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資料2005年01月12日 【税務通達等】 質疑応答事例(譲渡所得)保証債務を履行するための譲渡の特例

(保証債務を履行するための譲渡の特例)
1 預金で保証債務を履行した後に資産を譲渡した場合
2 保証債務を履行するために2つの資産を譲渡した場合
3 店舗併用住宅を譲渡して保証債務を履行した場合の譲渡所得の金額の計算
4 手持ち資金と譲渡代金とで保証債務を履行し、求償権の一部が回収不能となった場合
5 保証債務の履行に伴う求償権の行使不能額
6 保証債務を履行するために資産を譲渡した直後に相続が開始した場合
7 連帯保証債務に係る債務控除と保証債務の特例
8 手形裏書人が割り引いた手形債務を支払うために譲渡した場合
9 交換によって資産を譲渡した年と同一年中に、その交換によって取得した資産を保証債務の履行のために譲渡した場合の譲渡所得の計算

預金で保証債務を履行した後に資産を譲渡した場合

【 照会要旨】
 債権者である銀行から保証債務の履行を求められ、その履行に充てるため土地を譲渡しようとしましたが、直ちには譲渡できないため、手持の預金で保証債務の一部を履行しました。その後、その土地を譲渡し、預金を補充しましたが、この土地の譲渡について所得税法第64条第2項の保証債務の特例を適用することができますか。
 借入金で保証債務を履行し、その借入金を返済するため資産を譲渡した場合は、認められると聞きましたが同じように取り扱われますか。

【 回答要旨】
 預金で保証債務を履行したことにより保証債務はなくなり、その土地の譲渡は保証債務の履行のためとはいえなくなります。したがって、保証債務の特例は適用されません。
 借入金の場合は、なお借入金が残っており、それが保証債務に代わるものであるところから特例の適用を認めることにしたもので、預金で履行した場合と同様に取り扱うことはできません。

【 関係法令通達】
 所得税法第64条第2項
 所得税基本通達64-5

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

保証債務を履行するために2つの資産を譲渡した場合

【 照会要旨】
1  債務者甲に係る保証債務3,670万円を履行するためA資産を債務者乙に係る保証債務2,670万円を履行するためB資産を譲渡し、それぞれその履行に充てました。
①  資産の種類 A資産(短期保有土地) B資産(長期保有土地)
②  譲渡価額 4,000 万円 10,000 万円
③  取得費 2,240  〃 3,610  〃
④  譲渡益 1,760  〃 6,390  〃
⑤  求償不能額 3,670  〃 2,670  〃
⑥  差引差額 △ 1,910  〃 3,720  〃
 (④-⑤)
2 上記A、Bの譲渡に対して所得税法第64条第2項に規定する保証債務の特例を適用する場合、次の2案があるが、いずれによるべきですか。
〈 第Ⅰ案〉
 A資産の赤字1,910万円とB資産の黒字3,720万円との通算は認められない。したがって、3,720万円が課税の対象になる。
〈 第Ⅱ案〉
 A資産の赤字1,910万円とB資産の黒字3,720万円との通算は認められる。したがって、1,810万円が課税の対象になる。

【 回答要旨】
 A及びBの資産がいずれも保証債務を履行するために譲渡されているとすれば、所得税法第64条第2項及び所得税法施行令第180条第2項の規定により譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなされる金額は、譲渡所得の金額として一括して計算することになるため、第Ⅱ案のとおり通算することになります。

【 関係法令通達】
 所得税法第64条第2項
 所得税法施行令第180条第2項

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

店舗併用住宅を譲渡して保証債務を履行した場合の譲渡所得の金額の計算

【 照会要旨】
 店舗併用住宅を譲渡し、保証債務を履行しましたが、求償権の行使は不可能です。
 住宅用部分については租税特別措置法第35条の規定を適用することとなりますが、この場合の譲渡所得の金額の計算は所得税基本通達64-3の4(2以上の譲渡資産に係る回収不能額等の各資産への配分)に準じて取り扱われますか。

【 回答要旨】
 一の資産の譲渡に係る譲渡収入金額に対する回収不能額については配分の問題が起こり得ないこと(所得税基本通達64-3の4は回収不能額の配分について定めたものであり、所得計算について定めたものではない。)から、所得税基本通達64-3の4に準じて取り扱うことなく、所得計算の原則である按分により計算することになります。

【 関係法令通達】
所得税法第64条第2項
 所得税基本通達64-3の4

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

手持ち資金と譲渡代金とで保証債務を履行し、求償権の一部が回収不能となった場合

【 照会要旨】
 債務保証をしていた者が、手持ち資金1,000万円と譲渡代金1,000万円との合計2,000万円で保証債務を履行しましたが、これにより生じた求償権のうち、1,000万円の部分について求償権の行使が不能と認められました。
 この場合、保証債務の履行のための譲渡所得の特例の適用の基礎となる回収不能額等の金額は、譲渡代金部分から優先的に成るものとしてみることができますか。

【 回答要旨】
 原則として、手持ち資金の金額と譲渡収入金額の比で按分するのが相当ですが、納税者が、回収不能額等の金額を譲渡代金部分から成るものとして選択して保証債務の特例を適用して申告している場合には、これを認めて差し支えありません。

【 関係法令通達】
 所得税法第64条第2項
 所得税基本通達64-3の4

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

保証債務の履行に伴う求償権の行使不能額

【 照会要旨】
 同一の債務者に対して、その回収不能額につき保証債務の履行に伴う求償債権とその他の債権を有する場合において、債権者がこれらの債権のうち回収することができないと認められる部分の債権を放棄したときは、所得税法第64条第2項の適用上、いずれの債権について放棄があったと考えるべきでしょうか。

【 回答要旨】
 納税者(債権者)がいずれの債権を放棄(免除)したかにより、判断します。

【 関係法令通達】
 所得税法第64条第2項
 民法第519条

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

保証債務を履行するために資産を譲渡した直後に相続が開始した場合

【 照会要旨】
 平成○年6月保証債務を履行するために資産を譲渡しましたが、債務金額の確定について債権者と意見がまとまらず、支払いを留保していたところ、同年11月3日に譲渡者が死亡しました。相続人が、保証債務を継承し、その支払いを行えば、譲渡者に係る準確定申告上、所得税法第64条第2項に規定する保証債務の特例は適用できますか。
 主たる債務者は、求債権の行使に応じられない状態にあります。

【 回答要旨】
 譲渡者が当該資産を保証債務を履行する目的で譲渡していることが明らかであり、相続人が相続開始後速やかにその保証債務の弁済をしているときには、当該資産は、保証債務の履行のために譲渡されたものであるとして差し支えありません。

【 関係法令通達】
 所得税法第64条2項

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

連帯保証債務に係る債務控除と保証債務の特例

【 照会要旨】
 被相続人の連帯保証債務を相続人が相続した後、相続人が自己の不動産を譲渡してその履行をしました。当該保証債務は、相続開始時点で主たる債務者が弁済不能の状態にあるもので、相続税法基本通達14-3(1)により被相続人の債務として相続税の計算上債務控除できるものです。
 この保証債務を債務控除の対象にした場合において、相続人が相続後に当該保証債務を履行するためにした不動産の譲渡につき所得税法第64条第2項の保証債務の特例を適用できますか。債務控除の対象とすることによって、保証債務が被相続人固有の債務に変るから所得税法第64条第2項は適用できないとの意見があります。

【 回答要旨】
 債務控除の対象にしたからといって債務の性質が変るものではありません。相続人は、保証債務という債務を相続してその履行をするものですから、相続人について所得税法第64条第2項の規定を適用することができます。

【 関係法令通達】
所得税法第64条2項
 所得税基本通達64-5の3
 相続税法第13条、第14条
 相続税法基本通達14-3(1)

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

手形裏書人が割り引いた手形債務を支払うために譲渡した場合

【 照会要旨】
 甲は、乙の振出した手形を裏書譲渡し、その譲渡代金を乙に貸付けていましたが、その手形が不渡りになりました。甲は、土地を譲渡し、その譲渡代金をもってその手形を買い戻しましたが、その手形代金は乙から回収できなくなりました。
 この場合、甲の手形の裏書を乙の資金調達のための保証であると認め、所得税法第64条第2項の規定を適用できないでしょうか。

【 回答要旨】
 甲は、乙の振出した手形の裏書譲渡(手形行為)により取得した金銭を自己の責任において乙に貸付けたものであり、甲が乙の債務の保証をしたとは認められません。
 したがって、甲が裏書譲渡した手形の買戻しのために土地を譲渡しても、その譲渡所得について所得税法第64条第2項の規定は適用されません。

【 関係法令通達】
所得税法第64条第2項
 手形法第14条、第15条、第30条、第32条、第77条

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

交換によって資産を譲渡した年と同一年中に、その交換によって取得した資産を保証債務の履行のために譲渡した場合の譲渡所得の計算

【 照会要旨】
 甲は、自己の所有するA土地(長期保有資産 時価31,000万円)を乙の所有するB土地(時価31,000万円)と交換しました。その後、甲は、その交換をした年と同一年中に保証債務の履行のためB土地を30,000万円で譲渡し、保証債務26,000万円をその譲渡代金から支払いましたが、これについての求償権の行使は不能です。
 なお、甲および乙の交換については、B土地の乙の所有期間が1年未満であったことから、所得税法第58条の特例の適用はありません。
 この場合、保証債務の履行のために譲渡したB土地の損失の金額27,000万円(30,000万円(譲渡価額)-26,000万円(求償権行使不能額)-31,000万円(取得費))は、A土地の譲渡所得の金額と通算することができますか。

【 回答要旨】
 保証債務の履行のためにした資産の譲渡により生じた損失金額は、他の資産の譲渡益の範囲で通算できます。したがって、照会の場合には長期譲渡所得の金額は2,450万円となります。

(注)1  譲渡所得の金額(所法64②の適用がないとした場合)  A土地 31,000万円 - 1,550万円=29,450万円…長期譲渡所得の金額 
(譲渡価額の5%とする)

 B土地 30,000万円 - 31,000万円=△1,000万円…短期譲渡所得の金額

2  回収不能金額の算定
 次のうち最も小さい金額が回収不能金額となります。
①  26,000万円(実際の回収不能額)…回収不能金額
②  28,450万円(保証債務履行前の合計所得金額)
③  28,450万円(保証債務履行前の譲渡所得金額)

3  保証債務を履行した場合の譲渡所得の計算
(1) 保証債務の履行による回収不能額 26,000万円
(2) B土地の譲渡所得(短期譲渡所得)の金額 △27,000万円
①  収入金額 30,000万円
②  取得費 31,000万円
③  保証債務の履行による回収不能額 26,000万円
④  譲渡所得(短期譲渡所得)の金額(①-②-③) △27,000万円
(3)  A土地の譲渡所得(長期譲渡所得)の金額
 31,000万円 - 1,550万円 =  29,450万円
(4)  通算後の譲渡所得(本件の場合A土地に係る長期譲渡所得)の金額
 29,450万円-27,000万円 = 2,450万円
 B土地の譲渡により生じた損失の額27,000万円は、A土地の譲渡所得(長期譲渡所得)の金額29,450万円から控除(通算)することができますので、A土地の譲渡所得(長期譲渡所得)の金額は2,450万円となります。

【 関係法令通達】
所得税法第58条、第64条第2項
 所得税法施行令第180条第2項
 所得税基本通達64-2の2
 租税特別措置法第31条第1項、第32条第1項
 租税特別措置法関係通達31・32共-2

注記
 平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。

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