解説記事2003年07月07日 【実務解説】 日本経団連「商法施行規則による株式会社の各種書類のひな型」の解説 第5回(最終回) 監査役会監査報告書(2003年7月7日号・№026)
実務解説
日本経団連「商法施行規則による株式会社の各種書類のひな型」の解説
第5回(最終回) 監査役会監査報告書
社団法人 日本経済団体連合会 産業本部 小畑良晴
8 監査役会監査報告書
監査役会監査報告書のひな型は、監査役制度に係る平成5年商法改正に伴う平成6年7月の改訂以来のことである。このひな型は、大株式会社及びみなし大株式会社を対象としている。
今回の改訂にあたって、監査報告書には法律上最低限の記載事項を示し、監査意見は簡潔に表明するという昭和57年のひな型作成時の考え方を踏襲しており、平成6年以降の制度改正に伴う必要最小限の改訂を行った。改訂した具体的な項目は次の通りである。
(1)監査役の監査の方法の概要(取締役会への出席)
平成13年12月の商法改正で、監査役の取締役会への出席義務が明文化されたこと(商260ノ3①)を踏まえ、「監査役の監査の方法の概要」では、取締役会への出席について、毎回出席することを前提とした書きぶりに変更した。
(2)監査役の員数
商法特例法上の大会社においては、監査役の法定の最低員数は3名(うち1名以上が社外監査役)であるが、平成17年5月1日から施行される改正法により、半数以上が社外監査役となること、並びに、現在の監査役会の平均的な構成が社内2名で社外2名であることを踏まえ、改訂版では、4名の監査役が署名捺印している記載例に変更した。
なお、従来の社外監査役は、就任前5年間会社またはその子会社の取締役や支配人その他の使用人でなかった者が適格者であったが、改正法においては(商特法18①)、その就任前に会社またはその子会社の取締役または支配人その他の使用人となったことがない者のみが適格者とされ、要件が厳格になったことに注意が必要である。
(3)(注)の記載
ひな型には、(注)が(1)から(6)まであるが、それらのうち、今回の改訂の対象となったのは、次の通りである。
(注)(3)では、取締役の義務違反について、商法施行規則第133条第1項に従い、「競業取引及び自己取引」「無償の利益供与」「子会社または株主との通例的でない取引」に加え、「自己株式の取得及び処分または株式失効の手続」を列挙した。
(注)(6)は、今回の改訂で新設した注意書である。監査役の子会社調査権に関する権限強化を踏まえて、子会社への営業報告を求めた場合、その業務、財産の状況を調査した場合にその方法と結果を記載するとの項目を追加した。
一方、従前のひな型にあった「(注)(6)商法特例法18条1項に定める監査役がいずれもが、監査報告書に自署していない場合は、その旨を記載する」という注意書を省いた。商法特例法第18条第1項に定める監査役とは、社外監査役のことである。社外監査役であることを監査役会監査報告書上に表示するかどうかについては、常勤監査役と異なり、商法及び商法施行規則では触れられておらず、法的には表示の義務はないものと解されており1、日本経団連ひな型の記載例では表示していない。ただし、社外監査役を欠いた監査役会で作成された監査報告書は瑕疵を帯び、貸借対照表及び損益計算書について定時株主総会の承認決議の省略の効果(商特法16①)が生じないとする説が有力であることから2、従前のひな型においては、社外監査役が一人も監査報告書に署名していない場合には、その旨を記載することとしていた。
今回、この注意書を省略したのは、社外監査役が一人も署名しないという事態が極めて例外的な事態であり、あえてひな型に記載するまでもないと考えたからであり、従前の考え方を変更したものではない。
1 商事法務No.1331「平成5年商法改正に伴う法務省令の改正」(小野瀬厚)21頁
2 ジュリストNo.1027「監査役制度」(前田庸)29頁、商事法務No.1328「平成5年商法改正の解説〔4〕」(吉戒修一)14頁
日本経団連「商法施行規則による株式会社の各種書類のひな型」の解説
第5回(最終回) 監査役会監査報告書
社団法人 日本経済団体連合会 産業本部 小畑良晴
8 監査役会監査報告書
監査役会監査報告書のひな型は、監査役制度に係る平成5年商法改正に伴う平成6年7月の改訂以来のことである。このひな型は、大株式会社及びみなし大株式会社を対象としている。
今回の改訂にあたって、監査報告書には法律上最低限の記載事項を示し、監査意見は簡潔に表明するという昭和57年のひな型作成時の考え方を踏襲しており、平成6年以降の制度改正に伴う必要最小限の改訂を行った。改訂した具体的な項目は次の通りである。
(1)監査役の監査の方法の概要(取締役会への出席)
平成13年12月の商法改正で、監査役の取締役会への出席義務が明文化されたこと(商260ノ3①)を踏まえ、「監査役の監査の方法の概要」では、取締役会への出席について、毎回出席することを前提とした書きぶりに変更した。
(2)監査役の員数
商法特例法上の大会社においては、監査役の法定の最低員数は3名(うち1名以上が社外監査役)であるが、平成17年5月1日から施行される改正法により、半数以上が社外監査役となること、並びに、現在の監査役会の平均的な構成が社内2名で社外2名であることを踏まえ、改訂版では、4名の監査役が署名捺印している記載例に変更した。
なお、従来の社外監査役は、就任前5年間会社またはその子会社の取締役や支配人その他の使用人でなかった者が適格者であったが、改正法においては(商特法18①)、その就任前に会社またはその子会社の取締役または支配人その他の使用人となったことがない者のみが適格者とされ、要件が厳格になったことに注意が必要である。
(3)(注)の記載
ひな型には、(注)が(1)から(6)まであるが、それらのうち、今回の改訂の対象となったのは、次の通りである。
(注)(3)では、取締役の義務違反について、商法施行規則第133条第1項に従い、「競業取引及び自己取引」「無償の利益供与」「子会社または株主との通例的でない取引」に加え、「自己株式の取得及び処分または株式失効の手続」を列挙した。
(注)(6)は、今回の改訂で新設した注意書である。監査役の子会社調査権に関する権限強化を踏まえて、子会社への営業報告を求めた場合、その業務、財産の状況を調査した場合にその方法と結果を記載するとの項目を追加した。
一方、従前のひな型にあった「(注)(6)商法特例法18条1項に定める監査役がいずれもが、監査報告書に自署していない場合は、その旨を記載する」という注意書を省いた。商法特例法第18条第1項に定める監査役とは、社外監査役のことである。社外監査役であることを監査役会監査報告書上に表示するかどうかについては、常勤監査役と異なり、商法及び商法施行規則では触れられておらず、法的には表示の義務はないものと解されており1、日本経団連ひな型の記載例では表示していない。ただし、社外監査役を欠いた監査役会で作成された監査報告書は瑕疵を帯び、貸借対照表及び損益計算書について定時株主総会の承認決議の省略の効果(商特法16①)が生じないとする説が有力であることから2、従前のひな型においては、社外監査役が一人も監査報告書に署名していない場合には、その旨を記載することとしていた。
今回、この注意書を省略したのは、社外監査役が一人も署名しないという事態が極めて例外的な事態であり、あえてひな型に記載するまでもないと考えたからであり、従前の考え方を変更したものではない。
~日本経団連ひな型より~
(注) (1)監査役会が定めた具体的な監査の方針や監査業務の分担がある場合には、その概要を記載することが考えられる。 (2)附属明細書の会計に関する部分以外の部分について不実記載等があった場合には、その旨を記載する。 (3)競業取引、自己取引、無償の利益供与、子会社または株主との通例的でない取引、自己株式の取得及び処分または株式失効の手続について取締役の義務違反があったときはその旨を記載する。 (4)記載事項1~5に関して、異なる監査意見がある場合は、その意見を各事項の記載中にただし書きとして簡潔に記載する。 (5)重要な後発事象で、営業報告書及び会計監査人の監査報告書に記載されていないものを記載する。 (6)子会社に対して営業報告を求めた場合、その業務、財産の状況を調査した場合には、その方法と結果を記載する。 | |||||||
1 商事法務No.1331「平成5年商法改正に伴う法務省令の改正」(小野瀬厚)21頁
2 ジュリストNo.1027「監査役制度」(前田庸)29頁、商事法務No.1328「平成5年商法改正の解説〔4〕」(吉戒修一)14頁
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