資料2012年03月12日 【税務通達等】 「長崎市市民税及び県民税特別返還金」等の課税関係について(文書回答事例)(平成24年2月15日)(平成24年3月12日)
「長崎市市民税及び県民税特別返還金」等の課税関係について
取引等に係る税務上の取扱い等に関する照会(同業者団体等用)
照会
事前照会者 | ①(フリガナ) 氏名・名称 | (ナガサキシ リザイフ゛ シミンゼイカ) 長崎市 理財部 市民税課 |
②(フリガナ) 総代又は法人の代表者 | (シミンゼイカチョウ サトウカツトシ) 市民税課長 佐藤勝利 | |
事前照会の内容 | ③ 照会の趣旨(法令解釈・適用上の疑義の要約及び事前照会者の求める見解の内容) | 別紙の1のとおり |
④ 照会に係る取引等の事実関係 | 別紙の2のとおり | |
⑤ ④の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由 | 別紙の3のとおり | |
⑥関係する法令条項等 | 所得税法第9条 所得税法施行令第30条租税特別措置法第97条の2 | |
⑦添付書類 |
回答
⑧回答年月日 | 平成24年2月15日 | ⑨回答者 | 福岡国税局審理官 |
⑩回答内容 | 標題のことについては、ご照会に係る事実関係を前提とする限り、貴見のとおりで差し支えありません。 ただし、次のことを申し添えます。 (1) ご照会に係る事実関係が異なる場合又は新たな事実が生じた場合は、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあります。 (2) この回答内容は、福岡国税局としての見解であり、事前照会者の申告内容等を拘束するものではありません。 |
別紙
「長崎市市民税及び県民税特別返還金」等の課税関係について
1 事前照会の趣旨
平成23年度税制改正(現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律(平成23年法律第82号))により、相続等に係る生命保険契約等に基づく年金(以下「対象保険年金」(注1)といいます。)の保険金受取人等である方又はその相続人に対し、平成12年分以後の各年分の対象保険年金に係る所得(以下「保険年金所得」(注2)といいます。)のうち所得税が課されない部分の金額に対応する所得税に相当する給付金(以下「特別還付金」といいます。)を支給する制度が創設されました(租税特別措置法第97条の2)。
長崎市においても、この特別還付金の支給制度の趣旨に準じて、市民税、県民税、国民健康保険税、後期高齢者医療保険料及び介護保険料(以下「市民税等」といいます。)のうち、地方税法、高齢者の医療の確保に関する法律及び介護保険法(以下「地方税法等」といいます。)の規定では還付することができない過誤納金に相当する額を支給する特別措置を講じることとしました。
当該特別措置に基づき、支給対象者に対し、市民税等の過誤納金に相当する「還付不能額」と、還付不能額に係る「利息相当額」(以下、還付不能額と併せて「本件特別返還金」といいます。)が支給されますが、本件特別返還金に係る所得税の課税上の取扱いについては、次のとおりとなると解してよろしいか照会いたします。
(1) 還付不能額
非課税所得となる。
(2) 利息相当額
支給決定通知のあった日の属する年分の雑所得に該当する。
(注1)租税特別措置法第41条の20の2第2項第1号に規定する対象保険年金をいいます。
(注2)対象保険年金のうち、平成12年から平成17年までの各年分の当該対象保険年金に係る所得をいいます。2 事前照会に係る取引等の事実関係
長崎市では、平成23年12月20日に「長崎市市民税及び県民税特別返還金支給要綱」、「長崎市国民健康保険税特別返還金支給要綱」、「後期高齢者医療保険料特別返還金支給要綱」及び「長崎市介護保険料特別返還金支給要綱」(以下「本件各要綱」といいます。)を定め、本件特別返還金の支給制度を設けました(本件各要綱に係る事務取扱に関して、それぞれ支給要領を定めています。)。
本件特別返還金(還付不能額及び利息相当額)の支給制度は、保険年金所得に係る所得税の取扱いが変更されたことに伴い、特別の措置として支給対象者に市民税等に係る返還金を支給することにより、当該支給対象者の不利益をすることなどを目的とするもので、その概要は次のとおりです。
(1) 還付不能額
平成13年度から平成18年度までの間のいずれかの課税年度において賦課決定された市民税及び県民税の額から、平成22年政令第214号による改正後の所得税法施行令第185条及び第186条の規定を用いて計算した場合にこれらの年において賦課決定されるべき市民税及び県民税の額を控除した額(現に納付されている額を上限とします。)であって、地方税法の規定によって還付することができないものをいいます(注)。
(注) 国民健康保険税は平成13年度から平成18年度、後期高齢者医療保険料は平成20年度及び平成21年度、介護保険料は平成13年度から平成21年度を対象とし、上記市民税及び県民税と同様に、賦課決定された金額から、改正後の所得税法施行令の規定を用いて計算した場合に賦課決定されるべき金額を控除した額で、それぞれの法律によって還付することができないものとなります。
(2) 利息相当額
還付不能額に係る利息に相当する金額をいい、各年度の法定納期限(後期高齢者医療保険料及び介護保険料にあっては、各年度の普通徴収の納期のうち最も早く到来する納期の納期限。以下「法定納期限等」といいます。)の翌日から起算して本件特別返還金の支給を決定した日までの期間の日数に応じ、各年度の還付不能額に年7.3%の割合(租税特別措置法第93条に規定する各年の特例基準割合が年7.3%に満たない場合は、その年中においては、当該特例基準割合(0.1%未満の端数切捨て)。以下同じ。)を乗じた金額となります。
(3) 支給対象者
保険年金所得を有することにより還付不能額に相当する額の市民税等を納付した納税(納付)義務者(当該還付不能額の算定における課税標準となる総所得金額等に保険年金所得が含まれていない者及び当市に課税資料が保存されていない年度分について、当該各年度の市民税等の全てを納付していない者を除きます。)又はその相続人(包括受遺者を含みます。)
(4) 手続
支給対象者は、本件特別返還金の支給を受けようとするときは、本件各要綱の施行の日(平成23年12月20日)から平成25年3月31日までの間に請求書を提出し、市長は、当該請求書の提出があったときは、本件特別返還金の支給額を決定し、又はその支給をしない旨の決定をするとともに、請求者に通知します。3 事前照会者の求める見解となることの理由
(1) 還付不能額
還付不能額は、市民税等のうち地方税法等の規定では還付することができない過誤納金に相当する額について、市民税等そのものの返還としてではなく、条例に基づく給付金として支給するものであることから、支給対象者の所得を構成するものです。
しかし、当該還付不能額は、支給対象者が受けた不利益をすることを目的とするものであり、また、市民税等を多く納め過ぎたことにより生じた納税(納付)義務者等の財産的な損害に対する一種の損害賠償金的な性質を有するものです。
このような還付不能額の支給目的、性質からすると、当該還付不能額については、所得税法第9条第1項第17号及び同法施行令第30条に規定する資産に加えられた損害につき支払を受ける損害賠償金その他これに類するものとして、非課税所得になると考えます。
(2) 利息相当額
利息相当額は、損害賠償金的な性質を有する還付不能額に7.3%の割合を乗じた金額を支給するものであり、また、還付不能額に係る一種の遅延利息ないし逸失利益のとしての性質を有するものです。
そのため、所得税法に規定する非課税所得には該当しません。
そして、市民税等の法定納期限等の翌日から本件特別返還金の支給決定日までの期間の日数に応じた金額が支給されることからすると、その所得源泉には継続性があり、対価性のない一時の所得である一時所得にも該当しないことから(利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得にも該当しません。)、支給決定通知のあった日の属する年分の雑所得に該当すると考えます。
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