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コラム2011年09月26日 【税実務Q&A】 完全支配関係下の寄附金、受贈益(2011年9月26日号・№420)

税実務Q&A
No.088 法人税>損金>寄附金
完全支配関係下の寄附金、受贈益
 公認会計士緑川事務所 税理士 阿部隆也

 内国法人P社は、内国法人S1社、外国法人S2社及び内国法人S3社に対し、貸付債権を有しており、これを債権放棄しました。次のそれぞれについて法人税法上の取扱いを教えてください。P社は、S1社及びS2社の100%親法人であり、S1社及びS2社は、共同でS3社を100%保有しています。なお、この債権放棄は、法人税基本通達9-4-1及び9-4-2に該当しないものとします。
① PからS2への債権放棄
② PからS3への債権放棄
③ Pが連結親法人である場合の連結子法人S1への債権放棄



1.取扱いの概要(寄附金)
 平成22年改正で、完全支配関係法人間での寄附金は、全額損金不算入とされ、同時に、受領法人側での受贈益は、全額益金不算入とされました(法法37、25の2)。
 この取扱いの対象は、内国法人間の寄附金及び受贈益とされており、外国法人に関するものは、対象ではありません。
2.取扱いの概要(寄附修正)
 1.
の取扱いの結果、グループ法人間で容易に株式価値移転ができることから、寄附金の支出法人及び受贈法人の株式の譲渡損益を調整するため、帳簿価額を修正します(法令9①七、9の2①五、119の3⑥)。
 この寄附修正は、寄附の時点で、寄附金支出法人又は受領法人を直接有する法人のみで行います。連結納税制度のいわゆる投資価格修正(法令9①六、119の3⑤)は、譲渡等修正事由(法令9②)の生じた時点で、連鎖的に帳簿価額を修正する制度のため、その時期と範囲が異なります。
 連結法人間の寄附については、この投資価格修正により対応できるため、この寄附修正の対象となる法人から除かれています(法令9①七)。
 なお、連結法人について寄附修正する寄附金は、連結除外法人(法法4の2)や外国法人が介在する完全支配関係がある内国法人への寄附金に限られます(平成22年度改正税法の解説209頁)。
3.設問の取扱い ① Pの寄附金は国外関連者に対する寄附のため全額損金不算入(措法66の4③)、S2株式の帳簿価額の修正はしません。
② Pの寄附金は全額損金不算入、S3の受贈益は全額益金不算入、S1保有部分のS3株式の帳簿価額を修正します。仮に、Pが連結親法人であっても、S3は連結法人でないため、同様の取扱いとなります。
③ Pの寄附金は全額損金不算入、S1の受贈益は全額益金不算入、S1株式の帳簿価額の修正はしません。ただし、S1株式に譲渡等修正事由が生ずる場合、いわゆる投資価格修正を行います。

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