資料2006年10月16日 【税務関連資料】 給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A(2006年10月16日号・№183)
重要資料
給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A
平成18年3月31日に公布された所得税法等の一部を改正する等の法律(平成18年法律第10号)により給与所得の源泉徴収票、給与等の支払明細書及び特定口座年間取引報告書(以下、「給与所得の源泉徴収票等」といいます。)の交付に関する規定が改正され、平成19年1月1日以後に交付する給与所得の源泉徴収票等について、一定の要件の下で、書面による交付に代えて、電磁的方法により提供することができることとされました。
このQ&Aは、その改正内容等を周知するため、これまで寄せられた主だった御質問に対する回答を取りまとめたものです。
1.基本的な事項
(問1)
給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)制度とは、どのような制度か。
(答)
平成19年1月1日以後、給与支払者(交付者)は、受給者(交付を受ける者)への書面による給与所得の源泉徴収票及び給与等の支払明細書(以下「給与所得の源泉徴収票等」といいます。)の交付に代えて、その受給者(交付を受ける者)の承諾を得て、その給与所得の源泉徴収票等に記載すべき事項を電磁的方法により提供(電子交付)することができることとされました(所法226④、231②)。
ただし、源泉徴収票等の電子交付について受給者(交付を受ける者)から承諾を得ている場合であっても書面による交付の請求があるときは、書面により給与所得の源泉徴収票等を交付しなければなりません(所法226④ただし書、231②ただし書)。
(問2)
給与支払者(交付者)が受給者(交付を受ける者)に対して、給与所得の源泉徴収票等を電子交付するためには、どのようなことが必要か。
(答)
給与支払者(交付者)が電子交付するためには次のことが必要です。
① 受給者(交付を受ける者)に対し、あらかじめ、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、電磁的方法又は書面で承諾を得ること(所令352の2①、所令356①)
② 電磁的方法について、次の基準を満たしていること
イ 映像面への表示及び書面への出力ができること(所規95の2②一)
ロ 受給者(交付を受ける者)に対し、受信者ファイルに記録(電子交付)する(した)旨を通知すること(所規95の2②二)
ただし、給与所得の源泉徴収票等データを受給者(交付を受ける者)の使用するパソコンに直接送信する場合やフロッピーディスク等の磁気媒体等に記録して交付する場合を除きます。
③ 受給者(交付を受ける者)から請求があるときは、書面により交付すること(所法226④ただし書、231②ただし書)
(問3)
給与所得の源泉徴収票等の電子交付には、どのような方法があるのか。
(答)
電子交付の方法には、次の方法があります。
① 電子メールを利用する方法
電子メールにより、受給者(交付を受ける者)の使用するパソコン又は受給者が契約しているデータセンター等に給与所得の源泉徴収票等データを送信し、これらのパソコンやデータセンター等に備えられた受信者ファイルに記録する方法(所規95の2①一イ)
② 社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する方法
給与支払者(交付者)や給与支払者が契約しているデータセンター等のサーバ内にあるファイルに記録されている給与所得の源泉徴収票等データを受給者(交付を受ける者)に対し社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する方法(所規95の2①一ロ)
③ フロッピーディスク、MO、CD-ROM等の磁気媒体等に記録して交付する方法
給与所得の源泉徴収票等データを記録したフロッピーディスク、MO、CD-ROM等の磁気媒体
等に記録して交付する方法(所規95の2①二)
なお、これらの電子交付の方法については、次の基準を満たすものでなければなりません(所規95の2②)。
・ 受給者(交付を受ける者)ごとに作成されたファイル(以下「受信者ファイル」といいます。)に記録されている記載事項について、受給者(交付を受ける者)が電子計算機の映像面への表示及び書面への出力ができるようにするための措置を講じていること。
・ 上記①及び②の電子交付の方法(ただし、電子メールを受給者(交付を受ける者)の使用するパソコンに直接送信する場合を除きます。)にあっては、受給者(交付を受ける者)に対し、記載事項を受信者ファイルに記録する旨又は記録した旨を通知するものであること。ただし、受給者(交付を受ける者)が当該記載事項を閲覧していたことを確認したときは、通知する必要はありません。
(問4)
給与所得の源泉徴収票等の電子交付はいつからできるのか。
(答)
平成19年1月1日以後に交付するものから電子交付することができます。
(問5)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付する場合、そのデータを改変できないような措置をすることが必要か。
(答)
給与支払者(交付者)と受給者(交付を受ける者)との間では、法令上、改変できないような措置は求められていません。ただし、電子データは改変が容易に行える一面もあるため、真実性等を担保するためには、電子署名を付し電子証明書を添付することをお勧めします。
(注)電子交付する給与所得の源泉徴収票のうち、国税庁が定める一定のデータ形式で作成し、かつ、給与支払者(交付者)の電子署名を付したものは、受給者(交付を受ける者)が国税電子申告・納税システム(e-Tax)により確定申告を行う際、その添付書類としてオンライン送信が可能となります。
なお、オンライン送信が可能なデータ形式の仕様等については、「源泉徴収票のオンライン送信に係る仕様公開」(http://www.e-tax.nta.go.jp/shiyou/shiyou-withholding.html)をご覧ください。
2.事前承諾
(問6)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付するためには、あらかじめ受給者(交付を受ける者)に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、電磁的方法又は書面による承諾を得なければならないとされているが、具体的にどのように承諾を得ればいいのか。
(答)
受給者(交付を受ける者)から電子交付に関する承諾を得る場合の記載事項や書式等について、法令上定めはありませんが、次のような事項を受給者(交付を受ける者)に対して電磁的方法により示し、「電子交付について承諾する旨、承諾日、受給者氏名」などを入力してもらうことによって、承諾を得ることが考えられます。
① 電子交付する書類の名称(給与所得の源泉徴収票、給与支払明細書の別)
② 電磁的方法の種類やその具体的な方法
・電子メールにより交付する場合…電子メールにより送信する旨、電子メールのアドレス等
・社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する場合…源泉徴収票データを閲覧に供する旨、源泉徴収票データを掲載するホームページアドレスや閲覧方法等
・磁気媒体等により交付する場合…交付する媒体の種類等
③ 受信者ファイルへの記録方法(XML形式、PDF形式、暗号化して受信者ファイルに記録する旨及びその復号化方法等)
④ 交付予定日(毎年○月○日までに交付、給与支給日に交付等)
⑤ 交付開始日
⑥ その他参考となる事項
また、上記の事項を記載した書面を受給者(交付を受ける者)に交付し、その書面に「電子交付について承諾する旨、承諾日、受給者氏名」などを記載してもらう方法なども考えられます。
(問7)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付するため、受給者(交付を受ける者)から得る承諾は電子交付を行う都度必要か。
(答)
受給者(交付を受ける者)から、事前に電子交付について承諾を得ている場合には、給与所得の源泉徴収票等の提供の都度、承諾を得る必要はありません。
ただし、一旦承諾を得た受給者(交付を受ける者)から電磁的方法又は書面により電子交付を受けない旨の申出があった場合には、その申出以後、改めて電子交付を受ける旨の申出があるまでの間、その受給者(交付を受ける者)に対して電子交付はできません。
3.通知及び交付
(問8)
給与所得の源泉徴収票等を会社のサーバ内に保存し、社内LAN・WANを利用して閲覧できるような方法をとった場合、閲覧可能となった旨の受給者(交付を受ける者)への通知は、具体的にどのような方法で行えばよいのか。
(答)
通知の方法については法令上、規定されていませんので、適宜の方法(例えば、電子メール、書面、口頭、電話等)で行って差し支えありません。
ただし、受給者(交付を受ける者)が給与所得の源泉徴収票等を閲覧したことを給与支払者(交付者)が確認した場合には、通知を省略しても差し支えありません。
(問9)
給与所得の源泉徴収票を電子交付する場合、給与所得の源泉徴収票は所得税法施行規則別表第6(1)に規定されている様式でなければいけないのか。
(答)
電子交付する場合は、所得税法施行規則別表第6(1)に規定する記載事項を網羅していれば、必ずしもこの様式で提供する必要はありませんが、電子交付を受けた受給者(交付を受ける者)がその記録内容を確認できるようにする必要がありますので、この様式での交付をお勧めします。
なお、電子交付する給与所得の源泉徴収票のうち、国税庁が定める一定のデータ形式で作成し、かつ、給与支払者(交付者)の電子署名を付したものは、受給者(交付を受ける者)が国税電子申告・納税システム(e-Tax)により確定申告を行う際、その添付書類としてオンライン送信が可能となるほか、国税庁が提供するスタイルシート(様式情報)を利用することにより所得税法施行規則別表第6(1)の様式で記録内容を確認することができます。
国税庁が定める一定のデータ形式については、「源泉徴収票のオンライン送信に係る仕様公開」(http://www.e-tax.nta.go.jp/shiyou/shiyou-withholding.html)をご覧ください。
(注)1電子交付する給与所得の源泉徴収票は、書面で交付したものと区分するため、「摘要」欄に「電子交付」と表示するなど電子交付であることが分かるようにしてください。
2所得税法施行規則別表6(1)に規定する様式で画面表示等するために必要なスタイルシート(様式情報)は、国税庁のWeb上にて提供する予定ですので、上記仕様に基づいてデータを作成することにより、19年1月以降当該スタイルシートを利用し、給与所得の源泉徴収票の内容を確認することができます。
4.映像面への表示
(問10)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付する場合の「電子計算機の映像面への表示ができる措置」とは具体的にはどのようなことか。
(答)
受給者(交付を受ける者)が電子交付を受けたデータをパソコンのディスプレイに映像で表示でき、可視できる状況であれば、差し支えありません。
なお、文字がコード化されているなど、受給者(交付を受ける者)が内容(文字・数字等)を判断できないようなデータである場合には、映像面への表示ができることにはなりません。
(問11)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付する場合、受給者(交付を受ける者)が書面で出力できることが必要とされているが、受給者(交付を受ける者)がプリンターを有しており印刷できるかどうかを確認する必要があるか。
(答)
電子交付する場合、書面への出力ができることが要件のひとつとなっていますが、ここでいう要件は、電子交付した給与所得の源泉徴収票等データがプリンター等で出力可能かどうかのことであり、受給者(交付を受ける者)がプリンターを有しているかどうかを問うものではありません。
5.書面交付の請求
(問12)
給与所得の源泉徴収票等の電子交付を受けた受給者(交付を受ける者)が、書面による給与所得の源泉徴収票等の交付を希望する場合、給与支払者(交付者)への請求方法は決められているのか。
(答)
適宜の方法(例えば、電子メール、書面、口頭、電話等)で請求をして差し支えありません。
(問13)
給与所得の源泉徴収票等の電子交付を受けた者が、書面による交付に変更する場合には、どのような手続が必要か。
(答)
給与支払者(交付者)に電磁的方法又は書面により、その旨を申し出てください。
例えば、「電子交付に代えて、○年分以後の給与所得の源泉徴収票(○年○月分以後の給与等の支払明細書)から書面による交付を受けたいので届出します。」などと給与支払者(交付者)に申し出てください。
6.電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票の取扱い
(問14)
国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用して申告する場合、電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票を添付資料として送信することは可能か。
(答)
電子交付する給与所得の源泉徴収票のうち、国税庁が定める一定のデータ形式で作成し、かつ、給与支払者(交付者)の電子署名を付したものは、受給者(交付を受ける者)が国税電子申告・納税システム(e-Tax)により確定申告を行う際、その添付書類としてオンライン送信が可能となります。
なお、オンライン送信が可能なデータ形式の仕様等については、「源泉徴収票のオンライン送信に係る仕様公開」(http://www.e-tax.nta.go.jp/shiyou/shiyou-withholding.html)をご覧ください。
また、データ形式の異なる給与所得の源泉徴収票や電子署名がない給与所得の源泉徴収票は、国税電子申告・納税システム(e-Tax)では受け付けられませんので、電子申告する場合には、要件を満たすデータの形式で発行してもらうか、書面により給与所得の源泉徴収票の交付を受けた上で、申告した税務署へ別送してください。
(問15)
電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付してもよいか。
(答)
確定申告書に添付する給与所得の源泉徴収票は、法令上、給与支払者(交付者)から書面で交付を受けたものと規定されていますので、電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付することはできません。給与支払者(交付者)から、書面により給与所得の源泉徴収票の交付を受けた上で、確定申告書に添付してください(所令262③)。
(出典:国税庁)
給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)に係るQ&A
平成18年3月31日に公布された所得税法等の一部を改正する等の法律(平成18年法律第10号)により給与所得の源泉徴収票、給与等の支払明細書及び特定口座年間取引報告書(以下、「給与所得の源泉徴収票等」といいます。)の交付に関する規定が改正され、平成19年1月1日以後に交付する給与所得の源泉徴収票等について、一定の要件の下で、書面による交付に代えて、電磁的方法により提供することができることとされました。
このQ&Aは、その改正内容等を周知するため、これまで寄せられた主だった御質問に対する回答を取りまとめたものです。
1.基本的な事項
(問1)
給与所得の源泉徴収票等の電磁的方法による提供(電子交付)制度とは、どのような制度か。
(答)
平成19年1月1日以後、給与支払者(交付者)は、受給者(交付を受ける者)への書面による給与所得の源泉徴収票及び給与等の支払明細書(以下「給与所得の源泉徴収票等」といいます。)の交付に代えて、その受給者(交付を受ける者)の承諾を得て、その給与所得の源泉徴収票等に記載すべき事項を電磁的方法により提供(電子交付)することができることとされました(所法226④、231②)。
ただし、源泉徴収票等の電子交付について受給者(交付を受ける者)から承諾を得ている場合であっても書面による交付の請求があるときは、書面により給与所得の源泉徴収票等を交付しなければなりません(所法226④ただし書、231②ただし書)。
(問2)
給与支払者(交付者)が受給者(交付を受ける者)に対して、給与所得の源泉徴収票等を電子交付するためには、どのようなことが必要か。
(答)
給与支払者(交付者)が電子交付するためには次のことが必要です。
① 受給者(交付を受ける者)に対し、あらかじめ、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、電磁的方法又は書面で承諾を得ること(所令352の2①、所令356①)
② 電磁的方法について、次の基準を満たしていること
イ 映像面への表示及び書面への出力ができること(所規95の2②一)
ロ 受給者(交付を受ける者)に対し、受信者ファイルに記録(電子交付)する(した)旨を通知すること(所規95の2②二)
ただし、給与所得の源泉徴収票等データを受給者(交付を受ける者)の使用するパソコンに直接送信する場合やフロッピーディスク等の磁気媒体等に記録して交付する場合を除きます。
③ 受給者(交付を受ける者)から請求があるときは、書面により交付すること(所法226④ただし書、231②ただし書)
(問3)
給与所得の源泉徴収票等の電子交付には、どのような方法があるのか。
(答)
電子交付の方法には、次の方法があります。
① 電子メールを利用する方法
電子メールにより、受給者(交付を受ける者)の使用するパソコン又は受給者が契約しているデータセンター等に給与所得の源泉徴収票等データを送信し、これらのパソコンやデータセンター等に備えられた受信者ファイルに記録する方法(所規95の2①一イ)
② 社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する方法
給与支払者(交付者)や給与支払者が契約しているデータセンター等のサーバ内にあるファイルに記録されている給与所得の源泉徴収票等データを受給者(交付を受ける者)に対し社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する方法(所規95の2①一ロ)
③ フロッピーディスク、MO、CD-ROM等の磁気媒体等に記録して交付する方法
給与所得の源泉徴収票等データを記録したフロッピーディスク、MO、CD-ROM等の磁気媒体
等に記録して交付する方法(所規95の2①二)
なお、これらの電子交付の方法については、次の基準を満たすものでなければなりません(所規95の2②)。
・ 受給者(交付を受ける者)ごとに作成されたファイル(以下「受信者ファイル」といいます。)に記録されている記載事項について、受給者(交付を受ける者)が電子計算機の映像面への表示及び書面への出力ができるようにするための措置を講じていること。
・ 上記①及び②の電子交付の方法(ただし、電子メールを受給者(交付を受ける者)の使用するパソコンに直接送信する場合を除きます。)にあっては、受給者(交付を受ける者)に対し、記載事項を受信者ファイルに記録する旨又は記録した旨を通知するものであること。ただし、受給者(交付を受ける者)が当該記載事項を閲覧していたことを確認したときは、通知する必要はありません。
(問4)
給与所得の源泉徴収票等の電子交付はいつからできるのか。
(答)
平成19年1月1日以後に交付するものから電子交付することができます。
(問5)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付する場合、そのデータを改変できないような措置をすることが必要か。
(答)
給与支払者(交付者)と受給者(交付を受ける者)との間では、法令上、改変できないような措置は求められていません。ただし、電子データは改変が容易に行える一面もあるため、真実性等を担保するためには、電子署名を付し電子証明書を添付することをお勧めします。
(注)電子交付する給与所得の源泉徴収票のうち、国税庁が定める一定のデータ形式で作成し、かつ、給与支払者(交付者)の電子署名を付したものは、受給者(交付を受ける者)が国税電子申告・納税システム(e-Tax)により確定申告を行う際、その添付書類としてオンライン送信が可能となります。
なお、オンライン送信が可能なデータ形式の仕様等については、「源泉徴収票のオンライン送信に係る仕様公開」(http://www.e-tax.nta.go.jp/shiyou/shiyou-withholding.html)をご覧ください。
2.事前承諾
(問6)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付するためには、あらかじめ受給者(交付を受ける者)に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、電磁的方法又は書面による承諾を得なければならないとされているが、具体的にどのように承諾を得ればいいのか。
(答)
受給者(交付を受ける者)から電子交付に関する承諾を得る場合の記載事項や書式等について、法令上定めはありませんが、次のような事項を受給者(交付を受ける者)に対して電磁的方法により示し、「電子交付について承諾する旨、承諾日、受給者氏名」などを入力してもらうことによって、承諾を得ることが考えられます。
① 電子交付する書類の名称(給与所得の源泉徴収票、給与支払明細書の別)
② 電磁的方法の種類やその具体的な方法
・電子メールにより交付する場合…電子メールにより送信する旨、電子メールのアドレス等
・社内LAN・WANやインターネット等を利用して閲覧に供する場合…源泉徴収票データを閲覧に供する旨、源泉徴収票データを掲載するホームページアドレスや閲覧方法等
・磁気媒体等により交付する場合…交付する媒体の種類等
③ 受信者ファイルへの記録方法(XML形式、PDF形式、暗号化して受信者ファイルに記録する旨及びその復号化方法等)
④ 交付予定日(毎年○月○日までに交付、給与支給日に交付等)
⑤ 交付開始日
⑥ その他参考となる事項
また、上記の事項を記載した書面を受給者(交付を受ける者)に交付し、その書面に「電子交付について承諾する旨、承諾日、受給者氏名」などを記載してもらう方法なども考えられます。
(問7)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付するため、受給者(交付を受ける者)から得る承諾は電子交付を行う都度必要か。
(答)
受給者(交付を受ける者)から、事前に電子交付について承諾を得ている場合には、給与所得の源泉徴収票等の提供の都度、承諾を得る必要はありません。
ただし、一旦承諾を得た受給者(交付を受ける者)から電磁的方法又は書面により電子交付を受けない旨の申出があった場合には、その申出以後、改めて電子交付を受ける旨の申出があるまでの間、その受給者(交付を受ける者)に対して電子交付はできません。
3.通知及び交付
(問8)
給与所得の源泉徴収票等を会社のサーバ内に保存し、社内LAN・WANを利用して閲覧できるような方法をとった場合、閲覧可能となった旨の受給者(交付を受ける者)への通知は、具体的にどのような方法で行えばよいのか。
(答)
通知の方法については法令上、規定されていませんので、適宜の方法(例えば、電子メール、書面、口頭、電話等)で行って差し支えありません。
ただし、受給者(交付を受ける者)が給与所得の源泉徴収票等を閲覧したことを給与支払者(交付者)が確認した場合には、通知を省略しても差し支えありません。
(問9)
給与所得の源泉徴収票を電子交付する場合、給与所得の源泉徴収票は所得税法施行規則別表第6(1)に規定されている様式でなければいけないのか。
(答)
電子交付する場合は、所得税法施行規則別表第6(1)に規定する記載事項を網羅していれば、必ずしもこの様式で提供する必要はありませんが、電子交付を受けた受給者(交付を受ける者)がその記録内容を確認できるようにする必要がありますので、この様式での交付をお勧めします。
なお、電子交付する給与所得の源泉徴収票のうち、国税庁が定める一定のデータ形式で作成し、かつ、給与支払者(交付者)の電子署名を付したものは、受給者(交付を受ける者)が国税電子申告・納税システム(e-Tax)により確定申告を行う際、その添付書類としてオンライン送信が可能となるほか、国税庁が提供するスタイルシート(様式情報)を利用することにより所得税法施行規則別表第6(1)の様式で記録内容を確認することができます。
国税庁が定める一定のデータ形式については、「源泉徴収票のオンライン送信に係る仕様公開」(http://www.e-tax.nta.go.jp/shiyou/shiyou-withholding.html)をご覧ください。
(注)1電子交付する給与所得の源泉徴収票は、書面で交付したものと区分するため、「摘要」欄に「電子交付」と表示するなど電子交付であることが分かるようにしてください。
2所得税法施行規則別表6(1)に規定する様式で画面表示等するために必要なスタイルシート(様式情報)は、国税庁のWeb上にて提供する予定ですので、上記仕様に基づいてデータを作成することにより、19年1月以降当該スタイルシートを利用し、給与所得の源泉徴収票の内容を確認することができます。
4.映像面への表示
(問10)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付する場合の「電子計算機の映像面への表示ができる措置」とは具体的にはどのようなことか。
(答)
受給者(交付を受ける者)が電子交付を受けたデータをパソコンのディスプレイに映像で表示でき、可視できる状況であれば、差し支えありません。
なお、文字がコード化されているなど、受給者(交付を受ける者)が内容(文字・数字等)を判断できないようなデータである場合には、映像面への表示ができることにはなりません。
(問11)
給与所得の源泉徴収票等を電子交付する場合、受給者(交付を受ける者)が書面で出力できることが必要とされているが、受給者(交付を受ける者)がプリンターを有しており印刷できるかどうかを確認する必要があるか。
(答)
電子交付する場合、書面への出力ができることが要件のひとつとなっていますが、ここでいう要件は、電子交付した給与所得の源泉徴収票等データがプリンター等で出力可能かどうかのことであり、受給者(交付を受ける者)がプリンターを有しているかどうかを問うものではありません。
5.書面交付の請求
(問12)
給与所得の源泉徴収票等の電子交付を受けた受給者(交付を受ける者)が、書面による給与所得の源泉徴収票等の交付を希望する場合、給与支払者(交付者)への請求方法は決められているのか。
(答)
適宜の方法(例えば、電子メール、書面、口頭、電話等)で請求をして差し支えありません。
(問13)
給与所得の源泉徴収票等の電子交付を受けた者が、書面による交付に変更する場合には、どのような手続が必要か。
(答)
給与支払者(交付者)に電磁的方法又は書面により、その旨を申し出てください。
例えば、「電子交付に代えて、○年分以後の給与所得の源泉徴収票(○年○月分以後の給与等の支払明細書)から書面による交付を受けたいので届出します。」などと給与支払者(交付者)に申し出てください。
6.電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票の取扱い
(問14)
国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用して申告する場合、電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票を添付資料として送信することは可能か。
(答)
電子交付する給与所得の源泉徴収票のうち、国税庁が定める一定のデータ形式で作成し、かつ、給与支払者(交付者)の電子署名を付したものは、受給者(交付を受ける者)が国税電子申告・納税システム(e-Tax)により確定申告を行う際、その添付書類としてオンライン送信が可能となります。
なお、オンライン送信が可能なデータ形式の仕様等については、「源泉徴収票のオンライン送信に係る仕様公開」(http://www.e-tax.nta.go.jp/shiyou/shiyou-withholding.html)をご覧ください。
また、データ形式の異なる給与所得の源泉徴収票や電子署名がない給与所得の源泉徴収票は、国税電子申告・納税システム(e-Tax)では受け付けられませんので、電子申告する場合には、要件を満たすデータの形式で発行してもらうか、書面により給与所得の源泉徴収票の交付を受けた上で、申告した税務署へ別送してください。
(問15)
電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付してもよいか。
(答)
確定申告書に添付する給与所得の源泉徴収票は、法令上、給与支払者(交付者)から書面で交付を受けたものと規定されていますので、電子交付を受けた給与所得の源泉徴収票をプリントアウトして確定申告書に添付することはできません。給与支払者(交付者)から、書面により給与所得の源泉徴収票の交付を受けた上で、確定申告書に添付してください(所令262③)。
(出典:国税庁)
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