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コラム2009年07月20日 【石部家の人びと―父と娘の税理士問答】 DESの債務消滅益課税は仕方ないと思うね(2009年7月20日号・№315)

「税の世界では、『時価』の認識・把握が特に重視されているんだね。」金吉

DESの債務消滅益課税は仕方ないと思うね 石部金吉税理士と石部みどり税理士は、DESや自己株式の譲渡に伴う債務消滅益の認定課税について話しあっています。
 「平成18年改正前のDES(デットエクイティスワップ)について債務消滅益の認定課税が裁判所で認められたっていうのは興味深い事件よね。」石部みどりさんはお父さんに話しかけています。
 「裁判所(東京地裁商事部)で決めた券面額処理が、裁判所(東京地裁行政部)で課税上は認められなかったことになるのかな。原告は納得できないかもしれないけど、税は最初から時価と規定していたようにも思えるけど。」石部金吉税理士は、行政部の判断に理解を示しています。
「会社法での券面額の実務処理と、法人税法での資本等取引には課税できないとする考え方が結びついて、DESの債務者には課税できないとされてきたのかしら?」
「商事部が採用した会社法上の仕訳では、損益が発生しないことになるんだね。DESの券面額処理には、それなりの理由もあるわけだけど、行政部の判事は、税務の基本的な考え方は『時価』にあるとしたんだよ。この点を僕は評価したいと思うね。」
「でも、この事案だけが課税されているような印象も受けるわね、この事案に特段の問題があるのかしら?」
「この事件は納税者が控訴しているけど、控訴人はまず、租税回避目的を否定しているみたいだね。だけどこれは難しいかもしれないね。」
「そうよね。債務者会社が直接に債務の減額を受ければ債務免除益で課税されるのに、関係会社が低額で取得してDESを実施することで課税されない仕組みになっているようにみえるわね。券面額処理の濫用だわ。」
「控訴人会社は控訴審で新たな主張も展開しているんだよ。これまでの資本等取引への課税問題だけではなくて、債権の取得価額が時価に当たらないという新たな主張なんだよ。」
「そうすると、本当は外国銀行や関連会社に課税すべきものということかしら?」
「所得の発生場所(帰属)や発生時期も争点になるということだね。これでますます会社法との整合性から租税法的な争点になってきたような気がするね。」
「債権の取得価額やDESの実施によって会社の財務が劇的に改善したことの認識という問題も考えられるわね。お父さんは税務が会社法から独立できたみたいでうれしそうね。」

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