コラム2011年12月05日 【レポート】 平成24年度税制改正、各省庁の要望が認められた項目は?(2011年12月5日号・№429)
平成24年度税制改正、各省庁の要望が認められた項目は?
政府税制調査会では、現在、平成24年度税制改正大綱に向けた検討を行っている。11月25日の政府税制調査会では、各府省庁が要望した税制改正項目のうち、平成24年度税制改正大綱に盛り込まれる項目の一部が明らかとなった(表参照)。
交際費課税の特例の延長や認定省エネ住宅(仮称)に係る住宅ローン減税制度、省エネ改修促進税制が創設される運びとなっている。また、特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の1,500万円の特別控除や特定の居住用財産の買換えおよび交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置の延長なども行われる。
政府税制調査会では、現在、平成24年度税制改正大綱に向けた検討を行っている。11月25日の政府税制調査会では、各府省庁が要望した税制改正項目のうち、平成24年度税制改正大綱に盛り込まれる項目の一部が明らかとなった(表参照)。
交際費課税の特例の延長や認定省エネ住宅(仮称)に係る住宅ローン減税制度、省エネ改修促進税制が創設される運びとなっている。また、特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の1,500万円の特別控除や特定の居住用財産の買換えおよび交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置の延長なども行われる。
【表】平成24年度税制改正で実現する各府省庁の税制改正要望項目一覧(11月25日現在) |
内閣府 |
(国税) ・構造改革特別区域法及び総合特別区域法に基づく特産酒類の製造事業に係る原料の拡充 ・子ども・子育て新システムの構築のための税制上の所要の措置(公租公課禁止規定、国税の滞納処分による差押禁止規定を設けること) (地方税) ・子ども・子育て新システムの構築のための税制上の所要の措置(公租公課禁止規定、地方税の滞納処分による差押禁止規定を設けること) |
金融庁 |
(国税) ・少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(日本版ISA)の利便性向上・事務手続の簡素化に向けた所要の措置(①同一金融機関における非課税投資については1口座で管理すること、②非課税口座開設確認書交付申請手続と非課税口座開設手続を一本化すること) ・特定口座の事務手続の簡素化に向けた所要の措置 ・外国子会社合算税制に係る二重課税調整措置の見直し ・預金保険法102条1項1号に基づく資本注入に係る資本の増加の際の登録免許税の軽減措置の延長(2年)及び株式移転の際の登録免許税の軽減措置の追加 ・金融機能の強化のための特別措置に関する法律5条1項又は17条1項に基づく決定、9条1項又は19条1項の承認に基づく資本注入に係る資本の増加等の際、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法3条又は6条1項に基づき主務大臣の認定を受けた経営基盤強化計画により合併等の組織再編を実施する際の登録免許税の軽減(税率を一部見直した上、2年延長) ・外国証券会社へ売委託した上場株式(国内の金融機関に信託されたものに限る)の譲渡損失を損益通算の対象とすること ・税法上認められている本人確認書類の範囲の拡大 ・振替公社債の利子非課税制度の受益者等課税信託に係る適用手続の見直し ・非居住者等が受ける民間国外債の利子の非課税制度の適用手続の見直し (地方税) ・少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(日本版ISA)の利便性向上・事務手続の簡素化に向けた所要の措置(①同一金融機関における非課税投資については1口座で管理すること、②非課税口座開設確認書交付申請手続と非課税口座開設手続を1本化すること) ・外国子会社合算税制に係る二重課税調整措置の見直し ・保険会社に係る収入金額による外形標準課税方式の維持 ・外国証券会社へ売委託した上場株式(国内の金融機関に信託されたものに限る)の譲渡損失を損益通算の対象とすること |
財務省 |
(国税) ・株式会社国際協力銀行の設立に伴う所要の税制措置 |
文部科学省 |
(国税) ・重要有形民俗文化財を国又は地方公共団体に対して譲渡した場合に係る所得税の非課税措置(①2年延長、②譲渡先に地方公共団体を追加、③「重要文化財に準ずる文化財」を適用除外) (地方税) ・図書館・博物館・幼稚園を設置する一般社団・財団法人に係る非課税措置の創設 ・重要有形民俗文化財を国又は地方公共団体に対して譲渡した場合に係る所得税の非課税措置(①2年延長、②譲渡先に地方公共団体を追加、③「重要文化財に準ずる文化財」を適用除外) |
厚生労働省 |
(国税) ・平成24年度以降の子どものための現金給付に係る税制上の所要の措置 ・改正介護保険制度の施行に伴う税制上の所要の措置(現行の医療費控除の対象と同様の範囲内で) ・改正障害者自立支援法等の施行に伴う税制上の所要の措置 ・雇用保険法の改正に伴う税制上の所要の措置(法改正が前提) ・公害防止用設備に係る特別償却制度の適用期限の延長 ・事業主が存在しない等の理由によって企業年金等に移行できない適格退職年金に関する税制優遇措置の継続 (地方税) ・平成24年度以降の子どものための現金給付に係る税制上の所要の措置 ・雇用保険法の改正に伴う税制上の所要の措置(法改正が前提) ・改正障害者自立支援法等の施行に伴う税制上の所要の措置 ・改正介護保険制度の施行に伴う税制上の所要の措置(不動産取得税、固定資産税、事業所税、都市計画税、個人住民税、法人住民税、事業税) ・公害防止用設備に係る課税標準の特例措置の拡充 ・事業主が存在しない等の理由によって企業年金等に移行できない適格退職年金に関する税制優遇措置の継続 |
農林水産省 |
(国税) ・農林漁業用A重油に対する石油石炭税の特例措置 ・農地等に係る贈与税の納税猶予を適用している場合の特定貸付けの特例等(一定の者を対象) ・山林所得に係る森林計画特別控除の創設 ・森林法の一部改正に伴う税制上の所要の措置 (地方税) ・山林所得に係る森林計画特別控除の創設 ・森林法の一部改正に伴う税制上の所要の措置(個人住民税、法人住民税、事業税) ・贈与税納税猶予の適用農地等の取得に係る特例措置の拡充(一定の者を対象) ・バイオ燃料製造事業者が取得したバイオ燃料製造設備に係る特例措置の延長 ・土地改良区が取得した換地計画において定められた換地に係る納税義務の免除の存続 ・平成24年度以降の農地に対する負担調整措置の存続(一般農地分) |
経済産業省 |
(国税) ・再生可能エネルギーの普及・拡大のための税制措置 ・交際費の課税の特例 ・独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法及び独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法改正に伴う所要の税制措置 ・国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入、国庫補助金等の総収入金額不算入 ・会社分割に係る登録免許税の軽減措置(税率を引き上げた上、3年延長) ・金属鉱業等鉱害防止準備金 ・中小企業の事業再生に伴う登録免許税の軽減措置(税率を一部見直した上、2年延長) ・株式会社商工組合中央金庫の抵当権設定登記に係る登録免許税の軽減措置 ・産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産活法)に基づく登録免許税の税率の軽減措置(税率を一部見直した上、2年延長) (地方税) ・独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法及び独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法改正に伴う所要の税制措置(法人住民税、事業税、事業所税、不動産取得税) ・交際費の課税の特例 ・金属鉱業等鉱害防止準備金 ・公害防止用設備(汚水・廃液処理施設)に対する課税標準の特例 |
国土交通省 |
(国税) ・特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の1,500万円の特別控除の延長 ・特定都市再生緊急整備地域に係る課税の特例措置の拡充 ・マンション建替事業に係る特例措置の適用範囲の拡大及び適用期間の延長(①平均床面積が現行の床面積基準以上等、②建替え等の支援策の検討を前提に、2年延長) ・特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例措置の延長(譲渡価額要件を1億5千万円に引き下げた上で2年延長) ・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度の延長 ・特定の居住用財産の譲渡損失の繰越控除制度の延長 ・国際船舶の所有権保存登記等に係る課税の軽減措置(税率を引き上げた上、2年延長) ・関西国際空港土地保有会社の用地整備準備金制度 ・新関西国際空港株式会社が行う環境対策事業のための助成金(国庫補助金とみなす)の総収入金額不算入等の特例措置の拡充 ・新関西国際空港株式会社が環境対策事業のために取得する大阪国際空港周辺の土地の所有権移転登記に係る非課税措置 ・独立行政法人海上災害防止センターの組織形態見直しに係る非課税措置の創設 ・認定省エネ住宅(仮称)に係る住宅ローン減税制度、省エネ改修促進税制の創設 ・認定省エネ住宅(仮称)に係る所有権の保存登記等の軽減措置の創設 ・認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除の延長 ・認定長期優良住宅の所有権の保存登記等の税率の軽減の延長(税率を一部見直した上、2年延長) (地方税) ・バリアフリー施策等に係る課税標準の特例の創設(固定資産税、都市計画税) ・復興まちづくり計画に従って路線が移設等される際に取得される鉄道用地及び鉄道施設に係る特例措置の新設(不動産取得税) ・独立行政法人海上災害防止センターの組織形態見直しに係る非課税措置の創設 ・新関西国際空港株式会社の固定資産課税対象資産に係る国有資産等所在市町村交付金の非交付措置の創設 ・マンション建替事業に係る特例措置の適用範囲の拡大及び適用期間の延長(①平均床面積が現行の床面積基準以上等、②建替え等の支援策の検討を前提に、2年延長) ・新関西国際空港株式会社及び関西国際空港土地保有会社に係る課税標準の特例措置の拡充 ・新関西国際空港株式会社及び関西国際空港土地保有会社の業務用不動産に係る非課税措置の拡充(不動産取得税) ・新関西国際空港株式会社及び関西国際空港土地保有会社の業務用固定資産に係る課税標準の特例措置の拡充 ・国際船舶に係る課税標準の特例措置の拡充及び延長 ・特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の譲渡所得の1,500万円の特別控除の延長 ・高規格堤防整備事業に伴い取得する建替家屋に係る特例措置の延長 ・特定都市河川浸水被害対策法に規定する雨水貯留浸透施設に係る特例措置の延長 ・除害施設、し尿浄化槽及び廃液処理施設に係る課税標準の特例措置の延長 ・宅地建物取引業者等が取得する新築住宅の取得日に係る特例措置及び一定の住宅用地に係る税額の減額措置の期間要件を緩和する特例措置の延長 ・居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例措置の延長 ・居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除制度の特例措置の延長 ・特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除制度の特例措置の延長 ・鉄道・運輸機構が行う基盤整備事業に伴いJR貨物が取得した家屋等に係る課税標準の特例措置の延長 ・鉄道・運輸機構がJR貨物に無償で貸し付けている土地に係る非課税措置の延長 ・JR貨物が鉄道貨物輸送の効率化のために取得した機関車・コンテナ貨車に係る課税標準の特例措置の延長 ・第三セクターが補助を受けて整備しJR貨物に貸し付ける鉄道施設に係る課税標準の特例措置の延長 ・地域公共交通活性化法に基づく鉄道事業再構築事業に係る課税標準の特例措置の延長 ・運行維持が困難なものとして条例で定める路線の乗合バス車両の取得に係る非課税措置の延長 ・国際戦略港湾等において指定会社等(民営化会社)が国の補助金又は無利子貸付金により新たに取得する大規模コンテナ埠頭に係る特例措置の延長 ・一定の国内航空機に係る特例措置の延長 ・成田国際空港株式会社が事業の用に供する固定資産に係る特例措置の延長 ・関西国際空港土地保有会社の用地整備準備金制度の拡充 ・新関西国際空港株式会社が行う環境対策事業のための助成金(国庫補助金とみなす)の総収入金額不算入等の特例措置の拡充 ・認定省エネ住宅(仮称)に係る住宅ローン減税制度の創設 ・ホテル・旅館の建物に係る固定資産評価の見直し |
環境省 |
(国税) ・揮発油税の当分の間の税率の維持 ・放射性物質による汚染への対処を促進するための特例措置(収用適格事業の場合の5,000万円特別控除等) ・最終処分場に係る維持管理積立金制度に係る特例措置の適用期限の延長 (地方税) ・放射性物質による汚染への対処を促進するための特例措置(収用適格事業の場合の5,000万円特別控除等) ・最終処分場に係る維持管理積立金制度に係る特例措置の適用期限の延長 ・廃棄物処理施設に係る課税標準の特例措置の延長 |
防衛省 |
(国税) ・ACSAによる物品又は役務の提供・受領に関する非課税措置の拡充(協定の締結が前提) |
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