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税務ニュース2004年05月07日 「金融資産性所得課税の一体化」財務省主税局 永長氏が講演 譲渡所得と他の所得とは一定の線引きが必要

 (社)日本租税研究協会(会長 今井敬氏)は、4月28日、講師に財務省主税局調査課長 永長正士氏を招き金融資産性所得課税の一体化について講演会を開催した。
 この中で永長氏は、金融資産性所得課税の一体化の趣旨を、「税率を揃え、投資家の手間を省くことであり、“貯蓄から投資へ”という政策要請を受けた政策税制である」と話した。また、金融資産性所得課税の一体化を二元的所得課税の一環(ステップ)と捉えるには時期尚早であり、金融資産性所得課税の導入によって所得税法そのものを変えるというところまでは至っていないとの認識を明らかにした。
 損益通算については、その定義を「異なる所得の種類の間での通算のこと」とし、譲渡所得の損益通算について、「二元的所得課税国ですら資本所得の中でハードルを持っており、譲渡所得と他の所得とは一定の線引きが必要だ」との認識を示した。また、資産滅失については、滅失は譲渡という基準行為がない(譲渡損未発生)のため、ベンチャー投資を除き、無価値になったものについて所有者を特定できないところに問題が残ると述べ、諸外国がキャピタル・ロスとしてのみ通算していることを例に挙げた。
 最後に、納税者番号制度について、“納税者番号”を別名“金融番号”“損益通算番号”と称し、納税者番号制度は、あくまで金融資産性所得の損益通算を希望する納税者に限る選択制であり、この制度が税務行政の魔法の杖となることはないとの認識を示した。
 

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