金額の返還を受けたときには、当該返還を受けた金額は益金の額に算入しないことができる。

  イ
 連結親法人の納税地

ロ  連結親法人の法人名
ハ  連結親法人の代表者名
ニ  返還を受ける連結親法人の納税地又は連結子法人の本店又は主たる事務所の所在地
ホ  返還を受ける連結親法人又は連結子法人の法人名
へ  返還を受ける連結親法人又は連結子法人の代表者名
ト  国外関連者名及び所在地
チ  返還を受ける予定の日
リ  返還を受ける金額(外貨建取引の場合は、外国通貨の金額を併記する。)
ヌ  返還方法

  (注)1
 外貨建ての取引につき返還を受けることとして届け出る金額は、その発生の原因となった国外関連取引に係る収益、費用の円換算に用いた外国為替の売買相場によって円換算した金額とし、当該金額とその返還を受けた日の外国為替の売買相場によって円換算した金額との差額は、その返還を受けた日を含む連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)の益金の額又は損金の額に算入する。

2  この書面の提出は、連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が国税局の調査課所管法人である場合にあっては、所轄国税局長に対して行うこととなる。


第13章  連結法人の国外支配株主等に係る負債の利子の課税の特例


第68条の89 《連結法人の国外支配株主等に係る負債の利子の課税の特例》関係

 

(名義株がある場合の直接又は間接保有の株式)

68の89-1 措置法第68条の89第3項に規定する特殊の関係の有無の判定において、名義株は、その実際の権利者が保有するものとしてその判定を行うことに留意する。  

(実質的支配関係があるかどうかの判定)

68の89-2 措置法令第39条の 113第16項第3号に規定する「その他これに類する事実」とは、例えば、次に掲げるような事実をいう。

  (1)
 連結法人が非居住者又は外国法人から提供される事業活動の基本となる工業所有権(特許権、実用新案権、意匠権及び商標権をいう。)、ノーハウ等に依存してその事業活動を行っていること。

(2)  連結法人の役員の2分の1以上又は代表する権限を有する役員が非居住者又は外国法人によって実質的に決定されていると認められる事実があること。  

(社債発行差金等)

68の89-3 連結法人が、その発行した社債のうち措置法第68条の89第3項に規定する国外支配株主等(以下「国外支配株主等」という。)の有するものにつき、社債発行差金の償却費を計上した場合又はその償還により償還差損を計上した場合には、その計上した連結事業年度における当該償却費又は当該償還差損の額は、同条第1項に規定する「当該連結事業年度において当該国外支配株主等に支払う負債の利子の額」に含まれることに留意する。  

(短期の前払利息)

68の89-4 連結法人が、各連結事業年度において、国外支配株主等に支払った支払利息のうち連結基本通達2-2-14によりその支払った日を含む連結事業年度の損金の額に算入された前払利息の額は、措置法第68条の89第1項に規定する「当該連結事業年度において当該国外支配株主等に支払う負債の利子の額」に含まれることに留意する。  

(負債の利子の範囲)

68の89-5 措置法第68条の89第1項に規定する「負債の利子」(以下「負債の利子」という。)には、次に掲げるようなものを含むことに留意する。

  (1)
 買掛金を手形によって支払った場合において、国外支配株主等に対して当該手形の割引料を負担したときにおけるその負担した割引料相当額

(2)  営業保証金、敷金その他これらに類する預り金の利子
(3)  金融機関の預金利息及び給付補てん備金繰入額(給付補てん備金繰入額に準ずる繰入額を含む。)  

(原価に算入した負債の利子)

68の89-6 連結法人が、国外支配株主等に支払う負債の利子の額につき固定資産その他の資産の取得価額に算入した場合又は繰延資産(社債発行差金を除く。以下68の89-7において同じ。)として経理した場合であっても、当該連結事業年度において当該国外支配株主等に支払うものは、措置法第68条の89第1項に規定する「当該連結事業年度において当該国外支配株主等に支払う負債の利子の額」に含まれることに留意する。  

(原価に算入した負債の利子の調整)

68の89-7 各連結法人が、国外支配株主等に支払う負債の利子の額のうちに固定資産その他の資産の取得価額又は繰延資産の金額(以下68の89-7において「固定資産の取得価額等」という。)に含めたため直接当該連結事業年度の損金の額に算入されていない部分の金額(以下68の89-7において「原価算入額」という。)がある場合において、当該負債の利子の額のうちに措置法第68条の89第1項の規定により損金の額に算入されないこととなった金額(以下68の89-7において「損金不算入額」という。)があるときは、当該連結事業年度の連結確定申告書において、当該原価算入額のうち各連結法人ごとに次の算式により計算される金額の合計額を限度として、当該連結事業年度終了の時における当該固定資産の取得価額等を減額することができるものとする。  
   
  (注)
 この取扱いの適用を受けた連結法人は、その減額した金額につき翌連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、翌事業年度)において決算上調整するものとする。
 

(負債)

68の89-8 措置法第68条の89第1項に規定する「負債」は、同項に規定する利子(同項に規定する法人税の課税対象所得に含まれるものを除く。以下68の89-8において「利子」という。)の支払の基因となるものに限られるのであるから、例えば、利子を付する預り敷金の額は、利子を付する期間に限り同項に規定する「負債」に含まれることに留意する。  

(負債の額の平均的な残高の意義)

68の89-9 措置法令第39条の 113第2項に規定する「当該連結事業年度の負債の帳簿価額の平均的な残高として合理的な方法により計算した金額」とは、例えば、負債の帳簿価額の日々の平均残高又は各月末の平均残高等、その連結事業年度を通じた負債の帳簿価額の平均的な残高をいうものとする。

  (注)
 その連結事業年度の開始の時及び終了の時における負債の帳簿価額の平均額は、当該平均的な残高として合理的な方法により計算した金額に該当しない。
 

(総負債の範囲)

68の89-10 措置法令第39条の 113第4項第2号に規定する総負債とは、外部負債たると内部負債たるとを問わないのであるから、貸倒引当金等だけではなく、税務計算上損金の額に算入されないものであっても、連結法人が損金経理により計上した税金未払金、各種引当金等も含むことに留意する。  

(保険会社の総負債)

68の89-11 保険会社に係る措置法令第39条の 113第4項第2号に規定する総負債の額には、支払備金、責任準備金及び配当準備金(相互会社にあっては社員配当準備金、株式会社にあっては契約者配当準備金をいう。)の額は含まれるが、価格変動準備金は含まれないものとする。  

(自己資本の額を計算する場合の総資産の帳簿価額及び総負債の帳簿価額)

68の89-12 措置法令第39条の 113第4項に規定する「総資産の帳簿価額」及び「総負債の帳簿価額」は、その会計帳簿に記載されているこれらの金額によるのであるから、税務計算上の否認金があっても、当該否認金の額は、これらの額に関係させないことに留意する。  

(総資産の帳簿価額の平均的な残高及び総負債の帳簿価額の平均的な残高の意義)

68の89-13 措置法令第39条の 113第4項第1号に規定する「当該連結事業年度の総資産の帳簿価額の平均的な残高として合理的な方法により計算した金額」とは、例えば、総資産の帳簿価額の日々の平均残高又は各月末の平均残高等、その連結事業年度を通じた総資産の帳簿価額の平均的な残高をいうものとする。
 同項第2号に規定する「当該連結事業年度の総負債の帳簿価額の平均的な残高として合理的な方法により計算した金額」についても、同様とする。

  (注)
 その連結事業年度の開始の時及び終了の時における総資産の帳簿価額の平均額又は総負債の帳簿価額の平均額は、当該平均的な残高として合理的な方法により計算した金額に該当しない。
 

(自己資本の額を計算する場合の資本等の金額)

68の89-14 措置法令第39条の 113第4項に規定する「連結個別資本等の金額」は、税務計算上の金額によるのであるから、例えば、資本の金額、出資金額又は連結個別資本積立金額に税務計算上の払込否認金額がある場合には、当該払込否認金額を控除した金額によることに留意する。



第14章  連結法人の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例


第68条の90~第68条の93 《連結法人の特定外国子会社等に係る所得の課税の特例》関係

 

(発行済株式)

68の90-1 措置法第68条の90第1項第1号の「発行済株式」には、その株式の発行価額の全部又は一部について払込みが行われていないものも含まれるものとする。

  (注)
 例えば寄附金の損金算入限度額を計算する場合のように、いわゆる資本金基準額を計算する場合の資本の金額又は出資金額は、払込済の金額による。
 

(直接及び間接保有の株式)

68の90-2 措置法第68条の90第1項の直接及び間接保有の株式には、連結法人が直接及び間接に保有する同項に規定する特定外国子会社等(以下「特定外国子会社等」という。)の株式でその株式の発行価額の全部又は一部について払込みが行われていないものも含まれるものとする。

  (注)
 名義株は、その実際の権利者が所有するものとして同項の規定を適用することに留意する。
 

(事業年度と課税年度とが異なる場合の特定外国子会社等の判定)

68の90-3 措置法第68条の90第2項第1号に規定する外国関係会社(以下「外国関係会社」という。)が措置法令第39条の 114第1項第2号の要件を満たす外国関係会社に該当するか否かを判定する場合において、当該外国関係会社の事業年度が同条第2項第1号に規定する本店所在地国の法令(以下「本店所在地国の法令」という。)における課税年度と異なるときであっても、当該外国関係会社の事業年度につき同項の規定を適用して判定することに留意する。  

(課税標準の計算がコストプラス方式による場合)

68の90-4 外国関係会社の本店所在地国の法令の規定により、当該外国関係会社の当該事業年度の決算に基づく所得の金額及び課税標準を算出することに代えて、当該外国関係会社の支出経費に一定率を乗じて計算した金額をもって課税標準とする、いわゆるコストプラス方式により計算することができることとされている場合であっても、措置法令第39条の 114第2項第1号に規定する所得の金額は、当該外国関係会社の当該事業年度の決算に基づく所得の金額につき当該本店所在地国の法令の規定を適用して算出することに留意する。  

(非課税所得の範囲)

68の90-5 措置法令第39条の 114第2項第1号イに規定する「その本店所在地国の法令により外国法人税の課税標準に含まれないこととされる所得の金額」には、例えば、次のような金額が含まれることに留意する。

  (1)
 課税標準に含まれないこととされる利益の配当又は剰余金の分配の額(同号イ(1)及び(2)に規定する配当等の額を除く。)

(2)  外国関係会社の本店所在地国へ送金されない限り課税標準に含まれないこととされる国外源泉所得
(3)  措置法第58条又は第65条の2の規定に類する制度により決算に基づく所得の金額から控除される特定の取引に係る特別控除額

  (注)
 国外源泉所得につき、その生じた事業年度後の事業年度において外国関係会社の本店所在地国以外の国又は地域からの送金が行われた場合にはその送金が行われた事業年度で課税標準に含めることとされているときであっても、特定外国子会社等に該当するか否かの判定を行う場合には、当該国外源泉所得の生じた事業年度の課税標準の額に含めることに留意する。
 

(外国法人税の額に加算される税額控除額)

68の90-6 措置法令第39条の 114第2項第2号イに規定する「当該外国関係会社が納付したものとみなしてその本店所在地国の外国法人税の額から控除されるもの」とは、外国関係会社がその本店所在地国以外の国又は地域に所在する子会社(以下68の90-6において「外国子会社」という。)から受ける利益の配当又は剰余金の分配(以下68の90-6において「配当等」という。)の額がある場合に、本店所在地国の法令により、当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額のうちその配当等の額に対応するものにつき法第69条第8項の規定に類する制度に基づいて税額控除の適用を受けるときにおける当該外国関係会社が納付したものとみなされる外国法人税の額をいうのであるが、当該外国子会社の所得に対して課される外国法人税の額には、当該外国子会社が当該事業年度においてその本店所在地国以外の国又は地域において軽減され、又は免除された外国法人税の額で、租税条約の規定により当該外国子会社が納付したものとみなされるものは含まれないことに留意する。  

(複数税率の場合の特例の適用)

68の90-7 その本店所在地国の外国法人税の税率が所得の額に応じて高くなる場合に措置法令第39条の 114第2項第3号の規定が適用されるのであるから、法人の所得の区分に応じて税率が異なる場合には、同号の規定は適用されないことに留意する。  

(主たる事業の判定)

68の90-8 措置法令第39条の 114第2項第4号の規定を適用する場合において、外国関係会社が2以上の事業を営んでいるときは、そのいずれが主たる事業であるかは、それぞれの事業に属する収入金額又は所得金額の状況、使用人の数、固定施設の状況等を総合的に勘案して判定する。  

(適用対象留保金額の計算)

68の90-9 措置法第68条の90第1項に規定する適用対象留保金額及び措置法令第39条の 115第5項に規定する欠損金額は、特定外国子会社等が会計帳簿の作成に当たり使用する外国通貨表示の金額により計算するものとする。この場合において、例えば措置法第61条の4の規定の例に準じて交際費等の損金不算入額を計算する場合における同条に定める 400万円のように、法令中本邦通貨表示で定められている金額については、68の90-13により連結法人が特定外国子会社等の個別課税対象留保金額の円換算に当たり適用する為替相場により当該本邦通貨表示で定められている金額を当該外国通貨表示の金額に換算した金額によるものとする。  

(法人税法等の規定の例に準じて計算する場合の取扱い)

68の90-10 措置法令第39条の 115第1項第1号の規定により特定外国子会社等の未処分所得の金額につき法及び措置法の規定の例に準じて計算する場合には、次に定めるものは、次によるものとする。

  (1)
 青色申告書を提出する法人であることを要件として適用することとされている規定については、当該特定外国子会社等は当該要件を満たすものとして当該規定の例に準じて計算する。

(2)  減価償却費、評価損、圧縮記帳、引当金の繰入額、準備金の積立額等の損金算入又は長期割賦販売等に該当する資産の販売等に係る延払基準による収益及び費用の計上等確定した決算における経理を要件として適用することとされている規定については、特定外国子会社等がその決算において行った経理のほか、連結法人が措置法第68条の90の規定の適用に当たり当該特定外国子会社等の決算を修正して作成した当該特定外国子会社等に係る損益計算書等において行った経理をもって当該要件を満たすものとして取り扱う。この場合には、決算の修正の過程を明らかにする書類を当該損益計算書等に添付するものとする。
  (注)
 特定外国子会社等の決算の修正は、当該連結法人及び当該特定外国子会社等に係る内国法人が統一的に行うものとし、これらの法人が個々に行うことはできない。 (3)  連結法人が措置法第68条の90の規定の適用に当たり採用した棚卸資産の評価方法、減価償却資産の償却方法、有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法等は、同条を適用して最初に提出する連結確定申告書に添付する当該特定外国子会社等に係る損益計算書等に付記するものとし、いったん採用したこれらの方法は、特別の事情がない限り、継続して適用するものとする。
  (注)
 当該連結確定申告書の提出前において、既に措置法第66条の6の規定の適用を受けて最初に提出した確定申告書があり、かつ、当該確定申告書に添付した当該特定外国子会社等に係る損益計算書等に評価方法等を付記している場合には、新たに当該連結確定申告書に添付する損益計算書等への付記を要しないものとする。
 なお、既に同条の規定の適用に当たりいったん採用したこれらの方法については、措置法第68条の90の規定の適用においても、特別の事情がない限り、継続して適用することに留意する。

 

(特定外国子会社等が2以上ある場合の損益の不通算)

68の90-11 措置法第68条の90第1項に規定する個別課税対象留保金額は特定外国子会社等ごとに計算するから、連結法人に係る特定外国子会社等が2以上ある場合において、その特定外国子会社等のうちに欠損金額が生じたものがあるときであっても、他の特定外国子会社等の所得の金額との通算はしないことに留意する。  

(未処分所得の金額から控除する配当の額)

68の90-12 措置法第68条の90第1項に規定する適用対象留保金額の計算上、措置法令第39条の 116第1項の規定により未処分所得の金額から控除する同項第2号に掲げる当該各事業年度に係る利益の配当又は剰余金の分配の額は、特定外国子会社等の当該事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日を含む当該特定外国子会社等に係る連結法人の連結事業年度終了の日までに当該利益の配当又は剰余金の分配の額として確定しているものに限るものとする。  

(個別課税対象留保金額の円換算)

68の90-13 連結法人が措置法第68条の90第1項の規定により特定外国子会社等に係る個別課税対象留保金額に相当する金額を益金の額に算入する場合における当該個別課税対象留保金額の円換算は、当該特定外国子会社等の当該事業年度終了の日の翌日から2月を経過する日における電信売買相場の仲値(連結基本通達17-1-2に定める電信売買相場の仲値をいう。以下同じ。)による。ただし、継続適用を条件として、当該連結法人の同日を含む連結事業年度終了の日の電信売買相場の仲値によることができるものとする。

  (注)
 ただし書による場合において、当該連結法人が2以上の特定外国子会社等を有するときは、そのすべての特定外国子会社等につき、当該電信売買相場の仲値によるものとする。
 

(事業の判定)

68の90-14 特定外国子会社等の営む事業が措置法第68条の90第3項第1号、措置法令第39条の 117第4項第1号又は同項第2号に掲げる事業のいずれに該当するかどうかは、原則として日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。

  (注)
 措置法第68条の90第3項の規定を適用する場合において、特定外国子会社等が2以上の事業を営んでいるときは、そのいずれの事業が主たる事業であるかどうかの判定については、68の90-8に準ずる。
 

(船舶又は航空機の貸付けの意義)

68の90-15 措置法第68条の90第3項に規定する「船舶若しくは航空機の貸付け」とは、いわゆる裸用船(機)契約に基づく船舶(又は航空機)の貸付けをいい、いわゆる定期用船(機)契約又は航海用船(機)契約に基づく船舶(又は航空機)の用船(機)は、これに該当しない。  

(自ら事業の管理、支配等を行っていることの意義)

68の90-16 措置法第68条の90第3項の規定の適用上、連結法人に係る特定外国子会社等がその本店又は主たる事務所の所在する国又は地域において、事業の管理、支配及び運営を自ら行っているかどうかは、当該特定外国子会社等の株主総会及び取締役会等の開催、役員としての職務執行、会計帳簿の作成及び保管等が行われている場所並びにその他の状況を勘案の上判定するものとする。この場合において、例えば、当該特定外国子会社等の株主総会の開催が本店所在地国等以外の場所で行われていること、当該特定外国子会社等が、現地における事業計画の策定等に当たり、当該連結法人と協議し、その意見を求めていること等の事実があるとしても、そのことだけでは、当該特定外国子会社等が事業の管理、支配及び運営を自ら行っていないことにはならないことに留意する。  

(証券業を営む特定外国子会社等が受けるいわゆる分与口銭)

68の90-17 証券業を営む連結法人に係る特定外国子会社等で証券業を営むものが、その本店又は主たる事務所の所在する国又は地域においてその顧客から受けた有価証券の売買に係る注文(募集又は売出しに係る有価証券の取得の申込みを含む。以下68の90-17において同じ。)を当該連結法人に取り次いだ場合において、その取り次いだことにより当該連結法人からその注文に係る売買等の手数料(手数料を含む価額で売買が行われた場合における売買価額のうち手数料に相当する部分を含む。)の一部をいわゆる分与口銭として受け取ったときは、その分与口銭は措置法令第39条の 117第2項第4号に規定する関連者以外の者から受ける受入手数料に該当するものとして取り扱う。  

(軽課税基準以下であるかどうかの判定)

68の90-18 措置法令第39条の 116第1項第2号に規定する外国関係会社が受ける利益の配当又は剰余金の分配の額につき課される税の負担が同項に規定する軽課税基準以下のものであるかどうかを判定する場合において、当該外国関係会社の本店所在地国が受取配当等の一部を益金の額に算入しないような制度を採っているときは、当該本店所在地国の税法に定める表面的な税率によりその判定をするのではなく、当該利益の配当又は剰余金の分配の額に対して課される税の実質負担割合により判定することに留意する。  

(適用除外の特定外国子会社等であることの証明)

68の90-19 措置法第68条の90第5項に規定する「その適用があることを明らかにする書類その他の資料」とは、当該特定外国子会社等に係る貸借対照表、損益計算書及び措置法規則第22条の76第2項第2号から第6号までに掲げる書類のほか連結確定申告書の作成に当たり参考とした書類をいう。  

(外国法人税の範囲)

68の90-20 措置法第68条の91第1項及び措置法令第39条の 114第2項第1号に規定する外国法人税の額には、特定外国子会社等が法第 138条又は所得税法第 161条に規定する国内源泉所得に係る所得について課された法人税、所得税及び法第38条第2項第3号に掲げるものの額を含めることができる。  

(個別課税対象留保金額に係る外国法人税額の計算)

68の90-21 措置法第68条の91第1項の規定を適用する場合における措置法令第39条の 118第1項の規定による個別課税対象留保金額に係る個別控除対象外国法人税の額の計算並びに同条第5項及び第12項の規定による減額されたとみなされる個別控除対象外国法人税の額の計算は、その特定外国子会社等がその会計帳簿の作成に当たり使用する外国通貨表示の金額により行うものとし、その計算されたこれらの個別控除対象外国法人税の額の円換算については、68の90-13に準ずる。  

(個別課税済留保金額の損金算入額の計算)

68の90-22 連結法人が措置法第68条の92第1項の規定の適用を受ける場合に同項の規定により損金の額に算入する金額の計算はその特定外国子会社等がその会計帳簿の作成に当たり使用する外国通貨表示の金額により行うものとし、その計算された金額の円換算は、利益の配当の額の支払等同項各号に掲げる事実が生じた日における電信売買相場の仲値によるものとする。  

(課税済配当等の額の特例)

68の90-23 特定外国子会社等につき措置法第68条の92第1項第1号に掲げる事実が生じた場合において、その支払われた利益の配当又は剰余金の分配の額が連結法人の68の90-12に定める連結事業年度終了の日までに確定しなかったため措置法第68条の90第1項に規定する適用対象留保金額の計算上措置法令第39条の 116第1項第2号に掲げる当該各事業年度に係る利益の配当又は剰余金の分配の額として控除されなかったものであるときは、当該利益の配当又は剰余金の分配の額の全額が措置法令第39条の 119第2項第1号に規定する「イに掲げる金額からロに掲げる金額を控除した残額」に該当するものとして取り扱う。  

(株式等を譲渡した場合の個別課税済留保金額の損金算入規定の不適用)

68の90-24 措置法第68条の92第1項の規定による個別課税済留保金額の損金算入は、特定外国子会社等が利益の配当又は剰余金の分配を支払った場合等同項各号に掲げる事実が生じた場合に限られるのであるから、例えば連結法人の直接及び間接に保有する特定外国子会社等の株式等が譲渡された場合であっても、これについて同項の規定の適用はないことに留意する。  

(特定外国子会社等から中間配当の額を受けた場合の取扱い)

68の90-25 連結法人が、当該連結事業年度において特定外国子会社等から商法第 293条ノ5第1項に規定する金銭の分配に類するもの(以下68の90-25において「中間配当」という。)を受けた場合には、当該中間配当に係る事業年度の利益の配当又は剰余金の分配(以下68の90-25において「確定配当」という。)を受けることとなる当該連結法人の連結事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当しない場合には、当該事業年度)において、当該中間配当の額と当該確定配当の額との合計額に基づき措置法第68条の90第1項及び第68条の92第1項の規定(同法第66条の6第1項及び第66条の8第1項の規定を含む。)を適用する。



第15章  連結法人のその他の特例


第68条の94 《鉱工業技術研究組合等の所得計算の特例》関係

 

(賦課金により目的とする固定資産を取得できなかった場合の仮受経理)

68の94-1 措置法第68条の94第1項に係る措置法第66条の10第1項各号に掲げる法人に該当する連結親法人が、措置法第68条の94第1項に規定する試験研究用資産を取得し、又は製作するための費用を賦課し、その賦課に基づいて納付された連結事業年度においてその目的とした同項に規定する試験研究用資産を取得することができなかった場合において、その納付された賦課金を仮受金として経理したときは、その取得できなかったことについて相当の事由があると認められる場合に限り、そのできないと認められる事由が消滅し当該試験研究用資産を取得するために通常要すると認められる期間を経過するまでは、これを認める。  

(圧縮記帳をすることができる試験研究用固定資産の範囲)

68の94-2 措置法第68条の94第1項に係る措置法第66条の10第1項各号に規定する「試験研究の用に直接供する固定資産」とは、同項に規定する固定資産でこれを直接使用して試験研究を行うもの、専ら試験研究の用に供される研究所等の建物、当該建物の敷地の用に供される土地等及び当該建物に設備されるじゅう器・備品をいうものとし、事務所(研究所等の建物の一部分を事務所に充てている場合における当該事務所を除く。)及び寄宿舎等の厚生施設等は、これに含まれないことに取り扱う。


第68条の95 《特定の基金に対する負担金等の損金算入の特例》関係

 

(長期間にわたって使用等される基金)

68の95-1 措置法第68条の95第1項に規定する「長期間にわたって使用され、又は運用される基金」とは、当該基金が設置される公益法人等の定款、業務方法書等においてその業務に関し5年を超える期間を業務計画期間として定めている場合の当該業務に使用され、又は運用される基金及びその業務に関し業務計画期間を特に定めないで設置される基金でその業務の性格からみておおむね5年を超えて使用され、又は運用されることが予定されるものをいうものとする。  

(負担金の損金算入時期)

68の95-2 措置法第68条の95に規定する負担金の損金算入時期は、連結法人が当該負担金を現実に支払った日(財務大臣の指定前に支払ったものについてはその指定のあった日)を含む連結事業年度となることに留意する。

  (注)1
 当該負担金の支払のための手形の振出し(裏書譲渡を含む。)の日は、現実に支払った日に該当しない。

2  財務大臣の指定前に支払ったものについては、当該指定の日までの間は仮払金として処理することとなる。  

(中小企業倒産防止共済事業の前払掛金)

68の95-3 中小企業倒産防止共済法の規定による共済契約を締結した連結法人が中小企業総合事業団に前納した共済契約に係る掛金は、前納の期間が1年以内であるものを除き、措置法第68条の95第1項に係る措置法第66条の11第1項第2号に掲げる掛金に該当しない。


第68条の99 《社会保険診療報酬の所得計算の特例》関係

 

(社会保険診療報酬の範囲)

68の99-1 措置法第68条の99第1項に規定する連結親法人である医療法人が支払を受けるべき金額には、次に掲げる金額を含むことに留意する。

  (1)
 健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法の規定に基づき被保険者の被扶養者にした療養の給付(措置法第26条第2項第1号に規定する療養の給付をいう。以下68の99-1において同じ。)について、当該医療法人が当該被保険者又は被扶養者から直接収受する家族療養の報酬

(2)  健康保険法、船員保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法の規定に基づいてした療養の給付について、当該医療法人が当該被保険者又はその被扶養者から直接収受する初診料又は入院時負担金
(3)  国民健康保険法の規定に基づいてした療養の給付について、当該医療法人が当該被保険者から直接収受するいわゆる自己負担額
(4)  身体障害者福祉法の規定に基づいてした更生医療の給付について、当該医療法人が当該身体障害者又はその扶養義務者から直接収受するいわゆる自己負担額
(5)  児童福祉法の規定に基づいてした育成医療の給付について、当該医療法人が当該育成医療を受ける者又はその扶養義務者から直接収受するいわゆる自己負担額
(6)  結核予防法の規定に基づいてした医療について、当該医療法人が当該患者から直接収受するいわゆる自己負担額
(7)  生活保護法の規定に基づいてした医療又は助産の給付について、当該医療法人が当該被保険者又はその扶養義務者から直接収受するいわゆる自己負担額  

(社会保険類似の診療報酬についての不適用)

68の99-2 措置法第68条の99の規定は、措置法第26条第2項各号に掲げる給付等につき支払を受けるべき金額(以下「社会保険診療報酬」という。)がある場合に適用されるのであって、連結親法人である医療法人が事業者その他の団体等との任意の契約等に基づいて行っている社会保険類似の行為に対して支払を受ける金額については、措置法第68条の99の規定の適用はないことに留意する。  

(社会保険診療報酬に係る損金の額が特例経費額に満たない場合の損金算入)

68の99-3 措置法第68条の99の規定は、連結親法人である医療法人の各連結事業年度における法(第81条の9及び第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の第59条の規定を除く。以下68の99-4において同じ。)又は措置法(第68条の99の規定を除く。以下68の99-4において同じ。)の規定に基づいて計算した社会保険診療報酬に係る損金の額が当該報酬に係る経費として同条第1項の規定により計算した金額の合計額に満たない場合に、当該満たない金額に相当する金額を当該連結事業年度の連結確定申告書等において損金の額に算入するものであることに留意する。この場合において、当該連結確定申告書等において損金の額に算入する金額は、法第2条第18号の2イに規定する個別所得金額に含まれるものとする。  

(社会保険診療報酬に係る損金の額の計算)

68の99-4 法又は措置法の規定に基づいて計算した社会保険診療報酬に係る損金の額が当該報酬に係る経費として措置法第68条の99第1項の規定により計算した金額の合計額に満たないかどうかを判定する場合における当該損金の額の計算は、おおむね次に掲げるところによるものとする。

  (1)
 社会保険診療報酬に係ることが明らかな費用又は損失に係る損金算入額はそれにより区分し、社会保険診療報酬とその他の収入とに共通する費用又は損失に係る損金算入額は、(2)及び(3)に掲げるものを除き、使用薬価の比、延べ患者数の比その他当該費用又は損失の性質に応じ合理的な基準により配賦する。

(2)  一括評価金銭債権に係る貸倒引当金勘定への繰入額(法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の法第52条第2項の規定により損金の額に算入した金額をいう。)は、当該連結事業年度終了の時における同項による貸倒引当金の繰入れの対象となる金銭債権の額の比により配賦する。
(3)  法第81条の3第1項の規定により同項の個別損金額を計算する場合の賞与引当金勘定(法人税法等の一部を改正する法律(平成10年法律第24号) 附則第6条の規定によりなおその効力を有するものとされる同法による改正前の法人税法第54条に規定する賞与引当金に係るものをいう。)への繰入額は、人件費の配賦基準と同一の基準により配賦する。

  (注)1
 配賦の対象となる退職給与の額は、法人税法等の一部を改正する法律(平成14年法律第79号)附則第8条第2項から第4項までの規定による当該連結事業年度の退職給与引当金勘定の取崩しに係る益金算入額を控除した金額(当該金額がマイナスとなる場合には、ゼロとする。)による。

2  配賦の対象となる引当金勘定への繰入額又は準備金の積立額は、当該連結事業年度において益金の額に算入される引当金勘定又は準備金の取崩額に相当する金額を控除した金額(当該金額がマイナスとなる場合には、ゼロとする。)による。  

(医師等が医薬品等の仕入れに関し支払を受ける仕入割戻し)

68の99-5 連結親法人である医療法人が、社会保険診療報酬について措置法第68条の99の規定の適用を受けて各連結事業年度の連結所得の金額を計算する場合において、当該医療法人が使用医薬品等の仕入れに関し仕入割戻し(金銭によるもののほか、現物によるものも含む。)の支払を受けているときは、当該仕入割戻しの金額は、社会保険診療報酬に係る所得の金額の計算に関係なく益金の額に算入する。  

(社会保険診療報酬に係る損金の額の計算明細書の添付)

68の99-6 措置法第68条の99第1項の規定の適用を受ける場合には、同条第3項の規定により損金算入に関する申告の記載及び明細書の添付が必要であるが、この場合における明細書には社会保険診療報酬に係る損金の額及び当該損金の額の計算の基礎並びに同条第1項の規定により計算した金額を記載するものとする。


第68条の102 《転廃業助成金等に係る課税の特例》関係

 

(取壊し等に要する費用)

68の102-1 転廃業助成金等の交付を受けた連結法人が、これらの補助金に係る機械その他の減価償却資産を譲渡する場合における措置法令第39条の124第4項に規定する取壊し等に要する費用には、例えば、次に掲げるようなものが含まれることに留意する。

  (1)
 譲渡に要したあっ旋手数料、謝礼

(2)  譲渡資産が建物である場合の借家人に対して支払った立退料
(3)  譲渡資産の測量、所有権移転に伴う諸手続、運搬、修繕等の費用で譲渡資産を相手方に引き渡すために支出したもの  

(廃材等の処分価額の除却損失等からの控除)

68の102-2 措置法令第39条の124第4項の規定を適用する場合において、転廃業助成金等に係る機械その他の減価償却資産の取壊し又は除去に伴い発生した廃材があるときは、その処分価額については、同項に規定する「取壊し等の直前における帳簿価額及び当該取壊し等に要する費用の額」から控除することができるものとする。
 転廃業助成金等に係る機械その他の減価償却資産を譲渡した場合におけるその譲渡価額のうち、取壊し等の直前における帳簿価額及び当該取壊し等に要する費用の額の合計額に達するまでの金額についても、同様とする。  

(特別勘定の引継ぎに関する書類の提出)

68の102-3 連結法人が法第15条の2第1項に規定する連結親法人事業年度開始の日に当該連結法人を分割法人とする適格分割型分割を行った場合において、当該連結法人(当該連結法人が連結子法人である場合には、その連結親法人)が法第81条の24第1項に規定する連結確定申告書の提出期限の延長の特例の適用を受けている連結法人であっても、措置法第68条の102第7項の特別勘定の引継ぎの規定の適用を受けるときは、同条第8項に規定する書類の提出は、当該適格分割型分割の日以後2月以内に行わなければならないことに留意する。




第68条の103 《特定株式投資信託の収益の分配に係る受取配当等の益金不算入等の特例》関係

 

(名義登録を失念した場合等の特定株式投資信託の収益の分配)

68の103-1 連結基本通達3-1-1及び3-1-2の本文の取扱いは、措置法第68条の103に規定する特定株式投資信託の収益の分配について準用する。

第68条の104及び第68条の105 《株式交換又は株式移転に係る課税の特例》関係

 

(利益の配当として交付した金額がある場合の交付金銭等)

68の104-1 特定子会社(措置法第68条の104第1項に規定する「特定子会社」をいう。以下同じ。)の株主である連結法人が同項に規定する株式交換等により特定親会社(同項に規定する「特定親会社」をいう。 以下同じ。)から交付を受けた金銭及び資産(当該株式交換等により割当てを受けた新株を除く。)の額のうちに、当該特定子会社の株主に対する利益の配当として交付された金額がある場合には、当該金銭及び資産の額は、当該利益の配当として交付された金額を控除して計算することに留意する。  

(株式交換等に際し1株未満の株式の譲渡代金を特定子会社の株主に交付した場合の取扱い)

68の104-2 措置法第68条の104第1項の規定を適用する場合において、特定親会社が、同項に規定する株式交換等に際し、特定子会社の株主に割り当てる新株に1株未満の株式が生じたためその1株未満の株式の合計数に相当する新株を他に譲渡し、その譲渡代価を1株未満の株式の当該特定子会社の株主に交付したときは、その1株未満の株式の当該特定子会社の株主に対してその1株未満の株式に相当する新株を割り当てたこととなることに留意する。




第68条の108 《特定の協同組合等である連結親法人の法人税率の特例》関係

 

(店舗における物品供給事業の収入金額)

68の108-1 措置法第68条の108第1項に規定する協同組合等である連結親法人の連結事業年度が同項各号に掲げる要件を満たすかどうかを判定する場合において、当該連結事業年度に措置法令第39条の127第3項に規定する「損金算入事業分量配当額」があるときであっても、措置法第68条の108第1項第3号に規定する「物品供給事業のうち店舗において行われるものに係る収入金額」からは当該損金算入事業分量配当額を控除しないことに留意する。  

(基準所得金額の端数計算)

68の108-2 各連結事業年度の連結所得の金額のうちに特例税率適用所得金額(措置法第68条の108の規定により100分の26の税率を適用するものとされる連結所得の金額をいう。)と当該特例税率適用所得金額以外の連結所得の金額とがある場合において同条第1項に規定する「各連結事業年度の連結所得の金額のうち10億円(同法第15条の2第1項に規定する連結親法人事業年度が1年に満たない協同組合等については、10億円に当該連結親法人事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算した金額とする。)」に1,000円未満の端数があるときは、これを切り捨てる。

第68条の109 《連結親法人である中小企業者等に対する同族会社の特別税率の不適用等》関係

 

(中小企業者であるかどうか等の判定の時期)

68の109-1 連結親法人が、措置法第68条の109第1項第1号に掲げる「新事業創出促進法第2条第3項に規定する中小企業者」又は同条第2項に掲げる「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第2条第1項に規定する中小企業者」に該当する連結親法人であるかどうかは、当該連結事業年度終了の時の現況によって判定するものとする。

  (注)
 措置法第68条の109第1項第1号に規定する「設立の日」がいつであるかどうかについても、同様とする。
 

(事業の判定等)

68の109-2 措置法第68条の109第1項第1号に掲げる「新事業創出促進法第2条第3項に規定する中小企業者」又は同条第2項に掲げる「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第2条第1項に規定する中小企業者」に該当するかどうかは、次により判定するものとする。

  (1)
 連結親法人の営むその主たる事業が、新事業創出促進法第2条第3項第1号から第3号までに掲げる事業又は中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第2条第1項第1号から第3号までに掲げる事業のうちいずれに該当するかは、おおむね日本標準産業分類(総務省)の分類を基準として判定する。

(2)  新事業創出促進法第2条第3項第1号から第3号まで又は中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法第2条第1項第1号から第3号までに規定する「常時使用する従業員の数」は、常用であると日々雇い入れるものであるとを問わず、事務所又は事業所に常時就労している職員、工員等(役員を除く。)の総数によって判定する。この場合において、連結親法人が酒造最盛期、野菜缶詰・瓶詰製造最盛期等に数か月程度の期間その労務に従事する者を使用するときは、当該従事する者の数を「常時使用する従業員の数」に含めるものとする。  

(総収入金額)

68の109-3 措置法令第39条の128第3項に規定する割合(以下68の109-4において「研究開発割合」という。)の計算の基礎となる連結親法人及びその連結子法人の当該連結事業年度開始の日前1年以内に開始した各連結事業年度の総収入金額(以下68の109-4において「総収入金額」という。)とは、同項に規定する試験研究費の額に充てるため他の者(当該連結親法人又はその連結子法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を含む。)から支払を受ける金額及びこの通達において特別の定めのあるものを除き、当該連結事業年度において益金の額に算入されるべき収入金額(固定資産又は有価証券の譲渡に係るもの及び合併又は分割による移転に係るものを除く。)の合計額をいうものとする。
 同条第4項各号の総収入金額についても、同様とする。  

(内部取引による益金の額の総収入金額からの除外)

68の109-4 研究開発割合を計算する場合において、準備金勘定又は引当金勘定の取崩しによる益金算入額、措置法第68条の78第4項又は第12項の規定による買換資産を事業の用に供しない場合等の益金算入額及び法第81条の3第1項の規定により同項の個別益金額を計算する場合の法第48条等の規定による特別勘定の益金算入額並びに資産の評価換えによる益金等の内部取引に関する益金の額は、総収入金額に算入しないものとする。  

(固定資産又は有価証券の譲渡に係る収入金額)

68の109-5 措置法令第39条の128第3項に規定する固定資産又は有価証券の譲渡に係る収入金額には、次のものが含まれるものとする。

  (1)
 法第50条第1項に規定する取得資産の価額(当該取得資産とともに取得した令第92条第2項第1号に規定する交換差金等の金額を含む。)

(2)  措置法第68条の70第1項若しくは第68条の72第1項に規定する補償金若しくは清算金(収用等の対価に該当するものに限る。)の金額又は代替資産若しくは交換取得資産の価額
(3)  措置法第68条の80の規定により、交換の日におけるその資産の価額に相当する金額をもって譲渡したものとみなされる同条第1項に規定する交換譲渡資産の価額
(4)  借地権の譲渡対価の額
(5)  令第 138条第1項の規定に該当する場合における借地権の設定等に伴って収受する権利金等の金額
(6)  措置法第68条の86第1項に規定する特定共同出資により取得した株式(出資を含む。)のうち、現物出資をした固定資産及び有価証券に係るものの取得の時における価額の合計額

  (注)1
 法第47条第1項に規定する保険金等の金額は、固定資産の譲渡に係る収入金額に含まれない。

2  不動産売買業を営む連結法人の有する土地又は建物であっても、当該連結法人が使用し若しくは他に貸し付けているもの(販売の目的で所有しているもので一時的に使用し又は他に貸し付けているものを除く。)又は当該連結法人が使用することを予定して長期間にわたり所有していることが明らかなものは、固定資産に該当する。  

(試験研究費の額の範囲)

68の109-6 措置法令第39条の128第3項に規定する試験研究費の額には、その試験研究費に充てるため他の者(その連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人を含む。)から支払を受ける金額は含まれないことに留意する。

  (注)
 試験研究費の額の計算に当たっては、68の9-4の取扱いは適用しない。
 

(中小企業者等に該当する旨の書類の書式)

68の109-7 措置法規則第22条の80第1項各号及び第2項に規定する書類は、付表の書式(これに準ずる書式を含む。)により代えることができるものとする。
 この場合において、次に掲げる区分に応じそれぞれ次に掲げる書類を添付するものとする。

  (1)
 措置法第68条の109第1項第1号に定める連結事業年度の場合 登記簿謄本又はその写し(設立の日が明らかになるものに限る。)

(2)  措置法第68条の109第1項第2号に定める連結事業年度の場合 イ及びロに掲げる書類
  イ
 主務大臣が新事業創出促進法第11条の2第1項に規定する認定(同法第11条の3第1項の認定を含む。)をした旨を証する書類

ロ  同号に規定する認定計画の計画書の写し

(3)  措置法第68条の109第2項に定める連結事業年度(措置法令第39条の128第4項の規定の適用がある連結事業年度に限る。)の場合 同項各号に規定する総収入金額及び試験研究費等の額の合計額の明細書


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