コラム2011年01月10日 【年頭所感】 年頭所感 川北 力 国税庁長官(2011年1月10日号・№385)
年頭所感
新年おめでとうございます
川北 力 国税庁長官
平成23年の年頭に当たり、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
国税庁におきましては、経済社会のグローバル化やIT化など税務行政を取り巻く環境が大きく変化する中、本年も引き続き、納税者利便の向上を図りつつ、変化に柔軟に対応した効率的な事務運営に努めることなどにより、私たちに与えられた使命を着実に果たしていきたいと考えています。皆様の御理解と御協力をあらためてお願い申し上げます。
税務行政の使命は、納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現することであり、そのため、第1に、納税者サービスの充実に努めたいと考えております。
国税庁としては、納税環境の整備に向け様々な施策を実施してきました。特に、国税電子申告・納税システム(e-Tax)につきましては、政府全体の取組の下、その普及拡大に向けて積極的に取り組み、21年度は所得税・法人税における電子申告の利用率が半数に近づくに至りました。
また、内部事務一元化につきましては、一昨年の7月から全税務署で、これまで各部署で対応していた①各種申告書や申請書等の提出、②各種用紙の交付請求、③納税証明書の請求や受領、④国税の納付、⑤国税に係る制度や手続きに関する一般的な相談などについて、一つの窓口で済ませることができるよう、納税者に対する受付窓口を一本化(ワンストップサービス)いたしました。
さて、年も改まり、所得税・消費税の確定申告の時期がまいります。国税庁では、引き続き、自宅等からのITを利用した申告の推進に取り組むこととしています。e-Taxについては更なる利用者の利便性の向上を目指し、利用者からの要望を踏まえたシステム改善、1月上旬におけるe-Taxの受付時間の延長などを図ります。
なお、本年の閉庁日における確定申告の相談と申告書の受付は、納税者のニーズが高いと思われる228の税務署の相談会場において、2月20日と2月27日の日曜日に行うこととしています。
このように、国税庁では納税者利便の更なる向上に努めてまいりますので、納税者の皆様におかれましては、早めの申告と期限内の納税について是非とも御協力お願いいたします。
第2に、適正・公平な税務行政を推進する観点から、税務コンプライアンスの維持向上に努めたいと考えております。
まず、税務調査等については、取引が複雑化し国際化する中で、幅広く的確な情報収集と管理を行い、悪質な納税者に対しては厳正な態度で臨んでいきます。
特に、国際的租税回避行為に対しては、租税条約等に基づく情報交換を積極的に進めることにより対応していくべきことが世界各国の共通認識となってきています。国税庁としても、各国の税務当局との国際的な協力関係を一層強化したいと考えております。
また、昨今の税務行政に関するOECD等の国際的な議論の場においては、大企業に良好なコーポレート・ガバナンスを奨励することは、税務当局・納税者双方にとって有益であり、税務当局として税務分野におけるコーポレート・ガバナンスの充実を推進していくことが重要との認識が共有されています。
具体的には、大企業において、CEOなどのトップマネジメントが自ら適正申告等の確保に積極的に関与し、必要な内部統制を整備するように、税務当局から働きかけを行うことが重要との議論がなされています。
国税庁としても、税務分野におけるコーポレート・ガバナンスの充実に向けて、関係団体と勉強会を始めました。
滞納については、適正・公平な徴収の実現という観点から、関係部局が連携して滞納の未然防止に積極的に取り組むとともに、納税者個々の実情をよく踏まえながら、適正に納税義務を履行していない大口・悪質事案や処理困難事案への厳正な対応及び消費税事案の確実な処理などにより、滞納の整理促進に努めます。
酒税関係事務については、社会経済情勢の変化に対応しつつ、酒税の適正・公平な課税の実現と酒類業の健全な発達に資する取組を行ってまいります。
以上、年頭に当たり、税務行政の運営に関する考えを述べました。様々な面で「質の高い」税務行政を進めることにより、税務行政に寄せられている国民の信頼に応え、更にゆるぎないものにしていきたいと考えています。
新しい年、平成23年が皆様と御家族にとって幸せの多い年でありますよう祈念いたしまして、年頭の御挨拶とさせていただきます。

川北 力 国税庁長官
平成23年の年頭に当たり、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
国税庁におきましては、経済社会のグローバル化やIT化など税務行政を取り巻く環境が大きく変化する中、本年も引き続き、納税者利便の向上を図りつつ、変化に柔軟に対応した効率的な事務運営に努めることなどにより、私たちに与えられた使命を着実に果たしていきたいと考えています。皆様の御理解と御協力をあらためてお願い申し上げます。
税務行政の使命は、納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現することであり、そのため、第1に、納税者サービスの充実に努めたいと考えております。
国税庁としては、納税環境の整備に向け様々な施策を実施してきました。特に、国税電子申告・納税システム(e-Tax)につきましては、政府全体の取組の下、その普及拡大に向けて積極的に取り組み、21年度は所得税・法人税における電子申告の利用率が半数に近づくに至りました。
また、内部事務一元化につきましては、一昨年の7月から全税務署で、これまで各部署で対応していた①各種申告書や申請書等の提出、②各種用紙の交付請求、③納税証明書の請求や受領、④国税の納付、⑤国税に係る制度や手続きに関する一般的な相談などについて、一つの窓口で済ませることができるよう、納税者に対する受付窓口を一本化(ワンストップサービス)いたしました。
さて、年も改まり、所得税・消費税の確定申告の時期がまいります。国税庁では、引き続き、自宅等からのITを利用した申告の推進に取り組むこととしています。e-Taxについては更なる利用者の利便性の向上を目指し、利用者からの要望を踏まえたシステム改善、1月上旬におけるe-Taxの受付時間の延長などを図ります。
なお、本年の閉庁日における確定申告の相談と申告書の受付は、納税者のニーズが高いと思われる228の税務署の相談会場において、2月20日と2月27日の日曜日に行うこととしています。
このように、国税庁では納税者利便の更なる向上に努めてまいりますので、納税者の皆様におかれましては、早めの申告と期限内の納税について是非とも御協力お願いいたします。
第2に、適正・公平な税務行政を推進する観点から、税務コンプライアンスの維持向上に努めたいと考えております。
まず、税務調査等については、取引が複雑化し国際化する中で、幅広く的確な情報収集と管理を行い、悪質な納税者に対しては厳正な態度で臨んでいきます。
特に、国際的租税回避行為に対しては、租税条約等に基づく情報交換を積極的に進めることにより対応していくべきことが世界各国の共通認識となってきています。国税庁としても、各国の税務当局との国際的な協力関係を一層強化したいと考えております。
また、昨今の税務行政に関するOECD等の国際的な議論の場においては、大企業に良好なコーポレート・ガバナンスを奨励することは、税務当局・納税者双方にとって有益であり、税務当局として税務分野におけるコーポレート・ガバナンスの充実を推進していくことが重要との認識が共有されています。
具体的には、大企業において、CEOなどのトップマネジメントが自ら適正申告等の確保に積極的に関与し、必要な内部統制を整備するように、税務当局から働きかけを行うことが重要との議論がなされています。
国税庁としても、税務分野におけるコーポレート・ガバナンスの充実に向けて、関係団体と勉強会を始めました。
滞納については、適正・公平な徴収の実現という観点から、関係部局が連携して滞納の未然防止に積極的に取り組むとともに、納税者個々の実情をよく踏まえながら、適正に納税義務を履行していない大口・悪質事案や処理困難事案への厳正な対応及び消費税事案の確実な処理などにより、滞納の整理促進に努めます。
酒税関係事務については、社会経済情勢の変化に対応しつつ、酒税の適正・公平な課税の実現と酒類業の健全な発達に資する取組を行ってまいります。
以上、年頭に当たり、税務行政の運営に関する考えを述べました。様々な面で「質の高い」税務行政を進めることにより、税務行政に寄せられている国民の信頼に応え、更にゆるぎないものにしていきたいと考えています。
新しい年、平成23年が皆様と御家族にとって幸せの多い年でありますよう祈念いたしまして、年頭の御挨拶とさせていただきます。
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