コラム2008年10月13日 【編集部レポート】 民事再生手続の申立て等による監査人の辞任が相次ぐ(2008年10月13日号・№278)
民事再生手続の申立て等による監査人の辞任が相次ぐ
平成20年第2四半期での監査人の交代企業一覧
本誌編集部が平成20年7月1日から9月30日までの第2四半期の東京証券取引所の適時開示資料を基に調査したところでは、34社で監査人の交代を行う旨の開示が行われていることがわかった(20頁以下参照)。民事再生手続の申立ての開始などにより、監査人を辞任する事例が目立った。上場廃止(または上場廃止予定)した企業も8社あった。
任期途中で辞任するケースも 本誌編集部の調査によれば、平成20年7月1日から9月末までに監査人の交代を行う旨を開示した企業は34社となっている。
交代理由としては、「任期満了」を挙げる企業が12社と多いものの、今回は任期途中も含め、監査人から「辞任」するケースが増加している。
ゼファー、三平建設、キョーエイ産業については、民事再生手続の申立てに伴い、監査人が辞任している。プロデュースでは、証券取引等監視委員会からの強制調査を受けたことなどの理由で、また、ランドコムでは半期報告書の完成の目途が立たないなどの理由によりそれぞれ監査契約が解除されている。
これらの企業を含め、8社が上場廃止もしくは上場廃止予定となっている。
監査法人解散が理由 そのほか、大森屋については、監査人であった監査法人東明会計社が平成20年6月30日に解散したことにより、監査人の交代を余儀なくされている。
また、北沢産業については、監査人であった永和監査法人が監査実施における人的資源の不足を理由に辞任している。
監査報酬の増加等で合意に至らず また、監査報酬の水準を巡って監査法人側と監査契約の合意ができなかったケースも見受けられた。日本製麻、STEILARC.K.M、ドーンが挙げられる。
内部統制報告制度や四半期報告制度の導入などを受け、監査報酬の引上げがなされるケースも多い。今後も、監査報酬の引上げ等を理由に監査契約が合意に至らないケースが出てきそうだ。
平成20年第2四半期での監査人の交代企業一覧
本誌編集部が平成20年7月1日から9月30日までの第2四半期の東京証券取引所の適時開示資料を基に調査したところでは、34社で監査人の交代を行う旨の開示が行われていることがわかった(20頁以下参照)。民事再生手続の申立ての開始などにより、監査人を辞任する事例が目立った。上場廃止(または上場廃止予定)した企業も8社あった。
任期途中で辞任するケースも 本誌編集部の調査によれば、平成20年7月1日から9月末までに監査人の交代を行う旨を開示した企業は34社となっている。
交代理由としては、「任期満了」を挙げる企業が12社と多いものの、今回は任期途中も含め、監査人から「辞任」するケースが増加している。
ゼファー、三平建設、キョーエイ産業については、民事再生手続の申立てに伴い、監査人が辞任している。プロデュースでは、証券取引等監視委員会からの強制調査を受けたことなどの理由で、また、ランドコムでは半期報告書の完成の目途が立たないなどの理由によりそれぞれ監査契約が解除されている。
これらの企業を含め、8社が上場廃止もしくは上場廃止予定となっている。
監査法人解散が理由 そのほか、大森屋については、監査人であった監査法人東明会計社が平成20年6月30日に解散したことにより、監査人の交代を余儀なくされている。
また、北沢産業については、監査人であった永和監査法人が監査実施における人的資源の不足を理由に辞任している。
監査報酬の増加等で合意に至らず また、監査報酬の水準を巡って監査法人側と監査契約の合意ができなかったケースも見受けられた。日本製麻、STEILARC.K.M、ドーンが挙げられる。
内部統制報告制度や四半期報告制度の導入などを受け、監査報酬の引上げがなされるケースも多い。今後も、監査報酬の引上げ等を理由に監査契約が合意に至らないケースが出てきそうだ。
監査人の交代一覧(H20.7.1~9.30公表分)
会社名 | 上場区分 | 新監査人 | 旧監査人 | 交代理由 |
大森屋 | ジャスダック | 大阪監査法人 | 監査法人東明会計社 | 監査法人解散のため辞任(任期途中) |
日本製麻 | 東証2部 | なぎさ監査法人 | あずさ監査法人 | 内部統制の強化に伴う費用の増加などにより、契約の最終同意に至らず |
セイクレスト | ジャスダック | 明誠監査法人 | あずさ監査法人 | 契約終了 |
STEILAR C.K.M | ジャスダック | アスカ監査法人 | 太陽ASG有限責任監査法人 | 今後の監査報酬の水準について協議を進めたが、経営状況等を勘案した結果、合意に至らず |
ビジネス・ワンホールディングス | Q-Board | 監査法人ハイビスカス | 三優監査法人 | 辞任(任期途中) |
エンシュウ | 東証1部 | 仰星監査法人 | あずさ監査法人 | 企業規模、事業内容等から監査法人から提示された諸条件について同意できず |
ソリッドグループホールディングス(現:カーチス) | 東証2部 | 清和監査法人 | 監査法人ウィングパートナーズ | 辞任(任期途中) |
YOZAN | ジャスダック(9月1日上場廃止) | 未定 | 監査法人ブレインワーク | 辞任(上場維持を前提とした合理的な事業計画の策定が未了のため、これ以上の監査継続は困難) |
アライヴコミュニティ(現:ルーデン・ホールディングス) | ヘラクレス | 霞友監査法人 | 明誠監査法人 | 就任辞退(経営陣の変更など監査法人が予期しなかった経営環境の大きな変化があったが、その後のコーポレートガバナンスの信頼性を十分に確認できなかったため) |
ファーマライズ | ジャスダック | 優成監査法人 | 新日本有限責任監査法人 | 任期満了 |
ゼファー | 東証1部(8月19日上場廃止) | 鈴木誠公認会計士事務所、福井公認会計士事務所 | 新日本有限責任監査法人 | 辞任(民事再生手続の申立てに伴うもの) |
トッキ | ジャスダック | 新日本有限責任監査法人 | あずさ監査法人 | 任期満了(親会社に統一) |
三平建設 | ジャスダック(8月25日上場廃止) | 清和監査法人 | 新日本有限責任監査法人 | 辞任(民事再生手続の申立てに伴うもの) |
キョーエイ産業 | ジャスダック(8月19日上場廃止) | 未定 | 監査法人トーマツ | 辞任(民事再生手続の申立てに伴うもの) |
ビューティ花壇 | マザーズ | 監査法人トーマツ | 新日本有限責任監査法人 | 双方の合意により契約終了 |
高見澤 | ジャスダック | ながの公認会計士共同事務所(宮坂直慶、清水治良) | あずさ監査法人 | 任期満了 |
あいホールディングス | 東証1部 | あらた監査法人 | 新日本有限責任監査法人 | 任期満了 |
日本土建 | ジャスダック | 五十鈴監査法人 | 監査法人トーマツ | 任期満了 |
伊田テクノス | ジャスダック | 鈴木誠公認会計士事務所、公認会計士古村公久事務所 | 新日本有限責任監査法人 | 任期満了 |
ドーン | ヘラクレス | 東陽監査法人 | あらた監査法人 | 契約期間満了(事業内容や企業規模および監査報酬等を勘案) |
シーズクリエイト | 東証1部(10月27日上場廃止予定) | 公認会計士高田直史事務所、公認会計士岡田育大事務所 | 新日本有限責任監査法人 | 監査契約を合意解約(任期途中) |
カウボーイ | ジャスダック(11月1日上場廃止予定) | 監査法人ハイビスカス | 新日本有限責任監査法人 | 見解の相違により監査契約を合意解約(任期途中) |
丸和 | 福証 | 隆盛監査法人 | 監査法人トーマツ | 監査契約を合意解除(任期途中) |
ゼクス | 東証1部 | 監査法人ウィングパートナーズ | あずさ監査法人 | 辞任 |
北沢産業 | 東証1部 | 治田秀夫、高橋正一 | 永和監査法人 | 監査実施における人的資源の不足を理由に辞任(任期途中) |
ランシステム | ジャスダック | アスカ監査法人 | 新日本有限責任監査法人 | 任期満了 |
アトムリビンテック | ジャスダック | 監査法人よつば綜合事務所 | 優成監査法人 | 契約満了 |
ライフステージ | ヘラクレス | アクティブ監査法人 | 大阪監査法人 | 任期満了 |
エスグラントコーポレーション | セントレックス | アーク監査法人 | 優成監査法人 | 任期満了 |
かんなん丸 | ジャスダック | アスカ監査法人 | 新日本有限責任監査法人 | 任期満了(事業規模に対してより適当な監査を受けることを勘案) |
総和地所 | ジャスダック | 監査法人ウィングパートナーズ | 監査法人トーマツ | 辞任(任期途中) |
プロデュース | ジャスダック(10月27日上場廃止予定) | 未定 | 隆盛監査法人 | 監査契約を解除(証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反等の嫌疑で強制調査を受ける事態になったことなどによる)(任期途中) |
アイ・ピー・エス | ジャスダック | 霞が関監査法人 | さくら萌和監査法人 | 契約終了 |
ランドコム | 東証2部(10月30日上場廃止予定) | 未定 | 新日本有限責任監査法人 | 監査契約を合意解約(半期報告書の完成の目途が立たないため) |
※適時開示資料等を基に編集部が作成(公表順に掲載)
※交代せず一時会計監査人から会計監査人に選任したものは対象外
※大会社に該当することにより、あるいは取引所の有価証券上場規程により、会計監査人を選任しているものは対象外
※敬称略
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