会計ニュース2004年10月11日 金融審議会が四半期開示の制度化や投資サービス法制定を検討へ(2004年10月11日号・№086) 来年春頃に要綱案をまとめる予定

金融審議会が四半期開示の制度化や投資サービス法制定を検討へ
来年春頃に要綱案をまとめる予定


 金融審議会金融分科会第一部会が9月28日に開催され、四半期開示の制度化について検討が行われた。今後、四半期開示の制度化の是非を含めた見直しが検討されることになる。また、既存の法律ではカバーしきれない新たな投資商品が登場しているが、これに伴い、投資家保護の観点から、投資サービス法(仮称)を創設する方向で検討を行うとしている。それぞれ来年の春頃を目処に要綱案をまとめる予定だ。

企業会計審議会ではすでに保証業務の公開草案を公表
 四半期開示については、すでに東京証券取引所等で「四半期財務・業績の概況」の開示が義務付けられている(32頁参照)。しかし、証券取引法上では義務付けは行われておらず、金融審議会では、四半期開示の制度化の是非について検討することにしたものである。なお、企業会計審議会では、金融審議会よりも先行し、今年6月に四半期開示における「財務情報等に係る保証業務の概念的枠組みに関する意見書(公開草案)」を公表。同公開草案では、四半期開示におけるいわゆるレビューを含めた保証業務を定めている。
 また、金融審議会では、四半期開示の制度化以外の開示制度の見直し論点として、①内部統制の健全性確保と適切な会計監査、②IR活動及びアナリスト機能の強化と公正な開示、③開示手続の電子化などを挙げている。①では、企業における内部統制の健全性確保に向けた具体策を検討。③では、EDINETによる開示書類の義務付け範囲の拡大やEDINETの機能拡充について検討する予定だ。なお、今後は、同部会の下にディスクロージャー・ワーキング・グループを設置し、個別論点をまとめていくとしている。

投資サービスの定義等を検討
 その他、同部会では、投資サービス法(仮称)の制定にも着手するとしている。既存の業法ではカバーしきれない新たな投資商品の登場や予定されている会社法改正等により、投資者保護の対象となる「有価証券」の概念整理が必要になってくるため。投資者保護の対象とすべき投資サービスの範囲・定義方法について検討が行われることになる。
 具体的には、①事業型の組合に対する投資(ラーメン・ファンド等)や会社法改正で検討されている合同会社への有限責任社員による投資等、②他の業法により投資者保護が図られている投資サービス(金融先物、商品ファンド等)についての考え方、③会社法改正で証券不発行を原則とする方向で検討が進められていることを踏まえた投資サービスの定義のあり方等が挙げられている。

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