資料2005年01月12日 【税務通達等】 質疑応答事例(消費税)仕入税額控除(課税売上割合の計算)
(仕入税額控除(課税売上割合の計算))
1 借入有価証券を譲渡した場合における譲渡対価の額(5%)の課税売上割合の計算における分母への算入時期
2 非課税となる有価証券の範囲と課税売上割合の関係
3 再ファクタリングの場合の課税売上割合の計算
4 中期国債ファンドの課税関係(課税売上割合)
5 金融業者が受け取った手形の譲渡と課税売上割合の計算
6 還付加算金がある場合の課税売上割合の計算
7 外債の受取利子で輸出取引とみなされるもの
8 外国の銀行への預金から生じる利子
9 リース機材を国外の支店等で使用する場合の課税売上割合の計算
10 共有地の分割等
11 たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認
借入有価証券を譲渡した場合における譲渡対価の額(5%)の課税売上割合の計算における分母への算入時期
【 照会要旨】
当社は、生命保険会社から、国債を借り入れ(借入有価証券)、これを時価(額面金額を上回る)で売却し、返済期日(償還日と同日)に当該国債と同種、同額の国債を購入のうえ返還(償還できない場合は額面相当金額を現金で支払う。)することとしています。この場合における次の取扱いはどのようになるのでしょうか。 (1) 借入有価証券の売却②による対価の額(110)の5%相当額は、どの課税期間の課税売上割合の計算における分母に算入すればよいでしょうか。
(2) 国債の借入料③は、課税対象となるのでしょうか。
(3) 借入有価証券の返済日に、国債を購入④し、返済⑤した場合の取扱いはどのようになるのでしょうか。
【 回答要旨】
(1) 課税売上割合の計算上、分母の額に算入されるのは、その課税期間中に行った資産の譲渡等の対価の額(有価証券の譲渡については対価の額の5%)とされていることから、当該国債の売却②による対価の額(110)の5%相当額の、課税売上割合の計算における分母への算入は、当該国債の売却日の属する課税期間において行うこととなります。
(2) 国債の借入料③は、消費税法施行令第10条第3項第11号により、非課税となります。
(3) 借入有価証券の返済のための国債の購入④は非課税仕入れであり、また、国債の返還⑤は、単に借入有価証券の返済であることから、資産の譲渡等に該当しません。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項、消費税法施行令第10条第3項第11号
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
非課税となる有価証券の範囲と課税売上割合の関係
【 照会要旨】
非課税となる有価証券等の範囲と課税売上割合の分母に含める金額との関係はどうなるのでしょうか。
【 回答要旨】
次表のとおり取り扱います。
【 関係法令通達】
消費税法施行令第48条
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
再ファクタリングの場合の課税売上割合の計算
【 照会要旨】
クレジット会社甲は、当該課税期間において、次の図の②及び③の取引を行いましたが、この場合、課税売上割合の計算に当たって、分母に算入すべき金額はいくらになりますか。
【 回答要旨】
クレジット会社甲の取引を分解すると、②の取引は金銭債権の譲受けに、③の取引は金銭債権の譲渡に該当します。
ところで、金銭債権の譲受けの場合には、その債権について償還又は弁済を受けたときは、償還差益又は弁済差額を分母の金額に算入することとなりますが(令48④)、償還又は弁済を受ける前に当該金銭債権を譲渡した場合には、その行為は金銭債権の譲渡ですから、その譲渡対価の額を分母の金額に算入することとなります(令48①)。したがって、質問の場合は、9,800円となります。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項、消費税法施行令第48条
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
中期国債ファンドの課税関係(課税売上割合)
【 照会要旨】
中期国債ファンドを保有している場合の消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。
中期国債ファンドは公社債投資信託で、設定後30日経過後であれば、手数料なしで解約ができます。
収益の分配は、毎日決算を行い計上され、毎月末に一括して再投資(元本組入れ)されます。
なお、設定後30日以内に換金する場合は、公社債投資信託の受益証券を証券会社にその時の時価で買い取ってもらうことになります。
【 回答要旨】
1 中期国債ファンドを設定後30日以内に換金した場合は、その時の時価で有価証券を譲渡したことになります。
この場合、課税売上割合の分母には譲渡対価の5%を加算します(令48⑤)。
2 設定後30日経過後からは、分配金とされる金額は利子となり、この分配金を課税売上割合の分母に加算します。
3 設定後30日経過して解約(換金)した場合は、解約における収益分配金は利子となり、元本の返還部分については課税関係は生じません。この場合は、収益分配金を課税売上割合の分母に加算します。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項、消費税法施行令第48条第5項
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
金融業者が受け取った手形の譲渡と課税売上割合の計算
【 照会要旨】
金融業者甲は、下図の形態により手形を持ち込んだ者乙に対し、一定の割引料等を手形額面から控除して現金を支払っています。この乙から持ち込まれた手形を丙で割り引き、現金を受け取った場合、甲が丙に対して行う取引についての消費税の取扱いはどのようになるのでしょうか(甲は手形の裏書きは行っていません。)。

【 回答要旨】
甲が丙に対して行う手形の譲渡は非課税取引に該当します。また、甲の課税売上割合の計算に当たっては分母に算入しません。
( 理 由)
甲が手形の持込者である乙に対して一定の割引料を差し引いて現金を支払う場合、当該手形は乙が発行又は裏書きを行い遡及権を乙に行使することができるものであるため、その割引料は消費税法施行令第10条第3項第7号に規定する「手形の割引」に、また、その支払った現金は消費税法別表第一第2号に該当する「支払手段の譲渡」に該当し、それぞれ非課税となります。
なお、甲が丙に引き渡した手形は、乙から「支払手段の譲渡」として持ち込まれた手形であることから、甲が丙に対して行う手形の譲渡についてもその取引は「支払手段の譲渡」となり非課税となります。また、当該取引に係る手形は、消費税法施行令第48条第2項第1号に規定する「支払手段」に該当するため、課税売上割合の計算に当たって分母には算入しません。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項、別表第一第2号、消費税法施行令第10条第3項第7号、第48条第2項第1号
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
還付加算金がある場合の課税売上割合の計算
【 照会要旨】
給与の支払に係る源泉所得税の過誤納還付金など、国税、地方税(以下「国税等」という。)の還付金、過納金等とともに受けた還付加算金は、消費税の「課税売上割合」の計算に当たり、非課税売上げとして分母に算入する必要があるのでしょうか。
【 回答要旨】
国税等の還付加算金は、課税売上割合の計算上、分母の金額に算入しません。 ( 理由)
国税等の還付加算金は、税務署長等が還付金等を還付し、又は充当する場合に、所定の期間の日数に応じ、その金額に所定の割合を乗じて計算した金額を還付金等に加算するものであり(通則法58①)、国税等の還付加算金は、利息計算と同様の方法により計算することとはなりますが、同様の方法により計算する延滞税及び利子税がその額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税等となり(通則法60④、64③)、消費税の課税対象外(不課税)となることから、還付加算金についても資産の譲渡等の対価には該当しないものとします。
したがって、還付加算金の支払を受けた事業者は、当該還付加算金の額を課税売上割合の計算上、分母の金額に算入する必要はありません。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
外債の受取利子で輸出取引とみなされるもの
【 照会要旨】
次の取引により非居住者から受け取る利子は、非課税資産の輸出等を行った場合に該当するのでしょうか。
① 非居住者が国内市場において発行した社債の利子
② 国内に支店を有する非居住者が、国内で発行した社債の利子を、日本支店を通じて支払う場合

【 回答要旨】
非課税資産の譲渡等のうち、輸出取引とみなされるものは、金銭の貸付けや国債等の取得で債務者が非居住者であるものとされています。
そのため①、②とも社債の債務者は非居住者Aとなり、輸出取引とみなされますから、課税売上割合の計算上、受け取る利子の額を分母、分子に算入します。
(参考)
非課税資産の輸出等とみなされる取引(令17③)
非課税となる有価証券等の範囲と課税売上割合の関係 非課税資産の輸出等とみなされる取引の内容 課税売上割合の分子に含める金額
① 利子を対価とする金銭の貸付け 利子
② 利子を対価とする国債等の取得 利子
③ 国際通貨基金協定15条の特別引出権の保有 利子
④ 預金又は貯金の預入 利子
⑤ 合同運用信託、投資信託、特定目的信託 分配金(利子)
⑥ 利子を対価とする抵当証券の取得 利子
⑦ 償還差益を対価とする国債等の取得※(注) 償還差益(利子)
⑧ 手形(CPを除く)の割引 割引料(利子)
⑨ 金銭債権(CPを含む)の譲受け等 〃(利子)
⑩ 証券取引法に規定する有価証券、登録国債等の貸付け(ゴルフ場株式を除く) 貸付料(利子)
なお、これらの取引と個別対応する仕入税額は、個別対応方式を採用している場合は、全額控除対象とすることができます。 ※注 国債等の取得により償還差損が発生した場合は、消費税法施行令第48条第6項により分母、分子より控除します。
【 関係法令通達】
消費税法第31条第1項、消費税法施行令第17条第3項、第51条
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
外国の銀行への預金から生じる利子
【 照会要旨】
当社はアメリカからの輸入商品の販売を事業内容とする法人(アメリカに事業所を有していない。)であり、輸入商品の代金決済のためにアメリカ国内の銀行に預金口座を開設し、ドル預金を行っています。
この外国預金口座から生ずる預金利息に対する消費税の取扱いはどのようになるのでしょうか。
【 回答要旨】
預金の預入れについては非課税取引とされていますが(法別表第一3、令10③一)、事業者が国内において非課税取引を行った場合において、その非課税取引が消費税法第7条第1項各号に掲げる資産の譲渡等(以下「輸出取引等」という。)に該当するものである場合には、その非課税取引が一定の要件を満たすとき(輸出取引等であることにつき証明がされたとき)には、その非課税取引は課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、消費税法第30条の規定を適用することとされています(法31①)。
預金の預入れが日本国内で行なわれたかどうかの判定は、預金の預入れを行う者の当該預金の預入れに係る事務所の所在地が日本国内にあるかどうかにより行うものとされていますから(令6③)、照会の外国口座に預金を預け入れる行為は、国内取引に該当することになります。
また、預金の預入れのうち、その債務者が非居住者であるものについては、消費税法第31条の適用に当たっては、ここでいう輸出取引等に該当することとされていますから(令17③)、外国口座に預金を預け入れる行為は輸出取引等にも該当します。
この輸出取引等に該当するものの対価の額は、課税売上割合の計算にあたっては課税資産の譲渡等の対価の額に含まれることとされていますので(令51②)、照会の外国預金口座から生ずる利息の金額については、課税資産の譲渡等の対価の額とみなして、課税売上割合を計算することになります。
【 関係法令通達】
消費税法第7条第1項、第30条、第31条、消費税法施行令第6条第3項、第10条第3項第1号、第17条第3項、第51条第2項
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
リース機材を国外の支店等で使用する場合の課税売上割合の計算
【 照会要旨】
取材用のビデオカメラをリース契約に基づき使用する場合、当該ビデオカメラを海外での取材用として国外の支社に輸出する場合においても消費税法第31条第2項の適用はあるのでしょうか。
【 回答要旨】
国外の支店等において自ら使用するものを輸出する場合又は、国外において譲渡するための資産を輸出する場合には、対価を得て行う輸出取引ではありませんが、消費税法施行令第51条第3項及び第4項の規定により当該資産のFOB価格を課税売上割合の分母、分子に加算することになります。この規定は、当該資産に係る国内取引が譲渡によるものか貸付けによるものかに関係なく適用されるものですから、質問の場合においても、ビデオカメラのFOB価格を課税売上割合の分母、分子に加算することとなります。
【 関係法令通達】
消費税法第31条第2項、消費税法施行令第51条第3項、第4項
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
共有地の分割等
【 照会要旨】
次の土地取引については、所得税又は法人税の取扱いでは、土地の譲渡はなかったものとして取り扱うこととされていますが、消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。(消費税の取扱いで、土地の譲渡があったものとする場合には、課税売上割合の計算において、取引の対象となった土地の時価を分母に算入することとなります。) 取 引 根 拠 通 達
1 共有地の分割 所基通33-1の6
法基通2-1-19
2 法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合 所基通33-6の6
法基通2-1-20
3 道路の付替え 法基通2-1-21
【 回答要旨】
所得税又は法人税の取扱いにおいて、土地の譲渡はなかったものとして取り扱われる共有地の分割、法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合及び道路の付替えは、いずれも資産の譲渡に該当しないものとして取扱い、課税売上割合の計算上も分母に算入しないこととします。 ( 理由)
(1) 2以上の者が一の土地を共有している場合において、その共有地をそれぞれの共有持分に応じて分割し、それぞれ単独所有の土地としたときは、その共有地の分割は、一般的に共有持分の交換による譲渡であるとされています(昭42.8.25最高裁第一小法廷判決)。
しかし、元来、資産の共有関係というのは、将来において行われる持分に応じた分割のための過渡的な姿に過ぎないと考えられていることから(この考え方から、法人税及び所得税では、その分割による資産の譲渡はなかったものと取り扱っています。)、共有持分に応じた共有地の分割は資産の譲渡に該当しないものとして取り扱います。
(2) 法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合については、土地所有者相互間における相隣関係の問題として単に境界線を整理しただけのことであり、土地の所有権の実態に何らの変化はなかったと考えられることから、資産の譲渡に該当しないものとして取り扱います。
(3) 道路の付替えのための土地の交換についても、単に道路の位置を変更して土地の利用の円滑化を図ったという程度のものと認められることから、資産の譲渡に該当しないものとして取り扱います。
【 関係法令通達】
消費税法第2条第1項第8号
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認
【 照会要旨】
土地の譲渡は非課税とされており、その譲渡対価は消費税法第30条第6項《課税売上割合》に規定する課税売上割合(以下、単に「課税売上割合」という。)の計算上資産の譲渡等の対価に含まれますが、土地の譲渡に伴う課税仕入れの額はその譲渡金額に比し一般的に少額であることから、課税売上割合を適用して仕入れに係る消費税額を計算した場合には、事業の実態を反映しないことがあります。
そこで、たまたま土地の譲渡対価の額があったことにより課税売上割合が減少する場合で、課税売上割合を適用して仕入れに係る消費税額を計算すると当該事業者の事業の実態を反映しないと認められるときは、課税売上割合に準ずる割合の承認を受けることができる取扱いはできないのでしょうか。
【 回答要旨】
土地の譲渡が単発のものであり、かつ、当該土地の譲渡がなかったとした場合には、事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、次の①又は②の割合のいずれか低い割合により課税売上割合に準ずる割合の承認を与えることとして差し支えないこととします。 ① 当該土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合(消費税法施行令第53条第3項《通算課税売上割合の計算方法》に規定する計算方法により計算した割合をいう。)
② 当該土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合
なお、上記課税売上割合に準ずる割合によるまでもなく、消費税法基本通達11-2-19《共通用の課税仕入れ等を合理的な基準により区分した場合》によれば合理的に仕入税額の控除ができると認められる場合には、当該取扱いによるものとします。
(注)1 土地の譲渡がなかったとした場合に、事業の実態に変動がないと認められる場合とは、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内である場合とします。
2 この課税売上割合に準ずる割合の承認は、たまたま土地の譲渡があった場合に行うものですから、当該課税期間において適用したときは、翌課税期間において適用廃止届出書を提出させるものとし、提出がない場合には、その承認の取消しを行うものとします。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第3項、消費税法施行令第47条、消費税法基本通達11-2-19
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
1 借入有価証券を譲渡した場合における譲渡対価の額(5%)の課税売上割合の計算における分母への算入時期
2 非課税となる有価証券の範囲と課税売上割合の関係
3 再ファクタリングの場合の課税売上割合の計算
4 中期国債ファンドの課税関係(課税売上割合)
5 金融業者が受け取った手形の譲渡と課税売上割合の計算
6 還付加算金がある場合の課税売上割合の計算
7 外債の受取利子で輸出取引とみなされるもの
8 外国の銀行への預金から生じる利子
9 リース機材を国外の支店等で使用する場合の課税売上割合の計算
10 共有地の分割等
11 たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認
借入有価証券を譲渡した場合における譲渡対価の額(5%)の課税売上割合の計算における分母への算入時期
【 照会要旨】
当社は、生命保険会社から、国債を借り入れ(借入有価証券)、これを時価(額面金額を上回る)で売却し、返済期日(償還日と同日)に当該国債と同種、同額の国債を購入のうえ返還(償還できない場合は額面相当金額を現金で支払う。)することとしています。この場合における次の取扱いはどのようになるのでしょうか。 (1) 借入有価証券の売却②による対価の額(110)の5%相当額は、どの課税期間の課税売上割合の計算における分母に算入すればよいでしょうか。
(2) 国債の借入料③は、課税対象となるのでしょうか。
(3) 借入有価証券の返済日に、国債を購入④し、返済⑤した場合の取扱いはどのようになるのでしょうか。

【 回答要旨】
(1) 課税売上割合の計算上、分母の額に算入されるのは、その課税期間中に行った資産の譲渡等の対価の額(有価証券の譲渡については対価の額の5%)とされていることから、当該国債の売却②による対価の額(110)の5%相当額の、課税売上割合の計算における分母への算入は、当該国債の売却日の属する課税期間において行うこととなります。
(2) 国債の借入料③は、消費税法施行令第10条第3項第11号により、非課税となります。
(3) 借入有価証券の返済のための国債の購入④は非課税仕入れであり、また、国債の返還⑤は、単に借入有価証券の返済であることから、資産の譲渡等に該当しません。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項、消費税法施行令第10条第3項第11号
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
非課税となる有価証券の範囲と課税売上割合の関係
【 照会要旨】
非課税となる有価証券等の範囲と課税売上割合の分母に含める金額との関係はどうなるのでしょうか。
【 回答要旨】
次表のとおり取り扱います。
非課税となる有価証券等の譲渡の範囲 | 課税売上割合の計算 | ||
---|---|---|---|
法令 | 有価証券等の種類 | 分母に含める金額 | |
法別表第一第2号 | 証券取引法2条1項に規定する有価証券(ゴルフ場利用株式等を除く) | 国債等の現先取引を除く 令48②三、⑤ | 5% |
令9条1項 | 株式の端数の部分 | 令48⑤ | 5% |
登録国債等の有価証券に表示されるべき権利 | 令48⑤ | 5% | |
株式の引受けによる権利及び優先出資の引受けによる権利 | 令48⑤ | 5% | |
合資、合名、有限、協同組合等の持分 | 全額含める | ||
抵当証券 | 全額含める | ||
貸付金預金(居住者発行のCD)売掛金その他の金銭債券(ゴルフ会員権を除く) | 資産の譲渡等の対価として取得したものの譲渡を除く 令48②二 | 全額含める | |
法別表第一第2号 | 外為法6条1項7号に規定する支払手段 | 令48②一 | 含めない |
令9条4項 | 国際通貨基金協定15条の特別引出権 | 令48②一 | 含めない |
国債等やCD、CPの買現先 令48③ | |||
売戻し差額が益のとき… | 益部分を含める | ||
売戻し差額が損のとき… | 損を控除する | ||
国債等やCD、CPの売現先 令48②三 | 含めない |
【 関係法令通達】
消費税法施行令第48条
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
再ファクタリングの場合の課税売上割合の計算
【 照会要旨】
クレジット会社甲は、当該課税期間において、次の図の②及び③の取引を行いましたが、この場合、課税売上割合の計算に当たって、分母に算入すべき金額はいくらになりますか。

【 回答要旨】
クレジット会社甲の取引を分解すると、②の取引は金銭債権の譲受けに、③の取引は金銭債権の譲渡に該当します。
ところで、金銭債権の譲受けの場合には、その債権について償還又は弁済を受けたときは、償還差益又は弁済差額を分母の金額に算入することとなりますが(令48④)、償還又は弁済を受ける前に当該金銭債権を譲渡した場合には、その行為は金銭債権の譲渡ですから、その譲渡対価の額を分母の金額に算入することとなります(令48①)。したがって、質問の場合は、9,800円となります。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項、消費税法施行令第48条
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
中期国債ファンドの課税関係(課税売上割合)
【 照会要旨】
中期国債ファンドを保有している場合の消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。
中期国債ファンドは公社債投資信託で、設定後30日経過後であれば、手数料なしで解約ができます。
収益の分配は、毎日決算を行い計上され、毎月末に一括して再投資(元本組入れ)されます。
なお、設定後30日以内に換金する場合は、公社債投資信託の受益証券を証券会社にその時の時価で買い取ってもらうことになります。
【 回答要旨】
1 中期国債ファンドを設定後30日以内に換金した場合は、その時の時価で有価証券を譲渡したことになります。
この場合、課税売上割合の分母には譲渡対価の5%を加算します(令48⑤)。
2 設定後30日経過後からは、分配金とされる金額は利子となり、この分配金を課税売上割合の分母に加算します。
3 設定後30日経過して解約(換金)した場合は、解約における収益分配金は利子となり、元本の返還部分については課税関係は生じません。この場合は、収益分配金を課税売上割合の分母に加算します。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項、消費税法施行令第48条第5項
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
金融業者が受け取った手形の譲渡と課税売上割合の計算
【 照会要旨】
金融業者甲は、下図の形態により手形を持ち込んだ者乙に対し、一定の割引料等を手形額面から控除して現金を支払っています。この乙から持ち込まれた手形を丙で割り引き、現金を受け取った場合、甲が丙に対して行う取引についての消費税の取扱いはどのようになるのでしょうか(甲は手形の裏書きは行っていません。)。

【 回答要旨】
甲が丙に対して行う手形の譲渡は非課税取引に該当します。また、甲の課税売上割合の計算に当たっては分母に算入しません。
( 理 由)
甲が手形の持込者である乙に対して一定の割引料を差し引いて現金を支払う場合、当該手形は乙が発行又は裏書きを行い遡及権を乙に行使することができるものであるため、その割引料は消費税法施行令第10条第3項第7号に規定する「手形の割引」に、また、その支払った現金は消費税法別表第一第2号に該当する「支払手段の譲渡」に該当し、それぞれ非課税となります。
なお、甲が丙に引き渡した手形は、乙から「支払手段の譲渡」として持ち込まれた手形であることから、甲が丙に対して行う手形の譲渡についてもその取引は「支払手段の譲渡」となり非課税となります。また、当該取引に係る手形は、消費税法施行令第48条第2項第1号に規定する「支払手段」に該当するため、課税売上割合の計算に当たって分母には算入しません。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項、別表第一第2号、消費税法施行令第10条第3項第7号、第48条第2項第1号
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
還付加算金がある場合の課税売上割合の計算
【 照会要旨】
給与の支払に係る源泉所得税の過誤納還付金など、国税、地方税(以下「国税等」という。)の還付金、過納金等とともに受けた還付加算金は、消費税の「課税売上割合」の計算に当たり、非課税売上げとして分母に算入する必要があるのでしょうか。
【 回答要旨】
国税等の還付加算金は、課税売上割合の計算上、分母の金額に算入しません。 ( 理由)
国税等の還付加算金は、税務署長等が還付金等を還付し、又は充当する場合に、所定の期間の日数に応じ、その金額に所定の割合を乗じて計算した金額を還付金等に加算するものであり(通則法58①)、国税等の還付加算金は、利息計算と同様の方法により計算することとはなりますが、同様の方法により計算する延滞税及び利子税がその額の計算の基礎となる税額の属する税目の国税等となり(通則法60④、64③)、消費税の課税対象外(不課税)となることから、還付加算金についても資産の譲渡等の対価には該当しないものとします。
したがって、還付加算金の支払を受けた事業者は、当該還付加算金の額を課税売上割合の計算上、分母の金額に算入する必要はありません。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第6項
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
外債の受取利子で輸出取引とみなされるもの
【 照会要旨】
次の取引により非居住者から受け取る利子は、非課税資産の輸出等を行った場合に該当するのでしょうか。
① 非居住者が国内市場において発行した社債の利子

② 国内に支店を有する非居住者が、国内で発行した社債の利子を、日本支店を通じて支払う場合

【 回答要旨】
非課税資産の譲渡等のうち、輸出取引とみなされるものは、金銭の貸付けや国債等の取得で債務者が非居住者であるものとされています。
そのため①、②とも社債の債務者は非居住者Aとなり、輸出取引とみなされますから、課税売上割合の計算上、受け取る利子の額を分母、分子に算入します。
(参考)
非課税資産の輸出等とみなされる取引(令17③)
非課税となる有価証券等の範囲と課税売上割合の関係 非課税資産の輸出等とみなされる取引の内容 課税売上割合の分子に含める金額
① 利子を対価とする金銭の貸付け 利子
② 利子を対価とする国債等の取得 利子
③ 国際通貨基金協定15条の特別引出権の保有 利子
④ 預金又は貯金の預入 利子
⑤ 合同運用信託、投資信託、特定目的信託 分配金(利子)
⑥ 利子を対価とする抵当証券の取得 利子
⑦ 償還差益を対価とする国債等の取得※(注) 償還差益(利子)
⑧ 手形(CPを除く)の割引 割引料(利子)
⑨ 金銭債権(CPを含む)の譲受け等 〃(利子)
⑩ 証券取引法に規定する有価証券、登録国債等の貸付け(ゴルフ場株式を除く) 貸付料(利子)
なお、これらの取引と個別対応する仕入税額は、個別対応方式を採用している場合は、全額控除対象とすることができます。 ※注 国債等の取得により償還差損が発生した場合は、消費税法施行令第48条第6項により分母、分子より控除します。
【 関係法令通達】
消費税法第31条第1項、消費税法施行令第17条第3項、第51条
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
外国の銀行への預金から生じる利子
【 照会要旨】
当社はアメリカからの輸入商品の販売を事業内容とする法人(アメリカに事業所を有していない。)であり、輸入商品の代金決済のためにアメリカ国内の銀行に預金口座を開設し、ドル預金を行っています。
この外国預金口座から生ずる預金利息に対する消費税の取扱いはどのようになるのでしょうか。
【 回答要旨】
預金の預入れについては非課税取引とされていますが(法別表第一3、令10③一)、事業者が国内において非課税取引を行った場合において、その非課税取引が消費税法第7条第1項各号に掲げる資産の譲渡等(以下「輸出取引等」という。)に該当するものである場合には、その非課税取引が一定の要件を満たすとき(輸出取引等であることにつき証明がされたとき)には、その非課税取引は課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなして、消費税法第30条の規定を適用することとされています(法31①)。
預金の預入れが日本国内で行なわれたかどうかの判定は、預金の預入れを行う者の当該預金の預入れに係る事務所の所在地が日本国内にあるかどうかにより行うものとされていますから(令6③)、照会の外国口座に預金を預け入れる行為は、国内取引に該当することになります。
また、預金の預入れのうち、その債務者が非居住者であるものについては、消費税法第31条の適用に当たっては、ここでいう輸出取引等に該当することとされていますから(令17③)、外国口座に預金を預け入れる行為は輸出取引等にも該当します。
この輸出取引等に該当するものの対価の額は、課税売上割合の計算にあたっては課税資産の譲渡等の対価の額に含まれることとされていますので(令51②)、照会の外国預金口座から生ずる利息の金額については、課税資産の譲渡等の対価の額とみなして、課税売上割合を計算することになります。
【 関係法令通達】
消費税法第7条第1項、第30条、第31条、消費税法施行令第6条第3項、第10条第3項第1号、第17条第3項、第51条第2項
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
リース機材を国外の支店等で使用する場合の課税売上割合の計算
【 照会要旨】
取材用のビデオカメラをリース契約に基づき使用する場合、当該ビデオカメラを海外での取材用として国外の支社に輸出する場合においても消費税法第31条第2項の適用はあるのでしょうか。
【 回答要旨】
国外の支店等において自ら使用するものを輸出する場合又は、国外において譲渡するための資産を輸出する場合には、対価を得て行う輸出取引ではありませんが、消費税法施行令第51条第3項及び第4項の規定により当該資産のFOB価格を課税売上割合の分母、分子に加算することになります。この規定は、当該資産に係る国内取引が譲渡によるものか貸付けによるものかに関係なく適用されるものですから、質問の場合においても、ビデオカメラのFOB価格を課税売上割合の分母、分子に加算することとなります。
【 関係法令通達】
消費税法第31条第2項、消費税法施行令第51条第3項、第4項
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
共有地の分割等
【 照会要旨】
次の土地取引については、所得税又は法人税の取扱いでは、土地の譲渡はなかったものとして取り扱うこととされていますが、消費税の取扱いはどうなるのでしょうか。(消費税の取扱いで、土地の譲渡があったものとする場合には、課税売上割合の計算において、取引の対象となった土地の時価を分母に算入することとなります。) 取 引 根 拠 通 達
1 共有地の分割 所基通33-1の6
法基通2-1-19
2 法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合 所基通33-6の6
法基通2-1-20
3 道路の付替え 法基通2-1-21
【 回答要旨】
所得税又は法人税の取扱いにおいて、土地の譲渡はなかったものとして取り扱われる共有地の分割、法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合及び道路の付替えは、いずれも資産の譲渡に該当しないものとして取扱い、課税売上割合の計算上も分母に算入しないこととします。 ( 理由)
(1) 2以上の者が一の土地を共有している場合において、その共有地をそれぞれの共有持分に応じて分割し、それぞれ単独所有の土地としたときは、その共有地の分割は、一般的に共有持分の交換による譲渡であるとされています(昭42.8.25最高裁第一小法廷判決)。
しかし、元来、資産の共有関係というのは、将来において行われる持分に応じた分割のための過渡的な姿に過ぎないと考えられていることから(この考え方から、法人税及び所得税では、その分割による資産の譲渡はなかったものと取り扱っています。)、共有持分に応じた共有地の分割は資産の譲渡に該当しないものとして取り扱います。
(2) 法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合については、土地所有者相互間における相隣関係の問題として単に境界線を整理しただけのことであり、土地の所有権の実態に何らの変化はなかったと考えられることから、資産の譲渡に該当しないものとして取り扱います。
(3) 道路の付替えのための土地の交換についても、単に道路の位置を変更して土地の利用の円滑化を図ったという程度のものと認められることから、資産の譲渡に該当しないものとして取り扱います。
【 関係法令通達】
消費税法第2条第1項第8号
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
たまたま土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の承認
【 照会要旨】
土地の譲渡は非課税とされており、その譲渡対価は消費税法第30条第6項《課税売上割合》に規定する課税売上割合(以下、単に「課税売上割合」という。)の計算上資産の譲渡等の対価に含まれますが、土地の譲渡に伴う課税仕入れの額はその譲渡金額に比し一般的に少額であることから、課税売上割合を適用して仕入れに係る消費税額を計算した場合には、事業の実態を反映しないことがあります。
そこで、たまたま土地の譲渡対価の額があったことにより課税売上割合が減少する場合で、課税売上割合を適用して仕入れに係る消費税額を計算すると当該事業者の事業の実態を反映しないと認められるときは、課税売上割合に準ずる割合の承認を受けることができる取扱いはできないのでしょうか。
【 回答要旨】
土地の譲渡が単発のものであり、かつ、当該土地の譲渡がなかったとした場合には、事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、次の①又は②の割合のいずれか低い割合により課税売上割合に準ずる割合の承認を与えることとして差し支えないこととします。 ① 当該土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合(消費税法施行令第53条第3項《通算課税売上割合の計算方法》に規定する計算方法により計算した割合をいう。)
② 当該土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合
なお、上記課税売上割合に準ずる割合によるまでもなく、消費税法基本通達11-2-19《共通用の課税仕入れ等を合理的な基準により区分した場合》によれば合理的に仕入税額の控除ができると認められる場合には、当該取扱いによるものとします。
(注)1 土地の譲渡がなかったとした場合に、事業の実態に変動がないと認められる場合とは、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内である場合とします。
2 この課税売上割合に準ずる割合の承認は、たまたま土地の譲渡があった場合に行うものですから、当該課税期間において適用したときは、翌課税期間において適用廃止届出書を提出させるものとし、提出がない場合には、その承認の取消しを行うものとします。
【 関係法令通達】
消費税法第30条第3項、消費税法施行令第47条、消費税法基本通達11-2-19
注記
平成16年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
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