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コラム2004年05月03日 【国際対応専門委員会の傍聴席から】 進め方に不信感が募るIASBとの認識にズレ(2004年5月3日号・№065)

進め方に不信感が募る
IASBとの認識にズレ


 企業会計基準委員会・ASBJ(委員長:斎藤静樹明治学院大学教授)は4月16日、国際対応専門委員会・IISC(専門委員長:西川郁生ASBJ副委員長)を開催した。今回は4月21~23日にロンドンで開かれる国際会計基準審議会(IASB)に向けて、リース、収益認識等について議論された。
資料送付の遅れ
 山田理事の説明によると、2005年問題に向けた今年3月末までを締切とした一連の基準整備が終了することから、4月以降は従来より1週間早く討議資料が届く予定であった。ところが、積み残しの課題があるために予定が遅れ、業績報告等の資料はIISC開催当日の朝に英文の資料が到着し、ASBJスタッフが慌てて概訳資料を作成するという状態になっていることが説明された。

リース
 正式な検討項目としては未だ決定されていないが、研究プロジェクトとして作業が進められており、今回は、貸手と借手によって認識される資産負債はリース契約から生じる権利と義務を反映するというアプローチをさらに進めて検討している。ここでは、貸手は、現金を受領する契約上の権利とリース資産に残存する権利を含んだ資産と、リース契約における契約上の義務を含む負債を認識する。一方、借手は、使用権を含む資産と、リース契約における契約上の義務を含む負債を認識する。
 具体的には、リース料が変動するリース契約を検討対象にしており、①価格変動のように外部要素によって変動するもの、②借手の使用料に応じて変動するもの、③借手の利益又は他の業績に応じて変動するものに分類している。その上で、変動するリース料が資産負債の定義を満たすかを検討する予定である。
 IISCでは、「公正価値をきちんと測定する具体的な方法が不明であり、測定を評価機関に依頼して相当コストが必要になるようでは実務はついていけない」、「正式な議題として取り上げる前から使用権という考え方を採用する前提で議論が進められており、進め方が不透明である」などの指摘が出された。

収益認識
 今回は、FASB、IASBのフレームワークにおけるRevenueとGain(IASBでは、RevenueとIncome)の区分について、スタッフの分析を基に検討される予定である。そこでは、各基準設定主体は区分を有用なものと考えているものの、それぞれの区分が曖昧で運用に困難な点があるため、各項目の性格の相違を反映した区分とする方が有用とされている。
 IISCでは、「提案は包括利益の考え方を含んでおり、誤解が生じるため、用語を明確に使い分けるべきである」、「FASBの考え方では、Comprehensive Incomeとは、出資者からの投資以外の増加を除くと、GainとRevenueとOther Comprehensive Income(OCI)であったが、IASBの定義のIncomeがOCIになってしまっている」、「これはリサイクルの問題にも波及する」といった意見が出された。
 また、業績報告プロジェクトについては、前回議論されたように、ASBJからスタッフが参加する方向で検討されている。  
 

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