コラム2008年10月27日 【SCOPE】 金融審議会第一部会で格付会社規制の検討開始(2008年10月27日号・№280)
開示制度の見直しはWGで実務的検討
金融審議会第一部会で格付会社規制の検討開始
金融審議会(会長:堀内昭義中央大学総合政策学部教授)の動きが今秋も活発化してきた。金融分科会第一部会(部会長:池尾和人慶應義塾大学経済学部教授)は10月15日、第53回目となる会合を開催。平成19年12月21日に金融庁が策定した「金融・資本市場競争力強化プラン」(以下「市場強化プラン」という)の実施等に伴う制度的な諸問題について検討を進める方針を明らかにした。
金融審議会における今秋の検討課題 金融審議会で今秋再開された会合と各会合における検討項目について、表1のようにまとめた。表中、第二部会における一部のワーキング・グループ(以下「WG」という)における検討には今夏から開始されているものもある。
このうち第一部会の会合は10月15日にスタート。今秋始まった検討では、市場強化プランの実施等に伴う制度的な諸問題につき検討を進めるとし、(1)格付会社に係る規制の枠組み、(2)金融商品取引所と商品取引所の相互乗入れ、(3)開示制度の見直しの3つが具体的な検討テーマとして示された。
当日の会合では、(1)について、格付会社を巡る議論状況に関し、事務局からこれまでの経緯を踏まえて説明がなされた(後述参照)。わが国においては、企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号)1条13号の2により金融庁長官が指定する形で「指定格付機関」が5社(格付投資情報センター、日本格付研究所、米ムーディーズ・インベスターズ・サービス、米スタンダード・アンド・プアーズ、英フィッチレーティングス)存在するが、各社からのヒアリングも行われている。
また(2)は、昨秋開始された第一部会においても「取引所における取扱商品の多様化」のための検討課題の一環として、ETFの多様化、排出権取引等の取扱いと並んで審議されていたもの(金融審議会金融分科会第一部会報告・平成19年12月18日参照)。市場強化プランでは、「金融商品及び金融取引は金融商品取引法の規制対象とし、商品デリバティブ取引は商品取引所法の規制対象とするという、両法制の枠組みの下で、……所要の制度整備について、平成20年中を目途に検討を進め、その後、すみやかな実現を図る」ものとされていた。
開示制度の見直しはディスクロージャーWGで 10月15日の会合においては、(3)に関し、既設の「ディスクロージャー・ワーキング・グループ」(以下「ディスクロージャーWG」という)を再開して実務的な検討を行う方針も表明された。検討課題は①発行登録制度、②有価証券の売出しの概念、③目論見書制度である。
①では、発行登録制度利用上の要件について、周知性要件(法5条4項2号)を中心に検討。②については、実務を踏まえて発行開示義務に係る「売出し」の定義を見直す。③では、投資家にとってさらにわかりやすい目論見書とする観点からの検討を行う。
ディスクロージャーWGは10月22日に第1回目の会合を開催。いずれの検討課題についても審議結果を踏まえ、必要な場合には何らかの改正が行われるものと考えられるが、詳細は追ってお伝えするものである。
なお、「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」については今号18頁を参照されたい。
格付会社に係る検討、何が問題となっているか 市場強化プランにおいて「格付会社のあり方についての検討」が取り上げられたのは、「昨今の証券化市場をめぐる状況の中で、様々な問題点が指摘されている」とし、「格付会社の利益相反防止のための措置や情報開示のあり方等について、……必要に応じ適切な対応を検討する」というものであるが、具体的な問題意識としては表2に掲げたものがわかりやすいだろう(また、三國仁司「格付評価の信頼性に係る諸問題」本誌239号24頁参照)。
規制のあり方については近時、国際的にもSECやECなどで検討が進む。IOSCOによる「信用格付機関の基本行動規範」改訂版の公表(今年5月)や格付各社の対応により利益相反回避等の観点からの取組みが図られるなか(金融市場戦略チーム第二次報告書・平成20年6月12日参照)、指定格付機関からの取得格付は有価証券届出書の記載事項とされるなど金融行政上も利用されており、慎重な検討が進められるものと考えられる。
金融審議会第一部会で格付会社規制の検討開始
金融審議会(会長:堀内昭義中央大学総合政策学部教授)の動きが今秋も活発化してきた。金融分科会第一部会(部会長:池尾和人慶應義塾大学経済学部教授)は10月15日、第53回目となる会合を開催。平成19年12月21日に金融庁が策定した「金融・資本市場競争力強化プラン」(以下「市場強化プラン」という)の実施等に伴う制度的な諸問題について検討を進める方針を明らかにした。
金融審議会における今秋の検討課題 金融審議会で今秋再開された会合と各会合における検討項目について、表1のようにまとめた。表中、第二部会における一部のワーキング・グループ(以下「WG」という)における検討には今夏から開始されているものもある。
このうち第一部会の会合は10月15日にスタート。今秋始まった検討では、市場強化プランの実施等に伴う制度的な諸問題につき検討を進めるとし、(1)格付会社に係る規制の枠組み、(2)金融商品取引所と商品取引所の相互乗入れ、(3)開示制度の見直しの3つが具体的な検討テーマとして示された。
当日の会合では、(1)について、格付会社を巡る議論状況に関し、事務局からこれまでの経緯を踏まえて説明がなされた(後述参照)。わが国においては、企業内容等の開示に関する内閣府令(昭和48年大蔵省令第5号)1条13号の2により金融庁長官が指定する形で「指定格付機関」が5社(格付投資情報センター、日本格付研究所、米ムーディーズ・インベスターズ・サービス、米スタンダード・アンド・プアーズ、英フィッチレーティングス)存在するが、各社からのヒアリングも行われている。
また(2)は、昨秋開始された第一部会においても「取引所における取扱商品の多様化」のための検討課題の一環として、ETFの多様化、排出権取引等の取扱いと並んで審議されていたもの(金融審議会金融分科会第一部会報告・平成19年12月18日参照)。市場強化プランでは、「金融商品及び金融取引は金融商品取引法の規制対象とし、商品デリバティブ取引は商品取引所法の規制対象とするという、両法制の枠組みの下で、……所要の制度整備について、平成20年中を目途に検討を進め、その後、すみやかな実現を図る」ものとされていた。
開示制度の見直しはディスクロージャーWGで 10月15日の会合においては、(3)に関し、既設の「ディスクロージャー・ワーキング・グループ」(以下「ディスクロージャーWG」という)を再開して実務的な検討を行う方針も表明された。検討課題は①発行登録制度、②有価証券の売出しの概念、③目論見書制度である。
①では、発行登録制度利用上の要件について、周知性要件(法5条4項2号)を中心に検討。②については、実務を踏まえて発行開示義務に係る「売出し」の定義を見直す。③では、投資家にとってさらにわかりやすい目論見書とする観点からの検討を行う。
ディスクロージャーWGは10月22日に第1回目の会合を開催。いずれの検討課題についても審議結果を踏まえ、必要な場合には何らかの改正が行われるものと考えられるが、詳細は追ってお伝えするものである。
なお、「我が国金融・資本市場の国際化に関するスタディグループ」については今号18頁を参照されたい。
格付会社に係る検討、何が問題となっているか 市場強化プランにおいて「格付会社のあり方についての検討」が取り上げられたのは、「昨今の証券化市場をめぐる状況の中で、様々な問題点が指摘されている」とし、「格付会社の利益相反防止のための措置や情報開示のあり方等について、……必要に応じ適切な対応を検討する」というものであるが、具体的な問題意識としては表2に掲げたものがわかりやすいだろう(また、三國仁司「格付評価の信頼性に係る諸問題」本誌239号24頁参照)。
規制のあり方については近時、国際的にもSECやECなどで検討が進む。IOSCOによる「信用格付機関の基本行動規範」改訂版の公表(今年5月)や格付各社の対応により利益相反回避等の観点からの取組みが図られるなか(金融市場戦略チーム第二次報告書・平成20年6月12日参照)、指定格付機関からの取得格付は有価証券届出書の記載事項とされるなど金融行政上も利用されており、慎重な検討が進められるものと考えられる。
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