コラム2006年07月10日 【ML耳より情報】 会社法による株式の多様化への対応と法人税法の同族会社区分(2006年7月10日号・№170)
会社法による株式の多様化への対応と法人税法の同族会社区分
議決権の行使に制限を付した株式
会社法の施行により、種類株式の設計が多様化されました。株主総会の議決権についての種類株式は2つあります。ひとつは、議決権の行使に制限を付した株式です。特定の決議事項について議決権を奪う、あるいは、完全に議決権をなくすことも可能です。もうひとつは、決議についての拒否権を付した株式、いわゆる黄金株です。取締役の選任解任に関する決議、組織再編等に関する決議などにおいて、黄金株を有する株主の承認を必要とするというものです。
種類株式を発行していなくても、株主ごとの異なる議決権の取扱いの定めをすることもできます。それぞれの株主が有する議決権数を、株式数の数によらず、頭数とすることもできます。
ただし、具体的な会社の種類株式の設計、持株割合の検討にあたっては、法人税法をも意識して行う必要があります。議決権の行使に制限を付した株式の定め方によっては、意図せずに、同族会社、特定同族会社、特殊支配同族会社となってしまうかもしれません。
同族会社・特定同族会社・特殊支配同族会社の判定
同族判定の判定には、2つの方法が採用されました。1人の株主とその特殊関係のある個人および法人に支配されている会社を1グループとして把握したうえで、上位3グループの持株割合を合計する方法と、上位1グループの持株割合だけで計算する方法です。持株割合が50%を超えれば、前者は「同族会社」、後者は「特定同族会社」と判定されます。また、会社の業務を主宰している役員とその特殊関係者を1グループとして把握したうえで、業務主宰役員グループの持株割合をが、90%以上となると、「特殊支配同族会社」と判定されます。平成18年度税制改正では、留保金課税制度も見直され、「特定同族会社」が留保金課税の対象となります。同族会社のうち、「特殊支配同族会社」に該当すれば、業務を主宰する役員に対して支給する給与の給与所得控除額が損金の額に算入されません。
法人税法上の同族会社区分と議決権等の割合判定の実質化
持株割合は、①株式数、②議決権、持分会社は③社員数により計算し、①組織再編等に関する決議、②役員の選解任に関する決議、③役員の職務執行の対価に関する事項の決議、④剰余金の配当等に関する決議のいずれかが50%超(あるいは90%以上)か否かにより判定します。さらには、実質的な議決権で判断されることに留意すべきです。議決権を行使するにあたり、自己の意思と同一の内容で行使することに同意している者がいる場合には、その者が有している議決権は、判定対象者が有するものとみなされ、かつ、判定対象者がその議決権に係る会社の株主等であるものとみなされます。
資本政策としての持株割合、さらには、種類株式の設計に留意するのはもちろんのことですが、目に見えぬ株主間契約も脅威です。会社法の施行により、会社の議決権の設計に関する自由度が高まったといえ、思わぬ増税とならぬよう、十分な注意が必要といえるでしょう。
taxMLグループ 公認会計士・税理士 大野貴史
議決権の行使に制限を付した株式
会社法の施行により、種類株式の設計が多様化されました。株主総会の議決権についての種類株式は2つあります。ひとつは、議決権の行使に制限を付した株式です。特定の決議事項について議決権を奪う、あるいは、完全に議決権をなくすことも可能です。もうひとつは、決議についての拒否権を付した株式、いわゆる黄金株です。取締役の選任解任に関する決議、組織再編等に関する決議などにおいて、黄金株を有する株主の承認を必要とするというものです。
種類株式を発行していなくても、株主ごとの異なる議決権の取扱いの定めをすることもできます。それぞれの株主が有する議決権数を、株式数の数によらず、頭数とすることもできます。
ただし、具体的な会社の種類株式の設計、持株割合の検討にあたっては、法人税法をも意識して行う必要があります。議決権の行使に制限を付した株式の定め方によっては、意図せずに、同族会社、特定同族会社、特殊支配同族会社となってしまうかもしれません。
同族会社・特定同族会社・特殊支配同族会社の判定
同族判定の判定には、2つの方法が採用されました。1人の株主とその特殊関係のある個人および法人に支配されている会社を1グループとして把握したうえで、上位3グループの持株割合を合計する方法と、上位1グループの持株割合だけで計算する方法です。持株割合が50%を超えれば、前者は「同族会社」、後者は「特定同族会社」と判定されます。また、会社の業務を主宰している役員とその特殊関係者を1グループとして把握したうえで、業務主宰役員グループの持株割合をが、90%以上となると、「特殊支配同族会社」と判定されます。平成18年度税制改正では、留保金課税制度も見直され、「特定同族会社」が留保金課税の対象となります。同族会社のうち、「特殊支配同族会社」に該当すれば、業務を主宰する役員に対して支給する給与の給与所得控除額が損金の額に算入されません。
法人税法上の同族会社区分と議決権等の割合判定の実質化
持株割合は、①株式数、②議決権、持分会社は③社員数により計算し、①組織再編等に関する決議、②役員の選解任に関する決議、③役員の職務執行の対価に関する事項の決議、④剰余金の配当等に関する決議のいずれかが50%超(あるいは90%以上)か否かにより判定します。さらには、実質的な議決権で判断されることに留意すべきです。議決権を行使するにあたり、自己の意思と同一の内容で行使することに同意している者がいる場合には、その者が有している議決権は、判定対象者が有するものとみなされ、かつ、判定対象者がその議決権に係る会社の株主等であるものとみなされます。
資本政策としての持株割合、さらには、種類株式の設計に留意するのはもちろんのことですが、目に見えぬ株主間契約も脅威です。会社法の施行により、会社の議決権の設計に関する自由度が高まったといえ、思わぬ増税とならぬよう、十分な注意が必要といえるでしょう。
taxMLグループ 公認会計士・税理士 大野貴史
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