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コラム2010年09月20日 【SCOPE】 大盛工業の総会決議取消訴訟で原告株主が控訴(2010年9月20日号・№371)

原審は取消事由を一部認定しつつ裁量棄却
大盛工業の総会決議取消訴訟で原告株主が控訴

 大盛工業が平成21年10月に開催した定時株主総会に関しては株主が平成22年1月22日付で決議取消しの訴えを提起、東京地方裁判所において7月29日、会社側勝訴の判決が言い渡されたところであるが、これを不服とした原告株主は8月6日付で控訴している(会社側9月7日付発表参照)。

取締役選任決議に関して原告勧誘の委任状の取扱いを巡り
 大盛工業が昨年10月28日に開催した定時株主総会では計4議案が付議され、うち第4号議案「取締役6名選任の件」が原案どおり可決されたことから再任4名、新任2名が取締役に就任した。
 原告株主であるウィークリーセンターは平成19年12月に大盛工業と業務提携。21年7月には大盛工業に対し取締役3名などの受入要請を行ったが、同社においてこれを拒否した経緯がある。8月には株主提案権を行使、原告代表者を含む取締役6名の選任を総会の目的とすることを求めたが、所定の手続がないとして拒絶されていた。
 総会開催後の12月11日、原告株主は原告代表者を含む取締役4名の選任を目的として他の株主とともに臨時総会の招集を請求したが、22年2月5日に開催された同総会で議案は否決。この間に原告株主が提起したのが本件訴訟となる。
 原告株主の持株数等は表1のとおり。原告株主は総会開催に先立ち5千株以上保有株主に対して委任状勧誘を実施、返送者には5千円分の商品券や1千円分のクオカードを進呈するとしていた。

原審・東京地裁の判断  本件訴訟では第4号議案に関し、会社側が①株主の代理人である弁護士の出席を拒絶し、②原告に提出された委任状の一部を無効としてその議決権の個数を出席議決権数に含めず、③議長不信任の動議を採り上げなかったことが、決議の方法が法令に違反しまたは著しく不公正なとき(会社法831条1項1号)に該当すると主張した。
 争点は表2参照。東京地裁民事第8部(福井章代裁判長)は7月29日、本件総会の状況等を仔細に認定したうえ、争点(1)については会社法310条1項違反とする原告の主張を斥け、(2)については全国株懇連合会が策定したモデル定款等に依拠した取扱い等に不合理な点はないとし、被告の主張を容れた(表3参照。以下同様)。(4)では議事進行に「いささか適切さを欠く点があった」としつつも著しく不公正とはいえないと判断。


 一方、(3)では原告の主張を一部認容し、当該2名分の委任状に係る議決権数を得票数に算入すべきとして「本件決議には、取消原因となる法令違反が存するというほかはない」と述べている。
 そのうえで(5)では、これが集計方法の誤りにとどまり、かつ当該委任状が有効議決権行使議決権総数57万4,818個の0.04%にすぎず、有効としても決議に影響を及ぼすものではないとし、原告の請求を裁量棄却(会社法831条2項)した。
 なお、原告株主から同社社長ら8名を相手取り計3億円の賠償を求める代表訴訟の提起が6月24日付で明らかになっているほか、原告株主らの請求により開催された8月6日の臨時総会では、原告代表者を含む取締役4名の選任提案が55.75~55.84%の賛成率で可決した状況にある。

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