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解説記事2009年02月02日 【ニュース特集】 非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度(2009年2月2日号・№293)

法案になった事業承継税制
非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度

 政府は平成21年1月24日、所得税法等の一部を改正する法律案を閣議決定し、国会に提出しました。同法律案においては、抜本的な事業承継税制の拡充(非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度の創設)が盛り込まれています。
 租税特別措置法(本法)に新設される条文は、措法70条の7から措法70条の7の4までの4条文となっていますが、規定される項数は4条の合計で73項にも及ぶ中身のある構成となっています。政令等委任事項も規定されているため制度の全容が明らかとなったわけではありませんが、すでに明らかとなっている「中小企業経営承継円滑化法」の法令と合わせて、非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度を確認してみることにしましょう。

Q 非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予制度は税法にどのように規定されたのですか?
 「非上場株式等についての贈与税の納税猶予(措法70条の7)」「非上場株式等についての相続税の納税猶予(措法70条の7の2)」「非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の課税の特例(措法70条の7の3)」「非上場株式等の贈与者が死亡した場合の相続税の納税猶予(措法70条の7の4)」の4つの条文が新設されることになりました。
 事業承継税制は、相続のみならず生前贈与による株式の承継についても税負担の軽減を図り、相続⇒贈与⇒相続⇒贈与のサイクルにおいて、事業承継の円滑化を図っています。具体的には、贈与税の納税猶予(措法70条の7)、相続税の納税猶予(措法70条の7の2)を規定するとともに、贈与税の納税猶予対象となった株式(特例受贈非上場株式等)を前経営者の死亡時の相続財産とみなすこと(措法70条の7の3)、その相続財産とみなされた特例受贈非上場株式等についても相続税の納税猶予の対象となりうること(措法70条の7の4)が規定されました。


Q 中小企業経営承継円滑化法の法令と租税特別措置法の規定では相続税の納税猶予の適用要件等に違いはありますか?
 相続税の納税猶予に係る「被相続人」「相続人」「適用対象会社」は経営承継円滑化法(および同法施行規則)・租税特別措置法に次のように規定されています。基本的には経営承継円滑化法の経済産業大臣の認定の要件が相続税の納税猶予の適用要件に踏襲されています。税制上は政令委任事項も多く、経営承継円滑化法の施行規則については、税制の取扱いに応じて、規定を見直すことも考えられますので、これからの動向にも留意してください。


Q 納税猶予の対象となる相続税額・贈与税額はどのように規定されましたか?
 納税猶予分の相続税額・贈与税額は次のように規定されました。相続税では納税猶予の適用対象株式の80%相当額の相続税額が猶予され、贈与税では納税猶予の適用対象株式の全額に相当する贈与税額が猶予されます。


Q 相続税の納税猶予の適用を受けた場合には、その後の事業継続のチェックはどのように行われるのですか?
 租税特別措置法では、相続税の申告書の提出期限の翌日から同日以後5年を経過する日または経営承継相続人等の死亡の日のいずれか早い日までの期間を経営承継期間とし、経営承継期間については、相続税の申告書の提出期限の翌日から1年を経過するごとの日を「第1種基準日」とし、経営承継期間の末日の翌日から納税猶予分の相続税の納税猶予に係る期限が確定する日までの期間で当該末日の翌日から3年を経過するごとの日を「第2種基準日」とし、これらを経営報告基準日とし、納税猶予に係る期限が確定する日までの間に経営報告基準日が存する場合には、届出期限(第1種基準日の翌日から5か月を経過する日および第2種基準日の翌日から3か月を経過する日)までに、引き続いて納税の適用を受けたい旨および認定承継会社の経営に関する事項を記載した届出書を納税地の所轄税務署長に提出しなければなりません(措法70の7の2⑩)。
 一方、経営承継円滑化法では、経済産業大臣の認定を受けた中小企業者(特別認定中小企業者)は、当該認定を受けた日から5年間(当該認定の有効期間)、当該認定を受けた日の翌日から起算して1年を経過するごとの日(報告基準日)の翌日から起算して1月以内に経済産業大臣(地方経済産業局長)に(事業継続)報告をしなければなりません(円規12)。


Q 贈与税の納税猶予の対象となる一括贈与とはどのような贈与ですか?
 措置法は、贈与税の納税猶予の対象となる贈与について、次の区分に応じ、それぞれに定める贈与であるときは、当該贈与者の死亡の日まで、その納税を猶予することを規定しています(措法70の7①)。

 上記①からすると、贈与者(前経営者)が認定贈与承継株式の全部を所有していた場合については、発行済株式の2/3以上の数の株式の贈与が対象となり、必ずしも保有株式等の全部を贈与しなければ適用されないものではないようです。

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